Bang Dream! ~時空の叫びと星の鼓動~   作:ライノア

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ゆりさんとのポケモンバトル、開幕です。











第五話:兎追いし花園 後編 その1

RIO SIDE

 

ゆり「グリグリを代表して、私と勝負してほしいの」

理央「......!」

 

突然な勝負宣言に、俺は目を見開く。

 

『ええーーーーっ!!!?』

りみ「勝負って、理央君とバトルするって事...!?」

 

背後にて香澄達が声を上げて驚いていた。正直、何故グリグリのギターボーカルが自ら俺にポケモンバトルがしたいと宣言してきたを問う。

 

理央「...何故、俺なんだ?」

 

冷静な眼差(まなざ)しを向けると、ゆりは簡潔(かんけつ)に理由を述べた。

 

ゆり「さっきあなたがホルードに怯えて戸山さんの後ろに隠れる際に、人間ではないくらいの高さでジャンプしたでしょ?それで気付いたの、あなたは他の人間とは違う不思議な何かを持っている。他の波動使いを...いや、波動使いを凌駕(りょうが)する程の実力を私には感じたわ」

理央「......」

 

俺は少しゆりとの視線を外して顔を(うつむ)かせる。明らかに俺が元ポケモンだという事はバレてはいないが、ゆりは違う。

あいつはラグラージや五体の手持ちポケモンと共に数々の戦況を乗り越えてきた。相手の表情でどういう実力を持っているかを見抜けるという訳か。

ホルードを見て我に返った俺がしでかした事だ。流石に断らざるを得ないだろう。

 

理央「...分かった。お前とのバトル、受けよう。こうも言われちゃ断らざるを得ないしな」

ゆり「決まりね、場所はガルパ地方にあるバトルスタジアムでいいわね?丁度テレビで生放送されている番組があるの」

たえ「...それって、''ポケモンバトルグランプリ''...!?」

香澄「ポケモンバトルグランプリ?」

 

花園の言葉に香澄が首を傾げる。

 

有咲「三年に一度開催されると言われている番組だ。まさか、あのゆりさんから直々の申し出とはな...」

香澄「でも、凄いよりーくん!ゆりさんとバトル出来るんだよ!?」

たえ「パルデアチャンピオンの理央と、グリグリのゆりさんとの夢のバトル...!」

 

花園はパルデアチャンピオンである俺と、グリグリのギターボーカルとポケモントレーナーという双方の役割を(にな)うゆりがバトルするという事に興奮を抑え切れないでいた。

 

ゆり「それじゃあ、お互い無事決勝まで行ける事を祈ってる。三日後に会いましょう」

理央「ああ。俺もだ」

 

拳と拳を重ね合うと、咄嗟に時空の叫びが発動する。それも発動前の頭痛を飛ばしてだ。

 

理央『これで決めるぞガマロク!|キズナ水手裏剣!!』

ゆり『ラグラージ、全ての力を出し切るわよ。アクア・リフレクション...最大放出!!』

 

最後の一撃と思わしき未来の光景が一瞬で途絶え、俺の視界が現実世界へと戻って行く。

ゆりが蔵を出て行くと、俺達は早速会議に入った。

 

有咲「理央、相手は相当な実力者だぞ?手持ちの方は考えたのか?」

理央「大丈夫だ。諦めない心を持った者だけに、勝利の女神は微笑んでくれるからな。俺はそう思ってる」

沙綾「...諦めなければ、か」

 

その時、山吹の呟きが俺の耳に入った。

 

香澄「さーや?」

沙綾「ううん、何でもない。ただの独り言だから」

理央「......」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二日間は午前7時から午後5時までトレーニング(勿論(もちろん)休憩は挟む)、最後の一日は午後7時から8時までは予習をした。

そして、グランプリ当日。俺は無事に決勝戦へと上り詰めた。

 

実況者『さぁ、やって参りました。待ちに待ったポケモンバトルグランプリ決勝戦!実況はこの私、時空財閥(ときぞらざいばつ)管理人 時空鋼慈(ときぞらこうじ)が担当させていただきます。普段のテンションはやたら低めですが、今回は実況者として熱い解説をさせていきたいと思います!』

 

時空財閥とは、このガルパ地方にある弦巻財閥と並ぶ大富豪(ふごう)組織の事だ。

その管理人の役目を担っているのは、40代に近い紺色のスーツを着たダンディな男性。

時空鋼慈。日に当たった髪はダイヤモンド、瞳はルビーの様に輝く様は正に宝石人間と言っても過言ではない。

そんな有名な人間が暢気(のんき)に実況をしているだなんて、まるで疑問に思ってしまう。

 

鋼慈『早速選手のご登場です...Glitter*Greenのギターボーカルにしてリーダー!牛込ゆりー!!』

 

ゆりの出場と共にスタジアムを埋め尽くしていた観客の拍手喝采(かっさい)が観客席内で上がっている。

 

有咲「遂に来たか...!」

たえ「迫力が凄い...」

理央「はぁ...すぅ...」

 

香澄達はゆりの実力に対して緊張を抑え切れなかった。控え室で待機していた俺は、ベンチから立ち上がって出場の前に深呼吸をする。

 

理央「っしゃ、行くか!」

???「待って!」

 

足を3cm程に踏み出すと左右のドアが自動に開くと、背後から声が飛ぶ。

声を飛ばした正体は、ゆりの実妹のりみだった。

 

りみ「ええっと、理央くん...頑張って!」

香澄「私も、頑張って!」

理央「......ああ。テッペン、取ってくる」

 

りみに続いて香澄も声援を送る。

背後を振り向かずにサムズアップで返した俺は笑みを浮かべながら、気を取り直して控え室を出る。

 

鋼慈「続きましては、前パルデアチャンピオン オモダカを制した現パルデアチャンピオンでもあり波動使い!戸山ぁぁぁ、理央ぉぉぉぉッ!!!!」

 

名乗り上げと俺の入場で歓声が湧き上がる。目前にはゆりが立っていた。

 

ゆり「待ってたわ。理央君」

理央「決勝で会おうってお前が言ってたが...どうやら、その言葉通りになったな」

ゆり「そうね。お互いにベストを尽くしましょう」

理央「グリグリのギターボーカルにしてハイパークラスの実力を持つトレーナー。牛込ゆり!お前を倒して、俺はその先へ進む!!」

 

俺が言い放った勝利宣言に観客達は万雷な声を上げた。再び戻って来たこの場所で期待を表するのにも持ってこいだ。

掛け合いが終わると、審判がルール説明を行う。

 

審判「これより、ポケモンバトルスタジアム決勝戦を行います。使用ポケモンは三体、どちらかのポケモンを全て戦闘不能にした者を勝者とします。尚、このバトルでは『テラスタル・ダイマックス・Zワザ・メガシンカ』の使用は、いずれか二つまでとさせていただきます。それでは両者、ポケモンを!」

ゆり「出て来て、ミルタンク!」

???「ミルミル(一気に優勝しちゃうよ)〜!」

 

ゆりのモンスターボールから出たのは、丸々としたピンクの体色を持つ雌牛だった。

 

理央「...ミルタンクか」

 

俺はパットロトムを取り出し、ミルタンクの図鑑説明が自動的に読み上がる。

 

『ミルタンク 乳牛ポケモン ノーマルタイプ 栄養満点なミルクは高齢者や病人にとっては最高の飲み物。ただしハイカロリーであるため、飲み過ぎるとミルタンクみたいな体型になる』

理央「何も其処まで言わなくても...」

 

俺の呟きに観客達が『とても簡潔で助かる』、『カロリー計算しとこ』、『そうだったのか』などの声が飛び交う。

流石に観客席に子供が居た事も考慮して、アウトっぽい説明文を読み上げる事はなかった。

 

ゆり「そのスマホロトム、私達のとは少しサイズが大きいわね...」

理央「これに対する質問はするな。さて、ジョウトのポケモンにはジョウトのポケモンと行きたいところだが...もう既に対策は練ってある」

ゆり「対策...?」

理央「出て来い......

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

''きんにく''!!」

 

モンスターボールから出て来たのは、黄色いタラコ(くちびる)が特徴の全身灰色ポケモン。

筋肉が発達した体と四本の腕を持ち、腰部には赤くPと刻印されたチャンピオンベルトを巻いている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NO SIDE

 

~観客席~

 

香澄「あっ、きんにくさんだ!」

 

きんにくを見て声を上げる香澄。実はトレーニングの前に、理央が香澄のヒトカゲと一時的に通信交換をした事でカイリキーに進化させていたのだ。

 

有咲「よし。作戦通りに行ってるな...!」

香澄「どういう事、有咲?」

 

有咲の言葉に、香澄は問い掛ける。

 

有咲「ミルタンクに特性は二つある。一つ目の『(あつ)い脂肪』は炎タイプと氷タイプの技を半減出来る事...」

りみ「二つ目は確か、『肝っ玉』だよね?ノーマルタイプと格闘タイプの技がゴーストタイプのポケモンにも命中するって言われてる...」

たえ「確かにその通りだけど、肝っ玉のもう一つの効果は威嚇(いかく)を無効化出来る事。二人の考察通りなら、りみが言ってた肝っ玉はほぼ確定」

有咲「下手に草技打ったら、隠れ特性の『草食』で攻撃が上がっちまう。此処できんにくの姐御(あねご)を出したのが正解だな」

 

たえは有咲とりみの考察をまとめて述べる。

ミルタンクには隠れ特性として草タイプの技を受けると攻撃力が上昇する『草食』を警戒した結果、理央はきんにくを選出したのだ。

 

香澄「つまり、ゆりさんのミルタンクの特性を警戒した上できんにくさんを出したって事!?」

有咲「そういう事になるな。今回はお前の理解が早くて助かった。ただ、テラスタルが岩かゴースト...草でなければの話だけどな」

 

 

 

 

 

 

 

 

RIO SIDE

 

~スタジアム ステージ~

 

一応確認として、ゆりのスマホロトムがカイリキーの図鑑説明を読み上げる。

 

『カイリキー 怪力ポケモン 格闘タイプ 発達した四本の腕は、二秒間に1000発のパンチを繰り出す事が出来る』

理央「きんにく。今回は頼むぞ!」

きんにく『任せな。俺の筋肉で其処の牛ッコロなんざ屁でもねぇ』

ミルタンク『誰が牛ッコロですってぇ!?ブムォォォッ!もう怒ったわ!乙女を甘く見た事、後悔させてあげるわ!!』

 

きんにくの言葉にミルタンクは勝利宣言をする。

 

鋼慈『ああっとぉ!カイリキーに挑発されたのか、ミルタンクが激怒しております!』

理央「...お互い、悔いのない勝負にしようぜ」

ゆり「ええ。私も同じ気持ちよ」

鋼慈『第一回戦、始め!』

 

メスポケモン同士の戦いの火蓋(ひぶた)は、切って落とされた。

 

 

 

 

 




TO BE CONTINUED...










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