White and white(PSYCHO-PASS) 作:鈴夢
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暗闇に2人の影が颯爽と映る
兄が指でサインを出すと妹は頷きその指示通りに
駆け抜けていく
この異常な空間に状況に、気味悪いほど順応する兄妹
2人だからこそ、順応できていたのかもしれない
槙島はその様子に気づきながらも泉宮寺と咲良に
とくに伝える様子もなくただただ楽しんでいるようだった
先に攻撃を仕掛けたのは狡噛
泉宮寺の目の前にわざと現れれば銃口を向けられる
そして発砲音が3度響けば
舞白が泉宮寺の背後にいた咲良を乱暴ではあるが
思いっきり掴みかかり暗闇へと消える
「小賢しい真似を!!」
なんとか2人を引き離し
一体一の状況へと変える
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「帝都ネットワークの会長さんが、こんなところで悪趣味だな」
狡噛は泉宮寺を嘲笑うように言い放てば
さらに発砲音が響く
「…これは私の狩り場だ、君たちのようなオオカミ達を
弄ぶ為のね」
泉宮寺が手首のデバイスを操作すると
聞いたことのある機械音が狡噛に近づいてくるのが分かる
「ガゥウウウウウウウウゥゥゥゥウッ!!」
ここに来る前に対峙した犬型のロボット
先程よりも少し大きく重厚だった
「悪趣味だな」
男の合図の元、襲いかかるロボット
先程のロボットよりもスピードも早く苦戦を強いられる結果に
それに加え、容赦なく発砲される弾丸
「君のその余裕はどこまで続くかね」
「チッ……」
なんとか舞白と距離を離すように誘導はできたものの
自分の置かれている危険な状況
((……あいつの弾の装填数は3発、
あの犬もただの蹴りじゃ相手にならない
…なんとか猟銃を奪うか、弾を犬の頭に貫通させるしか……))
即座に作戦を組み立てるとある程度覚えた通路を駆け抜ける
「逃げるのかね?思ったほど骨の無い奴でつまらなかったよ」
狡噛が逃げていると思い余裕を振りまく泉宮寺
凶暴なロボットも狡噛の後ろを追いかけ回す
((…今装填されてる弾は2つ、
空になったタイミングで奴の懐に飛び込み、……))
即座に作戦と自分の動きをリンクさせ
早速行動に移る
入り組んだ通路をただ追いかけてくるロボット
余裕そうに銃を構える泉宮寺
狡噛は混乱に乗じて上手くロボットを男の前に誘導し
発砲された弾を頭に命中させようとタイミングを見計らう
「…逃げ回られるとこちらもなかなか面白くないんだが……」
合間に現れる狡噛を狙い発砲する
1……2……
2発打ったのを確認すれば目の前に飛び出す狡噛
同時に背後からロボットが飛び込んでくれば
素手で頭部を掴む
「!?」
まさか目の前に現れると予測をしていなかった泉宮寺は慌てて装填すると
まともに照準が合わない状況で目の前に向け発砲する
狡噛は咄嗟に頭部に向けられた照準を合わせ
見事にロボットは吹き飛ぶ
そして同時に泉宮寺に飛びかかり猟銃を蹴り飛ばす
そのまま地面に押さえつけると
狡噛は油断しきっていた
「……ここまでだ、泉宮寺豊久……
お前はこのまま公安局に……」
体全体を使って地面へ抑え込む
しかし泉宮寺は不気味に笑うだけだった
「……ここまでのようだ、槙島君」
その瞬間、男は脇から小銃を取り出し脇から銃口を向ける
気づいた時にはもう遅く、狡噛の腹部に弾が命中
そしてマキシマ、という単語に目を見開く
同時に顔を歪めながら地面に倒れ込むと
泉宮寺の体が爆発し、体の機械の破片が辺りに散らばる
((マキシマ、間違いなくこの男はマキシマと……))
腹部を抑えながら地面を這う狡噛
呆気なく終わってしまった泉宮寺との戦闘
「……クソっ……油断した俺が悪い……
……舞白……」
ぐわんぐわんと視界が歪む
そのまま意識を失いかけた瞬間
狡噛の目の前に現れる足音
微かに見えたのは白い髪の毛の人物
「狡噛慎也、なかなか面白かったよ
……君の妹も、どんな行動を選択するか、
とても楽しみだ」
「…………マキシマ……」
桜霜学園の事件での音声と同じ声
間違いなく目の前にいるのは槙島
しかし、体はもう動かない
ただ虚ろに男を見上げるしか無かった
((……まずい……舞白……))
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「「……お兄ちゃん……、さく、らが………
……行かないと……」」
怪我をしているのか、フラフラと足元がおぼつかない
舞白が目の前を通り過ぎるのが分かる
ハァハァと呼吸を荒くしただただ
どこかへ消える舞白を目で追うしかできない狡噛
「……待て……まし、ろ……きけん……」
歩みを進める舞白に手を伸ばす
しかし、そのまま気を失ってしまう
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