over the GUNDAM   作:星々

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始まろうとする終わり
それを止めるべく集められた抵抗力
動き出す男

世界が見せつけられる事実は、どんな未来を描くのか…


22nd 〜アナザーサイド:ウィズ〜

新地球統合同盟所属、独立部隊オビルド。

自分はその隊長を勤めているウィズ・ルッツだ。

新地球統合同盟所属、と言っても、それは表の顔。

裏では、ジヴァイスのトレーズ閣下の指示の下で動いている。

そのトレーズ閣下も、ジヴァイス所属というのは表の顔で、その裏の顔は、裏組織リヴェラシヲンの一員。

しかし、それもまた仮初めの姿だ。

閣下は、リヴェラシヲンの企みを打ち砕こうと密かに"トレーズ派"と呼ばれる組織を組み上げ、来るべき決戦の日に備えている。

そして、自分に与えられたトレーズ閣下からの仕事は、リヴェラシヲンの一員であるフル・フロンタルとその親衛隊長アンジェロ・ザウパーのマークである。

 

「しかし、今度はあちらさんから来るとはね…」

 

今、オビルドはインド洋の真ん中でジヴァイスのMS部隊と遭遇した。

敵はネオ・ジオンだ。

薔薇のMS、ローゼン・ズールがいるからフル・フロンタル親衛隊だろう。

 

『また会ったな。角ジェガン!』

 

「アンジェロ・ザウパーだな。何故攻撃してくる!」

 

『敵だからに決まっているだろう! それに、大佐はお前のことを褒めていらした。なんて憎たらしい女だ!!』

 

「嫉妬か? 餓鬼め。」

 

『ほざけェ!!』

 

ローゼン・ズールのインコムが射出された。

自分はビームライフルを構えてローゼン・ズールに直進した。

インコムによる攻撃は加速やバレルロールで回避し、ライフルを連射する。

アンジェロもただのパイロットではなく、悠々と回避した。

インコムを回収し、クローでビームライフルを砕かれた。

 

「クッ…やるな。」

 

『ハハッ! 角割れを倒すのによい練習相手だ!』

 

「練習で火傷してちゃ仕方ないがな!!」

 

ビームサーベルを抜き、そのまま斬りかかる。

しかし、腕で押しのけられ、蹴りを食らった。

受け身を取る暇もなく、ローゼン・ズールのインコムがサーベルを握る右手を掴む。

ミサイル・ランチャーを放って突き放したが、右腕が少なからず動作不良を起こしていた。

 

『大佐の理想には邪魔な存在。消えてしまえ!!』

 

ローゼン・ズールがシールドから拡散する照射ビームを発射した。

 

「左腕損傷…やはりやるな。」

 

左腕を失いバランスが取りにくい状況になったが、半ば無理やり接近し、ローゼン・ズールの右腕を斬り落とした。

 

「やられた分はやり返さないとね!」

 

そのまま腹部にドロップキックの要領で蹴りをかました。

ローゼン・ズールはよろけながらも左腕のインコムを飛ばしてくる。

これがインコムの厄介なところだ。

できればここで墜としておきたいと思っていたが、やはり一筋縄じゃいかない。

これからトレーズ閣下の下へ向かわねばならないというのに。

仕方ない…EXAMでケリを付けるか。

そう思った矢先、ローゼン・ズールが踵を返し、撤退していった。

 

「何? まぁ助かったと言えばそうだが…」

 

 

 

 

 

数時間後。

もう陽は傾き始めた頃…だと思う。

今は地下にいるから外の様子など分からない。

 

「やはり墜とし損ねたか…」

 

「申し訳ありません閣下。」

 

トレーズ閣下は、椅子に座りながら薔薇の香りを楽しんでいる。

 

「まぁ仕方あるまい。」

 

周りには、自分と同じようにトレーズ閣下から選ばれたパイロットが並んでいる。

新地球統合同盟からは自分とリディ・マーセナス少尉、フュゼからはラグ・ランクゥとマフティ・ナビーユ・エリン、ジヴァイスからはマルク・レグルス、アイク・ヴァッサマン、ゼクス・マーキス、ルクレツィア・ノインの4人、そして無所属のバナージ・リンクス。

同じように選ばれた自分が言うのもなんだが、皆卓越した操縦技術の持ち主だ。

バナージ・リンクスという少年は知らないが、彼の乗る機体の性能は、数値で見る限りトレーズ派の中でも最強だろう。

 

「君たちには悪いが、カティとレディに頼んで軍では行方不明扱いにされている。よって、もう軍のことは気にしなくてもいい。」

 

「と言うことは、始まるってことですか?」

 

民間人のバナージ・リンクスが発言する。

閣下に対して言動があまりにも軽すぎるが、閣下自身が気にしていないようだから無視する。

 

「そういうことだ。リボンズは世界に鍵の存在を公表し、事を進めるつもりだ。彼個人の部隊まで用意し、リヴェラシヲンを第4の勢力、否、全てを凌ぐ最強の勢力にするための仕上げに入った。」

 

「ヤツの動きの詳細は把握しておりますか? できれば聞かせて頂きたい。」

 

ゼクス・マーキスの質問に、少し言葉を詰まらせる閣下。

 

「同じリヴェラシヲンと言えど、一枚岩ではないってことか…じゃあ一体、どうやって攻めればいいんですか。」

 

このリディ・マーセナスも中々の礼儀知らずだ。

 

「リヴェラシヲンメンバーが集まる場所がある。そこに辿り着ければいいのだが…あそこにはフル・フロンタルとブライト・ノア、ギルバート・デュランダルが防御網をしいている。私はともかく、ウィズ君が実証してくれたように君たちは通れないだろう。」

 

自分が始めてフル・フロンタルと遭遇したあのポイントこそが、リヴェラシヲンが集まる場所だ。

防御網は強固で、とてもじゃないがこの数では突破できない。

 

「そこで、我々はリボンズの部隊が現れたと同時に、他の勢力の攻撃に乗じて接触する。」

 

「今、カティ・マネキンが戦術予報を立てている。情報が少ないため難航はしているが、彼女の示す予報は一級品だ。信用してもいいだろう。」

 

「レディ・アン嬢が言うのなら信用できそうだな。」

 

その後、各個人の機体をトレーズ派の母艦"ピースミリオンXⅢ(クロスサード)"に積載させる作業に移った。

ピースミリオンXⅢは、トレーズ派で密かに開発されていた宇宙戦艦で、オリジナルのピースミリオンの全長3000mという笑えるような大きさを、最小限のサイズまで縮めた。

戦艦としての性能も高く、この世界においてもトップクラスの戦艦である。

全長にしておよそ600m。

まぁだいぶ小さくなっただろう。

優秀なステルス機能や、脅威のスピード、圧倒的な火力、その全てが見たこともないような強さだ。

というか、ルクレツィアのエアリーズとかいうMS、あれただの量産機とさほど変わらないけど大丈夫なのか?

さすがの自分でも、スタークジェガンのカスタムタイプに乗っているし、他もカスタムタイプや専用機だ。

 

「私のエアリーズの性能に心配しているのか?」

 

突然、後ろからルクレツィアが話掛けてきた。

しかも、考えが読まれてる。

まさかコイツ、ニュータイプか!?

 

「私のエアリーズは、この艦の中でカスタムされる。お前のスタークジェガンやラグのアドヴァンスドジンクスのようにな。」

 

「そうか、なら安心だな。」

 

「フッ…やはり心配されていたか。」

 

この女、何故か親密感がわく。

トレーズ派パイロットの中で数少ない女だからだろうか。

否、軍なんて最初からそんなもんだ。

まぁ仲間として戦うんだ、仲がいいに越したことはない。

 

『作業急いでくれ。遂に動いた。』

 

トレーズ派のトレードマークでもある腕時計型通信機から閣下の声がした。

動いた!? リボンズがってことか。

カティの戦術予報も届いてないというのに…ッ

 

「ルクレツィア、公共回線を全て開いてくれ!」

 

「了解した! ウィズは監視衛星の情報解析を頼む!」

 

数秒後、世界中の回線、我々の監視衛星さえもがジャックされ、若い男の顔が映し出された。

その整った顔立ちには不気味とも取れる笑みが浮かんでいた。

トレーズ派地下基地の大モニターにもそれは映し出されている。

トレーズ閣下も部屋から出て、同じ画面を見ている。

 

「さぁ、どう出るリボンズ……」

 

 

 

 

 




どうも星々です!

とうとう表に出てきましたリボンズ!
対リヴェラシヲンのために結成された、軍や勢力を超えた部隊"トレーズ派"!
ex-sa隊やミデンたちもリヴェラシヲンを知り、抵抗しようとしていますが、世界はリボンズをどうとらえるのか!?
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