White and white(PSYCHO-PASS)   作:鈴夢

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警鐘

 

 

・・・・・・・・・・

 

 

東京都 足立区 廃棄区画

 

地図の場所に辿り着く

この一帯はスキャナーも無ければ警備ドローンさえ無く

無法地帯という言葉が1番しっくり来る場所

 

地図に示された場所

それは廃棄された昔の地下鉄路線の入口

シャッターが降りているが簡単に持ち上げることができ

細い階段が地下へと続いていた

 

((…スキャナーも、防犯カメラも何も無い…

……))

 

 

ぽたぽたと錆びた水滴が滴り、中は生ぬるい風が通り抜ける

湿り気のある空間が余計気味悪く感じさせる

 

もちろん人が居るはずはない

しかし階段を全て降りると不自然に懐中電灯が転がっていた

 

「…これを使って進めってこと?」

 

道は左右に広がっていたが右側にはシャッターが降りていて

持ち上げようとしても上がらない

左側は奥までまだまだ道がある

 

舞白は懐中電灯を照らしながら進んでいく

やけに蒸し暑くなり被っていた黒いキャップを背負っていたリュックにしまい、持ってきていたハンカチで額の汗を拭う

 

暗闇の中でも舞白の白髪は懐中電灯の灯りに反射する

首あたりでバツンと切られている髪の毛が汗で首元に引っ付き

余計蒸し暑さを感じさせる

 

「…こんな事になるならショーパン履いてくればよかった

…蒸れて気持ち悪い…」

 

あまり履かない濃いインディゴ染めのスキニーデニムに

黒い丈の短いTシャツ、そしてラフなサンダル

余りにも状況にあっていない服装にため息をつく

 

 

そしてしばらく歩いていくと昔使用されていたであろう改札

その先へ進むとさらに地下に繋がる階段

そして線路、昔の駅のホームだった

 

「写真で見た事ある、すごい昔の駅…」

 

懐中電灯で路線図や駅名など

照らして進んでいくと1両だけ

先頭車両と思われる車両ががホームに停まっていた

 

停まっていた、というよりかは昔から放置されているような

錆び付いていた日比谷線だった

 

外から覗き込むと車内にPC型のデバイス

電源が入ってるのか画面から光が放たれていた

 

開いているドアの隙間から車内に入った瞬間

電車が急に動き出す

それも猛スピードで

 

「っ!何!!」

 

遠心力で体が持っていかれ体を壁にうちつける

負傷していた肩が激しく痛み顔を歪めるも

車両は止まらず、更にスピードを上げて加速させる

 

 

((…このスピードじゃ……せっかく…))

 

舞白の行動を背後から追っている者がいた

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

"今から咲良に会いに行ってくるね"

 

舞白から連絡が入り

狡噛、宜野座、常守、征陸、縢、六合塚の6人は何かあった時のため

身構えていた

 

宜野座と狡噛は私服姿でマンション付近のカフェに

他の4人は公安局で待機

 

 

 

「何も無いといいんだが…」

 

宜野座はアイスコーヒーを片手にマンションエントランスを横目で見る

 

「今まで一切連絡さえままならなかった花橋が

舞白に連絡を入れた

…万が一に備えてだ」

 

同じく狡噛も一般人のふりをしてカフェに潜んでいた

 

____________________________________

 

 

舞白がマンションに入って数十分

何食わぬ顔で舞白はエントランスから姿を現す

 

しかし、何一つ連絡は入らない

いや、連絡を入れれない状況なのか?

 

 

舞白の視線が一瞬2人の方へと向く

そして急ぎ足でどこかへと向かう

 

 

「…あいつ…気づいてたのか」

 

宜野座が席から立ち上がると

続いて狡噛も立ち上がる

 

「俺の妹だからな」

 

口角を上げ、被っていたキャップを深く被る

 

 

「常守監視官、六合塚と一緒にすぐにマンションに行ってくれ、

様子がおかしい

…縢と征陸は指示を出すまで待機

おそらく2人を呼ぶ時は緊急時だ」

 

宜野座がそれぞれに司令を送ると

狡噛と目を合し、頷けば舞白と距離をとりつつも後を追う

 

「……ギノ、舞白の端末情報が読み込めない

おそらくオフラインになってる」

 

普通じゃない状況に2人は息を飲む

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

15分後

常守と六合塚がマンションの最上階へ向かう

部屋のロックは予め管理会社に連絡をし解除

 

 

 

 

 

 

「…これって……」

 

玄関に血だらけの女性

 

 

直ぐに鑑識ドローンを六合塚が手配をすれば

次々と怪しい形跡が

 

 

室内に残る足跡や指紋

しかしスキャンをかけても犯人は定まらない

部屋中の捜査を時間をかけて行う

 

 

「死後数時間は経ってます

…何故、舞白さんは通報しなかったのか

……いえ、できない理由があったのか…」

 

殺害されていたのは家政婦の山崎 遥

首の刺傷が致命傷だった

 

 

六合塚は一係全員に即情報を送る

やはり、重大な何かがこの家で起こっていた

 

 

そして常守が不意に咲良の言葉を思いだす

 

「「家族が、人質に、殺される」」

 

 

「……唐之杜さん、直ぐに咲良さんの家族全員の身元を

状況を調べて下さい」

 

 

 

そして常守の予想は当たってしまう

 

父親、母親、弟

ともに全員が行方不明となっていた

 

父親が最後に残した形跡は

昼前に会社から車でどこかへ向かう最中に

そして母親と弟は

会社関係車の運転する車にて神奈川方面に向かっていたところ途中で

全ての通信機器が遮断され二子玉川周辺で行方不明に

 

 

「…皆さん、この事件は……」

 

 

咲良の言っていた事が全て真実ならば

花橋一家、そして何故か誘導されている舞白

全員の命が奪われる可能性が十分にあった

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

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