湖の求道者   作:たけのこの里派

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……お、お気に入りが三話投稿時の五倍以上になっちょる……!?
あれ?自分卍解しました?

未熟で拙い当作品に非常に多くの評価を頂き、誠に有難う御座います。







らんすろ日記03

 ―――――――――――――――――――最初に『彼』と出会ったのは、戦場だった。

 

 私を王と認めない有力貴族とは違う、蛮族に襲われた民を守るべく、少ない騎士達で応戦するも、しかし数の暴力というものは残酷だ。

 如何に私が王の剣とその鞘を持っていても、民や騎士達はただの人。その暴虐に蹂躙される。

 その筈だった。

 

 そんな時に、『彼』は現れた。

 まるでお伽話の騎士のように颯爽と現れた『彼』は、まるで慣れた事のように謎に包まれた侵略者を討ち倒した。

 

 美しい相貌に、静かな湖を彷彿させる双眸。

 後に得るエクスカリバーと同等以上の美しい、芸術品のような見たこともない鮮やかな黒の剣。『彼』は刀と呼んでいたか。

 何よりも、その演舞を思わすような戦いに、見惚れた。

 

 『彼』を側近騎士に招き入れたのは、『彼』の力を求めた王としての私か。

 

 成る程、『彼』は常に私の味方だった。

 私を女と知った一部の騎士達が私を見下していたのは知っている。

 しかし『彼』は私が女と知っても尚、私に仕えてくれた。

 いや、思慮深い『彼』の事だ、そもそも初めから知っていたのかもしれない。

 

 蛮族との戦いのために、村一つ犠牲にした時、騎士達は私を批難した。

 なのに一人『彼』だけは私の為に怒ってくれた。

 『彼』だけが、私を王としてだけではなく、私の全てを見てくれた。

 その時私は、『彼』の姿にどう思った?

 

 流石、私の友? 最優の、最高の騎士だ?

 

 違う。違うだろう。

 

 『彼』そのものを側に置きたかったのは、『女』としての私ではなかったか──────?

 

 

 そして何時も想う。

 どうしてもっと、早くに気付いていれば、と。

 であればモードレッドは反逆(復讐)せず、ブリテンは滅びなかったのではなかったか。

 

 『彼』は良く言っていたではないか。

 人は、喪ってからではないと本当に大切なものには気付けない時がある、と。

 

 だというのに、なんたる体たらく。

 その答えに。王ではなく『女』として彼を、ランスロットを欲していたのに気付いたのは──────

 

 

 

 

 

 

 

 ──────戦場で、彼を目の前で喪った時だったではないか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◆◆◆

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ЦЦ月◆日

 

 紆余曲折の末に円卓入りしたのだが、アーサー王伝説の時系列がメダパニ状態なのが良く理解できた俺である。

 と言っても、俺はアーサー王伝説を殆ど知らないと言っても良い。

 精々伝説内でギネヴィア王妃がランスロットと浮気したのがバレて、その騒ぎの間にモードレッドが反抗期かましてブリテンが終わった程度にしか知らない。

 

 そしてこの世界は、アーサー王が女体化してアホ毛晒して青を基調にした騎士甲冑着てる時点で、型月世界決定してるので、まだ円卓にいないモードレッドが王様のクローンなのやガウェインが爽やかイケメンの癖にオープンスケベなのは知っているのだが……。

 

 というか謎なのだが、何故どいつもコイツも王さんを男だと勘違いしているのだろうか。俺なんかそもそも腹ペコ王と判る前には美少女にしか見えなかったというのに。

 

 円卓には馬鹿しかいないのか?

 それとも性別とかどうでもイイのか?

 コイツら―――――ガウェインや王さんの兄のケイの兄貴以外、全員ホモなのか?

 

 そう思うと、俺を慕ってくれている騎士達が怖くなってくる。

 俺はケツを守るために周囲に気を配ることにした。

 

 その事をアル―――これは彼女が二人の時には呼び捨てで構わないとの事――――に報告したらとても心配され、ケイの兄貴とベディヴィエールとガレス、アル以外にコンビを組むことが無くなった。

 ちなみにコレは後で知ったのだが、彼女が女であることを知ってる人間は居るには居たらしい。

 心なしか、アルの騎士達に向ける視線がゴミを見る目になった気がしたのだが、皆気が付いてないから善しとしよう。

 

 

 

 というか、ムッツリ顔のアグラヴェインがモルガンのキャメロットへ差し向けた刺客だったので釘差しとかねば。

 この時代ホモと対峙してもホイホイついて行っちまう可能性があるから、その手の脅しができないし意味はないか……(錯乱)

 

 

 

・月★★日

 

 マーリンに会った。

 あのアンちゃん駄目だわ。性格が壊滅の度し難い人間のKUZUだわ。半魔だっけ?

 

 魔術――この時代なら殆ど魔法なのだが、魔術使って悪戯するとか面倒な事この上無い。

 この間アルが泣き付いて来るほどだ。ナニやったんだあのKUZU。

 その所為でアルが魔術師見た瞬間、即座に戦闘態勢に入るようになってしまった。

 

 その時にそれなりにフォローしていたのだが、その所為かデレ始めてきた。

 

 何してくれてんだKUZU、お陰でウチの王さんがどんどん可愛くなってるだろうが。

 俺がクーデレ好きなのを知っての所業か。

 

 良いぞもっとやれ。

 

 

 

 

 

〒月ゞ日

 

 アルに、実は俺だけ自分で料理を作って食べている事がバレた。

 いやまぁ、自前の畑拵えといてバレなかった方が不思議かもしれないが。

 それは良いのだが、一度ギネヴィア王妃と三人で一緒に食べてから俺の料理の事が国家機密になっていた事に、この国の将来が不安になった。いや滅んでたんだけどね正史では。

 

 軽い男料理なのだが、如何せんこの国の料理が不味すぎた所為か二人が涙を流しながら俺の料理を食べていた。

 ソレ食っちまうと、対比で泣くほど不味く思えるものなこの国の料理。というか、蒸かしたポテト単品を料理とは言わねぇよロリコン(ガウェイン)

 

 その日から彼女達の誕生日に振る舞う事を約束した。それまでにこの時代でも作れる料理の数を増やそう。

 その為には、味噌と醤油の生産量を増やさねば。大豆を育てねば。

 

 今度、幻想種でも狩ってバーベキューでもしてみようか。

 

 

 

 

 

 

(* ̄∇ ̄)ノ月(。・ω・。)ゞキリッ日

 

 アルの選定の剣が折れた。

 カリバーンは王として相応しくない者が振るえば折れるらしい。

 

 

 ………俺の料理か? 俺の料理がぁ!?

 

 

 別に俺の料理関係なかった。

 何でも故郷の湖でペリノアとか言う王さまが見掛けたヤツと闘いまくってるらしく、円卓の騎士の一人のグリフレットが決闘して負けたんだと。

 そんで見兼ねたアルトリア嬢が闘ったんだが、その時に折られたらしい。

 曰く、魔力を込め過ぎた為カリバーンがもたなかったらしい。

 

 そこで俺がペリノアと闘う事になった。

 

 何でだ。

 いや上司命令だからやるけども。

 

 彼女はどうやらヴィヴィアンに新しい剣を貰うよう頼みに行くようだ。

 良い機会だ。一度故郷に帰るとしよう。

 

 しかし彼女が初対面の人間に何かするのだろうか?

 子供の頃は彼女を女神の様に思っていたが、アレは美女の皮を被った狼だろうに。

 せめて無理難題を吹っ掛けられなければ良いのだが。

 

 

 

 

 

 

■■月■日

 

 

 取り敢えずペリノアさんを倒した。

 戦闘描写? 日記に書きはしない。

 

 まぁ強いて言うなら、勝利方法はアレである。「知ってるか? 剣ってのは両手で振った方が強いんだぜ」だ。

 つまりはゴリ押しです。

 ペリノアさんは少なくとも魔王よりは強かったと明記しておこう。

 

 ちなみにペリノアさんがキャメロット入りした。

 曰く、顧問監督官だとか。

 王務はどうした。

 

 

 

 

 

( _ )ポポ月ポーーーー( ゜Д゜)ン日

 

 久しぶりに、ヴィヴィアンと会い、語り合った。

 用心棒から近衛騎士に出世したこと。

 吸血鬼がウザイ事。

 最近山を斬れる様になった事。

 

 吸血鬼の話を聞いてるヴィヴィアンの顔が引き攣っていたのだが、何故だろうか。

 丁度その時、アルの為に剣を与えて欲しいと願えば、酷く素直に了承してくれた。

 

 その夜彼女に喰われるのを引き換えにして。

 

 

 

 

 

£月ゑ日

 

 

 アルがヴィヴィアンとの話を終え、エクスカリバーを手に入れた様だ。

 しかも、俺ほどではないにしろ彼女の加護まで与えられたらしい。

 なんかヴィヴィアンはニヤニヤしてたが、何故だろうか?

 

 ちなみに新しい剣だが、ビームの出る剣だ。

 出たビームを相手に叩き付けるのを主な使用方法にしている。原作通りなのだが。

 

 「――――俺が、ガンダムだッ!!」とか言い出さないか心配で仕方がない。

 

 まぁ、アルトリア嬢が嬉しそうに自慢してくるので良いだろう。

 良かったね。新しい剣貰えて。

 

 

 

 

(´・ω・`)月(´;ω;`)日

 

 

 気付いたのだが、カリバーンを抜いて不老になったことで、成長を止めたアルの身体が成長していた。

 

 

 

 

 具体的には、バストが成長していた。

 

 

 

 

 俺とケイの兄貴は、思わず涙した。

 特にケイの兄貴は号泣ものだった。

 不老になり、王として女を捨てなければならなかった生き方を押し付けたと自分を責めていたのか、もう酷い男泣きだった。

 良かったね。コレで少しは赤にオワコン言われる可能性が減り、セイバーで随一の貧乳と言われる事がなくなったぞ。

 

 

 あん? 貧乳も可愛いから良い? 希少価値だ? 

 成程そういう考えもあるだろう。だが決して俺はその考えを口にしない。

 女性のバストサイズは、女性の尊厳の一つだと俺は考える。

 そしてそれは、男も同じだと。

 

 男性諸君、よく考えてみて欲しい。

 もし女性から「小っちゃいけど、可愛いよ。希少価値だよ」とナニを見ながら言われるの想像してほしい。

 

 ―――――――つまりは、そういうことだ。

 

 

 

 しかし原因がわからない。

 誰だろうか? 何であるのだろうか?

 ………育ての親しか思いつかない。

 

 しかしいい日だ。妹の成長を見守る兄の心境とは、こういうものか。

 その日の酒は旨かった。

 

 

 

 

 

 

 ■月 ■日

 

 

 遂にアルがブリテンを平定した。

 これで一段落すると思っていたのは束の間。2年後に海の向こうから侵略者との戦いが待っていた。

 

 

 ずっと疑問だった。作中でAランク以上の宝具を持った英雄十三人率いる屈強な騎士団を苦しめたBANZOKUとは一体何者なのか。

 

 俺はその侵略者を見て、その長年の疑問に答えが出た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───────────BANZOKUってオマエ、コレ吸血鬼じゃねぇか。

 

 

 




おぱーいが大きくなる加護……ッ!
これはヴィヴィアンの老婆心だったりします。

さて、明かされたBANZOKUの正体。
吸血鬼です。死徒や真祖です。ゲルマン人の方々には退場して頂きました。もしくはエキストラで出てくるかもです。死体ででけど。
あと一・二話挟んで円卓時代編の最終決戦へ行きたいと思います。

ストックはこれで終了。テスト勉強もありますので、しばらく更新は後になりますので、ご了承ください。

修正点は随時修正します。
感想待ってまする(*´ω`*)







早く『王様』かきてーなー。

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