White and white(PSYCHO-PASS)   作:鈴夢

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再会

 

・・・・・・・・・・

 

迷路のようにまるで意図的に作られたような空間

駅にこんな変な場所があるわけない、と

不審感を抱き懐中電灯を手にしたまま歩みを進める

 

3mほど伸びる鉄製の壁左右に道が伸びていたり、

一先ず舞白は真っ直ぐ真っ直ぐ進んでいく

 

足音だけが不気味に響く

音の響き方をよく耳を澄まして聞くと

かなりの広い空間だと分かる、天井も異様に高い

 

((…地図で印されていた地下鉄の入口、

まるで誘導されるようにここまで来たけど…))

 

 

コツン、コツン、

 

舞白とは別の足音が前方から聞こえる

目も暗闇に慣れたのかより周りの景色が見えるように

 

足音の先を懐中電灯で照らす

 

そこに居たのは

 

 

 

 

 

 

「…咲良……?」

 

顔を涙で赤く腫らし、荒い息遣い

舞白の声に反応をせず、目が虚ろだった

 

「咲良!?ねぇ、…大丈…」

 

すぐさま駆け寄り咲良の肩を揺らす

しかし、咲良の手に握られていた物を目にすると

咄嗟に体を離した

 

手には拳銃、

そしてよく姿を見るとやけに体に何か着けられていた

 

淡い黄色のシンプルなノースリーブのワンピースの上に

違和感があるほど似合わないカーキのベスト

四角い重厚感のある塊が確認できるだけでも前身頃に6つほど

規則的に赤いライトが点滅していた

 

((…爆弾……?))

 

そう思っていた矢先、瞬きも微動だにもしなかった咲良が

ゆっくりと拳銃を無表情で構える

 

 

「……舞白………ごめん、…ごめんっ…」

 

舞白は引き金を引こうとする咲良と距離をとり

枝分かれしていた道の右側へと咄嗟に身を隠す

 

そして銃声が響く

 

 

・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

「始まったようだね」

 

広く暗い空間

まるで迷路のように人工的に作られた場所

 

空間全体が見渡せる場所で男は本を片手に

銃声の方へと目を向ける

 

 

「悪趣味な場所ですねぇ…本当に」

 

そして隣で同じように眺めていたのはチェ・グソン

柵に肘をついて興味深そうに見回す

 

「親友同士の殺し合い…

なかなか面白い考えだ」

 

ジャキッと猟銃の弾をリロードしながら現れたのは

脳と神経系以外をサイボーグ化した

帝都ネットワーク建設会長、泉宮寺豊久

 

「さてと、私もプレイヤーとして参加させて頂きましょう」

 

泉宮寺は被っていた帽子を深く被り直し

銃を眺める

 

「花橋咲良だけでは万が一、ということもあるからね

狡噛慎也の妹だ、簡単に相手を捩じ伏せ、

爆弾のベストを剥がすことも容易いだろう」

 

泉宮寺はあくまでも補助的役割だと

 

 

「ただし、殺すのはダメだよ

あくまでもあの娘が目的なのだから」

 

舞白は殺さず生かせと繰り返し伝える

泉宮寺はこくりと頷き2人の前から姿を消した

 

 

 

「さて、君たちの真の友情というものは如何なるものだろうか」

 

クスクスと妖しげに笑みを浮かべれば再び視線を下の階へと向ける

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

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