over the GUNDAM   作:星々

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月に舞い降りる天使
月から飛翔する堕天使

覚醒は再び起こる
引き合う2つの精神




19th 〜天使と堕天使〜

私たちはイオリアさんと5人の技師たち、ハワードさんから託されたこのメテオリティスガンダムで宇宙に上がった。

この機体には、開発者7人の「力による統合を打ち砕く」という願いが込められている。

オペレーション・メテオの趣旨とはまた違うもので、メテオリティスは、世界で強大な力が動いた時、それに対抗するための力だ。

そう言っていたのを覚えてる。

 

 

「前はこの辺りで海賊たちと合流したのよね。」

 

「あぁ、間違いない。」

 

私は、前に海賊たちを見つけた時のように、月面でレイと2人で宇宙を見上げていた。

そこには、数え切れないほどの淡く光る星々が広がっていて、戦いのことなんか忘れてしまいそうなくらい美しい。

ホントはそんな戦いのことを忘れられる世界を望んでたんだけどな…

 

「ミデン、アレ。」

 

そんな時だった。

レイが私を月面の窪みに押し込むようにして伏せると、宇宙に向かって指を指した。

目を凝らして見てみると、輝く無数の星屑の中に、緑色の尾を引きながらこちらへ近づいてくる()()が見えた。

 

「あれは…!!」

 

「間違いない。プトレマイオスだ!」

 

「真っ直ぐこちらへ来るわ。どうするレイ!」

 

「逃げてもここじゃ降りきれないか…迎撃するしかなさそうだね。」

 

「そうみたいね。どうやらもうあちらさんは戦う気でいるみたいだし。」

 

私とレイは急いでコックピットへ飛び込み、メテオリティスをスタンバイさせた。

このまま通り過ぎてくれることを願ってみたりしたが、そんな暇はなさそうだ。

最大望遠で映し出されたサブカメラの映像から、ガンダム4機全てが発進したのが分かった。

すぐにメテオリティスを立ち上がらせ、ビームトライデントシザースを形成した。

機体前部を肩から覆っていた黒い翼、アクティブクロークを開放し、背中を包むように閉じていた白い翼、ウイングバインダーを広げた。

アクティブクロークとウイングバインダーは上下を交代し、ちょうど上に白い翼、下に黒い翼を広げた形になる。

 

「全システム正常、動作異常なし。行くわよレイ!」

 

「始めようか!」

 

白い翼を大きく羽ばたかせて宇宙空間へ飛翔した。

相手がどう来るか待ち構えていると、ある異変に気付いた。

 

「レイ、エクシアが…違う。」

 

「あれは…アヴァランチユニットか!」

 

「アヴァランチエクシア!!」

 

エクシアは、高機動用追加ユニット「アヴァランチ」を装備していた。

どうやら本気のようだ。

アヴァランチユニットは、「雪崩」という名の通り、凄まじい爆発力をもつユニットである。

機体各部のGNコンデンサに蓄積したGN粒子を一気に放出することで実現するその加速力は、1.5(アイズ)グランシャリオガンダムでは恐らく追いつけないだろう。

このメテオリティスでも、まだ試したことないけど、少し心配だ。

 

『貴様らはミデン・アナズィとレイ・ノマダか。』

 

刹那からの通信だ。

勿論、すぐにそうだと答えた。

 

『じゃあ狙い撃たせてもらう。言っておくが、今日の俺は…容赦ねぇぞ。』

 

『コイツらは殺してもいいんだよな! アレルヤァ!!』

 

『君たちが生きている限り、例えこの世界から開放されようとも、また同じ事態が起きかねない。』

 

それぞれからの宣告のようなものが届いた頃には、既にデュナメスによる狙撃とキュリオスによる爆撃が始まっていた。

なんだかんだで厄介なのはヴァーチェだ。

ヴァーチェは相当な高火力機体で、直撃を食らったら一溜まりもない。

 

「邪魔をしないで! 私たちは託されたこのガンダムで、力による統合を打ち砕くために戦う! それはあなたたちソレスタルビーイングにも共通する理念なはずよ!!」

 

「貴様らが僕たちを敵と見なすのならそれは構わない。しかし、貴様らの戦うべき相手は他にいるはずだ!! イオリアの意思を忘れたのか!」

 

『俺たちは俺たちの意思で戦う!!』

 

『異世界に来ちまった時点で、イオリア計画は頓挫したみたいなもんだぜ!! えぇ?!!』

 

アヴァランチエクシアはGNソードを突き出して突進して来た。

私はそれを飛翔するように回避して、左腕のビームガトリングで背中を撃った。

しかし、アヴァランチエクシアの加速力は予想以上で、トリガーを引いた時には既にそこにはいなかった。

後ろからGNビームサーベルで斬りかかってくるキュリオスとトライデントシザースで鍔迫り合いに入ろうとすると、ゼロが一本の赤い線を示して来た。

 

「スナイパーライフル!? くっ!!」

 

レイがフォールディングアームでキュリオスを突き飛ばし、すぐにバスターシールドで防いだ。

ゼロがあっても少し危なかった。

しかし、脅威を防いだわけではなかった。

 

「高エネルギー反応!! ミデン、下だ!!」

 

ヴァーチェは足元が安定する月面から、GNバズーカをバーストモードで発射した。

対ビームコーティングに加え、アンチエネルギー・フィールド加工が施してあるアクティブクロークをレイが左側だけ閉じてなんとか受け止めたが、今の一撃でコーティングが剥がれてしまった。

次に同じ攻撃を食らえば、いくらガンダニュウム合金といえど崩壊はまぬがれないだろう。

アヴァランチエクシアのGNダガーとキュリオスのGNビームサブマシンガンが同時に襲う。

デュナメスのGNミサイルも飛んで来ている。

多少の損傷は仕方ないか…

ドラゴンハングの先端部分に収納されているヒートロッドを伸ばし、そのまま横回転で全てのダガーとミサイルを破壊した。

サブマシンガンも多少は防げたが、当然何発か当たった。

 

「レイ、ヴァーチェの動きに注意して!」

 

「あぁ、ヴァーチェからの攻撃の防御を優先する。」

 

アヴァランチエクシアの猛攻が続いた。

他3機の援護もあり、確実に押されて行った。

化物みたいな性能をしてるこのメテオリティスでも、やはりソレスタルビーイングのチームプレーには苦戦する。

アヴァランチエクシアを振り払うこともできず、他3機に攻撃の手を回せない。

 

「ミデン…メインパイロットを代わって…」

 

「え…? う、うん。」

 

私は制御をレイのシートに移した。

するとレイは、深呼吸をして、一気に間合いを詰め寄った。

攻撃パターンの変動に最初は驚いた刹那も、すぐに応戦する。

私はフォールディングアームでヒートショーテルを握って補助する。

 

「ミデン…ちょっと、行ってくる。」

 

そう言った直後、レイの様子が変わった。

今は顔を見る余裕なんてないけど、確かに分かった。

あの時の感じだ。

 

「……クッククク…いいねぇ、いいぞこの感覚!!!」

 

レイが覚醒した。

前に覚醒した時は、ゼロシステムとPXシステムの併用による精神崩壊が原因だったけど、今は完全に使いこなしてる。

意図的にゼロの情報を鵜呑みにし、深層に眠るもう一人のレイを引き出した。

 

「行くぜェェエ!!!!」

 

『うぐッ! 俺の脳量子波に…!? テメェ、超兵か!!』

 

「何のことだアレルヤ!!」

 

『俺はハレルヤだ、レイぃ!!!』

 

レイに反応するようにキュリオスの動きが変わった。

レイと同じく攻撃的になった。

アヴァランチエクシアとキュリオス、同時に鍔迫り合いに応じている。

こうなったレイは、正直負けるところが想像できない。

ゼロの全てを飲み込み、自らの脳を解放し、勝利ではなく破壊を意識する。

 

「甘いんだよ…その程度で俺たちに勝てるわけねぇだろ!!」

 

『…ッ トランザム!』

 

『トランザムゥ!!』

 

キュリオスとアヴァランチエクシアが同時にトランザムを発動した。

デュナメスもある程度前に出て来て、中距離援護にシフトしている。

ヴァーチェは相変わらず月面でGNキャノンとGNバズーカで弾幕を張っている。

 

『トランザム!』

 

『トランザム。』

 

この2機もトランザムを発動した。

一気に決めるつもりらしい。

しかし、数分もしない内に、心強い味方が来た。

 

「レイ、ミデン! 無事か!」

 

虚空が口を開き、8機のMSが現れた。

 

「キャプテン・アッシュ! 損傷拡大です! 助かります!」

 

現れたのは、キャプテン・アッシュ率いる宇宙海賊だった。

クロスボーンX1改とクロスボーンX3がデュナメスを抑えにかかる。

Gサイフォスと4機のGエグゼスはヴァーチェを包囲する。

ダークハウンドは、アヴァランチエクシアを牽制してくれた。

最初はやはり苦戦を強いられたが、トランザムが切れてから、勝敗は決した。

 

 

ソレスタルビーイングは撤退し、私たちはバロノークに戻った。




どうも星々です

ソレスタルビーイングを完全に敵に回しましたねw
自分最近キュリオスとアリオスにハマってまして、今回はアヴァランチが出て来たにも関わらずそれ同等に目立ってましたw
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