新被害者と新加害者の関係性 廊下にて-1
「へえ、別に裕福な家庭ってわけでもないんだな」
「うん、そうなんだよ」
つい昨日転校してきた信と会話していると、意外な事実が分かった。
いや、こっちが勝手に思い込んでいただけか?
あのとんでもお嬢様と知り合いだから、結構な家柄かと思いきや、なんてことはない、俺たちと大差ないようだ。
だが、あのお嬢様は本物の金持ちのようで、親がホテルをいくつか経営しているとか。
「親同士が友達みたいでね、住んでたところは離れてたんだけど、去年宵夜ちゃんのお父さんの開いたパーティーに参加した時に知り合ったんだ」
「パーティー?!次元が違うわ・・・」
「ははは・・・その時になぜか気に入られちゃってね・・・」
「その通りですわー!!」
「この声は・・・」
声のした方を振り向くと、あのお嬢様、新成宵夜がいた・・・腰を振りながら。
「そこで信様を初めて見た時、キュンッときましたのよ、下の方が!!」フリフリ!!
「言ってることあいつらと一緒だなおいっ?!てかなんで腰振ってんだよっ!?」
「ダンスですわ、これも淑女の嗜みでしてよ?」フリフリ!!
「それにしては結構激しめに振ってない・・・?」
「それは信様との夜のベッドでカーニバルするためですわー!!」フリフリ!!ヘコヘコ!!
「うん、夜のカーニバルはしないし、なぜとは言わないけど腰を縦に振るのはやめようね?」
「それは信様が動いてくださると言う事ですわね?さあ、いらしてっ!!」フリフリ!!
「穏便にすませようとしてるのに悪化しちゃってるよ!?」
「おビンビン?!信様の信様がおビンビンですのー!?」フリフリ!!
「ねえ鉄風くん助けてくれない?」
「無茶言うな」
「いい国作ろうバックで挿れて!!鳴くよ私ベッド上ー!!」フリフリ!!
「ほら、早く何とかしないと取り返しのつかない事に・・・」
「知るか」
新被害者と新加害者の関係性 廊下にて-2
「ところで信様、本日は一緒に帰りませんこと?」フリフリ!!
「・・・うん・・・気持ちだけ受け取っておくよ」
「まあまあそう言わずに」フリフリ!!
そう言いながら腰を振りながらこちらに向かって前進してくる。
・・・いやおかしくね?何であんなに腰を振りながらなのに前進できるの?
「仕方ありませんわね・・・無理やりにでも一緒に帰ってもらいますわー!!」フリフリ!!ズシャァッ!!
「いぃっ?!」
「えぇっ?!」
急に走り出した新成に驚いて反射的に逃げるようにこちらも走る。
だからおかしくね?!何で全力で走りながら腰が振れるんだよ!?
「オーッホッホッホッ!!追いかけっこですわー!!」フリフリ!!ダダダッ
「腰を振りながら追いかけてくるなよっ?!何か気持ち悪いんだよっ!!」ダダダッ
「まあ赤坂さんったら酷い言いようですわねっ!!」フリフリ!!ダダダッ
「・・・確かにちょっと気持ち悪いかも・・・」ダダダッ
「信様もっと罵ってくださいましぃー!!///」ハァハァ///フリフリ!!ダダダッ
「何で僕の時だけ反応が違うかなぁ?!」ダダダッ
「それは濡れたからですわー!!」フリフリ!!ダダダッ
「うるせええええええええええぇぇぇっ!!!!」ダダダッ
「オーッホッホッホッ!!オーッホッホッホッほぉあっ?!」グキャッ!!
「あ」
「あ」
今、いい音したな。
「オッフゥ・・・腰が・・・腰が・・・ヤバすですの・・・」プルプル
腰を思いっきり痛めたんだろう、新成はその場にうずくまってしまった。
「ちょっ?!宵夜ちゃん大丈夫!?」
「し、信様、肩を貸して・・・いただけ・・・」
「わかったから無理しないで、ほら」
そう言って信が新成に近づいた瞬間、俺は自分の目を疑った。
「せいっ!!」
「えっ?!」
ズダンッ!!
「オーッホッホッホッ!!ついに信様を捕獲しましたわー!!」
あいつ・・・演技だったのか・・・
肩を貸そうとした一瞬のスキをついて信を引き倒し、足で胴体を挟み込んでいた。
「これぞ伝家の宝刀、カニばさみでしてよー!!」
「ちょっ?!一体何なのっ!?」
「もちろん信様を美味しく頂くに決まってますわー!!」
「嫌だよっ!?」
「全否定ですわー!!でも・・・信様に否定されると言い知れぬ興奮が・・・///」
「何それ気持ち悪いよっ!?」
「えんっ!!!!///・・・・・・ふぅ・・・」ピクピク
「・・・え?」
「さあ信様お覚悟ー!!」
「ねえちょっと待ってっ?!さっきの一瞬の間は何!?」
「年貢の納め時ですわー!!」
「質問に答えてくれる!?」
「私の中に信様のミルクを納めるんですのよー!!」
「そんなこと聞いてないよ!?」
「聞いてないのでしたら、体でわからせるまでですわー!!」
「わけわかんないよっ!?こうなったら・・・宵夜ちゃん、目を覚ましてっ!!」
ドゴォッ!!!!
「げぼぉらぁっ!!!???」
ズシャァァァァァァァァァァ!!!!
本格的にヤバくなったら助けようかと思っていたら、まさかの信の全力パンチが新成のアゴをとらえていた。
細身の体に似合わずかなりの威力で、カニばさみで組み付かれていた新成が何メートルか吹き飛んだ。
「・・・あっ、やりすぎた?!」
「・・・こ・・・このパンチは・・・」
「宵夜ちゃん大丈夫!?」
「・・・信様」
「な・・・何かな・・・?」
新成は倒れていた体勢から何事もなかったかのように立ち上がり、俺たちのいる方向とは逆に向かって歩き出した。
「ど・・・どうしたの?」
「すみません信様、私が間違っていました」
「あ・・・うん、わかってくれたらいいんだ。こっちこそ手を出してごめん」
「殴られるのは痛みではなく快感だったのですね」
「うん、何もわかってないね」