Bang Dream! ~時空の叫びと星の鼓動~   作:ライノア

12 / 37
後編パート4です。


第三話:これでイチコロネ 後編 その4

RIO SIDE

 

理央「ラグジー!やるぞ!!」

ラグジー『テラスタルか。ばっちこい!』

理央「古代と未来の狭間に輝く黒玉よ。己の領域を越え、その輝きを見出さん!ラグジー、テラスタル!!」

 

輝くエネルギーが集束されたテラスタルオーブを投げ、ラグジーは地面から出て来た宝石に身を(まと)う。

纏われた宝石が砕け散ると、ラグジーは全身が宝石の様に光り輝く。

頭上には燭台(しょくだい)を模した王冠が乗っている。

これぞパルデア地方のトレーナーが使う切り札『テラスタル』。今、ラクジーがなっているテラスタイプは『炎』。

防御と特防が両方受けのラクジーとは相性が良いし、ジュプトルとグレンアルマに有効打点になるタイプだ。

本当は(きのこ)の胞子無効と四倍弱点を消しておきたかった為に草にしたかったが、弱点が多いから止めておいた。

 

寿「成る程、俺のグレンアルマとラプトルのタイプを把握した上のテラスタルか。戻れラプトル」

 

相性不利だと判断したのか、寿はラプトルからグレンアルマに交代。

さぁて、こっからが正念場だ...!

 

スタッフ「六回戦、初め!」

寿「竜の波動!」

理央「ミラーコート!」

 

両腕と両肩のアーマーを重ねて放たれた竜のエネルギーを両腕で受け止め、二倍にして跳ね返すラグジー。

倍となった竜の波動がグレンアルマを包み込む程の大きさとなる。

 

寿「ニトロチャージ!」

 

寿は直ぐにニトロチャージを指示し、スピードを上昇させながら跳ね返された竜の波動を(かわ)す。

床下に着弾した竜の波動により煙が発生。再び視界が覆われ、俺は波動を使ってグレンアルマの位置を把握する。

 

理央「その場でDDラリアット!」

 

両腕に悪のエネルギーを宿しながら回転するも、スピードで翻弄するグレンアルマが体勢を少し低くしながらアッパーカットを浴びせる...

 

理央「斜め左だ!」

 

直前に俺の的確な指示で右腕がグレンアルマの脇腹にヒット。此方もアッパーカットを真面に受ける。

正にクロスカウンター。互いに後退したのを確認した俺達は、続けて指示を下す。

 

理央「...上に向かって熱湯!」

寿「サイコキネシスで押し返せ!」

理央「その状態を維持してミラーコート!」

 

ミラーコートを纏ってサイコキネシスで押し返された熱湯を二倍にして跳ね返そうとするが、エスパー同士の技が打つかり合ってどっちつかず。

残っている技はカウンターとDDラリアット。若し此処で熱湯を解除したらサイコキネシスで操った熱湯がラグジーに降り掛かる。

炎タイプになった事もあって弱点を突かれて戦闘不能に陥ってしまう。さて、これを如何応用するか...。

 

理央「ラグジー、最大で火力を上げるぞ!」

寿「ならばこちらも最大でサイコキネシス!」

 

熱湯をハイドロポンプ並みの火力に上昇させるラグジー。グレンアルマもサイコキネシスを最大威力で押し返そうとする。

 

寿「ニトロチャージで距離を詰めながら囲め!」

 

熱湯とサイコキネシスが解除した事で水飛沫(しぶき)が発生。この隙にグレンアルマは二回積んだスピードを活かしたニトロチャージでラグジーを包囲しながらスピードを上昇させる。

 

理央「ミラーコートを維持しながらDDラリアット。そのまま回転だ!」

 

ラグジーにミラーコートを纏いながら放つDDラリアット『MCラリアット』で回転を維持させる。

スピードを最大まで上昇させながら取り囲むグレンアルマと、特殊技を反射する衣を纏いながら回転し続けるラグジー。

崩されるのは最大まで上昇したスピードか、それとも回転の起点である足か。何方が動くか分からない戦況に、控え室に居た奴らも今頃(つば)を飲んでる事だろう。

 

寿「グレンアルマ」

グレンアルマ『...ああ』

寿「竜の波動!」

理央「今だ!」

 

ラグジーはミラーコートを纏いながらのDDラリアットをグレンアルマの装甲の鳩尾(みぞおち)部分に打ち込む。

炎を纏いながら特攻するグレンアルマが特殊技をラグジーのMCラリアットで跳ね返される覚悟で合わせた両腕を低くした竜の波動をセロ距離で放つ。

発生した煙が晴れ上がり、暫くしてグレンアルマは倒れ伏していた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NO SIDE

~控え室~

 

グレンアルマ『......』

スタッフ『グレンアルマ、戦闘不能!』

有咲「いよしっ!」

りみ「これで後一体だね、香澄ちゃん!...香澄ちゃん?」

香澄「いや、これは...........

 

 

 

 

 

 

 

 

 

罠だよ」

「「!?」」

有咲「わ、罠って...何言ってんだよ香澄。そんな訳...!」

 

一気に形成逆転して大いに喜ぶ有咲とりみだが、香澄はいつもとは違う雰囲気で寿の策略だと見抜く。

 

ラグジー『ラグアァァァァーーーーッ!!!?』

『!?』

理央『ラグジー!まさか、最初からこれを狙っていたのか...!?』

 

戦闘不能になったグレンアルマから出現した(もや)に包み込まれたラグジーは苦痛な声を上げる。

暫くして動かなくなるとラグジーに纏われていたテラスタルの衣が砕け散る様に解除され、うつ伏せに倒れた。

 

スタッフ『ラグラージ、戦闘不能!』

モカ「ああ〜、まさかこのタイミングで使っちゃうか〜。''道連れ''〜」

「「道連れ!?」」

りみ「道連れって確か...相手ポケモンに倒される事で、問答無用で戦闘不能にするあの技だよね!?」

有咲「おかしい...グレンアルマは元々、正々堂々と戦うポケモンの筈だ。そんなポケモンが態々道連れを使うだなんて...!」

つぐみ「いや、どんなポケモンが図鑑説明と通りだったとしてもポケモンバトルでそれは通用しない。今の寿君は、本気でパルデアチャンピオンを潰そうとしてる...!」

 

つぐみの言う通り、どんなポケモンが図鑑説明の通りだったとしても技構成に関しては違和感を覚えてしまう者もいるだろう。

だが、そんな事はポケモンバトルでは通用しない。

受け入れたくもない事実の前に、これで両者残り一匹となった。

 

有咲「これで両者一匹、相手は相性不利のジュプトル。ヤバくねーか...!?」

 

無言で香澄は立ち上がり、そのまま舞台袖を通り過ぎて舞台に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

RIO SIDE

 

理央「戻れ、ラグジー。後ちょっとだったのにな...お疲れさん」

寿「...戻れ、グレンアルマ。ご苦労だった」

 

俺達は自分のポケモンに労いの言葉を掛けながらボールに戻した。

 

スタッフ「それでは両者、最後のポケモンを...!」

香澄「待って!」

「「!」」

 

最後の一匹が入っているモンスターボールを構える俺達。

だが、突然にバトルに割り込んできたのは香澄だった。

 

香澄「こんに...!」

 

マイクに向かって挨拶しようとした香澄だがハウリング音が鳴り響いた。

 

理央「香澄!?お前...此処危ないぞ!」

香澄「御免。あまりにもりーくんの事が心配で来ちゃった。せめて応援してあげればいいなぁ〜って思って!突然ですが改めてこんちには。戸山香澄です...きーらきーらーひーかるー」

 

緊張の余り手が震えてしまうが深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、急に『きらきら星』を歌い出した。

 

理央「えっ...!?」

レディバ『ラーラーラーラーラーラーラー』

 

俺は急に歌った事に驚くが、冷静に考えてみると歌って時間を稼ぐ気だ。

市ヶ谷が連れ歩いているレディバも輪唱に入る。

 

有咲「おい、何やってんだよ香澄!?」

香澄「有咲!」

 

市ヶ谷の存在に気付いた香澄は何かを持たせる。

 

有咲「は、はぁ!?カスタネッ...!」

香澄「有咲も一緒に!」

有咲「うおあっ!?って、急...!?マジで何!?」

 

連れ出された市ヶ谷はヤケクソになって香澄の歌に合わせてカスタネットを叩く。

歌が終わったと思えたが、今度はリピートで歌う。

 

香澄「きーらーきーらーひーかーるー」

有咲「リピートォ!?」

 

リピートで歌いながら香澄は俺と市ヶ谷を見る。

やるしかないと顎を下げて頬を紅潮させる市ヶ谷。

 

有咲「ううっ...!お、おーそーらーのほーしーよー」

 

その様子にオーナーは止めようともしない。

きっと香澄が如何いう人間かを見極めているのだろう。

ヒトカゲはステップダンス、そしてレディバは引き続き輪唱を行う。

きらきら星を歌い終えると、控え室からの拍手が降り注いだ。

 

有咲「んで、何すんの?」

香澄「校歌歌うとかどうかな?」

有咲「マジかよ!?後、何歌えんの!?」

香澄「ええっと、校歌。花女のなら歌えるよね?」

有咲「私も!?」

香澄「有咲二番ね」

有咲「はぁ?知らねえし...学校行ってないんで知りませ〜ん」

香澄「じゃあ一緒に歌えばいいじゃん」

有咲「歌わねーよ!」

 

最早、俺達の会話など漫才に等しかった。

舞台袖を見てみると、牛込とヌマクローがステージに足を踏み入れる。

 

有咲「おい、如何すんだよ?」

香澄「ええっと...」

理央「おい」

 

その姿を見掛けた観客は一斉に声を上げる。俺は一声掛けて親指を牛込の方へと向ける。

牛込は黙々とベースにアンプを繋いで調整。深呼吸で緊張を解して試しに弾いてみると、スピーカーから爆音が鳴り響く。

流石に不安を感じさせたのかアンプを再度調整。今度は丁度良い音が鳴った。

ピンクにピックで弦を鳴らし、きらきら星を弾き始める。

歌が歌い終えると、丁度いいタイミングで舞台袖からGlitter Greenのメンバー四人がステージに立った。

 

???「お待たせ〜!」

理央「お前確か、楽器店にいた...!」

???「鵜沢(うざわ)リィよ。覚えておいてね!」

???『おけ〜!』

 

楽器店にいた少女 鵜沢リィの相棒と思われるのは一際目立つ黄色い(くちばし)を持つ真っ青な鳥ポケモン。

 

理央「ウッウか。頭は悪いが、上手く扱えば戦力にもなる」

ウッウ『何だと〜!?唯一天才である俺様を馬鹿にしたら如何なるか分かってんだろうな...っておい!聞いてるのか〜!?』

 

宇宙の帝王みたいな声しやがって。そう思いながらロトムパットでウッウの図鑑説明を読み上げる。

 

『ウッウ 鵜呑(うの)みポケモン 飛行 水タイプ 相手を一撃で打ち負かす程パワフルだが忘れっぽいので戦っている相手を忘れる。食いしん坊で餌のサシカマスを丸飲みするが偶に間違えて他のポケモンに食らいつく』

 

ドラムのビートを刻んでいるのは、二十騎(にじっき)ひなこ。その相棒と思われるのは額に小判を付けている化け猫ポケモン ニャース。

 

ゆり「SPACE!まだまだ元気ありますかー!?」

 

ゆりの掛け声で舞台袖に歓声が沸き上がる。

 

ゆり「理央君だっけ?有難う、私達の為に時間を稼いでくれて。りみもさっきの演奏、良かったわよ」

りみ「お姉ちゃん...!」

 

勇気を出してベースを弾く様子を見ていた姉に褒められて嬉し泣きするりみ。丁度いいタイミングでグリグリが来ちゃったからな...バトルは続行されるのだろうか?

 

理央「あの、バトルは...?」

リィ「こっちは大丈夫だから。貴方達二人はバトルを続けて!」

理央「えっ?けど...!」

香澄「大丈夫!りーくんは絶対勝つ!私も、有咲も、りみりんも、そう信じてるから!」

理央「...ああ、ありがとな香澄。このバトル絶対に勝たなきゃならない!」

スタッフ「では、気を取り直して最後のポケモンを出してください!」

理央「スガレ!」

寿「ラプトル!」

 

俺と寿は最後の一体をフィールドに出した。

 

寿「勝っても負けても恨みっこなし...」

理央「泣いても笑ってもこれが最後だ!」

スタッフ「それでは最終戦、始め!」

 

バトルは続行され、香澄達がステージで見守る中、最終戦の火蓋(ひぶた)が切って落とされた。

 

 

 




次回で寿戦、決着です。










若しも理央君が四凶ポケモンの中でガールズバンドメンバーとのポケモンバトルで使用するとしたら...?

  • チオンジェン
  • パオジアン
  • ディンルー
  • イーユイ
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。