White and white(PSYCHO-PASS)   作:鈴夢

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不可解な言葉

 

 

・・・・・・・・・

 

 

忍び寄る2人分の足音

征陸と宜野座の姿があった

 

 

「……」

 

征陸が罠に気づくと手で合図を送り

2人は立ち止まる

 

 

「…征陸さん、ノブ兄…」

 

舞白が呟いた瞬間、槙島の手が口元に伸びる

 

 

「2対2だ、こちらも2人なら少しは手が抜けそうだ

1体2でもかまわないが

そうなれば僕は何をするか分からない

…さあ、どうする?」

 

要するに2人で征陸と宜野座の足止めをしよう、と

もし舞白が参加しないのであれば

何をするか分からない、と

 

この男はきっと2人を殺すつもりで動く

 

「…君も捕まれば一巻の終わりだ

だったらここで、鬼の数を減らしておくべきだと、僕は考える」

 

「約束して、絶対に殺さないと」

 

その瞬間、舞白が2人の目の前に飛び出す

征陸と宜野座は驚き、目を見開く

 

 

「舞白!」

 

駆け出そうとする宜野座

 

「監視官!待て!」

 

征陸が気づいていた罠とは別のワイヤーに引っかかる宜野座

ワイヤーにひっかかった瞬間、付近のコンテナが爆発により倒れる

 

「…っ!!」

 

舞白は宜野座に飛びかかり

なんとかコンテナの下敷きにならず難を逃れる

 

宜野座のメガネが吹き飛び

舞白は上に乗りかかるような体勢に

 

「…っ…舞白、お前を助けに…」

 

「ごめんなさい、

私はここで、公安局について行く訳にも…

…もう戻れない」

 

懐から拳銃を取り出す

その銃口を宜野座に向けながらゆっくりと体を離し

距離を置く

 

「どういうことだ…舞白、…」

 

ふらふらと立ち上がり、宜野座は恐る恐る

舞白にドミネーターを向ける

 

 

『 犯罪係数0 執行対象ではありません

トリガーをロックします』

 

ドミネーターの音声に目を見開く

拳銃を握りしめている相手の色相は真っ白だった

 

「…お願い、見逃して

私を信じて、ノブ兄…」

 

「そういう訳にもいかないだろ!」

 

宜野座は舞白に掴みかかり確保しようとする

しかし舞白は上手く交わし、激しい取っ組み合いが始まる

 

どことなく本気を出せない宜野座、それを逆手に

舞白は宜野座を背負い投げし、投げ飛ばす

 

「ぐっ……舞白!…一体何故…」

 

怯んだ隙に宜野座の懐へ

予め持たされていたワイヤーを宜野座の手首に巻き付け

背後にあったパイプへと巻き付け固定した

 

あまりの速さと力に宜野座は驚きを隠せない

 

「…槙島は私が止める

だから、…お願い、信じて

……んぐっ……」

 

刹那、激しい頭痛に襲われ

チップの埋まった首に触れる

 

そして征陸と槙島が応戦してるであろう場所から爆発音

舞白は慌ててそちらの方向へと走り出す

 

「舞白!!待て!!」

 

宜野座の呼び掛けに一瞬立ち止まるも振り向くことなく

後ろ髪引かれる思いを隠しながら宜野座から離れる

 

・・・・・・・・・

 

 

槙島と征陸は取っ組み合いの真っ最中

力強い征陸に苦戦する槙島

 

しかし、舞白がこちらに近づいていると分かれば

すぐさま征陸から距離をとる槙島

 

「本当ならば公安局の人間は殺すつもりだったが

あの娘が許さなくてね、命拾いしたと思え、執行官」

 

「何!?」

 

刹那、槙島はトラップを起動させると大きな爆発音

先へと続く道を塞ぐ瓦礫

 

舞白と槙島はその先に上手く入り込めば

征陸と宜野座は部屋に閉じ込められる状況に

 

征陸の目の前に一瞬だけ現れたのは

間違いなく舞白だった

しかしその2人は残念ながら瓦礫の先

追うことができなくなり征陸は悔しそうに顔を歪めた

 

「…どういう事だ…舞白ちゃんは槙島と共に…」

 

まるで2人で結託しているようにも見えた

そして槙島の言葉、自分は舞白に救われたのかとも捉える

 

「おい!執行官!無事か!!」

 

部屋の奥から聞こえる宜野座の声

相手が無事だと安堵すると征陸は宜野座への元へと向かう

 

 

「…なんてザマだ、宜野座監視官」

 

「うるさい、早く解け!」

 

ワイヤーを征陸が解けば宜野座は両手をパッパっと振るう

征陸は怪我ひとつしている様子はない

今まで数々の犯罪を犯してきた槙島なら

殺しにかかってきているはずだった

 

宜野座はすぐさま常守に連絡を入れる

 

「常守!槙島と舞白に遭遇した!

…しかし残念ながら取り逃した、先にも進めん

位置情報を直ぐに送るから追ってくれ」

 

「「わかりました!」」

 

常守は六合塚を施設の管理室に残し

部屋を飛び出す

 

「舞白の様子がおかしかった

どこか、痛がっているような…」

 

「「怪我を!?」」

 

「いいや、外傷は一切見られなかった

あくまでも俺の予想だが舞白を利用するために

槙島が何かを企てている可能性が高い」

 

「「…わかりました、

宜野座さんと征陸さんは別ルートから追ってください

かなり遠回りかもしれませんが…」」

 

わかった、と言えば通信は途切れる

 

「舞白を追ったところで、どのような結果が待っていると思う?」

 

宜野座が征陸に問いかける

 

「厚生省機密機関に即引渡し、俺からしたら怪しすぎる

…急にどうした?伸元?」

 

「舞白の言い方が気になった

公安局について行く、そんなこと言うか?普通…

アイツは、何か知っているんじゃ…」

 

不自然な言い回しに違和感を覚えていた

槙島にそう簡単に寝返るような事も考えにくい

 

「…とにかく、追うしかないな

行くぞ、執行官」

 

2人はドミネーターをしっかりと握り締め部屋を後にする

 

・・・・・・・・・・・・

 

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