Bang Dream! ~時空の叫びと星の鼓動~   作:ライノア

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四話編どうぞ!


第四話:甘辛い嫉妬 前編

RIO SIDE

 

理央「やけに機嫌がいいな」

有咲「そんな嬉しい?」

香澄「テンション上がる!文化祭頑張ろうね!」

理央「いや、文化祭関係ないだろ」

 

ライブハウス SPACEでの戦いから二日が経った。新しいメンバーと目標が増えて香澄とヒトカゲは呑気に鼻歌を歌っていた。

 

香澄「えぇ〜、二人もやろうよ」

有咲「やんねー」

香澄「カスタネットでも...あっ、りみり〜ん!新しいの買った!リィちゃん先輩が注文してくれたんだ」

 

俺と市ヶ谷に文化祭でライブをしようと誘われる最中で同じく通学中のりみと合流し、鵜沢(うざわ)が注文してくれたギターケースを自慢する。

これで生徒会員達に没収される事はなくなっただろう...また校門の前で弾いてなければの話だけどな。

 

りみ「うわあ〜!変型だもんね。ピッタリ?」

香澄「バッチリ!」

りみ「じゃあ、もう毎日有咲ちゃん家寄って預けなくていいんだ」

有咲「ええっ!?」

香澄「大丈夫。行くから!」

理央「行かんでよろしい!」

 

事実を知って動揺する市ヶ谷。この様子だと、まだメンバーが四人にはなっていないようだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

OP『前島真由/Story』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

RIO SIDE

 

クラスメイトA「カッコいい〜!」

香澄「えっへっへ〜!」

クラスメイトB「なんか弾いて!」

香澄「うん。じゃあ...」

 

ランダムスターを見せびらかして弾く香澄は、クラスメイト達のリクエストにお応えしてキラキラ星を弾き語りする。

それと同時に俺の背筋が一瞬で凍った。

 

理央「ま、まさかとは思うが''キラキラ星''じゃないだろうな...!?」

香澄「えっ?そうだけど、どうかしたの?」

理央「いや、何でもない。弾いてくれ...(やっぱりだああああーーーー!!!!)」

香澄「きー、らー、きー、らー、ひー、かー、るー」

 

 

香澄は弾き語りを始めるが、上から四番目から六番目の弦で弾いていたためか音が小さく、クラスメイト達は違和感を覚える。

 

クラスメイトA「小さ...」

クラスメイトB「これだけ?」

香澄「''星''まで行っちゃう?きー、らー、きー、らー、ひー、かー、るー。おー、そー、らー、のー、ほー、しー、よー」

りみ「わあ〜...!」

ヌマクロー『お見事〜!』

 

香澄の弾き語りが終わると、りみに合わせてより小さく拍手をする。

ちなみに香澄がヒトカゲを連れ歩いていない理由は、尻尾の炎で学校が火事になる虞があったからだ。

まぁ、俺が警告しておいただけなんだけどね。クラスの引き戸がガラガラと開き、焦げ茶色の長髪に翠色(すいしょく)の瞳を持つ少女が登校してきた。

俺達と同じクラスメイトで名前は花園たえ。彼女も香澄と同じくギターケースを背負っており、連れ歩いているポケモンは鼻の上にある絆創膏(ばんそうこう)のような部分が特徴の白いウサギポケモンだった。

 

理央「ヒバニーか」

『ヒバニー ウサギポケモン 炎タイプ 走ると炎エネルギーが全身を巡って元気になる。遠慮なしに走り回るので、トラブルになる事もある』

 

オガシマタウンの花火大会で『炎の白兎(しろうさぎ)』と呼ばれている個体のヒバニーを、俺は知っている。

だが、少2から中1までの付き添いの友人を選ぶ形で捕獲され、彼がサッカー部に入る切っ掛けとなった。

その頃の俺は、ヒバニーを捕獲出来なくて落ち込んでいた事もあったっけな。

でも中学の卒業式が終わると、サプライズでヒバニーのタマゴを貰った記憶がある。まさに卒業記念のプレゼントに相応しかった。

そのタマゴから孵ったヒバニーは既にエースバーンに最終進化させているが、まだまだ未熟だ。

鍛えた技で無双という名のゴールをしまくるから、応援よろしく!

 

香澄「花園さんも弾くの?ギター?それともベース?」

クラスメイトA「花園さんも弾くんだ」

クラスメイトB「ええっ!?聞きた〜い!」

たえ「それ...」

香澄「えへへ。ランダムスターっていうんだよ」

 

弾いているのがギターかベースと問い掛ける香澄に花園はランダムスターに目を付けると、顔色を変えた。

 

たえ「...変態だ」

「「えっ(は)?」」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

香澄「私、変態なのかな...?」

有咲「じゃん?」

沙綾「変ではある」

香澄「えっ?ええっ...!?」

 

昼休みになり、目に涙を浮かべながら俺達に問う香澄。

 

りみ「え、ええっと...」

香澄「そうなんだぁぁぁ!うわあ〜ん!」

りみ「ち、違うよ。ちょっと変だけど全然変じゃないよ!」

香澄「りみり〜ん!」

有咲「それ、フォローになってなくね?」

理央「...確かに」

 

容赦なく突っ込みを入れる市ヶ谷だが、香澄の反撃が出る。

 

香澄「有咲の方が変だよ!」

有咲「はぁ?」

香澄「この前、盆栽(ぼんさい)に『トネガワはうちのドダイトスみたいで可愛いね〜。お水あげるね〜!』って!」

沙綾「へぇ〜...」

有咲「い、言ってねー!」

香澄「言ってた!」

 

暴露された市ヶ谷は大慌てになりながら香澄に反論する。

 

有咲「そんな言い方はしてねー!」

沙綾「ってか、何で変態?」

理央「デザインが強烈だからじゃないか?ピーター・トーシュさんのM16を模したベースとか、マイケル・アンジェロさんが作ったX型のクアッド・ギターとか...」

香澄「そういう意味じゃな〜い!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

女教師「居残りは戸山さんと、花園さんね?」

 

家庭科の授業で俺達A組は裁縫(さいほう)をしていた。

香澄がギターケースを入れる袋を作ろうとしていたところで授業が終わり、花園と放課後で補習をする事となった。

 

有咲「えっ、香澄来ないの?」

りみ「終わったら行くって言ってたけど...」

有咲「ふぅん...?」

理央「...しゃあねぇ、先に帰るぞ。カゲロウ、りみ達を家まで頼む」

カゲロウ『ああ。構わん』

 

りみと市ヶ谷を背中に乗せたカゲロウは、二人を家まで送るべく両翼(りょうよく)を広げた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NO SIDE

 

家庭科室で居残りとなった香澄とたえはケースを作るのに真剣だった。

お互いの席は離れ、辺りに静寂が漂うばかり。花園と目が合った香澄は気を取り直して作業に取り掛かるが、適当に複数の布を被せただけだった。

 

香澄「よし!ふぅっ...」

 

体をもじもじさせてギターケースに手を付け、ランダムスターを背負う香澄。

そのまま『きらきら星』の弾き語りをする。

 

香澄「きー、らー、きー、らー、ひー、かー、るー。おー、そー、らー、のー、ほー、しー、よー。きー、らー、きー、らー、ひー、かー...きー、らー、きー、らー、ひー...」

たえ「それ...!」

香澄「えっ...!?あああっ!!?」

 

いつの間にか声を掛けられたたえに、香澄は声を上げながらひっくり返った。

 

たえ「...虫でもいた?」

香澄「えっ!?虫!?」

たえ「どこ!?」

香澄「わかんない!わかんない!」

たえ「...ピック?」

香澄「よかったぁ...!」

 

虫ポケモンの存在に(おのの)く香澄にたえは、横転した椅子を取る。

そこには香澄の赤いピックが落ちており、それを見た二人は安堵(あんど)の表情を浮かべた。

 

たえ「虫苦手?」

香澄「キャタピーみたいなのは大丈夫だけど...」

たえ「飛ぶのも?」

香澄「飛ぶの!?やだ〜!!」

たえ「はい」

女教師「終わったの?」

「「あ」」

 

両翅(りょうばね)が付いている虫ポケモンに叫ぶ香澄に落ちていたピックを渡すたえ。

その声を聞いていた女教師に注意された二人は再び作業に取り掛かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黙々と作業に取り掛かるたえを見て香澄はギターケースに目を付けるが、今は作業に集中すべきだと首を横に振った。

ハサミで布を切っていた矢先でたえが取り出した青いギターの音が(かす)かに鳴り響く。

 

香澄「青い!」

たえ「ん?」

香澄「すごいカッコいい!」

 

弦を弾きながらアンプ調整をしているたえは、香澄に声を掛けられる。

ギター同士は惹かれ合う運命なのか、香澄はランダムスターを取り出す。

 

たえ「...変態だ」

香澄「変態じゃないよ!」

たえ「ランダムスター持ってる人はそうだって」

香澄「...そうなの?」

たえ「うん」

香澄「そうなんだぁ...って、変態じゃないよ!?」

 

ランダムスターの変態常識を否定する香澄は、たえに唐突で些細(ささい)な質問をされる。

 

たえ「お酒は?タバコは?毎日?」

香澄「吸ってないよ!?花園さんは...?」

たえ「...未成年だよ?」

香澄「だよね〜」

 

ジャ〜ン...!

 

たえ「音、変じゃない?」

香澄「えっ?あ、チューニング!ええと...チューナー、チューナーっと。チュチュチュ...」

たえ「ペグ、行き過ぎてる」

香澄「''ペグ''?」

たえ「五弦の」

香澄「''ごげん''って...?」

 

ランダムスターの音を指摘された香澄は、たえに弦の名前とチューニングの基礎を教わる事にした。これが有咲との関係が崩れかける事も知らずに...。

 

 

 

 

 

 




TO BE CONTINUED...









バニコル (エースバーン)♀
''炎のエースストライカー''
ICV:伊藤かな恵
技:火炎ボール、跳び膝蹴り、アイアンヘッド、アクロバット
特性:リベロ
理央がオガシマタウンに居た頃、付き添いだった友人がゲットしたヒバニー(現エースバーン)のタマゴから孵った個体(理央曰く、メスとして産まれたのは偶然だった)。
父親譲りなためか、サッカーやポケモンバトルに対する思いが熱いやんちゃな性格。敵対する者には容赦はしないが、仲良くなった人間やポケモンには常に笑顔を絶やさない。




若しも理央君が四凶ポケモンの中でガールズバンドメンバーとのポケモンバトルで使用するとしたら...?

  • チオンジェン
  • パオジアン
  • ディンルー
  • イーユイ
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