湖の求道者   作:たけのこの里派

31 / 52
第十八夜 汚染

「先ず聖杯の異常を説明するのには、この冬木の聖杯戦争の仕組みを説明しなければならない」

「仕組み?」

 

 時計塔で生徒として教えを受けた身であるウェイバーは生徒としての性か、説明をするエレインに反射的に質問してしまう。

 

「大前提として訂正すべき事実として言っておく。この冬木に於ける聖杯戦争とは、召喚した七人のサーヴァント全ての魂を使って根源の渦へ到達する為の魔術儀式(試み)だ」

「────────ッッ!?」

 

 恐らく魔術の知識がほぼ無く、魔術師ですら無い氷室以外の面々に衝撃が走った。

 

「英霊の魂を使って……」

「根源の渦へ到達……!?」

 

 魔術師にとって根源の渦への到達は、一族だけでなくあらゆる魔術師の悲願そのもの。

 魔術師が容易く聞き逃して良い単語ではない。

 そしてそれはサーヴァントとて同様。

 それは「お前達は生け贄である」と言われたも同然なのだから。

 

「英霊の魂を使って、とはどういう事だ?」

「曰く、英雄は死した後に世界の外側に存在する英霊の座に召し上げられるとされる。その座の記録を元に魂の複製を作り上げ召喚し、聖杯に蓄積した後に座に戻らんとする働きを利用して世界の外側へと孔を穿つそうだ」

「待てプレストーン! 何故それを知っている!?」

 

 エレインはアッサリと言い放つが、そもそもそれは御三家秘中の秘。

 時臣の叫びに、黙っているアイリスフィールも声を大にして言いたかった。

 彼女が叫ばずに居られたのは、会合初日に最重要機密である娘の存在をエレインが認知していたことを知っていたからだ。

 確かに聖杯戦争の真実も機密であるが、イリヤスフィール程ではなかった。

 

 勿論部外の人間が知って良い情報ではないと、時臣の叫びに内心強く同意するが────

 

「他人に己の情報源を口にする馬鹿がいるか。それ以前に、私達に気を取られている暇はお前には無い筈だが? 根源への到達が目的のマスター?」

「────」

 

 エレインは半ば笑いながら嫌らしく視線を横にずらしつつ、時臣の問いを切り捨てる。

 そしてその視線の先に気付いた時臣は、彼女の視線をゆっくりと震えながら追う。

 

 その先には自身のサーヴァントが、変わらぬ笑みを浮かべていた。

 

「お、王よッ……私は────」

「成る程。令呪とはサーヴァントを制御するだけでなく、最終的に自害させるためのモノですか」

「ッッ……!!」

 

 語るに及ばす。

 時臣は俯きながら、焦りに流れる汗と共に足元が崩れる錯覚に陥った。

 

 エレインは七人の英霊の魂と言った。

 それは即ち、アーチャーが口にした通り己のサーヴァントさえ自害させる事も必要であることを意味している。

 時臣は始めからギルガメッシュを裏切るつもりであった事と同義だ。

 裏切り者に、王たる者が何をするかなど、時臣には解りきっていた。

 だが、

 

「あぁ、大丈夫ですよ時臣さん。今は別に、ボクは貴方を殺すつもりはありませんから」

「……はッ?」

 

 死を覚悟した時臣は、己の死が訪れない言葉に反応が遅れる。

 思わず弾かれるように俯いた顔を上げ────絶句した。

 

「ホラ。これで、後ろめたく思う必要も無いでしょう?」

「な……はッ……!?」

 

 アーチャーの美しい手の甲に、時臣に刻まれている筈の令呪が在った。

 そして、当の時臣にある筈の令呪は姿を消していた。

 

「私の、令呪を……」

「先に言っておきますが、勿論令呪を無効化する宝具もあります。ご安心ください」

「────────」

 

 それは当然の帰結だった。

 ありとあらゆる技術が納められている宝物庫。

 サーヴァントに絶対の命令を与える技術(魔術)があるのなら、それを封じ、奪う技術(宝具)があるのが道理。

 

 強いサーヴァントを召喚すれば聖杯戦争に勝てる。

 そんな机上の空論は、令呪ごときで最強のサーヴァントを御しきれる訳がないという当たり前の帰結によって破綻した。

 

 そんな時臣の様子を尻目に、ライダーがエレインに質問する。

 

「ふむ、なぁランサーのマスターよ。この戦争の聖杯とやらは結局の処、余の願いを叶えることが出来るのか?」

「本来ならば可能だ。まずこの戦争には聖杯が二つ存在する。一つは舞台装置としての、聖杯戦争を司る大聖杯。もう一つは英霊の魂を納める為の器となる、云わば賞品用の小聖杯だ」

 

 大聖杯。

 円蔵山がその内部に擁する大空洞に敷設された魔法陣で、冬木の土地を聖杯降霊に適した霊地に整えていく機能を持つ、超抜級の魔術炉心。

 その正体は200年前に始まりの御三家により敷設され、その術式は冬の聖女ユスティーツァ・リズライヒ・フォン・アインツベルンの魔術回路を拡張・増幅したもの。

 マスターに令呪を配布したり、サーヴァントの召喚の大半はこの大聖杯が行うことだ。

 正しく、アインツベルンの技術の結晶だろう。

 

 対する小聖杯は、根源に通じる孔を開ける手段として、サーヴァントの魂を一時的に留めておく器。

 英霊の魂が聖人の血であるならば、霊長最強(英霊)の魂を受け止める小聖杯は正しく聖なる杯と呼べるだろう。

 

「この小聖杯にはあまりにも莫大な比重の魂を納める機能以外に、副産物として『過程を省略して結果に導く』というものがある。サーヴァント六体分の魂があれば、世界の内側の範囲なら間違いなく万能と呼べるだろう。故に、万能の願望器云々については、まぁ間違っている訳でない。正しくもないがな」

 

 無論、受肉など容易い。

 だが、ライダーの顔色に喜色は見られない。

 そして、それをルーラーも気付いた。

 

「……本来は?」

「そう、ソレがこの集会の本題。今回の大聖杯には異常が生じている。反英雄たるソコの叛逆者の存在がその証明だ」

 

 本来サーヴァントはアサシンクラスを除き、正当な英霊しか召喚出来ない。

 「悪を行い人々に呪われながら、結果的にその諸行が人々の救いとなり奉じられた英霊」、悪を以て善を明確にするもの、それが反英雄だ。

 そんな彼等が召喚されることは、アサシンという名そのものを触媒とした歴代のハサン・サッバーハ以外あり得ない。

 しかし、この場には明らかに反英雄であるモードレッドが存在している。

 これは本来、この冬木の聖杯戦争に於いて在ってはならない事態なのだ。

 そしてエレインは、その原因を告げる。

 

「事の発端は前回の戦争で、アインツベルンがルール違反によって召喚したサーヴァントだ」

 

 第三次聖杯戦争。

 アインツベルンは二度の失敗に痺れを切らし、反則を行った。

 『殺すことだけに特化した英霊』を求めて。

 

「召喚したサーヴァントの真名は────『この世全ての悪(アンリ・マユ)』」

 

 反英雄の極致であり、人類最古の善悪二元論と言われる拝火教に伝わる悪魔の王にして絶対悪の化身である。

 

「馬鹿な! あり得ない!!」

 

 遠坂時臣が叫びを上げて胸中を吐き出した。

 何故ならこの冬木の聖杯戦争で神霊は召喚できないが故に。

 絶対の悪神など聖杯で召喚できるなら、そもそも戦争など起こしていない。

 かの聖者を召喚して幾らでも本物の聖杯を創って貰えば事足りる。

 

「その通り。召喚したサーヴァントはエクストラクラスではあったものの、神霊処か英霊ですらないただの亡霊だった」

 

 村人たちから『悪で在れ』と望まれ、理不尽に生け贄に捧げられた哀れな青年。

 周囲の『悪』を一身に押し付けられ、それ故に周囲を救った反英雄。

 

「ユーブスタクハイト───机上の空論しか立てられないオートマトンにアインツベルンを管理させたのが間違いだったな」

 

 アインツベルン八代目当主、ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルン。

 城を動かし、第三魔法を再現するものとしての人間端末。

 人間のふりをさせたゴーレムの限界であった。

 

 その結果召喚された『この世全ての悪(アンリ・マユ)』は宝具やスキルなど一切所持していなかった。

 自称最弱の英霊。

 それが三度目の戦争で、アインツベルンが召喚してしまったサーヴァントだった。

 

「まぁ神霊を英霊として召喚する事は不可能じゃないが、何故当時のアインツベルンは英霊に落とし様が無い悪神など召喚しようとしたのか」

 

 ケイローンやメドゥーサを筆頭に、サーヴァントとして神霊の霊格を落としたり側面のみを抽出した召喚は可能だが、善神なら兎も角何故よりにもよって絶対の悪神を召喚したのか。

 仮に神霊としての力を有した状態で召喚できたとして、令呪がどれだけ必要になるのか。

 そもそも令呪が通用するのか。

 

「そこはアイリスフィール、お前達は災難だとしか言えないなぁ。先代のツケを押し付けられ、しかもそれを教えてすら貰えないなど。マキリの翁程ではないにしろ、当初の目的が変質しているな」

 

 かつて御三家の内、マキリとアインツベルンが第三魔法(聖杯)に見出だした希望。 

 『悪の根絶』という正義の志は時間の流れと共に変わってしまった。

 間桐臓硯は一族の衰えを否定し、その悲願を叶えるために蟲に身体を移したが、今や目的と手段が逆転し外道と成り果てた。

 アインツベルンは当初の悲願から、時を経て「この聖杯戦争自体が第三魔法の再現も兼ねているので、優勝して儀式を完遂させ『アインツベルンの手で第三魔法を再現出来た』と言える段階に達すればそれで良い」と最低ラインを下げた。

 故にどのような形であろうと第三魔法を成就させることだけを目的としてしまっている。

 

「汚染された聖杯では────そうだな。例えば恒久的な世界平和など願えば、全人類の絶滅という手段を取るだろう。まあ、世の中の『争い』の元凶とも言える、人類が居なくなれば、結果争いが無くなるのだから間違ってはいないだろう。無論本末転倒だがな」

「そん、な────」

 

 絶対の悪性に汚染された聖杯に、人類の救済など任せればどうなるか───結果は正しく最悪。

 争いを止めたいが為に、血を流すこと無く人を救いたいが為に聖杯という奇跡に縋ったというのに、その奇跡が失われていた。

 アイリスフィールは目の前が真っ暗になった様な錯覚に陥る。

 何せ己の存在理由が失われていたのだ。

 勿論、聖杯としての話だが、この話を聴いているであろう夫はどれほどの絶望を抱いているのか。 

 

「現在聖杯は、捧げられた願い全てを破壊的な過程でしか叶えられない欠陥品だ。しかも聖杯に満ちる力を養分に現界すら行おうとしている。その証拠は、既に渡してあるだろう? 監督役」

「────あの、泥がそうだというのか」

 

 最高純度の呪いという、存在すること自体が悍ましい災厄の具現を思い出した言峰璃正は呆然と呟く。

 それは、この集まりの証拠として先に提出していた物品。

 

「あれを取り出すのは苦労したぞ? 泥だけなら大聖杯に幾らでもこびり付いていたが、触れるだけで人を呪う。だからと云ってランサーに手伝って貰うわけにもイカン。何せサーヴァントは格好の餌だ。あの泥はサーヴァントにとって最悪の天敵だろうよ」

 

 元々サーヴァントを分解する機能を聖杯は持っていたのだ。

 一度本体に呑まれれば、サーヴァントである以上英雄王ですら出てこれるか解らない。

 

 そんな事実に、老人は頭を抱えるしかなかった。

 

 聖杯戦争に携わって来た者として、彼も他人事では済まない。

 何せ六十年前の第三次聖杯戦争でも、己が監督役としてこの冬木に居たのだから。

 

「アインツベルンというよりユーブスタクハイトが元凶だが、他の御三家も同罪だな。何せ汚染された聖杯の在る冬木に居ながら私に言われるまで気付きもしなかったからな」

 

 責任の所在を論じるのは無意味だと、先にエレインが釘を刺す。

 

 そもそもの原因を作ったアインツベルンだが、彼等の拠点は冬木から遠く離れたドイツの山奥。

 そういう意味なら冬木を拠点にしている間桐や、何よりセカンドオーナーたる遠坂にも責任がある。

 何のための魔術協会から任された管理者だ。

 

 痛恨。そんな表情の時臣や悲痛に沈むアイリスフィールを見て、ライダーは頭を掻く。

 

「まぁ、そんなトコだろうとは思っとったがなぁ」

「何だよお前、この状況を予測してたってのか」

 

 ウェイバーは主催者と監督役が頭を抱える光景を見る。

 

「どんな願いも叶う聖杯────胡散臭いと思わんのか?」

 

 上手い話には裏がある。

 それは道理であった。

 

 優秀な魔術師が苦しむのは内心愉快だが、己が当事者になっていると何とも言えない。

 正確には助手なのだが、師事しているケイネスも御三家の仕掛けた撒き餌に引っ掛かった外部のマスターである。

 

 極論サーヴァントを召喚さえしてしまえば、マスターの役割など無い。

 精々神秘の漏洩を防ぐための制御装置程度だろうか。

 万能の願望器、魔術師の格を競うなどの御題目は外部から残りのマスターの数を集める撒き餌に過ぎない。

 

 サーヴァントも外部のマスターも、御三家の思惑に見事に嵌まっていたのだ。

 しかしそんな御三家も頭を抱えている。

 これが魔術師の末路なのかと。

 

「だが、エレイン姫」

 

 そんな絶望的な状況で、セイバーは揺らがなかった。

 そしてそれは、静かに黙っているケイネスも同様。

 

 それはここまで聖杯戦争を翻弄してきたエレインの実績に対する、信頼であった。

 

「それを知りながら聖杯戦争に参加したというのなら、ある筈でしょう」

「ふむ、では仰々しく勿体振って語らせて貰おうか」

 

 

 ────打開策を。

 

 

 

 

 

 

 

 

第十八夜 汚染

 

 

 

 

 

 

 

 

「汚染された聖杯に対する対処は幾つかある。一つは超一流の魔術師のサーヴァントに使用させること」

 

 並行世界に於いて、第五次聖杯戦争で召喚されたキャスターのコルキスの王女メディアは、汚染された聖杯を完全に制御して己のマスターを蘇生させる事に成功した。

 彼女の魔術の腕は英霊の中でも五指に入る。

 この場合、人格面も含め最適任と言えるだろう。

 だが、生憎とキャスターのサーヴァントらしき存在は姿を見せず。

 

「ルーラー、あの黒ローブのサーヴァントの真名からクラスを割り出せるか? 別に真名を教えろとは言わん」

「……」

 

 真名看破。

 直接遭遇したサーヴァントの真名・スキル・宝具などの全情報を即座に把握する、ルーラーのサーヴァントに与えられるクラススキルである。

 だが、

 

「申し訳ありませんが、かのサーヴァントの真名は読めませんでした。恐らく隠蔽宝具が原因だと思いますが……」

「そもそもキャスターでない可能性がある、か」

 

 肝心のキャスターが召喚されているかどうかも、今は怪しい。

 何せこの場にはエクストラクラス────復讐者のサーヴァントが存在する。

 

「あの黒ローブがキャスター……?」

「少なくとも狂戦士じゃなかったぜ。頭冷やせとぬかしやがった」

 

 直接対峙し、あしらわれたモードレッドが吐き捨てるように述べる。

 

「いや、会話可能=狂戦士ではないという構図は危険だ。バーサーカーでも狂化ランクが極端に低いか高い場合、意思疎通は兎も角会話は出来ないわけではない」

 

 例えば狂化ランクがE(最低値)の坂田金時。

 彼はバーサーカーとして召喚されても、正常な思考力を保っており意思疎通どころか普通に会話だってできる。

 逆に狂化ランクが高過ぎる例は、安珍・清姫伝説の清姫やスパルタクス等も会話だけなら可能ではある。

 尤も、意思疎通が出来るとは言っていないが。

 

「あの膂力、若しくは技量で魔術師……あり得るのかしら」

「仮に元々のサーヴァントが魔術と武術両方を極めていたとしても、クラスという枠組みに縛られる。あの動きから、キャスターと考えるのは難しいだろう」

 

 この冬木の聖杯戦争に於けるサーヴァントは全てクラスという制約を受ける。

 

 かのヘラクレスならキャスターを除く全てのクラス適正を持つが、実際に召喚でき本領を発揮できるのはその内の一つしかない。

 キャスター適正を持つランサーも、キャスターで召喚された場合に比べ扱えるルーン魔術のランクもAからBに落ちている。

 

 そもそも聖杯では英霊を完全に再現などできない。

 クラスによる枷を嵌め、側面のみの再現。

 それがアインツベルンの聖杯の限界なのだ。

 

 そして単純なステータスでは判明している中で最高数値を誇るモードレッドを軽くあしらい、投げ飛ばして強制的に戦線離脱をさせた。

 そんなサーヴァントが魔術師である筈がないという、当然の判断である。

 

 かなりの確率でキャスターが不在である。

 エレインの最初の案はほぼ不可能だ。

 

「二つ目は大聖杯を破壊すること」

「なッ!?」

 

 それは正しく最終手段である。

 成る程、問題の大元である大聖杯を破壊すれば、悪神は受肉することも出来ず消え去るしかない。

 

「大聖杯が汚染され、それ故に小聖杯が芋蔓式に汚染される。なら大聖杯を破壊して諸共に洗浄させる」

「だがそれはッ!」

 

 それは、聖杯戦争の終結を意味する。

 舞台装置たる大聖杯が破壊されれば、もう二度と聖杯戦争は出来なくなる。

 それだけは断じて認めるわけにはいかない。

 

「大聖杯が無くなればサーヴァントを現界する魔力はマスターに全負担される。今その負担を背負えるのはアインツベルンのホムンクルスか私、予想外だがギネヴィア────今は氷室だったか。それ位だな」

 

 そうなればサーヴァントの大半は自滅し、必然的に小聖杯に焚べられるだろう。

 聖杯は自動的に完成する。

 

「後は賭けだな。小聖杯が破壊された時にそうだった様に、大聖杯の魔力が小聖杯に移るか否か。もしかしたら汚泥が破壊されたのなら、小聖杯に移らないかも知れないぞ?」

 

 何分前例が無い。

 しかし賭けるにはリスクが高過ぎる賭けだ。

 万が一アンリマユが小聖杯に移った場合、その時点で人類を皆殺しにする能力を持った悪神が受肉する。

 故に、真の最後の手段であろう事は間違いがない。

 

「とまぁ以上が私の本命以外の次善策と最終手段だ。私の本命が気に入らない場合はこれを行いたまえ」

「本命以外……つまりこれらより良い方策があると?」

 

 ルーラーの問いに、この状況を待っていたと言わんばかりにエレインは笑みを作る。

 事実、この状態は彼女にとって勝ちに等しかった。 

 

「あぁ、そうだとも。私が提示できる最後の手段は────」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────────今回の聖杯を、私に譲れ。

 

 

 

 

 




ネギま!がうまく描けず、息抜きでこっちを描いてたら一話出来てしもうた。
まぁ本当は一話分を二話に分けないといけない量になったので内容的にはあんまり進んでません。説明会ですね。

最近知ったんですが、アハト翁ってオートマトンだったんですね。ホムンクルスと思ってました。

いつも感想ありがとうございます。
修正or加筆点は随時修正しますので、よろしければ誤字報告システムをご利用いただければありがたいです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。