Bang Dream! ~時空の叫びと星の鼓動~   作:ライノア

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今回の第三話は前編・中編・後編の三つに分ける予定です。
それでは如何ぞ!


第三話:これでイチコロネ 前編

RIO SIDE

 

???「没収」

理央「だと思った」

香澄「ええっ!?ギター駄目なんですか!?」

???「弾きながらとか有り得ないから!」

香澄「ああ...!」

 

校門前で生徒会長にランダムギターを弾いたら即没収された事を悔やむ香澄。

まぁ、ケースぶっ壊したからそのまま持ってくのはな...。

けど、放課後にはちゃんと返してもらえる模様。

 

有咲「ざまあwwww」

理央「迷惑かけた罰だ。ぐはははは...!」

 

俺と市ヶ谷は自業自得だと悪ぶった表情で言っていると、牛込が俺達に話し掛けて来る。

香澄は牛込を見掛けると直ぐに泣き付いて来た。

 

香澄「あっ!りみりん〜!」

りみ「えっ?ああ...ええっと、七ちゃん...生徒会長なら大丈夫だよ」

理央「七ちゃんって、さっきの生徒会長か?」

りみ「うん、鰐部(わにべ) 七菜(ななな)。お姉ちゃんと同じグリグリのメンバーでキーボードやってるよ...」

理央「キーボード?って、グリグリのキーボードって今のが!?全然気付かなかった...やっぱ眼鏡外すと若干違うんだな」

 

俺はさっきの生徒会長がグリグリのキーボードだと感付くと、牛込は(あご)を少し下げながら悲しげな表情をしていた。

 

りみ「あの...香澄ちゃん...?」

香澄「あ!練習。一緒に有咲の家でしよ?」

有咲「勝手に誘うな!」

香澄「ええっ!?」

理央「『ええっ!?』じゃない。まだ本人がやるだなんて一言も言ってないだろ?」

りみ「あのっ!御免なさい!やっぱり....バンド...出来ない!」

香澄「えっ...?」

 

頭を下げながらバンド勧誘を断る牛込。

それを耳にした香澄には予想外な言葉であったが、俺には遠慮しているかの様な言葉に聞こえた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

OP『前島麻由/story』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達は牛込を追うべくクラスに入る。

ピンクのカーテンで誰かがミノムッチの如く身を隠していた。

正体は当然牛込だろう。頭隠さず尻隠さず...いや、頭隠さず()隠さずか。

 

香澄「りみりん発見!逃さないよ〜!」

有咲「香澄うぜえ...!」

理央「ああ。義弟である俺の身にもなれってんだよ」

 

案の定香澄に捕らえられる様子に呆れる俺と市ヶ谷。

 

???「市ヶ谷さん...?」

理央「山吹...」

 

其処へ偶然に通り掛かった山吹を見た市ヶ谷は、猫を被ってその場を離れる。別に被らなくても良かっただろ!?

まぁ、それはそれで良いとして(ようや)く観念したのか牛込はカーテンから顔を出した。

 

香澄「何で駄目なの?親に駄目って言われた...?」

りみ「ううん...」

香澄「誰かに脅されてる...?」

 

香澄の問い掛けに牛込は必死に首を横に振る。

 

理央「仕方ねえ。其処まで否定し続けるならバンド勧誘しなかった方が————」

りみ「ごめばゆい...」

 

必死に首を左右に振り続けたせいか、遂には倒れてしまった牛込。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

沙綾「牛込さん、来ないね」

香澄「ううん...」

 

昼頃になって、中庭のベンチで牛込を待っている俺達兄妹と山吹。

ボールから出したヒトカゲとバシャーモはポケモンフーズを黙々と食っている。

同じくルカの分のポケモンフーズもあるが、先に弁当を黙々と食ってる俺の様子を窺う。

 

ルカ『......』

理央「......」

 

弁当のおかずが半分以下になると互いに目が合う。

 

理央「よし、食え」

ルカ『...いただきます』

 

俺の合図でルカは手を合わせて少なめに取ったポケモンフーズを食い始めた。

 

理央「あ。お前らも食っていいぞ」

 

他の五体の手持ちポケモン達も仕付けを守り、改めてフーズを食い始める。

 

沙綾「理央のポケモン達、ちゃんと理央の言う事聞いてるね。普通なら好きに食べさせてあげられるのに...」

理央「食事はポケモンの仕付けに持って来いだ。これほど丁度良い機会はないだろう?」

 

香澄は腕を組みながら何故牛込がバンド加入を否定し続けている理由を考える。

 

有咲「何唸ってんの?」

理央「市ヶ谷...」

香澄「有咲!有咲!」

有咲「契約結んだんで」

 

香澄にベンチの右側に座る様に伝える香澄を通り過ぎると、モンスターボールからドダイトスを出して背中の甲羅に座る。

少しおちょくってみるか。

 

理央「市ヶ谷が俺達と一緒に食いたいってよ。な、香澄」

香澄「うん!確かに言ってた!」

有咲「言ってねー」

「「言った」」

有咲「そういう言い方はしてねー!」

理央「あれェ〜?良いのかな人前で猫被らなくても...!」

有咲「いや、別にそういう訳じゃ...!」

沙綾「へぇ、いつから三人共仲良く...」

有咲「なってないです...!」

 

流石に猫を被ってるのがバレかけてるな。

 

香澄「有咲、如何しよう〜!」

有咲「何だよ?」

香澄「りみりんだよ。何でバンド駄目なんだろ?」

有咲「さぁな」

香澄「ちゃんと考えてよ〜!」

有咲「本人に聞けよ!」

 

市ヶ谷の肩を揺さぶる香澄。

 

理央「確かに、何故牛込がバンドに入るのを否定し続けているのか...直接会って理由を聞ければ手取り早いが、問題は如何やって聞くかだな」

香澄「如何やって聞くかって言われても、りみりんは御免しか言ってないし...」

有咲「じゃあ、そうなんじゃねーの?」

香澄「有咲〜!」

有咲「うぜえ!うぜえ!!うぜえ!!!」

 

香澄は弁当から(はし)で取った卵焼きを市ヶ谷に見せる。

 

有咲「...!これは良くあるおかずの交換券ってやつ...?」

沙綾「ふふっ...」

 

その様子に山吹は笑いを飛ばす。

 

香澄「交換でもいいよ?」

有咲「しない!」

理央「しないなら俺が食うぞ?」

有咲「食いたいなら食えば?要らねーし!」

理央「ホントは食いたい癖に」

有咲「う、うるせー!!」

沙綾「ふふふっ。御免、可愛い」

有咲「かっ、可愛くないです...!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

七菜「次からはケースに入れて」

香澄「はい!おかえり〜!」

 

放課後になり、生徒会室で鰐部から引き取られたランダムスターに(ほお)を擦り寄せる。

 

理央「悪いな。俺のバカ姉貴がこんなので」

七菜「いえ、いいの...それより貴女達兄妹よね?バンドやってるの?」

香澄「あ。バンドはこれからで...ライブしたいんです!」

七菜「そう...文化祭に出るなら————」

香澄「ライブ出来るんですか!?」

七菜「...申請(しんせい)書持ってくる」

香澄「は、はい!有難う御座います!」

 

鰐部は冷静な態度を崩さず、香澄の意見に賛同すると、申請書を取りに行くべくその場を後にした。

 

香澄「文化祭かぁ...楽しみだねヒトカゲ!」

ヒトカゲ『うん!』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

有咲「確保ー!!」

香澄「バッチコーイ!!」

りみ「えっ、あ、香澄ちゃん!?」

香澄「ちょいやー!捕まえたー!!」

 

翌朝となり、市ヶ谷は牛込が香澄に抱き付かれた反動で落とした木箱を拾って本人に手渡すと欠伸(あくび)をしながらこの場を立ち去った。

 

有咲「作戦終了。帰る」

香澄「えっ?今日行く日って...!」

理央「止めておけ、市ヶ谷は市ヶ谷なりで疲れてんだ。それより、牛込に話したい事があるんだろ?言うなら今だぞ?」

香澄「あっ、そうだった!御免、やっぱりちゃんと聞きたくて...昨日、無理に誘っちゃったの御免ね。でも、バンド自体は嫌じゃないって言ってたから『何かあったのかな』って...」

 

香澄はまともな表情で牛込に理由を聞き出す。

 

香澄「りみりんと話すも楽しかった。バンドの事とかライブの事とか、色々教えてドキドキした」

りみ「......」

理央「牛込、出来る事があるならいつでも言ってくれ。お前の姉であるゆりみたいにSPACEで————!」

りみ「御免なさい...御免なさい...私...!」

 

俺は木箱を手渡し、牛込の肩を置きながら香澄の言葉を紡ぐ。

だがそれでも牛込は遠慮しており、ただ謝罪の言葉を言うだけだった。

 

香澄「りみりん、御免...御免ね!言いたくなかったら全然...!」

りみ「違う...違うの...!」

 

牛込は肩に置かれた俺の手を振り払い、そのまま走り去って行った。

 

香澄「りみりん!」

理央「いや、これでいい。後は時空の叫びが発動するのを待つだけだ」

香澄「あの目眩だね?」

理央「ああ」

 

ヒトカゲがニョロボン達に襲われる前、俺の目眩が時空の叫びだという事は(あらかじ)め話しておいた。

 

 

 

 

 

~回想~

 

理央『香澄、話がある』

 

香澄『えっ?話って...何?』

 

理央『俺の目眩の事なんだが...アレは何かに触れる事で、その場所や物体の過去もしくは未来の光景や声が見えたり聞こえたりもするんだ』

 

香澄『ええっ!?過去や未来が見えるって、如何してそんな事...!』

 

理央『敢えてこの目眩の事を名付けるなら''時空の叫び''...俺の特殊能力だ』

 

~回想終了~

 

 

 

 

 

振り返りながら正直に言うと、時空の叫びに関して香澄に話した事を少し後悔している。

だが、それは時間の問題。時空の叫びが発動し、俺は頭を抑える。

 

理央「うっ!ぐっ!?」

香澄「りーくん!まさか、来たの!?」

理央「...ああ、そろそろ映る頃だ。過去か未来の光景が...!」

 

脳裏を過ぎる事で時空の叫びが発動し、過去の光景が映る。

恐らく身嗜みをしてる最中で、鏡の左側にはピンクのベースが飾られていた。

ギターの音色がする方へ向かうと、其処にはギターを弾いていたゆりの姿があった。

 

ゆり『眠れなかった?』

りみ『ううん、大丈夫...それ新しい曲?カッコいい...!』

ゆり『練習用のフレーズ』

りみ『朝から曲作ってたら、お姉ちゃん学校行かなくなっちゃうもんね』

ゆり『うちには規則に厳しいメンバーがいるから大丈夫!』

 

談笑してる途中で区切りがなされ現実世界に戻されるが、これも又ほんの一瞬。

 

理央「クソッ、又かよ...!」

 

今度は未来の光景が映る。

 

バンドメンバーA『次うちらだから!』

バンドメンバーB『待って、メイク終わってない!』

バンドメンバーC『MC何時?』

バンドメンバーD『うち、もう一曲出来るよ!』

スタッフ『出来るだけ引っ張ってもらえる?』

バンドメンバーE『分かりました。やってみます!』

香澄『りみりん!』

りみ『香澄ちゃん、理央くん...!』

理央『牛込、ゆり達は!?』

りみ『それがまだ来てなくて...!』

香澄『えっ!?』

りみ『昨日まで修学旅行で...大半で飛行機遅れて...今向かってるけどライブにはもう...!』

 

牛込のところに駆け付けた俺達三人に牛込は状況を説明すると、今度こそ現実世界に戻った。

 

理央「...これは、色々と不味いぞ」

 

これから起こる未来の出来事を、時空の叫びが乗り越えられるか如何かを試しているのだと俺は深く察したのだった。

 

 

 

 

 

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