影は何処にでも潜み、自らの望む道へと世界を誘う
そして狙われたのは…
「予定通りパールハーバーは墜ちた。随分と容易かったが、これもお前の差し金か?」
「いや、自分はあの基地建設計画に手を加えてはいませんよ。ただあなた方が強かっただけです。」
「パールハーバーなど欠片のまた欠片程度、問題はあのシステムの在り方だ。」
「私が部下に聞いた話では、今は宇宙に上がって様子を見ているらしい。」
暗い部屋で8人の誰かが話している。
明かりはあっても無いと等しく、顔は見えない。
「宇宙か…ならば自分の部隊を上げましょう。」
「ならば私も行こう。すぐに部隊を編成し----」
「いや、彼らは降りてくるよ。」
長テーブルの一番奥、長らしき人物が口を開いた。
この中では若い方であるこ男は、腕を組み、堂々としている。
「今回は総力戦だ。が、倒す必要はない。むしろ生け捕りが望ましい。」
宇宙。
この世界において宇宙とは、何もない場所であり、滅多に用のない場所である。
故に、3大勢力は宇宙を利用せず、小規模勢力が多く点在する場所となった。
しかし、MSの装甲として優秀なガンダリウム合金(もしくはガンダニュウム合金)を精製できるのは宇宙だけであり、いずれかは3大勢力も宇宙進出してくるだろう。
「えっと…次の任務はと。」
「ミデン、南極の軍事工場はどうだ?」
ミデンとレイは、そんな宇宙に漂うプトレマイオスの個室(相部屋ではあるが)で、今後の行動について話し合っていた。
「ジヴァイスの工場かな?…識別が読みにくい。」
「規模としてはまだ小規模だが、いくらでも拡張できるような設計になってるな。」
「スメラギさんに提案してみる? できればガンダムマイスターの協力が欲しいから。」
「そうだな。」
翌日、プトレマイオスは南極直上で停滞し、ガンダムたちを出撃させた。
ヴァーチェとスタークグランシャリオは単独での大気圏突入能力を持っている。
それ以外は防護シールドを装備して突入した。
作戦としては、基地を真上から攻撃し地上で分散、包囲攻撃をする。
効率はいいとは言えないが、個々の戦闘力が高い
ガンダムたちは防護シールドをパージして、細かな角度調整をした。
まず最初に、デュナメスがスナイパーライフルで基地のハッチを撃ち抜いていく。
これでMSの出撃に時間がかかるだろう。
「よし! 各機、この隙に一気に降下、攻撃開始だ!」
「了解。キュリオス、目標を爆撃する。」
普段の流れ通りの攻撃パターンである。
キュリオスのGNミサイルの雨が南極基地に降り注ぐ。
あちこちで派手な爆発が起きた。
「ヴァーチェ、目標を破壊する。」
「エクシア、敵MSを警戒しつつ分析を開始する。」
ガンダムたちが着地し、分散し始めた時、基地からMSが出てきた。
南極仕様の白いザク5機と白いグフ・カスタムの小隊である。
「敵MSを確認。スタークグランシャリオ、敵を駆逐します。」
「ガンキャノンGNカスタム、スタークグランシャリオを援護する。」
積もった雪を巻き上げながら、スタークグランシャリオは隊長機とおぼしきグフ・カスタムにミサイル・ランチャーを2発放った。
が、シールドを持った2機のザクがグフ・カスタムを守り、すぐに後衛のザク2機がザク・マシンガンを乱射した。
「統率の取れた部隊ね。でも当たらなければどうという事はないわ!!」
スタークグランシャリオはザク・マシンガンによって巻き上げられた雪煙に飛び込み、左側から回り込んだ。
一般的に右利きのパイロットが多く、反時計回りに戦闘が展開されやすいのを読んでの行動である。
予想通り、グフ・カスタムが正面に現れた。
しかし、グフ・カスタムもまた、こちらの動きを読んでの行動だったらしく、迷わずヒート・サーベルを振った。
「…ッ! 中々やるわね!」
グフ・カスタムのヒート・サーベルを受け止め、鍔迫り合いをしていると、突然、背後に敵機反応、ザクが現れた。
雪煙を利用して熱源を絶っていたのである。
「レイ、援護を!!」
「分かってる! でも視界が悪くて狙えない!!」
「とにかく私の辺りを狙って! 絶対に避けるから!」
「信じるぞミデン!」
ガンキャノンはビームと実弾を同時に放った。
ビームは雪煙を貫きながら直進し、実弾は放物線を描きながら飛んでいく。
ビームは見事にザクのヒート・ホークを溶かし、実弾は後衛のザクに命中した。
さらに、ガンキャノンが放ったビームのおかげで雪煙が晴れ、視界が良くなった。
こうなれば、スプリッター迷彩を施したスタークグランシャリオが有利である。
右手のビームサーベルの回転斬りでグフ・カスタムとザクの足を切断し、左手のビームピストルでモノアイを撃ち抜く。
残った防御特化のザクは、軽々とビームサーベルで斬り墜とした。
ミデンは、敵パイロットが脱出したのを確認したが、それ以上の攻撃はしなかった。
「脱出、撤退も速やかだった…こんな統率の取れた部隊がどうしてこんな基地に…それに……」
「ミデン、何かがおかしい。」
「えぇ…静かすぎるわ…」
戦闘中、基地から信号弾や通信の様子が見られなかった。
通常、攻撃を受けた時点で本部、もしくは他の基地に通信を入れるのだが、今回はそれが見られなかった。
それ以降もノイズ一つなく、ただただ燃え続けていた。
「罠だ!!」
レイがこの根端に気付き叫んだが、既に遅かった。
100機近いMSの大部隊が包囲網を展開していた。
量産型MSが90機、指揮官型とおぼしきMSが6機。
単純計算でも、一人当たりおよそ15機。
しかし、敵の狙いはどうやらスタークグランシャリオだけのようだ。
すぐさまガンダムマイスターたちが抵抗するが、敵部隊は迎撃に特化し、攻めることはしない。
が、隊長機6機は、一直線にスタークグランシャリオに襲いかかった。
レイやロックオンが援護しようとするが、量産型MSが邪魔をする。
最初に白い流線型の機体、キュベレイのファンネルが、多方向から襲いかかる。
懸命に回避行動を取るが、どうしても5〜6発被弾してしまった。
ビームの嵐が止むと、左右上方から高機動の機体が2機、それぞれ射撃兵装を構えながらプレッシャーをかけて来た。
その内の白い騎士を思わせる機体、ミデンとレイには見覚えのあるトールギスⅡに向かい、ミサイル・ランチャーを放つが、スーパーバーニアの爆発力で軽々と回避される。
「こいつら…この機体が狙いか!!」
もう一方の赤い機体、シナンジュが放ったバズーカをシールドで防ぐが、爆煙の向こうからビームアックスが振り下ろされた。
スタークグランシャリオは突き飛ばされ、真っ白な大地に倒れこんだ。
「ジオンにネオ・ジオン、OZ……やはりジヴァイスか!!…いや違う!?」
倒れこんだスタークグランシャリオの真上に、黒い身体に赤い羽根の機体、マスターガンダムと、パールハーバーを襲った機体、ターンXが飛び上がった。
「フュゼに新地球統合同盟の機体!? どういうことなの!?」
ターンXの分離したパーツに機体を拘束され、マスターがダークネスフィンガーで頭部を鷲掴みにした。
コックピット内に損傷を知らせるアラートが鳴り響く。
『ふはははは…無様な姿だグランシャリオ。』
マスターの向こうに、赤い粒子を撒きながらガンダムが降臨した。
その姿は、エクストリームガンダムのような不気味さがあった。
「ぐっ…貴様ら…どこの所属……否、何が目的だ…!」
現れた機体、リボーンズガンダムはゆっくりと近付きマスターを制すると、GNバスターライフルをコックピットに突き付けた。
『渡すんだ。君の機体を…いや、扉の鍵を…』
どうも星々です!
オールスター感満載の回となりました(したつもりですw)
世界に存在する影は、何を望んでいるのか!?