Bang Dream! ~時空の叫びと星の鼓動~   作:ライノア

11 / 37
今年も『じくほし』を宜しくお願いします。


第三話:これでイチコロネ 後編 その3

NO SIDE

 

ラグジー『ラグアァーーーッ!!』

有咲「理央の奴、ラグラージを持っていたのか...!?」

『ラグラージ 沼魚ポケモン 水 地面タイプ 波音や潮風の(わず)かな違いを(ひれ)で感じ嵐を予感する。嵐になると岩を積み上げ巣を守る』

りみ(理央君...若しかして、私の気持ちをこのバトルで打つけようとしとるの?)

理央『さてと、このバトルを手短に済ませたい。少し本気で行かせてもらう』

 

ラグラージを出した理央を見て自分の思いを乗せて戦っている事を悟るりみ。

姉を尊重している彼女の気持ちを把握した理央だからこそ、ラグラージを出したのにも説明が付く。

 

スタッフ『四回戦、初め!』

寿「プテラ、火炎放射!」

理央「......ミラーコート」

『!?』

 

理央が指示した技に全員が驚く。

プテラの火炎放射に対してラグラージは両手で突き出すと虹色の衣に(まと)われ、そのまま数倍の威力となって跳ね返った火炎放射がプテラを包み込んだ。羽休めを使わせないが為に早めに倒す事と判断した理央はギロっとさせた目付きを変えずに冷徹な指示を下す。

 

寿「アイアンヘッド!」

 

硬質化させた頭突きを繰り出すが、理央は平然と口を緩ませてみせた。

 

理央「......カウンターだ」

 

メガプテラは受けたダメージを(かす)めたラグラージの左腕によるカウンターをもろに喰らってしまうが、直ぐに体勢を整える。

 

理央「熱湯!」

寿「火炎放射!」

 

口から吐き出した熱く沸たぎる水と火炎放射を近距離で放たれるとお互いの技が相殺され、白い煙が周囲に拡がる。

 

理央『......、......』

 

ポピパ全員には、技が相殺される直前に理央が何かを小さく呟いてる様にも聞こえた。

暫くして煙が晴れ上がると、戦闘不能直前になっていたメガプテラに対してラグラージは再び虹色の衣を(まと)っていた。

恐らく技が相殺した直後にミラーコートを使用していたのだろう。こんな戦術も初めて見たと控え室にいた誰もが口を開かずにはいられなかった。

 

理央「よし。そのまま維持だ!」

 

ラグジーの虹色の衣を維持させる理央。寿は一か八かの賭けに出る。

 

寿「プテラ、アイアンヘッドからの火炎放射だ!」

理央「受けて立つ。ミラーコートを維持しながらのカウンター...名付けて、『ミラーフォース』!」

 

メガプテラの火炎放射の状態で放つアイアンヘッドと、ラグジーはミラーコートを維持した状態でカウンターが激突。

激しい鍔迫(つばぜ)り合いで衝撃波が発生し、控え室のライブラリ映像が遮断(しゃだん)しそうにもなる。

 

ラグジー「ラグアァァァァーーーーッ!!!!」

プテラ「プテアァァァァーーーーッ!!!!」

 

雄叫びを上げながらパワーを上げる両者。遂には大爆発を引き起こし、爆発の衝撃で理央と寿は吹き飛ばされそうになる。

 

プテラ「プ......プテァ......」

 

舞い上がった煙が少しずつ晴れていくと、其処にはメガシンカが解除されて目を回しているプテラの姿があった。

 

スタッフ「プテラ、戦闘不能!」

有咲「あのメガプテラをメガシンカなしで倒しやがった...後はグレンアルマと三体目のポケモンを倒せば理央の勝ちだ。まぁ、これは敢えて草ポケモンを出してこなければの話だが、果たして...!?」

寿『戻れプテラ。よくやった...少しはやるな』

理央『ああ。倒せるか如何(どう)かは賭けだったがな』

寿『前に化石ポケモンには化石ポケモンだと言っていたな。だったら俺も、お前の言葉に答えよう。ホウエン御三家には......ホウエン御三家!』

???『プトォルッ!!』

理央『そのポケモンは......ジュプトル!?』

 

プテラの戦闘不能を目にして、今後の展開に警戒を(おこたら)らないでいる有咲。

寿が(ねぎら)いの言葉を掛けながらプテラをモンスターボールに戻すと、別のモンスターボールをフィールドに投げる。

開閉したモンスターボールから出て来たポケモンに、理央は目を見開きながら驚きの声を上げた。

後頭部と両腕には大きな葉っぱが付いている黄緑色のトカゲポケモン。下(あご)から腹部までの部分が赤く、黄色い目でラグジーを鋭く睨みつけている。

 

『ジュプトル 森蜥蜴(とかげ)ポケモン 草タイプ 体から生えた葉っぱは森の中で敵から姿を隠す時に便利。密林に暮らす木登りの名手』

モカ「おお〜っ!いきなりこーくんの切り札が来ましたな〜」

有咲「なぁ。同じ草タイプを持ってる私でも不安を感じるんだが...あのジュプトルって、ジュカインには進化させてないのか?」

 

マイペースな口調でモカに切り札と称されている寿のジュプトルに、有咲は問い掛ける。

 

つぐみ「うん。寿君のジュプトルは、敢えてジュカインには進化はさせていないの。何故かは分からないけど、本人に聞いてみたら『この姿の方がしっくり来る』って......」

りみ「それじゃあ、若しジュカインに進化させていたら今頃理央君は...!」

有咲「いや、進化させるかさせないかは人それぞれだ。草が両方弱点であるラグラージにとっては圧倒的不利だ」

りみ「そんな......!」

有咲「......だが対策法はある。このバトルでは、メガシンカ・Zワザ・テラスタルのどれか一つを使用出来る。仮にタイプ一致のZワザを打ったとしても耐えられるだけだ。つまり自身のタイプを変えればよりダメージを抑えられる......!」

りみ「タイプを変えられる?それって若しかして......!?」

 

有咲の考察に、りみは察した。

この三つの中で唯一戦況を変えられる方法が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

RIO SIDE

 

理央「ジュプトルだと...!?」

 

ジュプトル。(かつ)て記憶を失う前の俺と離れ離れになり、自らを敵に回してでも時の歯車を集めていた。

だが、幻の大地でヨノワールと戦っていた時に俺を庇い、最後は別れを告げながら俺とピカに全てを託して暗黒の未来へと帰って行った。

まさか、あの寿ってトレーナーはジュプトルなのか...!?いや、そんな(はず)はない。ジュプトルは確かにヨノワールを道連れに時空ホールへ入った。

もう二度と帰って来ない筈の相棒の姿を見て、俺は戦う事を躊躇(ためら)いそうにもなる。

...いや、ダメだ。此処で躊躇(ちゅうちょ)していたら、俺はりみの思いをこのバトルで打つけた事にはならない。絶対に勝つんだ。

俺は首を左右に振って気を確かに持った。

 

寿「ラプトル、リーフブレード!」

理央「カウンター!」

 

ラグジーのカウンターをラプトルは紙一重(かみひとえ)(かわ)しながら、葉っぱの面積を大きくした斬撃を与えていく。

 

寿「竜の息吹!」

理央「熱湯!」

 

中距離で放った熱湯と紫の炎により周囲に湯気が発生。

視界が(かす)む中、俺は目を(つむ)りながらリオルの頃から健在である波動を使ってジュプトルの気配を察知する。

 

理央「(そっちか...)ラグジー、左だ!」

ラプトル『はぁッ!!』

ラグジー『まだまだだな。若造』

ラプトル『......そいつは如何かな?』

寿「ドレインパンチ!」

理央「何っ!?」

 

左側から右腕の葉っぱで斬り掛かろうとしたジュプトルをラグジーは左腕で受け止めるが、更に突き出した左腕でラグジーの体力を吸収していく。

 

理央「DDラリアットだ!」

 

悪タイプのエネルギーを両腕に纏わせ、そのまま全身を回転させながらラプトルとの距離を詰める。

この技の弱点は足が空きだらけである事。だが、ある技を応用すれば弱点を一時的に補う事が出来る。

 

寿「ラプトル、足に向かって電光石火!」

理央「させるかよ。下に向かって熱湯だ!」

 

早速ラプトルがDDラリアット唯一の弱点である足を狙おうとしたが、瞬時にセロ距離での熱湯を浴びせる。

これは確実に火傷状態にはなったと思ったが、火傷になるかならないかは一定の確率に過ぎない。

 

寿「距離を取りながらタネマシンガン!」

理央「ミラーコートで跳ね返せ!」

 

一定の距離を取ったラプトルはDDラリアットを解除したラグジーに口から種を連射する。

首の角度を下げて狙ったいたのは、ラグジーの向こう(ずね)だった。ミラーコートで跳ね返されたタネマシンガンが跳弾し続けた結果徐々に倍になっていき、見事にラグジーの体勢を崩した。

その隙に寿は指示を下す。

 

寿「今だ、ドレインパンチ!」

理央「カウンター!」

 

ラプトルのドレインパンチと、何とか体勢を立て直したラグジーのカウンターが同時に互いの(ほお)に当たり、両者は後退せざるを得なかった。

俺はモンスターボールに似た黒い球体『テラスタルオーブ』を取り出しながら、左膝を付いたラグジーに一声掛ける。

 

理央「ラグジー、やるぞ!」

 

 

 

 




TO BE CONTINUED...




ラグジー二世(ラグラージ)♂
''嵐の予言者''
ICV:石川界人
技:熱湯、カウンター、ミラーコート、DDラリアット
特性:激流
理央がオガシマタウンに居た頃にあげたミズゴロウの後釜。
トレーナーに地下水道で捨てられた過去を持ち、理央と出会う前は地下水道を縄張りにしていた。
後に執念深く理央を付け狙う様になり、四倍弱点の為かリザストとの決闘に敗北。そのまま去って行こうとしたところをゲットされた。
嘗て自分を捨てたトレーナーと再会を果たすが、過去を振り切った勢いで熱湯を浴びせて撃退した。
自分に居場所をくれた理央を恩人と思っており、リザストとはライバルの様な関係。
耐久力に自信があり、その影響で人を助ける為ならば自分の命を賭ける勇敢な性格になった。一人称は『俺』。

若しも理央君が四凶ポケモンの中でガールズバンドメンバーとのポケモンバトルで使用するとしたら...?

  • チオンジェン
  • パオジアン
  • ディンルー
  • イーユイ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。