Bang Dream! ~時空の叫びと星の鼓動~ 作:ライノア
RIO SIDE
香澄「有咲!有咲!私!戸山香澄!香澄!!」
蔵の扉が激しく叩かれる。声の主は当然香澄だ。
市ヶ谷は扉を開けて顔を合わせる事にした。
香澄「りーくん!?」
有咲「近所迷惑なんですけど」
香澄「...御免。私、何かした?」
有咲「......別に?」
更に突き放す様に俺は蔵の扉を閉めるが、香澄はそうはいかなかった。
香澄「待って!入れて!!」
有咲「''契約違反''。一緒にお昼食べるって言ったのにどっか遠くに行く、一緒にバトルやバンドの練習するって言ったのに来ない...」
香澄「...御免」
扉の隙間を埋めると、市ヶ谷は背を向けたままだった。
理央「これで良かったのか?」
有咲「......」
理央「だんまりしてるがよ。お前さ、俺達と出会う前は生涯孤独だったんだろ?だから
一人で出来なかったとしても、仲間がいれば乗り越えられる。それをジュプトルが、ピカやギルドの皆が教えてくれた。
俺は市ヶ谷を
『自分一人で生きられると本気で思うな』
有咲「私は...私は...!」
俺の言葉がフラッシュバックして
理央「どうする?今お前が背を向けたままだと、香澄は一生心に傷を負ったまま帰る事になる。そうなれば二度と蔵に来る事もないし、お前は再び天涯孤独な人生に逆戻りだ。まぁ、お前がそれで良いなら俺は止めないがな」
有咲「...なわけねーだろ」
理央「聞こえないな。もう少し気張れるだろ?」
有咲「このまま香澄と縁を切って前の生活に戻るだって!?んなわけねーだろ!!」
次の瞬間、市ヶ谷が蔵の外まで響く程に本心を語った。
有咲「お前の言った通りだよ理央。私、ホントは怖かったんだ...自分一人で生きていくのが。どうしても自分から素直になれねーっつーか...!」
頭を掻きながらヤケクソになっている市ヶ谷。これじゃ、バトルするどころじゃないな。
俺は一呼吸して市ヶ谷の肩に手を置きながら助言する。
理央「だったら自分から素直になればいい。今からじゃなくて、少しずつな」
有咲「...お前、意外と優しいんだな」
理央「よく言われるんだよ。ほら、さっさとバカ姉貴と仲直りしてこいよ」
有咲「素直じゃねーな」
理央「お前に言われたくもない」
意地を張った俺を見て一瞬だけ微笑んだ市ヶ谷が蔵の扉を
有咲「ペナルティ。明日のお昼、デザート
香澄「有咲〜!!」
有咲「まっ、まだ良いって言ってねェーーー!!」
目線を逸らしていた市ヶ谷が香澄に泣きつかれる。
ヌマクロー「ヌマ!ヌマヌマ〜!(りみ!理央が来たよ〜!)」
りみ「あっ、理央君!どうだった!?」
理央「一か八か、発破をかけて正解だった。草だけにな」
それから数分後、俺は市ヶ谷の部屋の階段を下りながらりみに和解成立の合図としてサムズアップをする。
香澄「御免、りみりん...えっ?うわあ!キーボードだ!あったの!?」
有咲「何でだよ!?」
香澄はりみにこれまで迷惑を掛けた事に謝罪の言葉を述べると、近くにあったキーボードにはしゃぎながら興味を示す。
りみ「利根川売ったんだって」
香澄「えっ、あの葉っぱ売れるの!?」
有咲「利根川舐めんなよ!?」
理央「お前さぁ。それ、盆栽育ててる奴に一言でも言ってみろ...命は保証しないと思え。とまぁ、茶番はこれくらいにしておこう。さぁ、Roland JUNO-DS61をご
俺が晴れやかに宣言すると、市ヶ谷は物は試しと言わんばかりにキラキラ星を弾く。
香澄「凄い!」
有咲「どうよ!?」
理央「感心するにはまだ早い。こっからが真骨頂だ...何せ音が変わるからな!」
BRASSのボタンを押して
香澄「すごいすごーい!」
有咲「だろぉ〜!?」
りみ「よかったぁ〜!」
理央「ってか香澄、一応表出ろ。まだお前には体験してない事が一つあるだろ?」
香澄「あっ、そうだった。ポケモンバトル!」
有咲「そういや、うっかり忘れてた...理央。お前が言うバカ姉貴はポケモンバトルの初心者だから、ちゃんと手加減しとけよ?」
理央「分かってるさ。こんな時のためにこいつを用意しておいて正解だった」
俺は取り出したモンスターボールから姿を現したのは、頭頂部に芽が生えている黄緑色の亀ポケモンだった。
香澄「ナエトルだ!いつの間にゲットしたの!?」
理央「本来なら進化先を踏まえてカゲロウを使う予定だったんだが、初見殺しにもなりうる可能性があったからな。敢えてこっちの方が良いと思ったんだ」
香澄「流石りーくん。それじゃあ、早速バトルしよっ!」
有咲「ちょっ、お前ら!バトルするのはいいが、間違って盆栽壊すなよ!?」
理央「そんなの百も承知だ!」
こうして香澄と市ヶ谷のギスギス問題は終わりを迎えた。
その後は俺が香澄の初めてのポケモンバトルに付き合ってやったのは言うまでもなかった。
理央「バトル後の手当ても終わったし、飯食いに行くか」
有咲「文化祭マジで出んの?」
理央「香澄は一度やると決めたらやるからな...って、お前!?」
俺は向かっていた和室に指を差す。何故ならば其処には花園たえと相棒のヒバニーが居たのだから。
よね「ご飯出来てるよ」
たえ「すごく美味しい!」
よね「あら、そう?よかった!」
理央「お前、いつの間に来てたのかよ...!?」
よね「香澄ちゃんと一緒に来たのよね?」
たえ「おかわり」
ヒバニー『オイラも!』
話を逸らさんばかりに花園は白米を、ヒバニーはポケモンフーズのおかわり要求すると、無表情で俺達をじっと見る。
たえ「...良かったね」
有咲「よくねー!」
よね「はい。どうぞ」
香澄「私も食べる!いっただっきまーす!」
挿入歌『井口裕香/一番星ソノリティ』
理央「人の家勝手に入り込んで飯食う奴は香澄しか居ないが...こりゃあ、二人分になると相当手間が掛かるな」
有咲「香澄が二人いるー!アアアアアーーーーッ!!!!」
りみ「有咲ちゃん、落ち着いて!」
ドダイトス『やれやれ。これから賑やかになりそうだな...』
花園に続いて香澄がちゃぶ台に座って晩飯を頂いた。
その様子を見て、市ヶ谷はヘッドバンキングの要領で掻き乱したのは言うまでもなかった。
たえ「四人で文化祭出るの?」
香澄「うん。有咲がキーボードで、りみりんベース。そして私がギター。りーくんは?」
理央「俺はどんなパートをやるかはまだ決めてないが...ワンチャンドラムもアリだな」
たえ「4ピースだ」
「「4ピース...?」」
たえ「四人組のバンドのこと!」
香澄「何か可愛い!」
時間は午後8時を過ぎており、俺は今回だけ香澄と花園の帰宅に付き添う事にした。
たえ「楽しみにしてるね」
香澄「...おたえ」
たえ「ん?」
自分の渾名に反応した花園は香澄に視線を向ける。
香澄「一緒にバンドやろう!」
たえ「えっ...!?」
香澄「おたえと行きたい!おたえのギタードキドキする!一緒に弾いたら、すごくドキドキするよ!家庭科終わっちゃったから...」
たえ「...うん。また一緒に」
香澄「ホント!?」
たえ「文化祭は分からないけど...」
香澄「やったぁ〜!文化祭出たら次はオーディションだよ。有咲とりみりんにはまだ言ってないんだけどね、SPACEのオーディション受けるんだ。合格しないとライブ出来ないんだって」
たえ「......」
香澄はこの前のライブ会場に上がってしまった時の事を振り返ると、花園は突然に黙り込んでしまう。
香澄「だからね、絶対SPACEで...!」
たえ「無理」
香澄「えっ...?」
たえ「無理だと思う」
その後、花園が放った言葉の真意を俺達兄妹は後から知る事となった...。
理央「次回、『兎追いし花園』」
TO BE CONTINUED...
次回からOPとEDが一時的に変わることがあります。
ドルス(ナエトル)♂
ICV:井上剛
技:葉っぱカッター、体当たり、殻に籠る、成長
特性:新緑
理央のメタモンと有咲のドダイトスの間で出来たタマゴから孵ったナエトルで、香澄のヒトカゲにとっては初戦の相手。
かつて理央がオガシマタウンに居た時の同級生がドダイトスを持っていたため、欲しかったポケモンの一匹とも言える。
一人称は『僕』で、有咲のドダイトスの事を『とーちゃん』と呼ぶ。
若しも理央君が四凶ポケモンの中でガールズバンドメンバーとのポケモンバトルで使用するとしたら...?
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チオンジェン
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パオジアン
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ディンルー
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イーユイ