over the GUNDAM   作:星々

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砂吹き荒れる砂漠地帯
そこに降り立ったガンダムマイスター

絶望を知らせる者が残した言葉が意味することとは


7th 〜世界の歪み〜

ここはオーストラリアの砂漠地帯。

見渡す限り砂の海が広がる。

日光は照りつけ、気温は40℃をゆうに超えている。

そんな場所に、刹那はいた。

彼が実行中のミッションは、砂漠地帯にあるというフュゼの地下基地の位置特定である。

 

「レーダー反応無し。目視でも異常は確認できない…」

 

刹那はゴーグルを付け、マフラーで口元を覆っている。

高気温下でもこんな格好をできるのは、鍛え上げられたガンダムマイスターの肉体があってこそなのだろう。

刹那はエクシアのコックピットに戻り、砂嵐で自分の身を隠しながら移動を始めた。

 

 

 

その頃、フュゼの砂漠基地でMS部隊の訓練が始められようとしていた。

3対3の模擬戦形式の訓練である。

基地のMSデッキに、部隊がスタンバイした。

4足歩行の獣のような外見を持つMSが、黒いのが5機、オレンジのが1機である。

 

「準備はいいか! 戦闘訓練、開始するぞ!」

 

オレンジの機体、ラゴゥのメインパイロット、アンドリュー・バルトフェルドの号令と共に上り坂の先の天井が口を開き、外界の光が入ってきた。

そのMS部隊、バクゥとラゴゥは、一気に砂漠へ駆け出した。

3対3で向き合って、模擬戦を開始した。

が、開始直後、バクゥが2機、爆散した。

 

「な、なんだ!?」

 

「アンディあそこ!!」

 

ラゴゥのガンナー、アイシャが左の方を指し示す。

そこには、1機のMSが立っていた。

足元にはバクゥの残骸がある。

 

「ガンダムだと!?」

 

現れたMSはガンダムだった。

マントで全身を覆い、機体各部に砂漠戦を想定した作りが見られる。

 

『その基地を放棄して投降しろ。命まで奪おうとは言わない。』

 

通信で聞こえてきた声は少年のものだった。

 

「構わん! 全員総攻撃だ!!」

 

バクゥは、2機の前衛と3機の後衛に分かれて突撃した。

前衛のバクゥは、頭部両サイドから出力されるビームサーベルでガンダムに斬りかかる。

が、それは軽く回避された。

ガンダムは、マントをパージし、大きく湾曲した剣、ヒートショーテルを2本取り出してバクゥを1機斬り裂いた。

 

「僕のサンドロックを戦わせたくないのに…でも…倒すしかないんだね。」

 

現れたガンダム、ガンダムサンドロックのパイロット、カトル・ラバーバ・ウィナーは、少し悲しげに呟くと、もう1機の前衛を軽々と破壊した。

 

「ま、まずいわよアンディ!」

 

「分かってる!」

 

後衛をつとめていたバクゥ3機を追い越して、ラゴゥが一気にサンドロックに詰め寄る。

低重心から放たれる独特な格闘攻撃を繰り出そうとした。

だが、バルトフェルドは危険を察知して機体を後退させた。

レーダー反応があった上を見上げると、そこにもガンダムがいた。

 

 

 

「エクシア、フュゼの砂漠基地を発見。同時に、未確認機との戦闘を確認。これより武力介入を行う。」

 

エクシアは、上空からGNビームライフルを連射した。

ラゴゥは、俊敏に動き回って上手く回避する。

そして上に向けて2連装ビームキャノンを放つ。

エクシアはそれを回避し、GNソードを振り下ろした。

ラゴゥはそれも回避した。

が、今度は回避した先にいたサンドロックに狙われる。

振り下ろされたヒートショーテルが翼の部分にかする。

 

「貴様も戦うというのか…!」

 

刹那は、サンドロックも標的として捉えた。

足払いの要領で低姿勢でサンドロックの足元を狙う。

サンドロックはジャンプでかわすが、ラゴゥの2連装ビームキャノンに狙い撃ちにされる。

三つ巴の戦闘が開始された。

あまりに高度で高速な戦闘に、3機のバクゥは手を出せずにいた。

 

「待ってくれ! 僕の目的は基地の無力化、君と同じなはずだ!」

 

「俺たちは全ての武力に対してガンダムによる介入を行う。」

 

「ハッ! 矛盾してるな!!」

 

3機は、砂埃を巻き上げながら複雑に交わり合う。

時折ビームの煌めきや、金属音が響く。

 

「何故戦わなくちゃいけないんだ、僕たちは!!」

 

「敵だからだよ少年っ!」

 

「僕たちは、この世界に引き込まれたという共通した経験がある。元の世界に戻るという共通した課題がある。なのにどうして!」

 

「人類はそれすらも、自らの利益のために利用する。世界が歪み、この世界に閉じ込められた時点で、戦争が始まるのは決まっていた!」

 

「では君は何のためにガンダム(それ)に乗っている! 君たちは何故、歴史の流れに逆らう!」

 

「時代の流れの方がおかしいんです! 僕はそれを正すために戦うと決めています!!」

 

「時代の流れが歪んでいるというのなら、俺はその歪みを破壊する!!」

 

3機の格闘武装が一点に集中した。

強烈な衝撃波が辺りの砂を吹き飛ばす。

 

 

『そこまでだ。』

 

3機の鍔迫り合いが続く中、4機目の乱入者が現れた。

その機体は、上空から降下してくるというより、()()してくるようなイメージで現れた。

刹那はこの機体に見覚えがあった。

 

「ex-sa隊…エクストリームガンダム……!」

 

エクストリームは、両肩に巨大なビーム砲を持つ、カルネージ・フェイズで現れた。

そして、黒いエネルギーの塊を撃ち出した。

黒いエネルギーの塊は拡散し、機体に纏わり付いた。

 

「な、なんだこれ!?」

 

「動かない!?」

 

「動けエクシア。動いてくれ!」

 

3機は、カルネージが放ったエネルギーに拘束された。

カルネージはゆっくりと着地し、両腕から実体弾を放った。

何の抵抗もできずに、直撃をくらう。

 

『君たちにいいことを教えてやろう…』

 

カルネージはゆっくりと歩み寄ってきた。

その姿は実に不気味で、恐怖を感じるような雰囲気があった。

 

『この世界は、たった2人の人間によって作られた。戦争のない平和な世界を望む心が、この世界に武力を集めたのだろう。そしてその2人は、この世界でも、平和を望んで戦っている。その先に待っているのは絶望だと知らずに。』

 

「平和を望む心は、人類の希望たり得る可能性です!」

 

『貴様らが希望と信じて止まないもの、私はそれが()()なのだと知っている。』

 

「じゃあ貴様にとっての希望はなんだ!」

 

『もはや希望など何処にも存在しない。私はそれに気付かせてやりたいのだよ。』

 

カルネージは、ビーム砲を構えた。

エクシア、サンドロック、ラゴゥは、未だ動きが鈍い。

 

『これで終わりだ。』

 

『そうはさせない!!』

 

カルネージの目の前に、突然、1機のガンダムが降り立った。

 

『赤いエクストリーム…貴様は!!』

 

現れたガンダムは、ex-と同じエクストリームガンダムだった。

ただ、機体色が赤を基調としていて、力強さを感じる。

 

『またしても私の敵となるかレオス!』

 

エクストリームガンダム(type-レオス)のパイロット、レオス・アロイとex-は知り合いのようだ。

同じ機体に乗っていることからも考察できる事だが、同じ世界からやって来たらしい。

 

『刹那・F・セイエイ、カトル・ラバーバ・ウィナー、アンドリュー・バルトフェルド。ここは俺に任せろ!』

 

レオスのエクストリームは、閃光と共に姿を変え、射撃特化の形態、エクリプス・フェースに()()した。

すぐにカルネージとエクリプスで射撃戦が始まった。

驚くことに、エクリプスは互角に戦っていた。

実力は刹那やカトル、バルトフェルドと大差はないが、レオスはex-のクセを知り尽くしていた。

 

『何をしてる、早く!!』

 

「仕方ないな…バクゥ、撤退するぞ!!」

 

ラゴゥはバクゥを引き連れて基地に逃げ込む。

刹那は基地へ追撃しに行こうか迷ったが、任務の主要項目である地下基地の位置特定は完了したので、巻き上がった砂に混じって姿を消した。

サンドロックも撤退したらしい。

 

(ex-…一体何者だ?)

(それにしても、ヤツが言っていた『この世界を作った2人の人間』とは誰の事なんだ…?)

 

「俺はただ、そいつが作った歪みを破壊するだけだ…」

 

刹那は決意を改め、宇宙のプトレマイオスへと向かうのであった。




どうも星々です

だいぶ日にちが空いてしまいましたね(汗
風邪を引いてしまい、身体がダル重ですw

今回は、ミデンとレイからは少し離れて、刹那中心の話でした
ex-とのやりとりで刹那が持った決意とは!?
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