White and white(PSYCHO-PASS)   作:鈴夢

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バイオテロ

 

 

・・・・・・・・・・・

 

槙島が管巻を殺害する数刻前

シビュラシステムの本当の姿をシステムそのものから知らされた常守

 

悪人の脳をかき集めた怪物がシステムそのものだったという真実に混乱するも、シビュラの目的である

槙島、舞白の保護、そして利用

刑事課一係は目下のところ危機的状況であると、

狡噛慎也の暴走、宜野座伸元の消耗、

チームは機能不全に陥る可能性があると知らされる

このままでは槙島の追跡すらままならないとシステムに突きつけられ

協力しようと持ちかけられた常守

 

常守は槙島の罪を正しく裁きたいと思っているだけ

そこに舞白が巻き込まれてしまったことに対し

システムを酷く嫌悪する

 

 

 

そして常守はシビュラシステムもとある約束を交わす

 

槙島聖護を生きたまま捕らえることができたら

代わりに狡噛慎也の命の保証、

そして狡噛舞白に関しては今後公安局にて

シビュラシステムの理解者として生かしたまま傍に置くと

 

稀にみる免罪体質者、

あくまでも実験材料として殺さず生かすということを前提の話を

システムに突きつける

 

常守のようにシステムに利用される身になるかもしれないが、

舞白をシステムに取り込まれることを常守は大きく拒んでいた

 

 

 

「……シビュラシステム、

これは私とあなたとの約束よ」

 

常守は車内でそう呟けば

宜野座から入った連絡の元、殺しが起きたという現場に向かう

 

 

・・・・・・・・・・・・

・・・・・

 

 

事件現場は槙島が訪れていた管巻の自宅

先に到着していた宜野座、征陸、六合塚が既に証拠を集めていた

 

「遅いぞ、常守」

 

「すみません、状況は?」

 

死体の周りを鑑識ドローンが動き回る

大きく目をくり抜かれ無惨な死体だった

 

「近隣住民から例のヘルメットの目撃情報が届いたんでな

いざ聞き込みに回ってみたら、この家だけセキュリティが潰されてた

……で、踏み込んだらこの有様さ」

 

征陸が粗方説明をすると常守は死体を覗き込み眉を顰める

 

六合塚が被害者である管巻宣昭の経歴を話す

そして部屋の中には狡噛の指紋が見つかっていた

 

しかし、常守は死体の惨殺な殺され方に

槙島しか有り得ないと目をつける

 

「…これは槙島聖護の仕業かも

この老人が次の槙島の目的に関与をしていて

それを突き止めた狡噛さんが駆けつけたものの1歩遅かった…」

 

常守の考えは全て当たっていた

その言葉に宜野座も言葉を続けた

 

「やはり、狡噛が先へ行っているということか」

 

 

「それにしてもこの爺さんがどうして槙島に殺されたのか

ここまで徹底して荒らされたあとじゃあな……」

 

室内は酷く荒らされており征陸も深いため息を吐く

 

 

「狡噛さんが今一番望まない展開はなんでしょうか」

 

「槙島を取り逃がす事ですよね」

すかさず六合塚が常守の問に答えを言う

 

「じゃあ二番目に望まない展開は?」

 

「槙島を仕留める前に俺たちに見つかること、か?」

征陸もすぐさま答える

 

「そうですね、その順序で考えましょう」

常守はそう言うと部屋を歩き回り考えに考え抜く

 

「もし、先にこの現場にたどり着いた狡噛さんが

死体をどこか見つかりにくい場所に隠していたら……

管巻が行方不明のまま、私たちは見当違いの捜索を続け

更に差をつけられていた

……時間稼ぎにはそれが一番のはずだった

でもそうしなかった」

 

真剣にのめり込んで話す常守、

宜野座はその姿を狡噛と照らし合わせる

 

「っ……」

 

 

「狡噛さんは自信過剰なタイプじゃない

万が一自分が失敗した時に他の誰かが槙島を止められるよう

手掛かりだけは残していったと思います」

 

再び死体に目を向ける常守

 

「私たちは試されてるんです

槙島を追うために狡噛さんと同じか

それ以上の執念を持っているかどうか……」

 

そしてその覚悟がない人間は足止めされ出遅れると、常守は考える

 

 

死体をじっと見たあと鑑識ドローンに指示を出す常守

喉と両目の傷を集中スキャンさせると

喉に異物があることに気づく

 

そしてそこには狡噛からの音声データが入ったデバイスが見つかった

すぐさまデータを再生する

 

 

 

「「元執行官の狡噛だ

このメッセージはもうしばらくしたらやって来るであろう公安局の刑事に向けて残す」」

 

宜野座は狡噛の物言いに"あいつ…!"と声を上げた

 

「「被害者は元農学博士 管巻宣昭

ハイパーオーツの疫病対策であるウカノミタマウイルスの開発責任者、日本の完全食糧自給に関わる最大の功労者だとされていた

…槙島聖護は北陸の穀倉地帯を壊滅させるための何らかのアイディアを管巻教授から引き出し、そして殺した」」

 

「「死体は眼球をえぐられ、指は全て第二関節で切断、なんらかのセキュリティ突破に必要なのかもしれない」」

 

4人は音声を静かに聞き入る

 

「「まだ旧式の生体認証に頼っていた頃の古い施設、おそらくは管巻の研究チームが使っていた出雲大学のラボが怪しい

現在はウカノミタマウイルスの管理センターに転用されている

……そこが、槙島の標的と予想される

そして舞白を連れ去ったのには何かしら意図があるはずだ

あいつは殺されてはいない、俺は2人を追う」」

 

そこで音声データが終われば

宜野座が声を荒あげる

 

「穀倉地帯の壊滅…単独でバイオテロだと!」

 

常守はデバイスをオフにすると

3人に目線を向ける

 

「急ぎましょう!

舞白さんも何に利用されるか分からない、

今ならまだきっと間に合います」

 

4人はすぐさま北陸へと向かう

 

・・・・・・・・・・

 

 

 

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