ギャグ寄りなので楽しく読んでください。
「ねぇ」
「……どうした?」
俺を呼び止めた歳の離れた幼馴染の少女は、指を喫茶店の見本品に向けた。
「……食いたいのか?」
俺がそう言うとこくりと頷く真っ白な少女。
「……入るぞ」
「やった!」
そう言って俺と髪の毛の真っ白な少女は喫茶店の中に入った。その時の彼女の純白の濁りない笑顔は忘れることは無い。
そして、これが俺と彼女の最後の中学校生活だった。
♪♪♪
「ましろ、なんで俺の家にいんだ」
「私の家だからだよ? 頭大丈夫?」
「いや待てここ俺の家なんだが、なんなら表札に俺の苗字あるよな?」
「知らないよそんなの。文句あるならかかってきて」
「お前そんなキャラだっけ?」
現在高校三年になった俺、
身長は170前後で、髪は黒髪、まぁ訳あって母親は茶髪だけどあんま気にしてない。髪の色なんて誤差だよ誤差。父親? 知らねぇよ馬鹿野郎。俺は母さんから貰った料理スキルありゃ生きていけんだ。
マザコンって言ったやつ表だろ。俺はマザコンじゃねぇ、ただ母さんが好きなだけだ。
彼女の名は
幼少期に家が隣同士で仲良くしていた。昔はおとなしくて、よく俺を見つけては『狼君』だか、『ロー君』だか? と呼んで来ていた。表記は会話なのでわからん。そんな彼女は注目されるのも苦手なのでよく俺の後ろに隠れて怯えていたのを思い出す。まぁ、俺も人見知りだったけど。
俺が
なんか、蝶みたいな名前だったけど、何だっけか。
「『
「辛辣なんだけど」
もうコイツ倉田まくろじゃねぇかな。何故かわからんがバンドを組む少し前くらいからコイツが段々毒舌になっているのだ。
最初は「知らないよ」とか、「意味わかんないんだけど」とか、まだ可愛い方だった。でも今は……
「そう言えばボーカルだったよな……まぁ頑張ってくれ」
「それだけ?」
「……え?」
「もっとこう、なんか無いの? お前の歌声だけ聴いてるからとかさ」
「どこのナルシストですかね?」
「使えないね狼君」
「あ、表記それなんだ」
「会話に文字表記なんてある訳ないじゃん、馬鹿なの?」
「ましろがまくろになってるんですけど」
何この子全然可愛くない。いや、顔は可愛いんだけど、言葉が可愛くない。そう考えながら俺は頭を抱える。
「なんで頭抱えてるの? ……全く」
そんな俺を見て、俺に0距離まで近づいたましろは
「……フフッ、よしよし」
俺の頭を抱きしめて撫で始めた。ナニコレやっばい、落ち着く、安心する。しかもデケェ。なんでこんなに成長してんの?
「……このまま首へし折ろうかな」
「死ぬからやめてね?」
「私の胸にしか興味ない人は死んだらいいよ。知ってる? 包丁で切られても分裂する生き物もいるんだよ」
「いるのは知ってるけど俺はその類じゃないんだ。しかも、確かにましろは大きいと思うが、それ関係なく俺はましろの全てが好きだぞ幼馴染として」
「え? 気持ち悪い」
「いや、その反応はおかしい」
顔を真っ赤にしながら毒を吐く彼女。
「ああ、そうだよね。狼君はゴキちゃんだもんね」
「違いますけど」
「ちょっとスプレー持ってくるね。確か玄関に駆除のやつあったから……」
「安心出来ない言葉しか聞こえないし、なんならなんで俺の家の物の位置分かってんの?」
「いつも来てるからに決まってるじゃん。馬鹿なの?」
「最後の一言いる?」
ましろに抱きしめられながら考えたこと。こいつはましろじゃないまくろである。黒だよ大黒だよ。
♪♪♪
時はクリムゾンして現在夜。ましろは自室に篭って枕に顔を埋めて大声を出した。
「またやっちゃったよ私ぃぃぃぃ!!」
「何が『死んだ方がいいよ』だよ! 大好きな狼君になんて事言ってんの!? 今までよく絶交されなかったよ! うう……もう、何を話せばいいの……」
「そりゃ私のバンド名覚えてないとかは悲しかったけどさ。でもだからってゴキブリ扱いとか何言っちゃってんの私!」
再び絶叫。この、倉田ましろと言う女。雷狼竜の事が大好きなのである。
「大好き? 違うよ。結婚したいの、家族になりたいの。子供欲しいの、孕みたいの、でも付き合えないの、だって恥ずかしいし……」
「あ、でも、私の身体に欲情してくれたのは嬉しいな」
「確かに昔から好きだったけどいざ付き合うとか告白とか、恥ずかしいから……狼君……竜の顔見たら何も考えられなくて出てきた言葉がゴキブリって……もう嫌だ……」
そう言って鏡の前の
「……うう、どうしよう。このままじゃダメだよね……ツンデレ? って域超えてるし……いつか嫌われちゃうよぉ……狼君に嫌われたら……」
そう言いかけてましろの眼が濁り湯からまくろになり闇まくろまで成長している。闇のゲームの始まりだ!
「……ダメダメ、こんな顔してたら。よし! 明日狼君のために夜ご飯作ろう!」
「そして……ご飯にする、お風呂にする、私にするって聞いて、私も食べてもらう……」
「見せてあげるわ、漆黒のラヴィアンノートと力を!」
「ブラッディラヴィアンルォォォォォォズ!」
その後ましろが自分の母親に黙れと怒られたのは別の話。
♪♪♪
「狼君、暇だったからお母さんに手伝って貰ってビーフシチュー作ったんだ。一緒に食べよ」
「ましろ、俺も実は母さんが最近テレビで作ってたビーフシチュー作ったんだ。自炊系男子だからな」
「え!? 何で?」
「今朝洗濯がてら昨日のズボン漁ってたらポケットからましろの髪の毛出てきて、ましろの事考えたらビーフシチュー作りたくなったのが最大の原因」
「は? 気持ち悪いよ。処す?」
「お前が俺の頭撫でるためにくっついたからだろ」
「じゃあ、今度は狼君のズボンに私の髪の毛が入らないように首だけもらうね」
「恐ろしいんだけど」
倉田ましろは真っ黒です。
もう一話出します。