Bang Dream! ~時空の叫びと星の鼓動~   作:ライノア

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後編 その2です。


第五話:兎追いし花園 後編 その2

RIO SIDE

 

鋼慈『第一回戦、始め!』

理央「先手必勝!きんにく、バレットパンチ!」

ゆり「ミルタンク、丸くなる!」

 

弾丸の如き鋼のラッシュを叩き込むきんにくだが、直前にミルタンクは体を丸くして防御体勢に入りながら後方(こうほう)へと後ずさる。

 

ゆり「早速一体倒させてもらうわ。そのまま丸くなりながら転がる!!」

鋼慈『ミルタンク、転がるで発生させた土煙でカイリキーの視界を塞いでいくー!これは絶対絶命かァーーー!?』

 

ブレーキを掛ける勢いでミルタンクが大地を削る。

砂塵(さじん)を発生させ、きんにくの視界を塞いだのだ。

 

ゆり「...十分ね。そのまま突っ込んで!」

 

これくらいで十分だろうと判断したゆりの指示で、ミルタンクは丸くなるによる防御上昇と体の回転によって威力を増大させた転がるを放つ。

その動作はまるで転がったタイヤの様に起動を変えながら左側に旋回していく。

 

きんにく『ぐああっ!?ぐっ...!』

ミルタンク『ほらほらぁ。どうしたのぉ?あんたの筋肉なんて、あたしの転がるの前では取るに足らないわよ!!』

 

左、右、後ろ、前とミルタンクの転がるを受けていたきんにくは防御体勢に移るが、転がるの威力が上昇していく事に変わりはない。

顎にクリーンヒットしそうになったところで四本の腕を交差させるも、威力の上がった転がるの前では無駄骨だった。

 

理央「しっぺ返し!」

 

大きく宙に打ち上げられたきんにくはこれまで受けた分のダメージを二倍にして突き出した両腕をミルタンクの転がると打つかり合う。

二体のポケモンは互いに大きく後退し、ゆっくりと息を整える。

ミルタンクに与えたダメージは二倍だが、それでもタフでいられる。まさに化け物だ。

早くこいつを倒さないと、確実に三タテされてしまう。

 

きんにく『...あの転がるって技、丸くなると合わせる事で想像を絶するほどの威力を増す...意外と厄介だな。理央、俺達の特訓の成果を見せる時だぜ』

理央「ああ。見せてやろうぜ、俺達の特訓の成果を!きんにく、その場でバレットパンチだ!!」

 

俺の指示できんにくはその場を動かずにバレットパンチによる乱れ打ちで空気を何度も殴り付ける。

 

ゆり「...なるほど、そうきたわね。ミルタンク、もう一回丸くなりながら転がる!最大まで威力を高めるのよ!」

 

威力を上げるために巻き上がった砂塵を四本の腕によるラッシュで打ちまくるきんにく。

2秒間に1000発だなんて物足りないからな...せめて20秒で打った10000発の威力をあのチ◯ビ丸出し野郎を一撃で仕留めなければならない。

20秒を切ろうとした直前、小さな岩が地面に落ちた音が聞こえたのを合図にミルタンクは最大火力に上昇させた転がるを繰り出す。

それでも、きんにくはバレットパンチを続けた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19.33

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19.66

 

 

 

 

 

 

 

 

 

19.99

 

 

 

 

 

 

 

 

 

20.00

 

 

 

 

 

 

 

 

 

理央「...今だ!爆裂パンチ!!」

 

距離が間近となった直後、きんにくは四本の腕による渾身の一撃を叩き込む。

激しい鍔迫り合いは長くは続く事はなく、そのまま壁に激突。煙が晴れると、二体はゆっくりと立ち上がる。

ミルタンクは頭を上げながらふらつく。

なんせ五割の命中率の爆裂パンチをセロ距離で受けたんだ。確定で混乱状態になってもおかしくはない。

 

理央「バレットパンチによるラッシュで威力を上げた爆裂パンチを放つ事でより強力な一撃を叩き込む。名付けて...''爆裂キャノン''!!」

カイリキー『......』

ミルタンク『...ううっ、ぬんッ!!』

 

これだけのダメージを受けても、まだ倒れない程の意地を張ったミルタンクは自身の頭を打ち付けて我に返る。

その姿を見て観客達は歓声を送った。

 

鋼慈『ミルタンク!自分の頭を打ち付けて混乱状態を解いた!カイリキーの渾身の一撃を受けても立ち上がる耐久力!流石は我々に栄養を与えてくれるモーモーミルクの神様だああああーーーーッ!!!!』

 

歓声の声を聞きながら、ゆりが指示を下す。

その技の宣言は更なる絶望への片道切符だった。

 

ゆり「''ミルク飲み''!」

理央「なっ......!?」

 

ゆりの指示でミルタンクは丸くなった。恐らくはセンシティブな様子を規制するがために丸くなりながら自分の乳を飲んでいるのだろう。

自分の体から出たミルクを飲み終えたミルタンクはさっきのダメージが何事もなかったかの様に平然としている。

 

ミルタンク『ふっふ〜ん、どう?どんなに強力な技を打とうが直ぐに回復するのがあたしのモットー!モーモーミルクのかわよい乙女の意地を簡単に舐められちゃ困るからね!』

ゆり「やるわね、理央君。そのカイリキーの特性、若しかしてだけど...根性ね?」

理央「!!」

 

ゆりの突然の推理に俺は目を丸くする。

 

理央「...何故分かった?」

ゆり「さっきあなたが爆裂パンチをセロ距離で打たせたのも、電磁波を持っている事を警戒していたからでしょ?残念だけど、私のミルタンクは電磁波を覚えていないわ」

理央「ぐっ、其処までお見通しだったってのか...!」

 

俺の作戦を見破られると、きんにくは緊張を解く様に膝を付いた。

 

きんにく『.....ぐっ!?』

理央「きんにく!!」

きんにく『...やっぱあの転がるとミルク飲みを封じない限り、俺達に勝ち目はねぇ。理央、一旦交代させてくれ。あいつとの戦いは第二ラウンドまでには持ち越してえ』

 

威力の上がった転がるを連続で受けた。流石に幾らきんにくでも意地を張れないレベルのダメージを負ったのだろう。

 

理央「...分かった、あれだけ転がるを耐え切ってでも大ダメージを与える事が出来たんだ。此処は一時休戦と行こう」

きんにく『...ああ。あんがとよ』

鋼慈『理央選手、此処でポケモンを交代。さて二体目のポケモンは〜!?』

 

俺はきんにくをモンスターボールに戻す。きんにくとの第二ラウンドのリードを繋げるために、一旦こいつを退いてもらうしかなさそうだ...!

 

理央「頼むぞ。ベグ!!」

???『僕と一緒に幸せいっぱい!どーも、ベグでーす!』

鋼慈『理央選手、二体目のポケモンはトゲキッスです!』

 

天使の翼を連想させる大きい羽を持つ白いポケモン。頭の(とげ)は左右の色が青と赤に分けられており、腹部にはツートンカラーの模様が散りばめられている。

俺がジョウト地方を旅していた際に舞妓さんから貰ったタマゴから孵化させた幸福ポケモン トゲキッスのベグは、アイドルみたいな自己紹介でぶりっ子する。

 

ゆり「トゲキッス、厄介なポケモンが出たわね」

鋼慈『ゆり選手。ポケモンの交代は?』

ゆり「ミルタンクのままで行きます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

NO SIDE

 

~バトルスタジアム 観客席~

 

たえ「トゲキッスだ。滅多に見れないポケモン!」

『トゲキッス 祝福ポケモン フェアリー 飛行タイプ 争いや揉め事のない土地に訪れ、様々な恵みを与えると大昔から縁起物に描かれてきた』

香澄「ベグくんだ!でも、この子見た目は可愛いんだけどバトルの時になるとすっごく性格悪くなるんだよ?」

有咲「...香澄の言う通り、トゲキッスは見た目に反して『白い悪魔』とも呼ばれている。その理由は...分かるな?」

りみ「ええっと、確か特性は『張り切り』だった気がするけど...?」

たえ「此処は『天の恵み』の可能性が高いよ。攻撃する技の追加効果が出る確率を二倍にしてくれるから、エアスラッシュとの相性も抜群。香澄の性格が急変するって言葉も、有咲の『白い悪魔』と呼ばれている理由にも納得がいく」

 

有咲とたえの言葉に香澄とりみは納得する。厚い脂肪だった場合は特性の効果を無効にする型破りの方が効率は良い。

しかし、ベグの特性が仮に天の恵みなら怯みの追加効果を持つタイプ一致技のエアスラッシュとの相性も良く、仮に性別がオスで電磁波とメロメロを組み合わせればミルタンクを瞬殺する事も可能。

目には目を害悪には害悪を。誰に卑怯と言われても構わない程の覚悟が、理央の眼差(まなざ)しが密かに教えてくれたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

RIO SIDE

 

~スタジアム ステージ~

 

鋼慈『それでは第二回戦、始め!』

ゆり「ミルタンク、転がる!」

ミルタンク『十分に上がった威力!これでイチコロよォォォォッ!!!!』

理央「...少し羽ばたいてからエアスラッシュ!」

ベグ『はぁっ!!』

 

案の定、転がるを打ってきた。

俺の指示を受けて両翼(りょうよく)を少し羽ばたせたベグは、1mくらいにフワッと上昇して転がるを回避して空気の刃を連続で放つ。

ミルタンクは転がってステージ内を駆け巡るが、転がるを繰り出そうとした途端に攻撃が当たって怯んでしまう。

 

ミルタンク『ううっ、くっ...!』

理央「焼き加減はウェルダン通り越して丸焦げだ。大文字!!」

ベグ『僕と理央からへの愛の炎...受け取れやオルァァァァァッ!!!!

『『急にキャラが変わったぁーーー!!!?』』

 

ベグのキャラが変わった様子を香澄達と観客席にいたドダイトスとヒトカゲが突っ込むが、今はバトルに集中したい。

 

ゆり「そのまま突っ込んで!」

 

怯んだところでベグの赤く燃え盛る大の字を、ミルタンクは構わず突っ込んでいく。

炎タイプ最強の技を受けてもあまり効いていない、特性は厚い脂肪で確定だな。

 

理央「マジカルシャイン!」

 

ベグは自身の体に(まと)わせた虹色の光を攻勢バリアとしてミルタンクを吹っ飛ばす。

 

理央「攻撃の隙は一切与えない。ベグ、エアスラッシュで怯ませてから大文字で(あぶ)っとけ!何度も繰り返してもいいが、仮に転がるを使ってきたらマジカルシャインで対処しろ!」

ベグ『分かったよ理央。覚悟しなポロ出し野郎...テメェは僕が何も出来ずに調教してやるァァァァッ!!!!

 

エアスラッシュで怯ませ、立ち上がったところを大文字で炙る。これを何度も繰り返すのだが、仮に転がるを使ってきたらマジカルシャインで対処する。

どんなにエグいと言われようが関係ない。ミルタンクの転がるとミルク飲みを封じるにはこれしかないからな。

 

ミルタンク『こんのぉ、よくも...!』

 

攻撃を耐え切ったミルタンクが意地を張ってでも立ち上がろうとしたその時だった。

 

ミルタンク『うっ、ぐぅっ!?』

ゆり「ミルタンク!まさか、特性『天の恵み』!?理央君はこれを狙って...!?」

 

全身が赤くなり、苦しみ出したミルタンクを見て叫ぶゆり。火傷(やけど)状態だ。

俺達は最初からこれを狙っていたんだよ...お前というコガネの化け物を倒す絶好の機会をな!

 

理央「へへっ、流石に隠れ特性の強運かと思ったか?予想が外れたのはお互い様だったようだな」

 

ベグの特性は『天の恵み』。攻撃技の追加効果を二倍に値上げしてくれる超お得な特性。

怯み効果を持つエアスラッシュとの相性は抜群で、後は火傷によるダメージと合わせてエアスラッシュを撃ちまくるだけだ。

 

ゆり「ミルタンク、ミルク飲み!一旦戻って!」

ミルタンク『ミ、ミル(う、うん)...!』

 

だがそんな願いは叶わなかった。火傷状態でこれ以上バトルを続けるのは厳しいと判断したゆりは少し焦ったのか、即座にミルタンクにミルク呑みを指示させた上でモンスターボールに戻した。

 

ゆり「御免ね。でも、ちゃんと出番は作ってあげるから...次は貴方よ、ジュナイパー!!」

???『......』

鋼慈『ゆり選手の二体目のポケモンは、アローラ御三家 モクローの最終進化系''百発百中のアーチャー''ジュナイパーだぁーッ!!』

 

ゆりが二体目として出してきたのは、草の外蒙(がいもう)を纏った狩人(かりうど)の様な鳥ポケモン。

首の部分にはX字で橙色(だいいろ)の葉っぱが付いており、胴体から脚までは白く、同じく白い斑点(はんてん)が四つ付いている両翼は薄茶色となっている。

 

理央「ジュナイパーだと...!?」

『ジュナイパー 矢羽ポケモン 草 ゴーストタイプ モクローの最終進化系 翼に仕組まれた矢羽を弓矢の様に番て放つ。相手が気づく前に0.1秒で急所を射抜く』

 

まさか御三家をもう一体持っていたとはな。ゆりの奴、影縫いで交代を封じた上でベグを倒す気だ...!

 

鋼慈『理央選手、ポケモンの交代は?』

理央「ベグで行かせてくれ。本来なら影縫いが来る前に交代したいところだが、御三家ポケモンが出て来たからには今更戻すわけにはいかない」

鋼慈『そうですか。なら、貴方の期待に答える前に一つ聞いておきましょう...

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

今の言葉に後悔はありませんね?』

理央「ああ。ないッ!!」

 

堂々と宣言した俺の言葉を聞き入れた鋼慈は、第三回戦開始の宣言をする。

 

鋼慈『そうですか......それでは第三回戦、始め!!』

 

 

 

 

 




TO BE CONTINUED...









~理央のポケモン紹介~
ベグ(トゲキッス)♀
''白い悪魔''
ICV:花澤香菜
技:エアスラッシュ、大文字、マジカルシャイン、メロメロ
特性:天の恵み
理央がジョウト地方でまいこさんから貰ったタマゴから孵化したポケモン。
普段は天使の様な性格だが、戦闘になると態度が嘘の様に急変する。一人称は『僕』。









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