それは世界全てを飲み込んでしまうのか
新地球統合同盟、ジヴァイス、フュゼの三大勢力の間で戦争が始まった。
一般的な1対1の戦争ではなく、1対1対1の、三つ巴の戦争である。
そのため、どの勢力も下手に動くことはできない。
しかし、それでも、各地で数々の戦闘が繰り広げられていた。
新地球統合同盟は、まず南極を掌握した。
それに対抗し、フュゼはアフリカ南部、ジヴァイスはユーラシア中央を、それぞれ掌握した。
領土獲得戦はこれから激しさを増して行くと思われる。
ジヴァイス所属の輸送機、ハイパーソニックトランスポーターは、太平洋の真上を飛んでいた。
乗っているのは、OZの
MS積載数はたったの1。
OZのトールギスのみである。
この輸送船の任務は、ハワイ諸島で待機中の独立部隊に補給物資とトールギスおよびパイロットを輸送すること。
普通なら護衛として、エアリーズの2〜3機はありそうなのだが。
「間も無く予定ポイントです。距離にして6000。」
「高度を下げつつ減速しろ。着地は慎重にいかねばならん。」
「了解。」
ハイパーソニックトランスポーターは徐々に高度を落とし、目的のハワイ諸島へと近付いていった。
ちょうどその頃、ハワイのパールハーバーでは、新地球統合同盟による基地建設が始まろうとしていた。
そこには既に、簡易的な拠点が建てられていて、建設の準備は整っていた。
「さてと、ちょいとパトロールでもしてくるかね。」
パールハーバー基地護衛隊の一員である、ムゥ・ラ・フラガは、仮コンテナを開き、愛機に乗り込んだ。
そして、愛機、パーフェクトストライクガンダムを起動し、立ち上がらせた。
パトロールであるため、こんな機体バランスが不安定なPストライクを持ち出す必要はないとは思うが、ムゥは機体に慣れるということも兼ねて、あえてこの機体を選んだ。
「おっとっと、気を付けないと倒れるなこりゃ……ん?」
ムゥは異変に気付いた。
気付いたというより、感じ取った。
Pストライクは上昇し、辺りを見回した。
すると、レーダーに接近する物体を確認した。
「何だ…? 輸送艦か?」
Pストライクのモニターで確認できる距離まで来た。
それは、青い輸送艦のようだ。
輸送艦はエンジンから煙を上げてこちらへ真っ直ぐ向かってくる。
「おいおいおいおい!! 墜落するぞありゃ!!」
輸送艦は、パールハーバー沖に墜落した。
大きな水柱を立て、太平洋の海に沈んでいった。
脱出カプセルが浮かんで来て、乗員の命は助かったのかと思われる。
「あの艦…攻撃されたようだが……!?」
墜落した輸送艦の後ろから、MSが1機飛んでくるのが見えた。
全身モスグリーンで、大きな甲羅のようなものを背負った機体である。
その機体は、射程に入るや否や、ビームを撃ってきた。
「っぶねぇなおい!! いきなりなんだよ!!」
Pストライクはアグニを放ち、交戦を開始した。
最大戦速ですれ違い、ビームライフルを連射した。
敵機はバラバラになってそれを回避し、再びMSの形に戻った。
その機体、ターンXは、腕からビームサーベルを発生させ、斬り込んできた。
Pストライクは対艦刀で受け止め、鍔迫り合いになった。
「何処の所属だ! 突然攻撃してきて!!」
「私はフュゼのギム・ギンガナム。貴様らの基地を破壊しに来た。」
「たった1機でか。ハッ! 随分と余裕だな‼︎」
Pストライクは身体を丸め、蹴りを繰り出した。
ターンXは急速上昇し、上からサーベルを振り下ろした。
Pストライクはそれをバク転の要領でかわし、対艦刀を横薙ぎした。
互いに一進一退の攻防が続いた。
その頃ゼクスは…
水中にいた。
ターンXに沈められた輸送艦、それはハイパーソニックトランスポーターだったのだ。
ゼクスは艦に乗り込み、トールギスの元へ向かった。
手早くトールギスの発進準備を終わらせると、すぐに艦から出た。
トールギスは海面へ向かって、一気に加速した。
ゼクスの身体を強烈なGが襲った。
「クッ…相変わらず殺人的な加速だなッ!!」
トールギスは海上に出た。
すると、そこではハイパーソニックトランスポーターを襲った機体、ターンXが戦闘をしていた。
「…!?」
Pストライクの流弾を咄嗟に盾で防いだ。
こちらに気付いたターンXとPストライクは、やはり戦闘をしかけて来た。
トールギスは、新装備テンペストで迎え撃った。
弾幕を素早い横移動でかわし、ヒートランスを構えて突進した。
ターンXのサーベルに受け止められ、Pストライクの対艦刀が襲いかかる。
トールギスは一旦降下し、Pストライクの後ろへ回り込んだ。
振り向いたPストライクのアグニをターンXが切り落とす。
トールギスはターンXもろとも貫く勢いでヒートランスを突き出した。
しかし、2機は紙一重で回避していた。
「私のトールギスについて来られるとは、中々の腕前だ。」
「お前、OZの
3人の間で映像通信が交わされた。
「貴様はエンデュミオンの鷹!? まさかこんなところで会えるとはな!」
「ははは、そうかそうか。この世界でも噂に聞くようになるほどのエースパイロットか!」
「ギム・ギンガナム、私の艦を墜とされた借り、返させてもらう!!」
トールギスはヒートランスを振り、ターンXを突き飛ばした。
ゼクスはPストライクが攻撃してくると思ったが、Pストライクはトールギスの横でターンXに対艦刀を向けていた。
「お互い敵はギンガナムのようだし、ここは手組んでもいいんじゃないか?」
「正気か? 私は敵軍の兵士だぞ。」
「倒したい相手は同じだ。手を組むとまでは言わない、戦うのはこいつを始末した後にしようってことだ。」
「フ…いいだろう。」
トールギスもヒートランスを構え直した。
Pストライクはビームブーメランを投げ、ターンXに詰め寄った。
トールギスはドーパーガンで狙撃しながら回り込む。
ターンXは2対1になっても、怯むことなく戦っていた。
いや、むしろゼクスとムゥの方が不利といった感じだろうか。
何せ始めて共闘する相手故に、連携が上手くとれていない。
トールギスのドーパーガンは弾切れを起こした。
「やはり補給が充分でないと…ッ」
トールギスは右手でビームサーベルを抜いた。
ヒートランスの突きとビームサーベルの斬りを上手く組み合わせた、動きの読みにくい格闘戦へシフトした。
ターンXは徐々に押されていった。
ゼクスとムゥはお互いの癖を観察し、適切な動きに合わせた。
「クッ…そろそろ潮時か…ギム・ギンガナム、撤退する。」
ターンXは戦線を離脱し、撤退していった。
「さてと、第2ラウンドと行こうか。」
「貴様、そんな場合か?」
「何?」
ムゥの元に通信が入った。
パールハーバー基地からである。
『こちらパールハーバー基地。未確認機からの攻撃を受けています! すぐに戻ってください!』
「ッ…仕方ない。」
(ギンガナムの策略にまんまと引っかかったという訳か)
Pストライクが煙が上がるパールハーバー基地へと戻っていったのを見届けたトールギスは、ハイパーソニックトランスポーターの脱出カプセルを回収し、予定の合流ポイントへと向かった。
「クッ!! ここを失うわけにはいかないっつぅのに!!」
襲撃してきたMS部隊は、マヒロー5機、クランシェ4機の混成部隊である。
率いるのは勿論、ギム・ギンガナムのターンX。
対するパールハーバー基地護衛隊は、Pストライク、ストライクダガー10機。
変形機構を持つMSで編成された襲撃部隊は、その機動性で一撃離脱を繰り返していた。
30分ほどたっただろうか。
パールハーバー基地は全壊し、フュゼは去った。
被害は甚大。
新地球統合同盟は本拠地南米『ネオ・ジャブロー』へ撤退した。
どうも星々です
えっと、お気づきの方もいると思いますが、今回登場した3人、ゼクス・マーキス、ギム・ギンガナム、ムゥ・ラ・フラガの声優さんは、3人とも子安武人さんなんですw
いわゆる声優ネタですねw
こんな感じでネタも入れていきますが、今後ともよろしくお願いします!