初めてお会いしたのは今から10年ほど前。
八百万家主催の会食パーティーでした。
当時急成長中だった『バンダイ・コーポレーション』もその時呼ばれることとなっていました。
その日のパーティーには、私の同年代の方があまりおらず、大人たちに囲まれていました。
正直言って、当時の私はその空間にいる事に辛さを感じていました。
彼に会うまでは……
ムシャムシャッガツガツッゴクゴクッサクサクッ
八百万(幼少)「……………。」
万代(幼少)「クゥゥゥゥゥゥッッンンマァ〜〜〜〜イィッ!!」
最初に彼を見た時の印象は『お行儀が悪い人』でした。
料理を貪り、ドリンクをこれでもかと言うほどの量を飲むその姿は、蛮族のソレでした。
流星「ちょぉ!?斗真!もうちょっとお行儀良く食え!?」
菜夢鼓「斗真!!マナーが悪いわよ!!」
万代(幼少)「だって!こうやって馬鹿食いするくらいしか面白ぇ事がないんだよぉ!!」
八百万(幼少)「! ………少し宜しいですか?」
菜夢鼓「えっ?まぁっ!!」
流星「!! き、君は………!!?」
八百万(幼少)「彼と少しお話ししたいのですが、構いませんか?」
万代夫婦「ど、どうぞどうぞ!!!」
なぜ、彼と話しがしたかったのかは、正直に言うと分かりませんでした。
しかし、彼も自分と同じで大人たちに囲まれている空間にいる事が辛いのでは、という一種の仲間意識が芽生えた気がしたのは確かな事でした。
八百万(幼少)「あの……、宜しいですか?」
万代(幼少)「んあ?…………なんだぁ、テメェ?」
流星「コラ!斗真!!その子はこのパーティーの主催者の八百万さんの御令嬢様だぞ!!」
菜夢鼓「失礼でしょ!?謝りなさい!!」
万代(幼少)「んえぇ〜。んなこと言ったって、八百万だか八百屋ズだか、俺はそんなん子供だから知らねぇし興味もねぇし……。」
八百万(幼少)「! ……フフッ…。」
万代夫婦「!!」
万代(幼少)「? どしたぁ?情緒不安定か?」
あの時、彼の言葉を聞いてつい笑ってしまいました。主催者である八百万家にここまで興味を示さないうえに、今もまた次の料理に手を出そうとしている様子は、まさに『自由奔放・豪快』を体現したものでした。
八百万(幼少)「……ンン…、すみません。…私は八百万百と申します。貴方のお名前は?」
万代(幼少)「エ、オレ?(ナランチャ)
俺は万代斗真!!よろしくな!!モモモ!!」
八百万(幼少)「……百です。」
それから私は彼と色んな話をしました。家庭事情、友人の有無、そして将来の夢……。
そこで私は彼の大きな秘密を知ることになりました。
万代(幼少)「モモモ。俺はな、『ヒーロー』になりたいんだ。」
八百万(幼少)「そうなのですか?では、私と一緒ですわね!」
万代(幼少)「………一緒なんかじゃねぇよ。」
八百万(幼少)「……………えっ?」
万代(幼少)「………誰にも言うなよ?」
八百万(幼少)「……はい……。」
万代(幼少)「俺な……、〈無個性〉なんだ。」
八百万(幼少)「!!」
万代(幼少)「…俺は『無個性のヒーロー』になりたいって言ってるんだ。………馬鹿な話だろ?みんなが言うんだ。「〈無個性〉は『ヒーロー』にはなれない。」ってな。それでも『無個性のヒーロー』を目指す俺は、そんな奴らから見れば馬鹿な奴って思うのは当然だろ?」
そんな彼の話は、私の中に新たな考え方や価値観を作り出しました。そして、それと同時に『彼の夢を応援したい。』と言う想いも生じていたのです。
万代さんのあの時の言葉を聞いて、私は…………
八百万「斗真さん!!!!」
轟・切・オー「!?」
やっと着きましたわ!この様子だと………、本当に危険な状況だったようですわね…。
上鳴「おぉ…おい!?アレ、爆豪、生きてる……よな!?」
耳郎「……生きてなかったら、色々とまずいと思うんだけど……。」
八百万「……………斗真さん。」
斗真(殺意)「『…………URRRU』」
ブンッ
ドサァッ……
爆豪「………カハッ!?ゲホッエホッ!!!!」
切島「!! ば、爆豪!!」
斗真(殺意)「『GRRUOOOOO…………』」ザッ……ザッ……
斗真さんは、爆豪さんを投げ捨て、こちらに歩いて来ました。
上鳴「ッ!! おい!ヤオモモ!!」
耳郎「な、なんかこっち来てない?」
八百万「…………皆さん!手は出さないでくださいまし!私が説得してみます!!」
轟「!」
切島「なっ!?おい!?正気かよ!?」
耳郎「や、ヤオモモ!!やめときなって!!」
上鳴「今のアイツに説得なんて出来るわきゃないだろう!!?」
斗真(殺意)「『GUUUU………WOOOOO!!!!!』」
斗真さんが吠えた次の瞬間、斗真さんは尋常ではないほどの跳躍で空を飛んでいました。
上鳴「!! ヤオモモ!!マジでヤベェって!!逃げろ!!!!」
轟「ッ!!」
切島「ヤオモモ!!
爆豪「グッ!!」 !!爆豪!!」
オールマイト「クッ!八百万少女!!」
皆さんが、『逃げろ』と、『危ない』と言っていますが、私は絶対に逃げません。
もし、ここで逃げたら、『もう二度と斗真さんと会えなくなる』かもしれないから!!
八百万「ッ!!!」
私は覚悟を決めて、その場を離れず、立ち続けました。
斗真(殺意)「『!!!!』」
シュタッ!!
斗真(殺意) クルッ「『………GURRRU………?』」
斗真さんは、私から大分逸れた場所に着地し、まるで「どうして?」と言うように唸り、こちらを見ていました。
上鳴「………い、今、攻撃しなかった……よな?」
耳郎「攻撃しようとしてたけど……、『直前でやめた』?」
斗真(殺意)「『GRRRUOO………………。』」
ザッ…ザッ…ザッ…
斗真さんが近づいてきました。それも、先程の荒々しさとは違って、大人しく、ゆっくりと…。
上鳴「!! や、ヤオモモ!!来るぞ!?」
耳郎「ヤオモモ!!」
轟「何するつもりだ…!万代!」
切島「もうやめろ!!万代!!もうこれ以上暴れんじゃねぇ!!」
斗真(殺意)「『……………GURRRRRRRAH!!!!』」
斗真さんが突然取り乱したかのように唸りだし、そして……
ガブッ!!!!
私の腕に噛みついてきました。
八百万「ッツ!!」
上・耳「ヤオモモッッ!!!!」
轟「!!」
切島「ば、万代!!お前ぇ!!」
八百万「皆さん!!動かないでッッッ!!!!!!」
「!???」
痛い…。すごく痛い……。振り払いたいほどに………。でも、私は、絶対に逃げません!!
八百万「………………斗真さん。」
斗真(殺意)「『URRRRRRRRRR……!!』」
彼の顔は、変身しているせいで、どんな顔をしているか分かりません。
けど、何故か分かるのです。
彼の顔は、今、かつて私に全てを打ち明けた時の、辛そうな顔をしている……と。
……彼はきっと覚えていないのでしょうけれど、私はあの時と同じように
彼を抱きしめた。
斗真(殺意)「『!!!!!!』」
八百万「大丈夫…。大丈夫……。もう、怖くありませんわ。」
斗真(殺意)「『…………………。』」
八百万「……辛かったんですよね?『化け物だ』って、『怪物だ』って言われて……。」
斗真(殺意)「『……………………。』」
上鳴「………あっ…。」
耳郎「ッ。」
切島「!!」
轟「……。」
八百万「……怖かったんですよね?また『ひとりぼっち』になってしまうのが……。」
斗真(殺意)「『………………。』」
八百万「大丈夫です。……たとえ、周りが貴方を見捨てても、貴方を蔑んでいても……
私は絶対に、貴方の味方で居続けますから………。
」
斗真(?)「UOO……ウゥ……ウゥゥ………。」ポロポロ
斗真さんの目から大粒の涙が零れはじめ、いつしか私の腕に噛み付くのをやめていました。
ベルト『RELIEF MODE [NEON GENESIS ]…』
ベルトから音声が流れた後、私たちの周り……いえ、USJ全体が光に包まれ、光が消えるとUSJにあった破壊痕だけでなく、私の腕の傷や、倒れていたオールマイトも、先程の傷が完璧に治っていました。
そして、私に抱きつかれ、安らかに眠っている斗真さんがいました。
オールマイト「……こ、これは………。」
切島「万代が………、やった………のか?」
轟「(……左が……、使える…。)」
爆豪「……ッッ……ッツ……。」
切島「爆豪!大丈夫か!?」
爆豪「るっせ!クソ髪!!平気だわ!!」
耳郎「ねぇ……、あれ……。」
上鳴「お……、おぉ………。」
後に、この激闘の結末を見た者はこう語る……。
「『聖女』が奇跡を起こしたのだ。」と。
頑張ればUA10000いくな?これ……。
頑張れば…………ね?