over the GUNDAM   作:星々

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階級社会は、人が人として生きる道すらも奪う
それに抵抗する力でさえ、悲劇を生んでしまう
戦争もその一種である

正義と正義のぶつかり合い
そこにある犠牲を忘れ、ただひたすら正義を掲げる
これは、本当に正義なのだろうか


13th 〜姉妹〜

現れたガンダムは、バイカル基地の偵察部隊を援軍も含め圧倒的な戦闘で殲滅した。

残骸からあがる炎が夜闇を不気味に照らす。

 

『調子はどうだ。』

 

そのガンダムのコックピットに通信が入った。

パイロットはまだ幼さが残る少女である。

 

「システム異常なし。駆動系反応速度、理想値-0.4。許容範囲内ですマスター。」

 

『分かった。引き続き任務を続けてくれ…』

 

「了解。フェニックスガンダムメイデン、作戦を続行します。」

 

フェニックスメイデンは海に背中を向け、辺りを見回した。

何かを探しているようだ。

 

 

 

レイは岩の陰からその様子を見ていた。

MSが手元に無い以上、ガンダムに対抗するのは危険である。

隙を見計らって、ミデンの待つGサイフォスの下へ向かった。

しかし、レイが辿り着く前に、Gサイフォスはカムフラージュネットを突き破って後方へ跳ね退いた。

 

「なっ……!!?」

 

直後、ビームが着弾し、衝撃波がレイを襲った。

受け身を取ったが、岩場ということもあって数箇所打ち付けてしまった。

 

「うぐ…カムフラージュは完璧だったはずだ…ッ 何故…!?」

 

 

『レイ! 逃げて!! コイツ、普通じゃない‼︎』

 

「わ、分かった!」

 

レイはまだ痛みが残る身体にムチ打って岩場を駆けていった。

そして、Gサイフォスとすれ違い様に叫んだ。

 

「死ぬなよ!!!」

 

『当然!!』

 

Gサイフォスはフェニックスメイデンと対峙した。

波が数回岩とぶつかり、水飛沫をあげる。

先に動いたのはフェニックスメイデンだった。

背中の翼が広がり、20枚の羽が散った。

羽、フェザーファンネルは不規則な軌道を描きながらGサイフォスに接近し、多方向から断続的なビームを放った。

 

「オールレンジ機体か! 厄介な!」

 

きめ細かな動きで回避しながら、フェザーファンネルをドッズバスターHで狙撃する。

しかし、フェニックスメイデン操るフェザーファンネルは、それを巧みにかわし続ける。

 

「扱いに慣れてる…ッ」

 

回避を続けていると、フェニックスメイデンは左手を突き出した。

すると、左腕が胴体から離れ、有線オールレンジ兵器、インコムとして射出された。

インコム・アームはビームトンファーを展開し、一直線にこちらへ向かって来た。

 

「な、何それ!?」

 

ビームトンファーが振り上げられ、頭部に掠った。

Gサイフォスは右手に装備されている高出力ヒートソードで対抗するが、フェザーファンネルが邪魔をし、左腕を失う。

 

「しまった左腕が!! これじゃドッズバスターHが使えないッ」

 

抵抗力を失い、フェザーファンネルの餌食になる。

装甲が限界に近付き、各部駆動系が異常をきたす。

フェニックスメイデンはGサイフォスに歩み寄り、Gサイフォスを蹴倒した。

フェザーファンネルを仕舞い、ビームトンファーをコックピットに突き付ける。

 

『鍵は何処だ。』

 

「………ッ」

 

フェニックスメイデンからの問いかけに黙秘を通す。

それを受けたフェニックスメイデンは、ビームトンファーをたたみ、コックピットを思い切り踏み付けた。

衝撃が意識を引き剥がそうとする。

 

『もう一度言う。鍵は何処だ。』

 

「貴女もリボーンズガンダムとかの仲間なの!?」

 

『質問に答えろ。』

 

「クッ…鍵は…宇宙にあるわ…」

 

『宇宙の何処だ。』

 

ミデンはコックピットのサイドモニターに表示されているバロノークの位置情報を見た。

 

「…知らないわ。」

 

『……使えないな。』

 

そう言い放つと、フェニックスメイデンはコックピットから脚を離し、飛び立つ体制を取った。

 

「待って!!」

 

ミデンの呼びかけにフェニックスメイデンは飛び立たずに聞く。

 

「何故、スタークグランシャリオを必要としてるのかが知りたい!」

 

『……………』

 

「お願い。」

 

ミデンはゆっくりとした口調で言った。

不思議なことに、何故か必ず答えてくれると感じた。

 

『……ヤツらに…扉を開かせない為だ。』

 

フェニックスメイデンのパイロットは、少し詰まった口調で答えた。

 

「ヤツらって…リボーンズガンダムたちのこと?」

 

『ヤツらは裏組織リヴェラシヲン。ヤツらに扉を開かせないことが、我々の目的…』

 

フェニックスメイデンはそれ以上の会話は受け付けないと言わんばかりに、その場を飛び去ろうとした。

しかし、目の前にスノーホワイトが立ち塞がった。

 

「逃しはしない。」

 

『ヒイロ・ユイ…』

 

ミデンはとても戦える状況ではないと判断し、ここはスノーホワイトに任せてレイが待つ方向へ飛び退いた。

 

 

 

スノーホワイトはビームサーベルのみを装備していた。

主武装であるバスターライフルはバイカル基地で予備含め4発のカートリッジを使ってしまい、無駄にはできない。

対するフェニックスメイデンは、フェザーファンネルやインコム、ビームトンファー、ビームライフルと、至って万全な状態である。

ソフトフェア面では、機体スペック的に考えてスノーホワイトが上である。

外的情報を演算処理し予測した全ての未来をパイロットに直接フィードバックするシステム、ゼロシステムを積んでいるからだ。

しかし、フェニックスメイデンのパイロットはそれと互角、もしくはそれ以上の頭脳を持っている。

 

「子供だからといって容赦はしない。」

 

『貴方もまだ未成年です。』

 

「屁理屈だな。」

 

スノーホワイトは低姿勢でフェニックスメイデンの懐に潜り込み、素早くビームサーベルを横に振った。

しかしフェニックスメイデンはビームトンファーでしっかりと受け止めていた。

スノーホワイトが間合いを取ると、今度はフェザーファンネルによる弾幕でフェニックスメイデンが攻める。

だがスノーホワイトのゼロシステムは、フェザーファンネルの弾幕を全て読み切っていた。

ヒイロはその指示を参考に、1発の命中も許さずにフェニックスメイデンに接近していく。

そして再び接近戦になる。

接近戦になれば、フェザーファンネルも使えない。

激しい斬り合いが始まった。

互いに一歩も引かずにいる。

 

「ゼロとやりあっている…ヤツもゼロを…否…!」

 

『流石はヒイロ・ユイ…でもこの身体があれば…!』

 

フェニックスメイデンはビームライフルを絡めた中距離戦へと誘導しようとする。

しかしゼロとヒイロはその思惑をすぐに読み取り、半ば強引にビームライフルを掴み、海へ投げ捨てた。

さらに、厄介なインコム・アームの関節部にビームサーベルを突き刺してフレームを溶かし、射出ができないようにする。

フェニックスメイデンも負けず、両手のビームトンファーを展開し、横、縦、前後の動き全てを使った格闘戦を受けて立った。

 

「何者だ。」

 

ヒイロがゼロとやり合う敵に通信を入れた。

 

『ヌクスィル・アナズィ。』

 

フェニックスメイデンの猛攻に、スノーホワイトのマントが焼けていく。

 

『OZによってゼロシステムそのものにされた実験道具(モルモット)だ!!』

 

AC(アフターコロニー)の人間か!」

 

『OZは下等な人間を人間だと思っていない。両親を殺し、友人も殺し、挙句の果てにこのざまだ!』

 

フェニックスメイデンのパイロット、ヌクスィルの声に感情が現れ始めた。

それと同時に、攻撃にムラと乱れが顔を出し始めた。

 

(ゼロが…ヤツ自身が暴走している…)

(クッ…こっちのゼロもそろそろ限界か…)

 

『さらにOZは、ガンダムという存在を生み、姉はそのパイロット候補として連れて行かれた!! そんな未来も分かっていながら何もできなかった!!』

 

ヌクスィルのOZに対する怒りがサーベルを伝い、ゼロシステムを介してヒイロに流れてくる。

 

(黙れゼロ! ヤツの言葉に耳を貸すな!)

 

『そして今、アタシはOZの司令塔、トレーズ・クシュリナーダをを殺す為に戦っている!! リヴェラシヲンのトレーズを!!』

 

「理性を失ってしまうようでは、トレーズには勝てない。」

 

ヒイロは冷淡に言い放ち、フェニックスメイデンのビームトンファーを腕から切り離した。

直後、スノーホワイトのゼロシステムがダウンした。

そしてフェニックスメイデンのパイロット、ヌクスィルも意識を手放した。




どうも星々です

オリジナル機体出してみました!
GジェネレーションシリーズのフェニックスガンダムをベースにしたMSです
今後また、何処かで詳しい解説とかかくかもです
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