Bang Dream! ~時空の叫びと星の鼓動~   作:ライノア

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三話編はこれにて完結です。


第三話:これでイチコロネ 後編 その5

RIO SIDE

 

バトル挿入歌『閃耀 / Feryquitous × 可不』

 

スタッフ「それでは最終戦、始め!」

理央「スガレ、アクセルロック!」

寿「ラプトル、電光石火!」

 

互いの先制攻撃が打つかり合い、衝撃波が発生。

後方に下がる二匹に俺達は指示を下す。

 

寿「竜の息吹!」

理央「岩石封じ!」

 

竜の息吹と無数の岩石が打つかり合うと相殺され、煙が巻き上がる。

 

寿「リーフブレードを維持しながら電光石火!」

理央「だったらこっちも...『ダスクアクセル』!」

『''ダスクアクセル''!?』

 

ラプトルは電光石火を維持しながら、面積を大きくした葉っぱを一つに纏めた両腕をクロスにして構える。

これに対してスガレは左腕による攻撃をアクセルロックで間一髪で避ける。更には右腕の攻撃を(なな)め左に避け、体勢を低くした勢いで突き上げた(たてがみ)でラプトルの下(あご)にカウンターで打ち上げた。

 

寿「ぐっ...!?」

 

その刹那、寿がシンクロしているかの様な動作で宙に打ち上げられそうになる。

ラプトルが打ち上げられている間に距離を開けたスガレに、俺は指示を下す。

 

スガレ「岩石封じ!」

寿「岩石封じに乗りながら電光石火だ!」

 

直ぐに体勢を整え、電光石火でスガレの岩石封じを足場にして駆け上がるラプトル。

 

寿「タネマシンガン!」

 

最後の岩石を飛び越え、寿はタネマシンガンを指示してスガレに弾丸の雨を浴びせる。

スガレだけでなく、床下に向かって撃つ事で身動きを取れなくしているな...!

 

スガレ『ぐっ!?身動きが取れない...!我が主人(あるじ)!』

理央「ああ、勝負はこっからだ。行くぞスガレ、ドリルライナー!」

寿「リーフブレード!」

 

ドリルの様に回転しながらタネマシンガンを突破するスガレに、ラプトルはリーフブレードで応戦する。

鍔迫(つばぜ)り合いは数秒も持たず、ドリルライナーが解除されてしまう。

 

寿「頭の葉っぱも含めてリーフブレードだ!」

理央「鬣と尻尾...いや、四肢も含めての全身カウンターだ!」

 

ラプトルの頭頂部に生えている葉っぱを含めたリーフブレード。鬣、尻尾、四肢を含めた全身によるカウンター。

床下に着くまでは技の応酬(おうしゅう)が繰り広げられる様子を、りみは目を輝かせていた。

 

りみ(凄い、これが...これがポケモンバトル!ポケモンバトルってこんなにも胸が熱くなるものだったんだ...!)

 

床下まで数十cmのところで互いの技が入り、後方に大きく下がる二匹。

乱れている息を整えているところを見れば、次の攻撃で全てが決まる...!

 

寿「ラプトル、これで終わらせるぞ!『ドレインブレード』!!」

理央「スガレ!『ダスクリボルバー』!!」

 

葉っぱの面積を大きくした右腕を構えるラプトル。ドレインパンチの格闘エネルギーを宿した事により、色が黄緑からターコイズに変色する。

スガレはアクセルロックをした状態でドリルライナーを放つ。

最後の一撃が打つかり合って押し合う中、寿は最後の指示を下す。

 

寿「ラプトル、ドレインパンチ!」

 

残っていた左拳を振り下ろして体力を吸収するラプトル。此処で回復されて負けるなら、相打ちで決着を付けたい。

 

理央「スガレ、最後の足掻きだ!『カウンター』!!」

スガレ『...俺の勝利は!我が主人の為に!!うおおおおーーーーッ!!!!』

 

ドレインパンチを耐えたスガレはドリルライナーによる回転を利用したカウンターでラプトルの腹部に打ち込んで床下に大きく叩き付けた。

だが、自身もドレインパンチのダメージにより床下に落下する。

ゆっくりと立ち上がり、互いを見つめ合う二匹。口を緩めるスガレだったが、ラプトルより先に倒れてしまう。

 

「「ああっ...!!」」

ラプトル『ううっ、ああ...!』

寿「はぁ...はぁ...はぁ...!」

 

敗北したと声を上げるりみと市ヶ谷。だが、ラプトルはドレインパンチで体力を回復した直後にカウンターを受けている。

体力の限界で倒れたと同時に寿は(ひざ)を突いた。

 

スタッフ「ルガルガン、ジュプトル、共に戦闘不能!よってこの勝負、引き分け!」

蘭「義兄(にい)さん!!」

 

バトルの一部始終を見ていた美竹達三人が舞台(そで)から出て来て、膝を突いていた寿に走り寄る。

 

つぐみ「寿君、大丈夫!?」

蘭「全く、ホントに無茶しすぎだって!」

寿「済まないな蘭、つぐみ。あれぐらいの本気を出さなければ、俺は今頃負けていた...」

モカ「ま、其処がこーくんの短所でもあって長所でもあるんだよね〜」

理央「スガレ、大丈夫か?」

スガレ『俺は大丈夫です。我が主人...』

 

俺の声で意識を取り戻したスガレはゆっくりと立ち上がる。

同じくゆっくりと立ち上がったラプトルは、スガレを見てふっと口角を上げて笑ってみせた。

 

ラプトル『今回は久々に良いバトルが出来た。有難う』

スガレ『此方こそ、お互いに良きバトルが出来て良かった。又手合わせを願いたい』

 

お互いを認め合うかの様に、二匹のポケモンが右拳と鬣を合わせる。

その姿を見ていた香澄達やグリグリメンバー、控え室で待機していた観客達の拍手が響き渡った。

 

寿「理央。やはりお前は...!」

理央「俺が如何かしたのか?」

寿「いや、ただの考え事だ。そんな事よりも、お前に一つだけ警告したい事がある。少し耳を貸してくれないか?」

理央「えっ?ああ、別に構わないが...」

 

寿は耳を傾けた俺に耳打ちする。

 

寿「.........以上だ」

理央「...分かった。一応警戒はしておく」

寿「そうか、そろそろ俺達もお(いとま)するとしよう。行くぞお前ら」

 

そう言って寿は美竹達を引き連れて観客席から立ち去って行った。

 

理央(美竹 寿...又会えるといいな)

 

俺は寿が立ち去って行く姿を見て、又再開出来る事を願った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

挿入歌『井口裕香/一番星ソノリティ』

 

グリグリに後を任せた俺は控え室で緊張感を解き、傷薬でパッチャ達の手当てをしていた。

 

理央「ふぅっ!久々に暴れた暴れた。今日はお疲れな」

パッチャ『うん!ぼくもプテラさんとたたかえてほんとにたのしかった!こんかいはまけちゃったけど、つぎはぜったいにかちたい!』

スガレ『それにしても、グリグリ一同が無事間に合って良かったですね。我が主人』

理央「ああ。その様だな」

ラグジー『俺も...もっともっと強くならないとな。理央、今度俺に挑発を覚えさせてくれないか?補助技対策としてきっと役に立ちたいからさ!』

理央「...分かった。機会があったら覚えさせておいてやる」

 

俺達が話していると、香澄が後ろから茫然と立ち竦んでいた市ヶ谷と牛込に抱き寄る。

 

香澄「有咲!りみりん!」

「「うわあっ!?」」

香澄「ライブしちゃった!歌っちゃった!」

有咲「ちょー恥ずかしかったんですけど!?」

りみ「でも綺麗だった。海みたいだった!」

 

海みたい...か。やっぱり牛込は初めて会った時のピカに少し似てるのかもな。

今度、季節が夏になったら全員で夕暮れ時の海を見せてやりたいなぁ...。

 

香澄「光るの振ってくれたね」

有咲「牛込さんと理央が居なかったら、本当ヤバかったから!」

理央「まぁ、いいじゃないか。''終わり良ければ全て良し''って言うだろ?」

有咲「全然良くねー!」

理央「それにしても、牛込も勇気を出してステージに上がれたな」

香澄「うん!凄いキラキラしてたね!」

りみ「香澄ちゃんの演奏や理央くんのバトルの様子を見てたら、私も頑張りたいって...」

 

牛込の心意気に俺は後ろを向きながらソファーから立ち上がる。

 

理央「それで良いんじゃないか?」

りみ「えっ...?」

理央「逃げるのは最初は誰にだってある。だが、お前は出した音は自分の弱さを乗り越えた勇気の証だ。その心意気を忘れるんじゃないぞ?」

りみ「うん…怖かったけど楽しかった。私、ポケモンバトルも...バンドもしたい!」

香澄「りみり〜ん!有咲も!」

有咲「するか!?」

 

拒否するが香澄達にハグされた市ヶ谷達の光景に口元を緩める。

それにしても...あの寿って奴は、俺の名前を知っていた。若しかしたら、あいつは本当にジュプトルなのだろうか?

だとすれば、他のポケモン達もこの世界に来たと同時に人間として生きている可能性が極めて高い。

 

ジュプトル『お前達は...最高のコンビだ!!』

ピカ『そうだよリオ。君は僕にとって...何よりも大切なっ...!』

 

ジュプトルとピカとの別れた時の記憶がフラッシュバックするが、あまり深く考えても時間は待ってくれない。兎に角、今は前に進むしかないんだ。

そうすれば、俺がこの世界に来た原因がきっと分かる。きっと...!

 

パッチャ『理央?てがとまってるけど、どうかしたの?』

理央「あ、いや。何でもない...少し考え事をしていただけだ」

 

我に返ってパッチャ達の手当てを再開した俺は心の中で『寿の正体はヨノワールと共に時空ホールに飛び込んだジュプトルなのか』と一つの疑念を抱く様になった。

多分あいつは俺の実力を試す為に、ほんの少ししか本気を出していない可能性が高い。次戦う時は負ける可能性だってある。

だからこそ、もっともっと強くならなければならない。

俺は拳を握りながらそう決心する。こうして、SPACEでのポケモンバトルは終わりを迎えた。

 

香澄「よぉーし、次は文化祭だぁ〜!」

ヒトカゲ『だぁ〜!』

 

ライブが終わって次のライブは文化祭でやる事を決意した香澄は、雨上がりの夜空に両腕を頭上に上げた。

 

理央「......」

有咲「理央。如何かしたか?」

理央「いや、さっきから誰かに見られてる様な気がする様な...」

有咲「気のせいなんじゃねーのか?兎に角、今日はもう遅えから家に泊まってきな」

香澄「いいの!?有咲大好き〜!」

有咲「だぁー!だから離れろって言ってんだろ〜!?」

 

波動を使って背後に居た人の気配を感じ取った俺は背後へ向き直る。

人の気配は感じるが、何事もなかったかの様に前を向いてSPACEを後にした。

寿が耳打ちした言葉を振り返る。

 

寿『俺が通学している羽丘女子学園には天文部があってな。部員は一人だけで、学園内では『変人の住処』とも呼ばれている。気を付けろ...そいつは俺の幼馴染みと同じく勘が鋭い。警戒を怠るな』

理央(『変人の住処』...か。所属している部員は一人だと聞いたが、一体どういう奴なんだろう?)

 

更なる試練が待ち構えている中、俺はSPACEが見えなくなるまでは背後を振り返りながら香澄達の後を追ったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NO SIDE

 

理央の姿が見えなくなってから数分後、SPACEの角側に隠れていた一人の少女が理央に興味を抱いていた。

 

???「パルデアチャンピオン 戸山理央...あたし達が居た事に気付いてただなんて。ますます『るん』ってしてきた!」

???「ルガゥ?」

 

彼女に「如何かしたのか?」と声を掛けたのはスガレと同じ四足歩行のルガルガン。

唯一の違いとしては体毛がベージュ、瞳の色が青、そして頭頂部にある鬣がないという事。

 

???「あ、御免ねルガルガン!ちょっと考え事してたんだけど、今度あのオレンジのルガルガンと戦ってみたくはない?」

ルガルガン「ルガゥ!」

???「早速やる気満々だね。それじゃあ今度会う時まで、一緒に特訓しよー!」

ルガルガン「アウゥゥゥゥーーーー...!」

 

真昼の姿のルガルガンは自分の意見に賛同してくれた少女に頭を撫でられる嬉しさのあまり遠吠えを上げる。

 

スガレ「アウゥゥゥゥーーーー...!」

香澄「スガレくん?急に如何したの...!?」

理央「......!」

 

その声量は理央の耳にも密かに届いており、スガレも遠吠えで鳴き返した。

 

理央(やはりな、既に此処で待機していたのか。羽丘の天文部員...!)

 

 

 

 

 

 

 

TO BE CONTINUED...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理央「次回、''甘辛い嫉妬''」

若しも理央君が四凶ポケモンの中でガールズバンドメンバーとのポケモンバトルで使用するとしたら...?

  • チオンジェン
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