ソレスタルビーイングが求める要求とは
割れるセカイ
そして戦いは、始まってしまうのだった
スタークグランシャリオとガンキャノンは、プトレマイオスに収容された。
ワイヤーで艦にくくりつけるというなんとも雑な扱いを受けたが、ミデンとレイは特に抵抗もせずにブリーフィングルームらしき部屋へ連れられた。
「さてと、私の名前はスメラギ・李・ノリエガ、戦術予報士よ。」
「ミデン・アナズィ。」
「レイ・ノマダだ。」
歓迎しているようで、警戒を怠っていない様子を見ると、かなり訓練された組織のようだ。
手錠をかけられ、反撃する隙はない。
もちろん、最初からその気はないが。
「いきなりで申し訳ないけど、幾つか質問があるわ。まず、あなたたちはどこの所属?」
「私たちは無所属です。強いて言うならMO-Xですが…知りませんよね。」
「あの艦はあなたたちの仲間?」
「あれは、彷徨っているところをたまたま拾われた艦です。確か、地球連邦軍所属だったと。」
「もうひとつ、どこでガンダムを手に入れたの?」
「自分たちで開発しました。」
「なるほどね…」
ミデンは、自分の発言に驚くと思っていたが、表情一つ変えないスメラギに関心した。
スメラギだけではない、同じ部屋にいるクルーたちや、パイロットたちも同様だった。
「こちらからも質問させてもらう。」
レイが前に出た。
「何故、僕たちを墜とさなかった? そして貴官らの目的は何だ。」
「戦力が欲しかったからよ。それに、そちらも私たちに接触しようとしてたでしょ?」
(読まれてる…)
(この女…やるな…)
「もちろん、ただ働きさせるとは言わないわ。あなたたちには、MSの安定した整備と生活を保障するわ。」
「その割には、随分と雑な扱いだがな…」
「分かりました、私たちは必要とされた時に戦力として働きましょう。」
「交渉成立ね。」
スメラギがミデンに手を差し出した。
しかしミデンは握手せず、スメラギの目を見た。
「こちらの要望を聞いていただきたい。」
「そ、そうね、いいわよ。」
「私たちがソレスタルビーイングに求めるのは、情報の共有、そして自由です。私たちが無所属のままソレスタルビーイングと行動することを約束してもらいたい。」
「了解したわ。」
ミデンとスメラギは握手を交わし、交渉は成立した。
まとめるとこうだ。
ソレスタルビーイングはミデンとレイに対し、持てる情報の開示及び共有、安定した補給と生活、自由の保障。
ミデンとレイはソレスタルビーイングに対し、戦力及び労力の提供と情報の共有。
これでミデンとレイに拠点ができた。
スタークグランシャリオとガンキャノンは、その後増設された仮コンテナに格納され、補給を受けた。
しかし、ソレスタルビーイングの技術とそれぞれの機体の技術が大きく異なるため、少々の改造が施された。
スタークグランシャリオの背中にGN粒子貯蔵タンクが取り付けられ、GN粒子による兵器運用に対応した。
推進力やその他エネルギー源は、もとのジェネレーターをそのまま使用する。
ガンキャノンは使われている技術が相当古いため、大幅な改造プランが必要だった。
そのため、現時点では保留となっている。
プトレマイオスでの生活も少し落ち着いてきたある日、ミデンとレイはスメラギに呼び出された。
ソレスタルビーイングのパイロットたちも集まり、どうやら任務が言い渡されるらしい。
「2日前、南米の熱帯雨林地帯を本拠地として、新地球統合同盟が設立されたわ。彼らの目的は地球圏の統合。それに対抗して、アジア、オーストラリアで同じような同盟が設立されている。ソレスタルビーイングはこれらを戦争因子と判断、武力介入を行います。」
恐らく、この世界に迷い込んだ人間の数は相当多いのだろう。
しかも、そのほとんどが軍事組織と見た方がいいだろう。
そしてそれらは、力を合わせ、大きな勢力を作り上げた。
典型的な戦争因子である。
「私たちのこの世界での最初の任務は、オーストラリアで建設が進んでいる大型軍事工場群を破壊すること。」
「いきなり敵さんの本拠地に乗り込むとは、相変わらず無茶をさせる。」
緑の制服を着た長身の青年、ロックオン・ストラトスが肩をすくめた。
確かに無茶な作戦である。
しかし、ソレスタルビーイングの行動理念である戦争根絶にのっとった行動である。
「作戦を伝えます。トレミー時計標準時、明日0000作戦開始。まずキュリオスで奇襲をかけます。混乱に乗じてエクシアとスタークグランシャリオが潜入、キュリオスとデュナメスの援護で破壊工作を開始。ヴァーチェは出撃したMSを殲滅。その後はトレミーから随時指示を出すわ。」
「僕のガンキャノンはまだ出られないのか?」
「分からないわ。もう少しで作業は終わるけど…」
「分かった、完成次第、出撃する。」
13時間後、作戦は予定通り開始された。
キュリオスが飛行形態で上空に到達した。
そこからミサイルコンテナからミサイルをばら撒いて一気に垂直降下し、工場スレスレで旋回した。
突然の爆撃と敵機の姿に混乱する工場。
あちこちで炎が上がり、サイレンが鳴り響く。
エクシアとスタークグランシャリオは予定通り潜入して、分散して施設を破壊していった。
2機によって起こる爆発は、キュリオスとデュナメスのミサイルでカムフラージュされる。
そして、工場の真正面にヴァーチェが降り立った。
それに反応して、MSが数十機出てきた。
機種は様々だった。
丸い体に腕と脚が生えた緑色の機体カプル、大きなトサカがある灰色の機体ジン、ゴツゴツとしたオレンジの機体メッサー、上半身がガッチリした赤い機体ジンクスⅢ、変形機構を有する淡いオレンジの機体クランシェ。
「ヴァーチェ、目標を殲滅する。」
ガンダムヴァーチェのパイロット、ティエリア・アーデが冷たい声で表情一つ変えずに、トリガーを引いた。
ヴァーチェの巨大なビーム砲、GNバズーカの銃口が開いて高出力のビームが放たれた。
ビームはMS部隊の真ん中を貫き、一瞬にして20機ほどを撃破した。
しかし、MS部隊は怯むことなく攻撃してくる。
「くっ…手慣れている。ロックオン、援護を要請する!」
「おう! ロックオン・ストラトス、目標を狙い撃つぜ!!」
飛来する飛行形態のクランシェをスナイパーライフルで射抜く。
が、爆煙に紛れて、4機のクランシェと5機のジンが空中で構えているデュナメスの方へ抜けた。
「アレルヤ!!」
先陣を切るクランシェにキュリオスが横から飛行形態で突進する。
残りのクランシェは変形してドッズライフルを撃つ。
ジンは重斬刀を構えてデュナメスに集団で襲いかかる。
が、ガンダムマイスターは伊達じゃなく、軽々と迎撃する。
ヴァーチェは、GNキャノンで敵の接近すら許さない。
その頃、スタークグランシャリオに気付いたMS部隊が攻撃を仕掛けてきた。
敵は3機。
しかしその3機が手強かった。
「ガンダムが3機…ッ。厳しいわね。」
L字型の翼と斜め掛けのキャノン砲を持つガンダムX、ファイティングポーズをとるゴッドガンダム、強化装甲を纏ったガンダムAGE-1グランサ。
スタークグランシャリオは、持ち前の機動力で狭い通路を駆け抜けた。
AGE-1によるシールドライフルとXによるバスターライフルが追撃してくる。
3連装ミサイル・ランチャーを放つために振り向くと、ゴッドが背中にリングを発生させて突貫してきた。
咄嗟の判断でGNビームサーベルを抜くが、ゴッドはスタークグランシャリオの懐に飛び込み、アッパーを繰り出した。
「パンチ!? なんだコイツっ!」
スタークグランシャリオは右脚のバーニアを吹かせて、蹴り返す。
ゴッドは地面を蹴って今度はまっすぐパンチを放つ。
が、拳はスレスレの所で空を切った。
「外れた!? スプリッター迷彩が効いてる!」
スタークグランシャリオに施されたスプリッター迷彩は、左右非対称の模様で敵に機体の動きを見誤らせる効果がある。
地味な見た目だが強力な効果がある。
スタークグランシャリオがビームサーベルでゴッドに斬りかかる。
ゴッドは紙一重でかわし、後退した。
追いついたAGE-1とXが、ビームサーベルとビームソードで波状攻撃をする。
ゴッドもゴッドスラッシュを抜いてそれに交わる。
必死に抵抗するが、機体の装甲が徐々にダメージを受ける。
「グランシャリオガンダムならこの程度余裕だったのに…!!」
ミデンはマニピュレーターを操作しながら、3連装ミサイル・ランチャーを両肩から1基ずつ放った。
当たらなくても煙幕代わりになればと思い放ったそれは、ちゃんと狭い空間に爆煙を充満させた。
「よし…こちらスタークグランシャリオ。少し不利だ、一旦外へ出る!」
スタークグランシャリオは背中を向けてバーニアを吹かせた。
爆煙を抜け、一気に外へ出ようとした。
だが、目の前の何もない空間から突然ビームが飛んできた。
敵は3機ではなかった。
「もう1機いたか!」
スタークグランシャリオが逆噴射でブレーキをかけると、目の前の空間が歪み、MSが現れた。
漆黒のガンダム、ブリッツガンダムである。
ブリッツはビームサーベルを振り上げた。
スタークグランシャリオはそれを半身になってかわし、ブリッツの背後に回った。
機体の動きが重く、ブリッツの抵抗で右上腕部にビームサーベルが刺さった。
ビームサーベルでブリッツ両腕を斬り落とし、ビームピストルで後頭部を撃った。
ブリッツは沈黙した。
「あ、あぶなかった。」
ミデンはそのまま脱出した。
脱出すると、外では激しい戦闘が行われていた。
戦闘というより、一方的な殲滅にも見える。
このまま押し切れば、任務は完了すると思われた。
しかし、介入者はソレスタルビーイングだけではなかった。
どうも、星々です
いろいろMS出してみました
ガンダムもいっぱい出てきましたし、登場キャラも多くなりそうです(今回は敵喋ってませんがw)