White and white(PSYCHO-PASS) 作:鈴夢
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((…犯罪係数0…色相はWhite))
常守は狡噛に抱えられている舞白にドミネーターを向け計測をする
シビュラシステムの言う通り、彼女は
免罪体質で間違いなかった
「槙島もすぐそばにいるぞ」
「…わかってます
あの男も捕まえます」
常守は足元に転がる拳銃を手に取り
槙島の痕跡を見つめる
「…ここで俺たちにワッパかけて
あとはあんた1人で槙島を追う気か?」
常守は拳銃を握りしめると背後の狡噛に振り向く
「そこまで無謀じゃありませんよ私
…それと、舞白さんはこちらで保護します」
ぐったりと体を垂らす舞白
目線は常守に向けられる
「……常守さん、ごめんなさい…
…私は…」
なにか言おうとするが言葉を詰まらせる
「…槙島を取り押さえます
舞白さんも、狡噛さんも…」
((シビュラシステムの思うままに絶対にさせない…))
視線を常守から狡噛に移す舞白
どうやら起爆装置は止められたらしいが変わらず気分は最悪だった
ゆっくりと意識が遠のく
「…お兄ちゃん、…わた、し…」
「………」
狡噛はゆっくりと舞白を床に降ろすと
着ていたジャケットをそっとかける
「あんた、舞白の事で何か知っていることがあるなら
俺に教えろ」
「……槙島を捕らえた後にお話します」
常守はそう言うとドミネーターを狡噛に差し出す
「セーフティーは解除されたまま
パラライザーで固定されてます
今のあなたにも使えるはずです
…手伝ってください」
真剣に眼差しを向ける常守
少し間を置き考える狡噛
そしてゆっくりとドミネーターに手を伸ばす
「槙島はパラライザーで麻痺させるだけ
それ以上のことをしようとしたら、私はあなたの足を撃ちます」
「…驚いたね、タフになると思っちゃいたが
まだもう少し可愛げがあっても良かったと思うぜ」
その言葉に微かに笑みを浮かべる常守
そして狡噛は舞白の頬に優しく触れ、昔のように頭を撫でる
((必ず…お前の仇も…))
常守と狡噛は槙島の血痕の跡を追いかける
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舞白は2人が居なくなるのを感じ取ると
ゆっくりと身体を起こす
気を失う寸前でなんとか目を覚ましていた
狡噛のジャケットを握りしめ、なんとかふらふらと立ち上がる
「…賭けだったけど…なんとか爆発は止められたみたい…」
まだ微かに頭痛はするものの
やけに心拍数が上がり興奮していた
そのせいかアドレナリンが放出され痛みが薄れていく
「追わないと…お兄ちゃん、絶対…槙島を殺す気…
…絶対そんなことさせない…っ…」
兄にこれ以上すべてを請け負いさせたくなかった
容赦なく槙島に銃口を向ける気なのは間違いない
舞白も同じく血痕を辿ろうとした瞬間
背後から新たな人の気配を感じ、立ち止まる
「動くな!舞白…」
ドミネーターを構える宜野座だった
征陸は他ルートを辿っていた為、宜野座1人だった
デバイスで宜野座は連絡を取ろうとするも
それを舞白が阻止する
「…っぐ!!舞白!一体何を…」
その場に宜野座を押し倒し銃口を向ける
宜野座も同じくドミネーターを向けていた
『 犯罪係数0 執行対象ではありません
トリガーをロックします』
先程遭遇した時と変わらない色相に
宜野座は改めて驚く
舞白は悲しそうに笑みを浮かべると
宜野座に問いかける
「…こんな状況でも、大好きな人に銃口を向けても
私は真っ白?」
ギリギリと歯を食いしばる
ただならない雰囲気の舞白に違和感を覚え
宜野座はドミネーターを傍らに投げ捨てる
そして自身に跨る舞白の体に手を伸ばし
ゆっくりと上半身を持ちあげる
「……舞白…一体どうしたんだ…」
「ノブ兄、ここで私を見逃すか
……あなたの手で殺して」
銃口を自身の頭に付け宜野座に握らせる
いっその事、自分の身に起こる事を全て話してしまいたかった
でもそうすれば宜野座がどうなるか分からない
口にしては行けない、システムに直接突きつけられた訳では無いがそんな気しかしなかった
「……私行かないと
…お願い、行かせて」
いつも無邪気で爛漫な姿を見てきたが
まるで別人のように成り代わっているようだった
宜野座は銃口を向けている舞白の手を握りしめ
ゆっくりと頭から離す
そしてそのまま頭から抱え込むように抱きしめる
「無茶はするな、絶対に
…必ず戻ると、約束しろ」
「……………ごめん、」
舞白はゆっくりと体を引き離すと立ち上がり再び宜野座から離れていく
1度目も2度目もまとわりつく罪悪感、
宜野座はなんとなく、もう戻ってこないのではないかと
兄と同じ道を行く気がしていた
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