ヴィクトリアの元軍人兼傭兵   作:Mrミステル

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ココ最近は某狩りのゲームにハマっておりまして、いつの間にか3時になっているミステルでございます。

さて、前回はクシュマフの分身を目の前で見たカゲロウ君が『冥天火光』を発動したところで終わりましたね。
今回はしばらく術攻撃になったカゲロウ君が頑張るお話です。

...自分が殺されるのを目の前で見てるのってどんな気分なんでしょうね。SAN値ぶっ飛びそう。




蹂躙、合流

カゲロウは紫炎を纏った刀を抜刀したままに廃墟を闊歩していた。彼が放った斬撃により背後の瓦礫は全て灰燼と化し、7体の分身も全て焼け焦げていることだろう。

 

音に反応したクシュマフが3人ほど迫ってきたが、まだ様子を伺っているようだ。...奴が感染者だからこそ身体に生えている原石クラスターに俺のアーツが反応できるが、アーツ適性が低かったり奴が2人以上いると気づけなければ苦戦するだろう。ラップランドがやられたのも頷ける。

 

「そこの裏に1人」

 

「...バレていましたかァ...」

 

「そっちにも1人」

 

「...仕方ありませんねェ」

 

奇襲を企てたのか知らんが、隠れていてもバレていては仕方が無いと分かっているのか、あっさり2人は姿を見せた。

 

「...」

「....」

 

「....」

 

もう1人はまだバレていないと思っているのか未だに隠れている。

 

(ならこっちから仕掛けるか。)

 

俺は前にいる2体に体を向けたまま3体目であろう人間が隠れている瓦礫へ跳んだ。

俺の行動を見た2体は特に俺を追いかけるでもなく様子を見ているようだ。ならば好機、瓦礫の裏にいる奴を殺ってしまおう。

 

「くたばr...なっ!?」

「ひっ!」

 

そこにいるのはループスの青年だった。鉱石病患者で、腕にクラスターが確認できる。...そして『カウントダウン』も刻まれている。

いや、そんな事より今はこの青年を逃がすかが問題だ。

 

「クソッ!お前なんだってこんなとこに?!」

「僕は散歩してただけだよ!そっちが来たんじゃないか!」

「...」

 

やっべぇ。ド正論で反論も出来ねぇ。

 

「...おい、とりあえずお前、逃げろ。...レオか?」

 

「え?どうして僕の名前を...?」

 

「理由はいい!とりあえずお前の家族が向こうにいるから!俺が合図したら走れ!走れるな?」

 

「う、うん」

 

「行くぞ、合図は『男の叫び声』だ!男が叫んだら走れよ!いいな?!」

 

「え?ちょっと待ってよ!それってどうい「いいから!分かったな?!」...分かった」

 

「よし、じゃあバレないように隠れてろよ」

 

「...ところでお兄さんは何者なの?誰と戦ってるの?」

 

「...」

 

俺は最後の質問には答えずに瓦礫から離れた。この青年がクシュマフに恩があったりすると面倒だからな。

 

「行くぞ、『冥天火光』」

 

刀はなお紫炎を纏っており、陽炎が立ち上っている。そこに一層のアーツを流し込むと、さらに炎は妖しく揺らめき、刀身も身の毛もよだつような光を放ち始める。

 

「さて...」

 

いざ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれ?なんか増えてね?

なんかめっちゃ増えてんな。うん。

 

「なんか増えてね?」

 

「そうですよォ!」「当たり前ですねェ!」「別の場所の死体を持ってきましたよォ!」「その数59体!」「これでお前も消し炭だァ!」「元々と合わせて78体!」「数は質に勝るのですよォ!」「これで我々は一騎当千!」「後からまた合流しますよォ!」「アーッハハハハハ!!」「ほらほらァ!」「我々を相手にィ!」「まだ戦おうとするのですかァ!?」「イーッヒヒヒヒィ!!」

 

「うるせぇ!うるせぇ!!一気に喋るなよ!」

 

頭おかしなるわ!てか増えすぎだろ!コイツ絶対裏で市民何人かやってんな?ウルサス許すまじ...!(ウルサスは完全なとばっちり)

 

「代表作れよ!ソイツが話せ!」

 

「では...僭越ながらワタクシが」

「全員自分なのに僭越もクソもあるかよ」

「...」

「...」

 

なんか微妙な空気になっちゃった...。えっと...

 

「...お前の最終目的はなんだ」

 

「最終目的ィ...?そんなの決まってるじゃないですかァ...」

 

そういえばコイツらの目的ってなんなんだろ。咄嗟の質問にしては悪くない質問したな、俺。

 

「なんだ。ほら、言えよ」

 

「どうせ、今から死ぬ人間に言っても問題ないか...我々の目的はヴィクトリアへの侵攻」

 

「...どういうことだ。お前、軍は抜けたんだろ」

 

「別に軍は抜けても私は1ウルサスの民なので。故にウルサスへの奉仕は間違ったことではありませんよね?」

 

「それが単身、国へ挑む事だと?」

 

「えェ、我々がここで兵力を増やし、ウルサスとヴィクトリアの戦争に横から打撃を加えます。たとえ100人だろうと、それが全員術士なら無視はできませんよねェ」

 

「...それで?」

 

「その後は死ぬのみです。感染者ですので。帰る場所はありません」

 

「...」

 

思ったより重いなぁ!?

止めてくれよな。下手したら戦争に巻き込まれんじゃん。ヴィクトリアの上層部ってマジのクソ野郎ばっかだからここでコイツ止めないとロドスがウルサスに加担したって難癖つけてくるかもしれない。...いや絶対してくるな。

いやマジで、ドクターはここまで読んでいたのか?いやないか。ここでコイツ潰してもヴィクトリアに何一つ恩が売れないもんな。

 

「...止める..ッ!」

 

「止められるものなら止めてみてくださいよォ!」

 

紫炎と分身が激突し、何人かが大きな悲鳴をあげながら、焼死した。

チラリと後ろを見ると、先程の青年はしっかり離脱できたようだ。

 

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「オーキッドさん!急いで!」

 

「分かってるわよ...ゼェ..あと、どのくらい?」

 

「40!」

 

「うわっ!なんだあれ!?炎!?相手は爆破のアーツも使えるのか!?」

 

「ううん!あの炎はカゲロウのだよ!元々カゲロウが出す炎は紫だもん!」

 

「...ハァハァ...なんでバグパイプはドヤ顔なのかしら..?」

 

「...私カゲロウの事よく知ってますアピールでしょ」

 

------------------------------

 

「カゲロウ!」

 

「...!バグ!来てくれたのか!...っとと」

 

「うわっ!何コイツ!?気持ち悪ぅ!?」

 

「初対面で気持ち悪とは随分な言い草ですねェ!!」

 

「危ない!皆避けて!」

 

しかし白いループスは突っ込んだ。

 

「ラップランド!?避けろぉぉ!!」

 

「アッハハハハァ!!この程度なのかい!?今度こそぶっ殺す...!」

 

そして、勢いそのまま一体を切り刻んだ。

 

「おい!コイツら数増やしてヴィクトリアと戦争するつもりだぞ!止めないとめんどくせぇ!」

 

「そうなの!?私の故郷に手出しはさせないよ!クシュマフ!!」

 

スポットがやはりキツそうだが、ミッドナイトが上手くカバーしている。あ、ポプカルが3人ぶった斬ってるな。

 

「どうだ。クシュマフ、別に軍でもなんでもない俺たち相手に大苦戦だぞ?目ぇ覚ましたらどうだ?」

「そうだよ!今すぐに投降しなさい!これ以上暴れるようなら本当に全滅させるよ!」

 

すると、数多いるクシュマフの一体が首を傾げた。

 

「ロドスは民間軍事会社じゃねぇんですかァ?」

 

 

「「違ぇわ(うよ)!!」」

 

「はァ!?」

 

何言ってんだコイツら。

 

「ロドスは製薬会社だ!間違っても軍事会社じゃねぇよ!」

 

「え、でもカゲロウさ、ロドス来る時うちの事民間軍事会社って...」

「...ごめん、ややこしくなるから黙ってて?」

 

 

「おい!余裕あるなら手伝ってくれ!スポットがヤバい!」

 

「スポットって術耐性ないんだっけか」

「いや、あるにはあるけど!数が多すぎるよ!」

 

「分かった。俺がそっち行く。バグ、ここ頼んだ」

 

「任せてカゲロウ。...んふふ。なんだか軍にいた時みたいだね」

 

「...そうだな。懐かしいな…」

 

「いいから早くカバーに来いや!!」

 

------------------------------

 

「よぉ〜!スポット!助けに来たぜ!」

 

「遅い。....少し稼いでくれないか、すぐ回復する」

 

「任せろ」

 

そして、俺はスポットの前に仁王立ちし、奴の火球と光線を捌こうとしたのだが、

 

「いや多い多い!!」

 

数が多けりゃ打ってくる攻撃も多いわけで、

 

「いやマジでやばいかも....」

 

盾なしでここまで捌いたことを褒めて欲しいと思いながら、

 

「...くうぅ....」

 

「おい、大丈夫か?」

 

「やばいかも!」

 

スポットに早く戻ってきて欲しいと思いながら、

 

「...あっ」

 

光線を捌いたと思ったらその裏側に上手く置かれた火球を捌ききれず、体をひねろうとしたのだが、スポットが後ろにいることを思い出し、受ける覚悟を決めた。

 

ゆっくりと火球が迫ってくる、刀は光線を焼いてから次の光線を防ぐので手一杯、たとえ火球を受けても刀は振るい続けなければ。

 

あと...どれくらいだろうか。火球との距離は。

 

火球は先程よりもゆっくりと近づいてくる。走馬灯ってのはこういう時に見るものでは無いのかと思いながら、火球を受けた後にどこに刀を振るうかを決めた。

 

火球はゆっくりと俺に近づいて....そして、静止した。

静止した。何もかもが。弾いた光線も静止した。分身も静止した。バグやポプカルも静止した。俺も静止している。意識だけが動き、冷や汗が垂れるような感覚を覚えた。

 

 

「やぁ。どうやらピンチのようだね?カゲロウ(クソ野郎)?」

 

 

 




はい、というわけでいかがでしたでしょうか。

時が止まりましたね。一体何ティマさんの仕業なんだ...。

次回はいよいよ大詰めになりそうです。

作者はロドスのギャグ小説を書きたかったのになんでこんな戦闘なんて書いてるんでしょうかねぇ..
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