野上先生おめでとうございます。
梅雨も明けて猛暑酷暑が続くなか、皆様お元気でしょうか。
私、春河童は外出する元気もなく自室でごろごろしています。
とはいえ、意味もなく時間を無為に潰しているわけではなく、クリエイター業として必須のインプットをしている最中です。
私の手には二冊の単行本。『片道最長切符の旅』と『「片道最長切符の旅」取材ノート』、作者はどちらも宮脇俊三。
『片道最長切符の旅』は昭和54年に出版された鉄道紀行エッセイ、『「片道最長切符の旅」取材ノート』は平成22年、作者の死後に遺族の手で取材メモと手書き地図を取りまとめたもの。
まずは『片道最長切符の旅』から読み進めます。
国鉄の路線を一筆書きして最長となるルートを、北海道の広尾駅から鹿児島県の枕崎駅まで電車を乗り継ぐなか、車窓の景色やら車内の乗客の様子やら、あれこれ書き綴ったエッセイです。
ちなみにこの旅行はずっと電車に乗りっぱなしではありません。途中下車して宿に泊まったり、途中下車した後に別途切符を買って大きな街に移動してそこで宿を取り、翌日途中下車した駅に戻ってそこで片道最長切符に乗りなおしたり。
関東近辺では途中下車した後に自宅に戻ったりもします。
旅行が行われた昭和52年は、インターネットどころか携帯電話も普及していない、まだ国内で蒸気機関車が現役だった時代です。平成生まれの春河童としては想像の及ばないところもありますが、肩肘張らずに読めます。
鉄道紀行エッセイとしては『阿房列車』(作;内田百閒)もありますが、あちらは太平洋戦争からの復興がそれなりに形になってきた昭和20年代後半が舞台で、文章も古くちょっと読みづらいです(個人の感想です)。
そして、『片道最長切符の旅』を読み終えてからが本番です。
最終的なアウトプットである『片道最長切符の旅』と、それを作るためのインプット・中間出力物である『取材ノート』の読み比べ、これを同業者の視点で行うのです。
『取材ノート』に書かれているが『片道最長切符の旅』では触れられていないものがあるなら、それはどのような意図で削ったのか。その逆なら、それは『取材ノート』にメモするまでもなく心に焼き付いたものなのか。
作家・宮脇俊三の心の内を推理する、迷探偵・春河童!
推理小説と異なり、推理した結果に明確な答えはありません。とはいえ解読に時間制限があるわけでなし、自分のペースで読み進めば良いのです。実のところ、この読み方は頭を使うのでスローペースにならざるを得ないのですけど。
お終い。