「ッぐ!………っと」
『ギャンッ』
「わああ?!」
正門を無視して、城壁の上から街の中へと着地(?)した途端、アークたちは兵士や近くにいたハンターたちに囲まれた。
「何者だ!」
その問いかけに、ライが「あててて」と装備の裾を払いつつ立ち上がり、答えた。
「俺たちですよ、兵士さん。ライダーのライとオトモンのソラです」
すると少し間を置いて、兵士たちは槍を下ろした。
「ああ、アンタたちか……また人騒がせな。その白い髪の子は?」
「こっちはアークって言ってね。村から出てきたばっかりの新米ハンターだ。正式登録とか諸々をするためにもここに来た………って、今それどころじゃないんだ!」
『ギャウッ!』
ライは飛行中に襲ってきた「竜」について報告しなければ!とハッとする。
ライとソラはお互い顔を見合わせると頷く。
突然ソラがアークの首根っこを咥える。
「えっ」
「ってことで報告、行ってきま〜〜〜〜〜す!!」
『グギュ!』
そのままスタコラサッサとその場から走って去ってしまった。
「あっちょ、説明が足り………ああ、行ってしまった……」
よくライとソラに巻き込まれているのであろう兵士は、あーあ、またか、というように肩を落とした。
──────
そのまま飛び込んだのは書士隊の支部。
ソラからやっと開放されたアークは、2人が報告から戻ってくるのを廊下で待っていた。
「あれは、どこで見たんだったっけ……」
なんとなく既視感のある金色の鱗を持った飛竜について思い出そうと頭を捻っていた。
「確かあれは……砂漠近辺?あーいや、うーんと……?」
「あ、あのー……」
「………ん?」
アークが悩んでいると、声をかけてきた人物がひとり。
稲穂のような色の髪をした少女が、遠慮がちな様子でそこにいた。
服装は書士隊の隊服。おそらく彼女は書士隊の一員なのだなとアークは理解した。
「ええっと、その……大丈夫ですか?な、なにか、思い悩んでるように、その……見えたので……」
「えっ。……そこまで悩んでるように見えた?僕……」
少女はこくりと頷く。
「そ、それで……なにか、助けになれないかな、って思いまして……」
アークは思った。むしろこの少女の方が悩みがありそうだなと。
とはいえ、人の好意を無碍にすべきではないとアークは知っている。というか教えられた。
「そんな深刻なものって訳じゃないけど……ここに来る途中で襲ってきた竜が、なんだったか……ってだけだ」
「りり、竜?!それは、その……どんな子だったのです、か?!」
竜という単語に食いつく少女。それにアークは若干驚きつつも、まあ別に話すなと言われたりはしてないしなと思い、覚えているものを話すことにした。
「飛竜だ。金の鱗を持っていて、ソラ……あー、ライゼクスに喧嘩を売れるようなヤツだ」
「らららライゼクス?!となると、飛行能力が高い子……他になにか特徴は……」
少女が続きを聞こうとした時、ガチャりと扉が開く。
「待たせたなアーク!」
『ギャウッ!』
報告やらなんやらを終えたライとソラが戻ってきた。
「あ、おかえ……」
「ひゃあ?!ライゼクス?!」
少女がぴょいっと跳びつつ驚いた。それはそうだ、街中に
「ん?キミは書士隊の子?大丈夫、コイツは俺のオトモンだ」
「お、オトモン……えっ、ライゼクス……オトモン……ら、ライさん、ですか?!」
「俺?そうだけど。こっちはソラだ」
『ギャウッ』
「ぴぇ…」
少女はそう言葉がよく分からない発声をすると、そのまま倒れてしまった。
「わー?!ちょ、アーク、誰か呼んで来て?!」
「え、あ、わ、わかった!」
少しして、アークが呼んできた他の書士隊員に少女は回収されて行った。
「……なんだったんだろ」
「さぁ……」
『ギュ?』
回収されて行く少女の髪がもぞっと動いた気がしたが、アークは多分気のせいかと思うことにした。