ギガントマキアが強かったので理不尽に負けてもらおう   作:yakitori食べたいね

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体調悪いのとモチベが上がらんくてヒロアカ虹があんまり最近書けてない。
頑張ります


巨人と遭遇なのれす…

 

 

 

私は今、傷ついた人民の手当てをしている。

コツコツと貯めていた献ポポや涙を使いに使って死にかけている人を重点的に回復させている。

 

それでもふと思う。

彼らは治しても治しても直ぐに戦いに行く。

そして死ぬ。

 

例えこれが解放への狼煙だと彼らが言うにしてもそんなのあまりにも悲しいじゃないか。

さっきまで話していた人が死ぬ。

治した人が、鍛えた子供が、友が。

 

勿論まだ生きている人はいる。

それでも今此処で治さなければ彼らは生きることができるのではないかと。

そう思ってしまう。

 

『おい、さっさと戦士達を回復させろ。人員はどれだけいても足りないんだ。早くしろ』

スケプティックからの連絡だ。それを通信機に手を当てて返した。

「わかってる、少し黙っててくれ。気が散る」

 

私はコイツが嫌いだ。いや、コイツだけじゃない。

トランペットもキュリオスも外典や解放戦士という肩書きの人達は全員嫌いだった。

でも個人としては嫌いじゃなかった。

 

キュリオスはインタビューを除けば割と話しやすいやつだし、トランペットは普通にいいやつだ。外典は意外と可愛いやつだし戦士達は元々の普段はただの学生だったり会社員だったりする人の方が多い。

 

それも沢山死んだ。

キュリオス率いる部隊と本人は俺が助けるまでもなく死んだ。

戦士達は連合を殺すためにその身を犠牲にした。

 

そんな中で私はヒーローとして生きることを甘んじて受け入れている。

「俺」は人を殺せない。殺したくない。

 

人の尊厳を奪うことが、強制的な死を与えることが、俺には許容できなかった。

いくら力をつけても「俺」の心は弱いままだった。

だから私という殻を被った。

そうして自分の心を守って助けられる命を捨てて今俺は此処にいる。

 

俺は結局何故此処にいるのだろうか。

ヒーローの私は人を救わなければいけない。

戦士としての俺は連合を殺さないといけない。

 

今の私にはどっちもすることができていない。

もうどうすればいいのかわからない。

 

吐き気がする。視界がぼやける。

 

心の中がぐちゃぐちゃになって感情が抑えられない。

目の前でどんどん怪我人が増える。

死者が出る。

苦しむ人が増える。

 

その繰り返しで私の心はもうボロボロだった。

 

ドォン!!

 

そんな音と衝撃が響いて20メートルを超えるほどの大男が現れた。

「主の後継」などと叫んで暴れ回っている。

何かが目の前に落ちて来た。

 

その姿を俺は何処かで見たことがあった。

理解するのに数秒かかってしまった。

 

それは俺の親父だった。

俺を売った大嫌いな父親。

それでも唯一の肉親だった。

 

今、少し昔のことを思い出した。

 

 

 

───────────────────────

 

 

5歳になって2ヶ月ほど経った頃、母が車に轢かれて死んだ。

信号を渡っていると暴走したトラックに轢かれてその衝撃で即死だったらしい。

 

悲しかった。転生したとはいえ今生で5年間も一生懸命に苦労して育ててくれた母親だったから。

 

だから復元を使った。

すると()()()、治った。

潰れた内臓は元々の健康的なものに戻り、削れていた頭は再生した。

 

ただ彼女の意識が戻ることはなかった。

魂というべきか、人にとって大事なものがなくなってしまったのかも知れない。

もしかすると俺の能力は脳までは治せなかったのかもしれない。

いろんな可能性を考えてそうして納得した。

心の中で俺が弱いからこんなことになったのだと。

そう決めて、もう考えなかった。

 

 

 

 

そして治して少し時間が経った頃、突如彼女の体が崩れた。

 

赤い、血の色をした肉塊になった。

理解が追いつかなかった。

 

ただただ呆然としてそこに佇んでいた。

 

そして肉塊を見ていると、ぴくり、ぴくりと肉が動いていることがわかった。

それに気づいた俺はチユポポや献ポポ、復元まで自分にできる限りの治癒を行った。

 

だがその行為に意味はなく、ただただ彼女を苦しめていただけなのだとわかった。

復元を行なったとき、声が聞こえたのだ。

言葉にならない声とでも言おうか。

 

まるで地獄まで響くような怨嗟と苦痛が入り混じったような金切り声を彼女は叫んだ。

殺してくれ、どうか、どうかと切に願うように。

 

だから殺した。

自分の意思で、苦しめて来た母親を自分の手で殺めた。

 

初めての殺人だった。

けれども、先程まで助けなければ、という義務感と焦燥感に駆られていた時よりも気分は楽だった。

 

そう気づくことはなく、殺した時点で彼女はもう自分の中ではいないものとなっていた。

消えていった過去のものだった。

 

その事実に気づいたとき、「俺」は「私」となった。

戦士ではなく、ヒーローとしての精神。

 

人を助け、他人の苦痛に苦しみ、義憤に駆られるヒーロー像。

そんな存在になっていた。

 

そこからだったかもしれない。

親父が昔の私では無くなってしまったことに気づいて離れていった。

せめて私にとって幸せであろうヒーローを目指すという行為を最大限手伝おうとしていたかもしれない。

 

だがその記憶は「私」の中には無くなっていた。

母から受けた本物の愛を受け取った上で殺した「俺」ではなく新しいヒーローとしての「私」に変わってしまったから。

 

今思えばどれだけ「私」には記憶が残っていたのだろう。

子供の頃の記憶は薄れていくものだが強い印象はなかなか忘れない。

 

それでも残っていたのは母が死んだという事実だけだった。

 

 

 

───────────────────────

 

 

 

人を愛そうとする「私」の心は壊れてしまった。

元々ガラスのような心が公安時代にメッキを張って上辺だけはまともに見せて来ていただけだったのだ。

 

それが今、壊れた。

元々の俺に近い、それでも私としてあった時間の方が長くてその影響を受けてしまったが。

 

改めて周りを見つめてみる。

怪我人、血、怪我人、遠くに氷と炎、それに大量の人。

 

そして目の前には岩のような背中の巨人。

 

「くっふふふっ……‥あっはっはっはっは!」

 

まさに地獄絵図。

それを生み出すための過程がくだらなすぎて笑ってしまった

 

「ふーーー。ひとしきり笑った!心も安定した!体も万全!ならやることは一つでしょ!」

 

泣き笑いで綿毛のような涙をこぼしながら言う。

 

「───────たす、ける!!」

 

その瞬間、周囲に治癒の息吹が吹き荒れた。

重傷者の悉くは治り、連合も、戦士達も、死柄木も、リ・デストロも。

泥花市にいる死者以外の全ての生命は活性化し、復活することができた。

 

そして目の前の大男を見る。

彼はこちらに興味もないようで、建物を薙ぎ倒して死柄木の方は向かっている。

 

後継などと言っているのは噂のAFOのペットだったのだろうか。

それで主が引き継がれて一緒にいる…と。

 

気色が悪いな。敗者は敗者らしく地に這いつくばっていればいいものを。

 

武装色、硬化

俺の腕が黒く染まった。

 

剃刀で巨人の方へ超速度で向かった。

その速度と姿は平和の象徴を蜂起させるものであり、戦士達の多くが涙をこぼした。

 

『嗚呼、彼が救世主なのだ』と。

 

巨人の懐へと入り、地面から跳ねて空へと飛び出る。

これから使うのはとある世界(ONE PIECE)においてCP(サイファーポール)と呼ばれる諜報機関の1人が使う技を改良したものだ。

 

元の名は「獣厳(ジュゴン)

指銃の速度で放たれるパンチ。

 

武装色によって強化されたそれを本気で打ったことはなかった。

ましてや人体に向けて。

 

「主の、後継ィィィィ!!」

「五月蝿い、吹っ飛べ、「獣獄(じゅごく)」!!」

 

 

超高速で放たれた拳は赤く、そして赫く熱を持っていた。

 

「グボォアア!!」

 

 

 

容易く常人を殺すことができるほどのエネルギーを持ったその拳は、巨人を吐血させるほどの威力を持っていた。

 

 




そもそもこの話は進撃finalシーズンを観ていたから思いついたのかもしれません。
設定自体は時々考えていたのですがよくよく考えるとこれライナーじゃね…?
と思いました。

二重人格、戦士と兵士、巨人と戦う、回復できる。
ほぼほぼ同じですね。
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