野生の春河童   作:れべっか

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はるかリセット、コミックス14巻発売おめでとうございます。


梅と韻

二月も半ば。関東圏を襲った大雪ももはや名残は見えず、スーパーマーケットの果物売り場で隆盛を誇っていた蜜柑もいまや風前の灯火、日中は陽射しの温かさを覚えることもしばしば。

こんな日は、梅を見に行くのが吉。都内であれば京王新宿線で百草園(もぐさえん)に日帰り観光がお勧めです。江戸名所図会などにも紹介された由緒ある庭園で、多摩丘陵の一角から新宿副都心や東京スカイツリー、天候が良ければ筑波山まで見渡せます。

 

京王線の八王子方面各駅停車に乗り込んで、まずは遠足気分を高めます。懐から取り出したるは、駄菓子の梅仁丹ラムネ。チャカチャカ音を立てながら数粒を手のひらに乗せて、そのままパクリ。このチープな味が童心に帰る雰囲気を促進させてくれます。

電車内は暖房もあるし窓からの陽射しは温かいし、目を閉じると睡魔を感じます。梅見に行く途中で夢見心地。しかし百草園駅は京王八王子駅より新宿側にあるので乗り過ごしてはいけません。あと少しだけ頑張りましょう、どうせ電車を降りてホームに立てば二月の風の寒さが身に沁みて眠気が吹き飛びます。

 

*

 

百草園駅の改札を出て、道順を示す看板に従って5分も歩くと、目印の地蔵堂に出くわします。お地蔵様に軽く頭を下げてから道を進むと、角を曲がったところで急坂に差し掛かります。

さすが多摩丘陵、道脇には一軒家の住宅も多いのですが、還暦過ぎたらこの坂は足腰に厳しいと思わされるような勾配です。この勾配の先に紅梅が待っている……!

 

急坂ですが、そんなに長い距離を歩くことなく百草園に到着できます。駅から徒歩十分という売り文句に間違いなし。

正門で入園料(大人500円)を支払ったところで、案内板に張り紙がありますね。2024年は2/3から3/10まで梅まつりとして夜間ライトアップやひな人形展示と…… 園内で焼き芋販売! 煽り文句に第四次ブームと書かれている、つい先ほど*1マリコから聞いたフレーズが実証されたなんて!

 

 

わが園に 梅の花散るひさかたの 天より雪の流れくるかも

大伴旅人

 

 

園内はさほど広くないので、一時間もあれば一通り回れます。見晴らし台へ登るには多摩丘陵をハイキングするつもりでジーンズ&スニーカーという最低限のウォーキング衣装が必要で、いつぞや駒込の旧古川庭園へ薔薇を見に行った*2のに比べると若干服装に制限がありますね。

園内の茶庵前にある売店でよもぎ茶の試飲をやっているのでそれを貰い、ベンチに座って梅を眺めながらほっと一息。次は甘酒で甘酒を買って観梅しながら乾杯…… 先ほどから韻を踏んではいるものの、いまいち納得の出来ではない。もっと、こう、コンボイと観梅…… なんでトランスフォーマーが脳裏によぎるの?! 

 

 

お終い

*1
2024/2/16web掲載 第133話/冬はやっぱり

*2
第50話/転生したら大正令嬢でした!?

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