竜とましろの場合。
「ねぇ狼君。この漫画って続きどこ?」
「本屋」
「買えってことだよね……読み終えちゃったなぁ」
「いや、俺の買った漫画なんだが」
「料理系漫画ばかりかと思ったら面白いんだもん」
「今度ましろの漫画読ませてくれよ? ……あ、そういえばましろ」
「どうしたの狼君」
「俺の部屋に黒いノート「返して」あ、面白そうだからダメです」
「返して、返して、返して!」
「え? これそんなに見ちゃまずい物なの?」
「それは私の禁忌に関わる漆黒のラヴィアンノートだよ」
「よし、良い子だよく言った」
そう言って竜はノートを見た。
「見るなああああ!!」
「えーと……何何? 我が漆黒の闇は薔薇となり、世界の全てを包み込む。天の使いなど我が奥義、ブラッディラヴィアンローズの前では無力……そういえばさ、ましろの名前ってなんなんだ? ブラッディラヴィアンローズが奥義だか技ならお前の名はラヴィアンなのか?」
「本気で疑問に思わないで!? 何で人の闇ノート真剣に見てるの!」
「耳を澄ますと聞こえるのが僕の音、それを並べて文字で書いたものがボクノート、そしてましろのラヴィアンノート。あ、ボクノートカバーおめでとうましろ」
「ありがとう……じゃない! 意味わかんない! 返してよ!」
「はいよ」
そう言って竜はましノートを返す。
「別に良いじゃねぇか。俺だって昔は暗黒の料理人してたしな」
「本当にその時は暗黒料理だったよね。いや、美味しいんだけど……」
「ブラックカレーとか、ブラックラーメンとか黒い料理作ってたからな」
「イカ墨パスタ美味しかったなぁ……」
「食いたくなったな。作るか」
「本当!?」
「ああ、だからましろも手伝ってくれよ。俺のレシピメモってんだから」
「うっ、バレた?」
「厨二病ノートに書く内容じゃねぇけど、まぁ、嬉しいよ」
「いつか狼君と料理出来る様に、家でお母さんと一緒に作ってるから」
「……そうか」
そう言ってましろの頭を撫でたのだった。
「ブラッディラヴィアンローズ!!」
「やめろおおおおおおおおおお!!」
竜とあこの場合
「ほらよ、NFOのコラボドリンク」
「え!? これ竜兄が作ったの!?」
「……色も、味も……全く同じです……美味しい」
「喜んでもらえて何よりだ」
あこの要望で俺は何故かRoseliaの白金燐子さんとあこの家に来ていた。
あこ曰く俺に料理を作って欲しいという事で、材料はあこが負担するという条件で、作ることになった。何故かじゃねぇな、理由あるわ。
「まさか竜兄がNFOのコラボドリンク作るなんて驚きだよ」
「あこと一緒にやってたらこの稲妻落としてくる古龍がいるだろ? コイツに愛着が湧いたんだよ。グミで形作ったからこのドリンクと合うだろ」
「グミで……作ったんですか?」
「ああ、形作るの面倒だけど、それさえやれば何とかなるんだ」
「美味しいよ、竜兄!」
「おう、ついでに今日は俺のポケットにお好み焼き粉とコンビニで買った千切りキャベツ入ってたからお好み焼きにしようか」
「どういう事なの?」
「コンビニで買ってる時点で……狙ってますよね?」
そう言って竜は未開封のお好み焼き粉を取り出した。
「いや、多分お好み焼き粉は母さんが悪戯で入れたんだろうな。まぁ、そういう訳でお好み焼きパーティーだ」
「わーい! ありがとう竜兄!」
「私も……食べて良いんですか?」
「無論だろ。なんでここに3人いると思ってんだ。美味そうに飯食おうとするやつに飯をあげない料理人がどこにいる」
「流石……今井さんの彼氏ですね」
「まだ違うけど……あこ怖い目の光無くさないで」
「リサ姉とは敵になるね」
「やめてね」
「でも……今井さん最近雷狼さんの話するんですよ」
「そりゃ最近腐るほど一緒にいるからな」
「闇堕ちってどうやるんだっけ」
「やめてね」
「でも、竜兄さっきまだって言ったよね?」
「……ん? はて何の事ですかね?」
「処すね」
「やめてね」
そう言って油を引きながら、豚玉を作るのだった。何で俺まだって言ったんだろうな。
竜とリサの場合。
『プルルルルル』
『あ、リサ? どうした?』
『もしもし、竜? どうしたじゃないよ! 今日全校集会だよ? 大丈夫?』
『大丈夫だ! 今起きた!』
『それは大丈夫じゃないんだよ! 走ってよ竜!』
『任せろ……うっ!?』
『あ、まさかこれ』
『なんてこった、急に空腹が襲って来やがった!』
『嫌な予感がするけど、後10分だよ』
『任せろ、爆速飯を紹介する』
『集会とかテストとか何かあった時にこれ聞かされるあたしの身にもなってよ』
『じゃあ別のやつに俺の連絡させれば良いだろ?』
『嫌だ。アタシが竜と電話したいから』
『ヤベェ可愛すぎて鼻血出そう』
『気持ち悪い』
『泣くよ?』
『ってか早く来てよ』
『……これ聞いてリサもレシピメモってんだからお互い様だろ』
『……何でわかったの?』
『授業中でもねぇのにカリカリってペンの音聞こえるから』
『……とにかくレシピ教えて』
『はいよ、先ずは赤唐辛子と炒りごまを入れて混ぜる』
『分かったよ、赤唐辛子と……ん?』
『そしてフライパンで熱々に熱したごま油とサラダ油をさっきの皿に入れる』
『……うん』
『そしてコチュジャン、味噌、塩を入れてフライドオニオンとフライドガーリックを砕いておく』
『成る程。それってご飯に乗っけても食べられるアレかな?』
『フライドオニオン、フライドガーリックをしっかりと洗った瓶に入れて、さっきの冷ました油を入れる。後は冷蔵庫で一晩寝かせれば……』
『もう学校来る気ないでしょ?』
『帰ってきたら完成しているぜ。自家製食べるラー油の完成だ。という訳でシャワー浴びて来る』
『この会話と調理だけでもう10分過ぎてるんだけど』
『あざっしたー』
『ねぇ、ちゃんと学校くるよね? まさかシャワー浴びて寝るとかな『プツン!』』
「……さて、シャワー浴びて学校行くか」
雷狼竜、いい加減にしろ。
♪♪♪
「反省文のお時間です」
「もう突っ込まないよ。後途中で電話切らないで泣くよ」
「起こしてくれてありがとうリサ。助かったよ」
「せめて遅刻しないで来てから言ってね」
「終わった終わった、あぁ疲れた」
「早すぎでしょ、しかもまた反省文にレシピ書いてるし」
「うちの教師女性だろ? 結構家庭料理作るからって俺の反省文レシピ楽しみにしてんだとよ」
「もうそれ商売案件だよね」
「完成オリジナルならともかく、ネットのレシピとか書いて食べてみた感想とかもあるからお金は取れないな」
「アタシが払ってあげようか?」
「同級生から金取る趣味はねぇよ」
「身体でもいいよ」
「同級生が狂い出したんだけど、もしかして清楚ギャルのフリしてアレなの?」
「まだ処女だよ! って何言わせんの!」
「いや、先にお前が振ったんだろ、顔真っ赤にするならノーコメントとか言えよ」
「うう……」
なんか普段見られない彼女の一面を見た気がする。
「……わしわし」
「頭急に撫でるな」
「嫌か? 悪いな、ましろとあこを宥める時に大体これだからよ。つい癖でやっちまったぜ」
「……別に、嫌じゃないし。ただ、女の子の髪をいじるのは感心しない」
「んだな」
「だから、今度遅刻しないで、ライブ見に来て。そしたら許す」
「……善処します」
「これ、チケット。遅れたらクラスのみんなに竜に処女奪われたって言うから」
「そうなりゃ裁判起こすさ。レイプ関連に関しては母さんの件で全部対処方とか裁判のやり方とか丸暗記した。弁護士も雇う。かかってこい」
「待って、嘘、冗談、本当ごめん」
「言葉は選べよ。リサ」
「……ごめんなさい」
「まぁ、お前は可愛いから引く手数多だろうな」
「……でも、アタシは竜がいいかな」
「嬉しい事言ってくれるけど、俺にリサは勿体ないなぁ」
「竜なんて知らない、もうあことイチャコラしてれば?」
「……どうやって断ればいいと思う?」
「あこ泣かせたら刺すけど」
「うっわ、逃げられねぇ」
「まぁ、アタシを選ぶなら許す」
「俺は剣の面倒見ないといけねぇから無理」
「マザコン」
「うるせぇブラコン」
そう言いあった羽丘で、殆どの人が俺とリサが付き合っていると噂されるらしいが、んなもん知るか。でも、なんかリサといると居心地いいんだよな。