Bang Dream! ~時空の叫びと星の鼓動~   作:ライノア

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申し子の喧嘩 後編 その2です。


第七話:申し子の喧嘩 後編 その2

RIO SIDE

理央「役割破壊の申し子 サルヒコ、絢爛(けんらん)に舞え!!」

サルヒコ『カカロットの奴じゃあるまいが、あいつらしく言ってみるとするか...いっちょ、やってみっか!』

 

両腕を合わせたサルヒコはカカロットと呼ばれる者の決め台詞を言うと、夏希はダイケンキを一旦引っ込めてエクスレッグを投入する。

 

夏希「ダイケンキ戻って。もう一度お願い、エクスレッグ!」

エクスレッグ『......』

有咲「んじゃあ行くぞ?バトル開始!」

夏希「エクスレッグ、出会い頭!」

理央「マッハパンチで迎え撃て!」

 

先手必勝とばかりとエクスレッグの出会い頭は色眼鏡の効果で威力は上がっている。

サルヒコは威力上昇を承知の上で、マッハパンチを背後を振り向かずに出会い頭による中断蹴りを受け止める。

 

夏希「蜻蛉(とんぼ)返り!」

理央「(かわ)していちゃもんだ!」

 

エクスレッグの蜻蛉返りによる蹴りを背後に()()って避け、地面を蹴り鳴らしたサルヒコは正面に居る敵に向かって叫び出す。

すると赤面したエクスレッグの蜻蛉返りが中断される。

 

理央「不意打ちなんてさせない。マッハパンチ!!」

エクスレッグ『ぐぅっ!?』

 

マッハパンチによるアッパーカットで宙に打ち上げられたエクスレッグを、サルヒコは高く跳躍した即座に追い着いて第三の足ごと拘束させ、そのまま地面に大きく叩き付けた。

 

有咲「成る程。いちゃもんと来たか...」

香澄「いちゃもん...?」

たえ「いちゃもんは、相手ポケモンの技を二回連続で出せなくする技の事。これで海野さんのエクスレッグは違う技を二回使わない限り、蜻蛉返りは使えない」

 

二回も同じ技を打たれるくらいなら、少し呆気ないが拘束を維持しつつ確実に仕留めた方が効率良いからな。

 

夏希「エクスレッグ、一旦戻って!...!?何で、交代出来ないの...!?」

咲夜「早めに仕留めるぞ!サルヒコ、音速火拳!!」

 

ダイケンキに交代させようとした海野だったが、突然交代出来ずにいた焦りを無視したサルヒコは炎を(まと)わせたマッハパンチを連続で叩き込み、トドメの一撃はセロ距離で(かっざ)した手から火炎放射を放つ。

煙が晴れると、エクスレッグは目を回して倒れていた。

 

有咲「エクスレッグ、戦闘不能!ゴウカザルの勝ち!」

サルヒコ『攻撃は確かに強かったが、身柄を抑えておけば大差はないな』

 

色眼鏡エクスレッグの強さは評価に値するが、それでも自分には及ばないとサルヒコは誇示した。

戦闘不能になったエクスレッグを、海野はモンスターボールに戻して(ねぎら)いの言葉を掛ける。

 

夏希「お疲れ様、エクスレッグ。ゆっくり休んで...何が起こったのか全く分からなかったけど、それでも私は一歩も退()かないよ!」

理央「俺もだ。この勝負...負ける訳には行かないからな」

夏希「...そっか、まるで昔のさーやを思い出すな...でも、その気持ちは私も一緒だよ!ダイケンキ、お願い!!」

 

海野は昔の山吹を思い出したのか、決意を示しながらダイケンキを繰り出す。

これで両者一対一。この勝負で今後の有無が決まる。

 

有咲「それでは、最終ラウンド...始めッ!!」

夏希「ダイケンキ、アクアジェット!」

咲夜「マッハパンチ!」

 

水流を纏いながら突進を繰り出す先制攻撃に対して、サルヒコはマッハパンチで迎え撃つ。

 

理央「火炎放射!!」

夏希「ハイドロポンプで押し返して!!」

 

幾度(いくど)かの先制攻撃で見切りを発動してマッハパンチを避けるダイケンキだったが、直後にサルヒコ は口から火炎放射を放つ。

海野も負けじとダイケンキにハイドロポンプを指示する。

拮抗(きっこう)し合う特殊技の威力は弱点的にはハイドロポンプの方が上だ。

見切りやハイドロポンプを封じる為の策をこうも簡単に対策させられてしまうが、これでもまだ打つ手は山程ある。

 

理央「サルヒコ!ランダムだ!」

 

俺は敢えて技名を言わずにランダムと指示すると、地面に置いた両手で生成した黒紫に渦巻く空間に潜り込む事で、ハイドロポンプを間一髪で避ける。

数秒後、ダイケンキを囲む様に出現した無数の紫色の穴から数体のサルヒコがマッハパンチでダイケンキを一気に(たた)み掛ける。

 

夏希「この技は...ッ!ダイケンキ、アクアジェットで距離を保ちながらハイドロポンプ!詰められた場合はシェルブレード!!」

 

ダイケンキはアクアジェットを維持しつつ、無数の穴から出て来たサルヒコをハイドロポンプで薙ぎ払い、シェルブレードで斬り払う。

切り払われたサルヒコは煙となって消滅し、その煙が(わず)かにダイケンキの視界を眩ませた。

海野の指示がなくても自力で見切りを発動させてはいるが、それも計算通りだ。

距離を取った無数のサルヒコ達は影分身を使用して再び紫の穴に消え、ダイケンキ側に出現した穴から火炎放射、マッハパンチやいちゃもんを繰り出す。

 

りみ「今の煙は、影分身...!?」

有咲「...あれは一つの可能性だが、今の技は猫の手だな」

たえ「猫の手って、手持ちに控えているポケモンの技をランダムで放つあの猫の手?」

有咲「ああ。今、ゴウカザルの分身達が併用してる技はゴーストダイブっていうゴーストタイプの技だ。一度姿を消して攻撃出来る他、この技は守る系統の技を無視して攻撃出来るから海野さんにとっては取ってはかなり対処し(にく)い状況だ。しかも、それを連続で引き当てるかの様に使用している。偶然でもないのに、どうして...?」

 

有咲はサルヒコが猫の手で自分の思い通りの技を引き当てる事に疑問を抱くが、その理由はバトルが終わってからの種明かしにとっておこう。

一時的に技を何度も封じられ、分身の対処が追い付かなくなったダイケンキだったが、本体のサルヒコを捉えてシェルブレードを振り下ろす。

サルヒコも把握済みではあったのか、二刀の大剣による白刃取りで受け止めた両手首を90度捻って地面を蹴る。

 

夏希「ハイドロポンプで宙に上がって!」

 

ダイケンキも劣勢になっているとはいえ、口から噴出させたハイドロポンプでサルヒコにダメージを与えつつ空中で距離を取る。

距離を保たせまいと追尾する様に、ゴーストダイブによる瞬間移動でマッハパンチを繰り出すサルヒコの分身達に対してアクアジェットで更に急上昇。

 

夏希「全身を捻らせてアクアジェット!其処からシェルブレード!!」

 

そのまま全身を回転させたシェルブレードで受け流して斬り伏せる。

サルヒコの分身達を全て斬り伏せ、残るはサルヒコ一体のみ。

 

理央「ブーストマッハパンチ!!」

 

サルヒコは両足から火炎放射を噴き出しながらマッハパンチを繰り出す。

威力は前より上昇していて、サルヒコとの技の応酬(おうしゅう)でダイケンキの全身には(あわ)い青色のオーラが纏われていた。

 

理央(あれはまさか、激流か...!?)

 

激流は隠れ特性のヒヤッキーや水御三家専用特性で、自分の体力が三分の一以下になると水タイプの技の威力が1.5倍上昇する。

 

サルヒコ『...理央。早めに終わらせるぞ』

理央「分かってるさ。行くぞ、サルヒコ!」

夏希「テラスタルオーブ...だったらこっちも!」

 

挿入歌『閃耀 / Feryquitous × 可不』

 

次で決めるしかないと判断した俺は取り出したテラスタルオーブを掲げると、テラスタルエネルギーが充填(じゅうてん)される。

海野も同じ様にテラスタルオーブを取り出し、テラスタルエネルギーが充填する。

 

夏希「輝け!あたし達の全て!!水の様に、暑さなんて吹っ飛んじゃえ!」

理央「申し子よ、絢爛に舞え。(ろう)()けた炎の如く、揺らめく宝石となりてその煌めきを今示さん!サルヒコ、テラスタル!!」

 

互いに投擲(とうてき)したテラスタルオーブから光を放ち、突き出る様に纏われた水晶が砕け散ったサルヒコとダイケンキは宝石の様な輝気を発する。

頭頂部にはサルヒコが燭台(しょくだい)、ダイケンキは噴水といったテラスタルしたタイプを示した王冠を被っている。

 

理央「決めるぞサルヒコ。キャッツマッハパンチ!!」

夏希「『キャッツ』って事は、やっぱりさっきのゴーストダイブは猫の手だったんだね。だけど、あたしは...出来るところまで足掻く!ダイケンキ、ジェットシェルブレード!!」

 

サルヒコは猫の手を発動しつつマッハパンチを放つ。

左腕に電撃を纏い、右腕からは炎が纏われる。

その炎はサルヒコの全身を包み込み、色は(だいだい)色から青色へと変わる。

それに対してダイケンキはアクアジェットで数十mまで急上昇し、急降下と同時にシェルブレードを振り上げながら向かって行く。

 

理央「うおおおおおおおおッ!!」

サルヒコ『だりゃああああああああッ!!』

 

激突して拮抗する相棒ポケモンの最後の攻撃。

だが、バトルの実力はサルヒコの方が上で、雄叫びを上げた全力の押し切りでダイケンキを地面に大きく叩き付ける。

煙が晴れるとダイケンキは立ち上がろうとしていたが、蓄積したダメージでそのまま倒れ伏した。

 

有咲「...ダイケンキ戦闘不能。ゴウカザルの勝ち。よって勝者、戸山理央!」

 

 




TO BE CONTINUED...

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