その真実すらも歪められてしまう
その中で世界は一つになり、絶望への道をたどろうとしてしまう
私は、戦艦バロノークでリボンズ・アルマークの放送を見ていた。
隣にはレイと妹のヌクスィルがいる。
損傷部の修理に行っていたクルーたちもブリッジに集まり、正面モニターに見入っている。
リボンズは、真っ暗な空間にスポットライトを浴びて立っている。
その顔は煽りとも嘆きとも見えるなんとも言えない不気味な笑みを浮かべている。
「さぁ、どう動く…?」
そしてリボンズの話が始まった。
『これを見ている全ての人に聞いてもらいたい。僕の名はリボンズ・アルマーク。君たちと同じ、この世界に取り込まれた存在だ。』
まずは同じということを強調した掴みだ。
『僕は疑問に思ってるよ。何故、戦っているのか。この世界に集められたのは軍事力だけだ。つまり、ここには守るべき国や物がない。なのに、世界は大きく3つに割れて戦争を始めた。何故か? 僕はこう思うんだ。君たちは、本能的に敵がいないと不安で仕方が無いような人間になってしまった。時代がそのように人類を育ててしまったんだ。だからこの世界でも無理やりにでも敵を作った。』
ここまでの話は間違ってはいない。
むしろ正しいし、私も共感できてしまうほど筋が通っている。
問題はここからだ。
『このままこの状態を続けていれば、例え戦争が終わったとしてもまた同じことが繰り返されるだけだ。そこで僕は君たちに提示したいと思う。』
提示? なんのことだろう。
扉の存在っていう線が強いか。
『まず、この世界の事について話そう。この世界は、時空を超越した存在だ。本来ならば数日のうちに崩壊、もしくは消失するはずだった。しかし、こんな不安定な世界を繋ぎとめているのは、ある2人の人間の深層に眠る想いだ。この世界を繋ぎ止める力を絶ったとしたら、どうなるかは分かるだろう。』
そう来たか。
無理やりにでも扉を開きたいわけだ。
扉=時空の裂け目ならば、それを閉じているのが私たちの想いだとしたら、それを絶つ、つまり殺せば、扉は開かれ、リヴェラシヲンの企み通りのシナリオを辿ることができる。しかもそれを邪魔する存在も同時に排除できる。
『気付いた人もいるかもしれないが、この2人こそが、我々が敵にするべき存在だ。たった2人など、世界が一つになれば殺すことなど容易…そうすれば、扉は開き、閉ざされた世界からの脱出が可能だ。』
コイツ…根っから悪だ。
正しいことを言っているようだが、扉の先のことなど言っていない。
分からないから当然だろうし、扉が開いた時点でその扉の所有権を我が物にし、それを利用してここにある軍事力全てを支配できる。
しかも、ちゃっかり殺すとか言ってくれて。
私たちを殺さずとも、ソールトシステムがあれば扉は開くはずだ。
『そして、その2人というのが…この2人だ。』
真っ暗だったリボンズの両サイドに、私とレイの顔が映し出された。
どこで手に入れたんだろうかこの写真。
しかも、頭上にはメテオリティスのデータが映された。
これもまだ2回しか戦闘に出してない。
まぁついさっきに外に出したは出したけど。
『ミデン・アナズィとレイ・ノマダ、そして彼らの機体がこの、メテオリティスガンダムだ。討伐に協力して欲しいとは言わない。しかし、僕はこのまま世界が閉塞し続けるのを見てはいられない。君たちだって、元の世界に戻りたいと思っているはずだ。これを機に、世界が一つになることを願っているよ…』
ここで映像は終わった。
最後の一言は言葉だけならいい事言っているようだが、これは、印象を良くするための飾りだ。
例えそれが現実になろうとも、それで今の状態が解決するわけない。
「どうするミデン…」
「これでお姉ちゃんとレイさんは世界の敵になった。」
「……リヴェラシヲンは強行策に出たわね。味方がいないわけではないけど…」
そう、少ないながらも私たちには味方がいる。
敵が多いのも事実だが、諦めなければきっと大丈夫。
数時間後、各勢力から声明が出された。
3大勢力は共通して、私たちを敵とみなし全力をもって排除する、というものだ。
「世界が…一つになっていく……」
ホントは望むべきことなんだけど、今回の場合は、全員がリヴェラシヲンの掌の上で踊らされている状態だ。
「ペテン師と道化師だな…どうかしてるよ、この世界は…」
レイの悲しげな声。
「でも、どんなことがあろうと、アタシはお姉ちゃんの味方だよ…」
「ありがとうヌクスィル…」
全てを終わらせる時は、確実にすぐそこまで迫っていた。
結果がどういう風に転がるかはわからないけどね。
世界が全員をもって私たちを探しているから、見つかるのは時間の問題だろう。
後日、フュゼのギルバート・デュランダルがリボンズの時と同じ方法で声明を出した。
『世界は一つになった。共通する敵に対し、同じ感情を共有する。もはや勢力という隔たりはただの飾りとなった。〜中略〜 そして我々は、世界の一致団結と閉ざされた世界からの解放を目指すとともに、時空を狂わせた張本人の粛清を、ここに宣言する!』
コイツもリヴェラシヲンだな。
ヌクスィルから聞いた話では、リヴェラシヲンの構成人数はたったの8人らしい。
その中にはあのトレーズの名前もあった。
ギルバートの宣言から80分後、リボンズのリボーンズガンダム率いるリヴェラシヲンが、北極圏直上の宙域に現れた。
世間から見れば、統一のキッカケを示したリボンズと、各勢力の代表が勇敢に立ち上がったように見えるだろう。
「キャプテン・アッシュ、ここからリヴェラシヲンがいるところまでどのくらいかかりますか?」
「全力出して2時間あれば。まだ万全とは言えないが、加勢するぞ。」
「ありがとうございます。」
さてと。
私はレイとヌクスィルの顔を見た。
もう何も言わず、私を信じてくれている。
「さぁ、決戦のときよ…」
…そして…
バロノークはコンタクト予測地点に辿り着いた。
前方には6機のMS。
否、その後ろには大量のMSが見える。
「ガガがこんなに…」
南極での戦闘の時にいたやつと同じ機体だ。
数も同じくらい。
「来るわよ…」
「あぁ…!」
フォールディングアームも使ったフル装備のメテオリティス、その横にヌクスィルのフェニックスメイデン。
さらに周りには宇宙海賊の全戦力MS23機。
これでもこのガガの数は辛いけど、なんとかなるって信じなきゃいけない。
じゃないと、私を信じてくれている人たちに申し訳ない。
『さぁ、始めようか…!』
リボンズの合図と共に、大量のガガが動き出した。
ガガは全て、MSとしての武装を装備していて、特攻兵器だったガガよりも集団として強くなった。
「私は…私たちは生きる! 例え世界が敵になろうとも、あなたたちの企みを打ち砕く! それが、時空を歪めてしまったことへの償いだ!!」
『できるものなら、やってみるがいい!』
ガガの大群を相手に、必死でリボンズのところへ行こうとする。
でも、流石に多すぎる。
そう思ったその時だった。
「手を貸そう。」
緑色の光を纏った矢が扇状に放たれ、多数のガガが大破した。
そして、青い照射ビームがさらにガガを破壊していく。
「あれは…!?」
「2機のエクストリーム!?」
「ex!! それにレオスも!」
向かって右側から、人馬型の装備、機動神話形態"ミスティック・フェイズのエクストリームガンダムが率いるex-sa隊。
それに付き添うのが、エクストリームガンダム(type-レオスⅡ)
見るからに強そうな味方が増えた。
有利になったわけではないが、とても心強い。
そして、さらにリヴェラシヲンに抗う者たちが立ち上がる。
どうも星々です
物語も終局へ向かいました!
エクストリームの共闘とかもうあり得ないですけどw
これがリヴェラシヲンとの最終決戦となるのか!?