それは隔てられた空間を繋ぐもの
しかしそれは閉ざされ、鍵無くしては開かない
数多存在する扉と鍵
その中で適合する組み合わせのみが、空間を解き放つことができる
「鍵? 何の事かしら?」
コックピットには相変わらず銃口が突きつけられたままであるが、ミデンは恐れずに、挑発的な口調で言った。
『とぼけないでほしいな。僕たちは知っているんだよ。この世界のこと、この世界が誕生した原因とそのトリガーを。』
「私は知らないわ。何故この機体が欲しいの?」
『この世界の扉、時空の境を開く"鍵"だからさ。その機体には時空を繋ぐ鍵がある。心当たりはあるはずだ。』
ミデンは驚きで目を見開いた。
そして確信した。
この世界に来る直前に見たあの光がこの世界を作ったのだと。
そして彼の言う"鍵"の正体も。
(ソールト…システム……)
空間に漂う残留思念を受信・解析し、その情報からその物を再現・実体化し、
これはあくまで、宇宙が記憶している存在のみを召喚できるシステムであるが、これを応用すれば、この世界に取り込まれたときに通った時空の歪の痕跡に干渉できるかもしれない。
(その時空の歪の痕跡が、扉もしくは鍵穴で、この機体、いや、ソールトシステムがそれを開く鍵ということね……)
『その鍵があれば元の世界に戻れる。さぁ渡すんだ。』
「魅力的な話ね…でも、相談もなしに強行策に出る人たちに渡すつもりはないわ!!」
グリップを押し込んでみるが、ターンXに拘束されていて動かない。
『ははははは、威勢がいいね。でもそんな状態で何をしようというのかい?』
『はぁぁぁああああああ!!!!』
エクシアが量産機の邪魔をくぐり抜けて、こちらへ向かってきた。
が、キュベレイが立ち塞がる
「トランザム!!」
エクシアはトランザムを起動して素早く迂回し、キュベレイを突破した。
「刹那さん!」
『刹那・F・セイエイ…やはり僕の邪魔をするか。』
リボーンズはビームサーベルを抜いてエクシアに斬りかかった。
しかし、エクシアは大きく跳躍し、ビームサーベルは空を切った。
スタークグランシャリオを拘束していたターンXも、空中のエクシアを撃ち落そうと拘束を解いた。
スタークグランシャリオはすぐさまロングライフルを構えるが、それを撃つ前に防御せざるを得ない状況になる。
『貴様が、世界の歪みか!!』
エクシアのGNソードはスタークグランシャリオに振り下ろされた。
ビームシールドでGNソードの粒子を中和するが、トランザム中の粒子濃度に勝てるはずもなく、左腕が切断される。
「な、何で!?」
「ミデン!」
突然の裏切りに、状況も掴めぬまま倒れ込む。
レイのガンキャノンがエクシアを止めようとするが、中々狙い撃てない。
胸部GNバズーカをバーストモードにシフトしようとするが、あまりの弾幕に安定した姿勢が保てない。
『お前たちが世界を歪ませた。ならば俺は、その歪みを破壊する!!』
『お、おい!! 落ち着け刹那』
『まだ決まったわけじゃない!』
『それにヴェーダからのバックアップが無い以上、今貴重な戦力を失うわけにはいかない。』
ガンダムマイスターの抑止も虚しく、エクシアはスタークグランシャリオを攻撃する。
『ふふふ…面白い。これでソレスタルビーイングは恐るに足らない存在となる。』
『どうするつもりだ。』
リボーンズの横にシナンジュが降り立った。
他の6機もそこに集まった。
『放っておいてもよいだろう。ワシらの計画に奴らは邪魔になる。ここで潰しあってもらえばわざわざ手を下す手間が省ける。』
『だが鍵はどうするつもりかね?』
『後からでも復元できる。あの機体はソレスタルビーイングに戻ることは無いだろうから、それを拾えばいい。』
『どちらにせよ、今回は時間がかかりすぎた。撤退する。』
『ex-saが来たら面倒だからな。』
リボーンズを先頭に、大部隊は撤退して行った。
追撃を試みるが、やはり量産機が邪魔をする。
「刹那ァ!!」
ガンキャノンの胸部GNバズーカが刹那を襲う。
スタークグランシャリオはギリギリ射線から外れていた。
エクシアはこれも大きな跳躍で回避した。
が、今度はデュナメスのスナイパーライフルがエクシアを狙撃した。
エクシアはシールドで防ぎ、再びスタークグランシャリオに襲いかかる。
「冷静になれ刹那!!」
キュリオスが割込み、エクシアと鍔迫り合いになる。
『邪魔だアレルヤ・ハプティズム!』
「確かに世界の歪みを破壊するというのはソレスタルビーイングの総意だ。でも…この2人は仲間だ‼︎」
エクシアのトランザムが切れ、キュリオスに力負けする。
倒れたエクシアの前にデュナメスが降り立ち、スナイパーライフルを突きつけた。
「降りろ刹那。」
『………』
「頼む、俺だってお前を撃ちたくない…!」
数十秒の沈黙が流れ、エクシアのコックピットが開いた。
パイロットスーツを着、ヘルメットを被った刹那が出てきた。
その様子は迷いがなく、自らの意思を主張しているかのようだった。
「いい子だ。よし、これより帰艦する。エクシアはヴァーチェに固定、刹那はキュリオスのコックピットに拘束しておけ。」
数時間後、ガンダムたちはMSクルーザーでプトレマイオスへと戻った。
『…………手遅れだったか。』
廃墟と化した南極基地にex-sa隊が降り立ったときには、既に誰もそこにはいなかった。
無装備のエクストリームの脇には、真武者とイフリート改に加え新たにフェニックスガンダムがいた。
『何故分からない、何故気づかない。あの扉を開いた先にあるのは絶望だということに…!』
『所詮は欲に満ちた人間。力を持ったが故に絶望を恐れぬ愚かな存在。』
『此の世は
『否…私にも見えない。だからこの少女を仲間にした。』
フェニックスのコックピットには、10代前半の少女が座っていた。
その目は悲しげで、悲しみ以外なにも語っていない。
『未来を見る少女…か……」
赤いショートヘアや顔立ちだけ見れば元気な少女なのだが、そのガラス玉のような目は悲しみ以外の全ての感情を捨てたように、ただ呆然と正面に向いていた。
『私と似たような存在だ…違うのは
『確か、ゼロシステムなる物を、実験で頭に埋め込まれたとか…』
『否…彼女は心までゼロシステムに侵食された…哀れで美しい少女だ。』
エクストリームはフェニックスの肩に手を置いた。
『教えてくれ。奴らが次に現れる場所は…』
『了解、マスター……』
『頼んだぞ…ヌクスィル・アナズィ……』
どうも星々です
鍵を欲する謎の集団が襲ってきました
彼らはexの言う絶望を開いてしまうのか!?