Bang Dream! ~時空の叫びと星の鼓動~   作:ライノア

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後編 その1です。











第七話:申し子の喧嘩 後編 その1

RIO SIDE

 

夏希「一気に決めちゃうよ!エクスレッグ、出会い頭!」

 

海野の指示で一瞬にして姿を消したエクスレッグは、ビショップの懐まで来ると片足による中段蹴りを叩き込む。

攻撃を防げずにいたビショップは両腕を交差させて後退する。

 

たえ「威力が通常より強い。やはり海野さんのエクスレッグ、特性は色眼鏡だ」

香澄「''色眼鏡''...?」

たえ「色眼鏡は、本来効果が今一つだった時に与えるダメージを二倍にする特性だよ。例えるなら0.5倍は1倍に、0.25倍は0.5倍になる」

りみ「タイプの相性判定は変化しないんだけど、悪鋼の複合タイプであるキリキザンにとってはかなり悪手だよ」

理央「ビショップ、辻斬り!」

夏希「こっちも悪技先制で行くよ!不意打ち!」

 

たえの解説を挟みつつも、俺達は構わず指示を下した。

悪タイプ技同時の応酬が続き、両者は土煙を吹き出しながら後退する。

仮に蜻蛉(とんぼ)返りを持っていたら、二回目の出会い頭で大ダメージを喰らってしまう。

更に吸血を持っていれば体力を回復される始末。やはり此処でエクスレッグを倒すしかない!

 

夏希「(かかと)落とし!」

理央「(やはり四倍弱点で来るか!)当たって砕けろだ、瓦割り!」

 

本来四倍弱点である筈のビショップに一か八か左手による瓦割りで対応する。

振り下ろした踵に対して、両腕を突き上げたビショップは地面に(ひざ)を着きながらも耐えてみせた。

十分なダメージを受けたところで、もう一つの一致技を見せる時だ。

 

理央「...メタルバースト!!」

 

全身に(まと)われた銀色のオーラが凝縮(ぎょうしゅく)したエネルギーとして反撃に備えていた右手に宿る。

更に瓦割りを上乗せし、エクスレッグを大きく吹っ飛ばした...と思われたが、相手はそんなに甘くはなかった。

 

夏希「エクスレッグ、蜻蛉返り!」

 

又してもタイプ一致技を放ち、ビショップに更にダメージを与えたエクスレッグ。

メタルバーストによる大ダメージで

蜻蛉返りの効果でモンスターボールに戻り、控えていた切り札————相棒のダイケンキに交代される。

 

理央「...やはりそう簡単に倒してはくれなさそうだな」

夏希「そういう事。ダイケンキ、ハイドロポンプ!」

理央「挑発を警戒しておいて正解だった。電磁波!」

夏希「見切り!」

 

ダイケンキの口から放たれたハイドロポンプを避けて電磁波を試みるが、見切りにより麻痺状態を避けられてしまった。

 

理央「そう来ると思ったぜ!辻斬り!!」

ビショップ『ふぅんッ!!』

夏希「シェルブレードで迎え撃って!!」

 

辻斬りを放つビショップに対し、ダイケンキは両手に付いた刀で迎え撃つ。

悪のエネルギーを纏った斬撃と水を纏った斬撃が打つかり合う中、パワーは互角に見えるが、実際は海野のダイケンキの方が遥かに上だった。

攻め入るキリキザンをダイケンキは一歩も動かずに攻撃一つ一つを川の流れに従う様に受け流し、袈裟(けさ)斬りによる一太刀が隙だらけとなった胴体に喰い込ませる。

 

ビショップ『ぐうぅっ...ぬぅッ...!!理央ッ!!』

理央「ああ。今までに喰らったダメージをお見舞いしてやれ!鉄瓦・辻!!」

 

ビショップは渾身の一撃を込めた大技をダイケンキに叩き付ける。

辻斬り、瓦割り、メタルバーストの三つを組み合わせた一撃がダイケンキに打ち込み、ほんの少しであったが退ける事は出来た。

だが、ダイケンキはビショップの視線を見下ろしていた。

実力を褒め称えていたが、その未熟さを視線が物語っている。

 

ダイケンキ『...』

夏希「ハイドロポンプ!」

 

ハイドロポンプで公園内を囲っていたフェンスに押し出され、ビショップは呆気なく戦闘不能に至ってしまった。

 

有咲「キリキザン、戦闘不能!」

理央「ビショップ!」

 

俺は戦闘不能になったビショップの元に駆け寄る。

 

ビショップ『やはり今の俺では奴には遠く及ばなかった。だが、強者との戦いにおいての最善は尽くせた。有難(ありがと)う、理央』

理央「ああ。次も勝てなくても、戦闘不能寸前にまでは追い込もう。ゆっくり休んでくれ」

 

労いの言葉を掛けた俺はビショップをモンスターボールに戻す。

まさか電磁波を見切られてしまうとはな。残すは後一体のみになってしまった。

ジャビーの天邪鬼で特攻を二段階上昇させられるが、最悪手持ちには入れていない。

アロウもミラーアーマーでステータスダウンを狙えるが、実力は文化祭決戦パーティーを結成する前はトレーニングを怠っている。一体誰を選出すればいいんだ...?

 

サルヒコ『なぁにチンタラやってんだ理央。りみの姉ちゃんを倒したばかりだってのに、まるでお前が赤子の手を捻られてるざまじゃないか』

ヒトカゲ『サルヒコさん!?』

ヒバニー『あの人、何で此処に!?』

 

頭上から毒突いてきたのは、サルヒコだった。

 

理央「...サルヒコ。通りで居ないと思ったら見てたのか」

サルヒコ『まぁな。それによ、二対二じゃ流石にツレェだろ。だったら此処から先は俺の出番だ』

理央「おい、勝手に割り込むなよ。何も俺はお前に————!」

サルヒコ『俺の体力を本番まで無駄に使わせたくないんだろ?やっぱお前、大分あいつに似てきたな。気遣ってくれただけで十分だ。けどよ、流石の俺でも、文化祭当日まで軽い特訓ばかりじゃ生温い。だから文化祭前に強い奴と戦った方が、本番でより力を発揮出来た方が好都合だと思った訳よ』

 

サルヒコは元々、俺とアローラ・ガラル・パルデアの地を旅した仲間————門津咲夜の手持ちの一体だった。

咲夜は三年前にとある事件で意識不明になる程の重症を負ってしまい、もしもの時に書いておいた手紙を通じてサルヒコを引き取った。

勿論の事、ルカとリザスト以外は咲夜から引き取った事になる。

サルヒコは普段は冷淡だが、やる時はやる性格だ。元いたトレーナーの信頼と期待を裏切らない為に。

 

サルヒコ『今まで()ぎつけてきた甲斐(かい)があったな。若しお前が海野夏希をマークしていなかったら、山吹が閉ざしていた過去の真実に辿り着けなかったかもしれない』

理央「お前も、山吹のバシャーモに気掛かりがあったのか?」

 

俺がそう(たず)ねると、サルヒコは冷静さを取り乱さずに続ける。

 

サルヒコ『ああ、色々とな。それに、お前もこうなる事は想定内だったんだろ?海野夏希にポケモンバトルで勝って、山吹の過去を吐かせるタイミングを...』

 

...まさかお前に見抜かれるとはな。流石に要件を飲まない訳には行かないか。

流石に軽めのトレーニングだけじゃ少々物足りなかったし、あいつらにとっては暇を持て余すだけだった。

だがな、俺もお前と同じでずっとこのタイミングを(うかが)ってたんだよ。

このバトルで海野に勝って、山吹の過去を知るチャンスを。

一度きりのチャンスは逃さないと、俺は一息を吐いてサルヒコの戦闘を許可する。

 

理央「...戦う前に一つだけ条件がある。文化祭当日までの体力は成る()く温存しとけよ?」

サルヒコ『言われなくても分かってるさ。おい(ひげ)剣豪、さっきは俺の後輩が世話になったな。俺も他の奴らとはちょっと違えから、今の内に剣の切れ味(みが)いとけよ?』

理央「''役割破壊の申し子''サルヒコ、絢爛(けんらん)に舞え!!」

 

俺が口上を言い終えると、サルヒコがフェンスを蹴ってバトルフィールドに降り立つ。

 

サルヒコ『さぁてと。カカロットの奴じゃあるまいが、今回だけあいつの言葉を借りるとするか。''いっちょやってみっか''...!!』

 

 

 

 

 

 




TO BE CONTINUED...












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