かわいそうな被害者たち   作:豪次郎

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第二話 被害者の日常

被害者の日常 日常会話にて-1

 

 

 

「う~ん・・・」

 

「ん?」

 

成香のやつ、珍しく悩んでるな。

しかもかなり真剣に。何か大きな悩みが・・・?

声をかけようか迷っていると、ふと顔を上げた成香と目が合った。

 

「あ、鉄風、ちょうどいいところに」

 

「何か悩んでたみたいだけどどうしたんだ?」

 

「うん、最近ニュースを見て思うんだけどね、横文字の略称が多いなって思ってさ」

 

「確かにそうだな」

 

「でね、昨日のニュースでDV?って略称が出てたんだ、何の略だろうね?」

 

どんな重要な事で悩んでいるかと思えばそんなことか。

DVだからドメスティック・バイオレンスだな。

 

「う~ん・・・あっ!わかったっ!!ダッ〇ワイフ・バイオレンスだっ!!」

 

「んなわけあるかぁ!!どんだけ意気地のないバイオレンスだぁぁぁ!!」

 

「え?違うの?」

 

「それが正解だと信じるお前が信じられん」

 

「むぅ、そこまで言わなくてもいいじゃんっ!!」

 

「言われたくないならまともに答えろ」

 

成香は再び考え込むが、どうもろくでもないことを考えているようにしか思えん・・・

頼むからまともな答えを・・・

 

「え~っと・・・あっ!今度こそわかったっ!!ダブル・バ〇ブだっ!!」

 

「ちげぇぇぇぇぇぇぇっ!!物になってるじゃねぇかっ!!バイオレンスどこ行ったのバイオレンスっ?!」

 

「え?バイオレンスは合ってたの?」

 

「合ってたよっ!!それをお前が最悪な物に変えちまったよっ!!」

 

「難しいなぁ~・・・あっ!」

 

「今度は大丈夫だろうな?」

 

「今度は大丈夫だよっ!!」

 

「なら言ってみろよ」

 

「ダブルバ〇ブ・バイオレンスッ!!」どやぁ

 

「足しただけじゃねぇかあああああああぁぁぁっ!!!!しかも何気に恐ろしいバイオレンスだなおいっ!!」

 

「これも違うの?じゃあわからない」

 

「お前の頭の中はエロ道具だけかよっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

被害者の日常 日常会話にて-2

 

 

 

「そっ、そんなわけなじゃんっ!!」

 

「じゃあ他には?」

 

「ち〇びコリ・・・」

 

「それ以上言わせねぇよぉっ?!君本当そのネタ好きだねっ!?」

 

「えへへ、それほどでも・・・///」(/ω\)テレ

 

「褒めてねぇよっ!!」

 

ツッコミのし過ぎで大きく肩で息をする。

くそっ、こいつにかまってるとものすごく疲れる・・・!!

何とか息を整えようとしている俺の顔を成香は不思議そうに見てきた。

 

「鉄風、何いきりたってるの?」

 

「お前のせいだろうが・・・!!」

 

「えっ?!私が鉄風をいきり勃たせたのっ!?」

 

「ん~、何か違くない?漢字とか漢字とか漢字とか!!」

 

「違う?感じっ?!私がいきり勃たせたせいで感じてるのっ!?」

 

「もうヤダあああああぁぁぁっ!!こいつとまともな会話できないっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

被害者の日常 帰り道にて-1

 

 

 

「お?しばらく見ない間に大きな工場立ってる」

 

「しばらく空き地だったよね?本当、立派にそそり勃ってるね!!」

 

「え?何?そのネタまだ引きずるの?」

 

「え?ネタって何さ?」

 

「いや、もういいです・・・」

 

聞いた俺がバカだった。

 

「・・・あっ、ねえ、あれって・・・」

 

成香の視線の先には荷物を運ぼうとしている機械があった。

 

「ん?フォークリフトだろ?荷物運ぶやつ」

 

「詳しいね鉄風」

 

「テレビでやってたんだよ」

 

「ふ~ん。あの二本の板みたいなのが上下に動いて物を持ち上げるんだ」

 

「そうだな、ほら、ああやって」

 

俺の指さす先で、フォークリフトが荷物を持ち上げていた。

 

「すごい力!!人なんか簡単に持ち上がるね」

 

「だろうな」

 

「動いてる間もガタガタ揺れてるね」

 

「そりゃ多少は揺れるだろ」

 

「・・・ねえ鉄風」

 

「何だよ?」

 

「あのフォークリフトの板みたいなのを跨ぐように立ってそのまま持ち上げてもらって、揺れを感じながら運んでもらうっていうのはどう?」

 

「何がっ!?何がどうなのっ?!殺す気か貴様ぁっ!!」

 

「大丈夫だよっ!!新しい扉が開かれて目覚めるかも知れないよ?」

 

「目が覚めるどころか永眠するわっ!!」

 

 

 

 

 

 

 

被害者の日常 帰り道にて-2

 

 

 

「あっ!!そうだゲーセン行こうよ!!」

 

「やだこの子切り替え早すぎぃ?!」

 

「何言ってるの?早くいこうよ!!」

 

グイッ

 

「ちょっ、待てよ?!」

 

成香に右手を摑まれ、強引に引っ張られる。

そのまま駆け出す成香に必死について行き、ゲーセンまでたどり着いた。

 

「とうちゃ~くっ!!」

 

「いきなり走るなよ?!こけるだろうが!!」

 

「えへへ、ごめんね?だって鉄風といるの楽しいんだもん♪」

 

屈託のない笑顔でそう答える成香に何も言えなくたった。

・・・まあ、俺も一緒にいるの楽しいし?・・・下ネタがなければ・・・

 

「鉄風、あれやろうよあれ!」

 

成香の指さす先には人気格闘ゲームがあった。

 

「ほう、と言うことは・・・」

 

「この前の決着をつけようよ・・・」

 

互いに不敵な笑みを浮かべ、ゲーム筐体備え付けの椅子に座った。

そしてコインを入れ、運命の時を迎える。

 

「それそれそれ!!」

 

「なっ!?こいつハメ技をっ?!」

 

「へへへ、やったね!」

 

開始数秒で成香の操るキャラクターのハメ技をくらい、負けてしまう。

 

「お前、ハメ技なんか使いやがって・・・」

 

「ハメ技?使ってないよ?」

 

「いや使っただろ?」

 

「使ってないってば」

 

「この野郎・・・さっきのはコンボとでも言うのか?」

 

「そりゃそうだよ!!だって女の子が使う男の子へのハメ技なんて、騎〇位くらいしかないよ!!」

 

「いきなり何の話だぁぁぁっ?!俺は格ゲーの話をしてるんだぞ!?」

 

「格闘技だよね!!夜の!!!!」

 

「ちげぇよっ!!どこに話飛んでんだよっ!!」

 

「そりゃあ、ベッドでハメまくってたらトんじゃうよね」

 

「何で格ゲーの話からこうなったんだぁぁぁっ!!!!」

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