ヴィクトリアの元軍人兼傭兵   作:Mrミステル

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はい、どうも皆様こんにちは。ミステルです。

前回のアンケートに投票してくださった方々、ありがとうございました。
結果を見たところ、シリアスよりギャグ調の方がいいとの事なので、この章はギャグっぽく進めていこうと思います。

話としてはまぁ、頭空っぽにして読んでください。


2章
そうだ、旅行行こう。


 

やぁどうも、カゲロウだ。

突然だが今俺はロドスの食堂にいる。昼飯の時間だしな。

でだ、俺は休暇なんだ。ヴィクトリアの廃都市から帰ってきて、もはや習慣と化したズィマーとの組手を終え、ドクターやアーミヤCEOへの報告も済ませ、ドクターの書類も手伝い、ローザがロドスに馴染めるように根回しまでやった。ボーナスも出た。

そしてCEOから1週間の休暇を言い渡された。...ドクターが血涙を流していたがなんだったのだろうか。

 

と、いうわけで俺は小旅行にでも行こうと考えている。ヴィクトリアに帰るのもいいし、極東まで行ってみるのもいいな。とにかく1週間あるからな。久しぶりのバカンスだしな。めいっぱい楽しみたいな。

あ、そうだ。

 

「シエスタに行こう」

 

「にゃに〜、どこに行くって〜?」

 

「...飲みすぎだよブレイズ。なんで真昼間から酒煽ってんだよ。お前任務は?」

 

「きょーはもーおしまーい。ほらほら〜、カゲロウも呑みなよ〜」

 

「いや俺この後車運転するし呑まねぇよ」

 

「え〜?なんでよ〜。任務終わったしぃ〜お酒呑もうよ〜」

 

「だから呑まねぇって。てかお前、お酒しばらく禁止じゃなかったのかよ」

 

「ん〜?へーきへーきぃ。もう任務は終わったし誰にも会わないからねぇ」

 

「俺に会ってんじゃんか」

 

なんだその1秒未満で破綻する理論は。巻き込まれる前に離れとこ。

 

...あっ、ケルシーにバレてら。ドナドナされてる..。

 

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「ロドスってのは本当に何でもあんだな...」

 

そんな事を独りごちながら、俺はロドスのガレージにやってきた。傭兵の時の車を持っていきたいと契約の時にドクターやってきたアーミヤに話したところ、快くガレージの1部を貸し出して貰えた。駐車料金もない。やっぱロドスはホワイトだな()

 

「さて...」

 

久方ぶりにエンジンをかけたが特に問題は無さそうだ。ところどころガラスが割れたりしていたのも、ロドスの給与で修理してもらった。その手のエンジニアもいるとは...。マジでロドスに来てから驚くことばかりである。

 

 

 

 

 

 

ところで、話は変わるのだが俺の車はほぼ装甲車といっても差し支えないほどである。1人で乗るには少し寂しいくらいの大きさで、かつての傭兵団が全員乗れるほどの席がある。今回も空席が多くなると思っていたのだが...。

 

「すみませんカゲロウさん...。乗せて貰っちゃって...」

 

「いーのいーの。この車も無駄に席が多いし、ちゃんと使ってあげないと。ね、カゲロウ?」

 

「エイヤフィヤトラさん達はともかくテメェはなんなんだモスティマ。なんでしれっと助手席に座ってんだよ」

 

俺がシエスタに行くってドクターに連絡した時に、「じゃあちょうどいいや」ってエイヤフィヤトラさん達のトランスポーターチームを乗っけることに関しては文句はない。しかもその対価としてホテルいい所取ってくれたしな。

ただしモスティマ。テメーはダメだ。あと...なんだっけ...

 

「...苦難陳述者?」

 

「フィアメッタよ!そっちの名前で呼ばないで」

 

「何でもいいけどお前も乗るのね」

 

この堕天使(モスティマ)の監視が私の使命だもの。私も乗るわよ」

「さも当然のように言ってんなコイツ」

 

まぁいいけどさ。俺は俺で休みを楽しむだけだし、任務でシエスタに行くであろうコイツらには悪いが、俺はバカンスを満喫するんだ(フラグ)!

 

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「シエスタ....火山....定期調査....」

 

「黒曜石....オリジムシ....」

 

「セイロン....ポンペイ....」

 

どうやら後ろの席ではトランスポーターチームが今回の任務について再確認しているようだ。熱心なようで何より、というか前はエイヤフィヤトラさんは現地の調査に参加出来なかったらしい。ここ最近はすこぶる調子がいいとのことで、今回シエスタに初めて向かうらしいが、やはりとんでもない人だな。火山や天災のトランスポーターとしても一流、術師としてもロドストップクラス、と非の打ち所がない。

ちなみにモスティマは寝てる。苦難陳述s「フィアメッタ」...は起きているらしい。

 

「ところでアンタ。気づいてる?」

 

「後ろからずっと追いかけられてることか?」

 

「気づいてるなら別にいいんだけど」

 

「分かってんなら榴弾ブッパしてもいいんだぜ?」

 

「窓の開け方が分からないわ」

 

こんな会話をしているが、後ろから野盗と思われる連中に追われている。奴らも車で追っかけてきているが、俺が同じくらいのスピードで逃げているので追いつかれはしないだろう。おそらく気づいてるのは俺とフィアメッタくらいで、トランスポーターチームが集中しているのですぐに片付けたい。

 

「できるだけ静かにやってくんない?」

 

「静かに銃を撃つのは無理だけど」

 

「1発で仕留めてくれればいい」

 

「あぁそういうこと」

 

フィアメッタも後ろでトランスポーターチームが会議をしているのをチラリと横目で見て、俺が言ったことに納得してくれたようだ。物分りのいい子は好きだぜ。

 

「窓ってか屋根開けるぞ」

 

「曲射しろっての?」

 

「しろ」

 

えっと...屋根開閉は...これか。お、ちゃんと開いてるね。

 

「じゃあ頼むわ」

 

「はいはい...『償還せよ』」

 

ポンッ!と銃にしては軽めの発砲音が響き、ミラーに爆発が映った。煙が晴れると、そこには野盗が乗っていた車の残骸だけが残っていた。

 

「....ふぅ」

 

「さすがにラテラーノ仕込みは違うな」

 

「なにそれ」

 

フィアメッタは使った銃に目を向けながら、少しはにかんでそう答えた。屋根が開いたのと銃を撃ったのとでさすがにエイヤフィヤトラさん達は驚いていたが、「問題ないですよ」と俺が一言いうと、また会議に意識が戻って行った。相変わらずモスティマは寝ている。

 

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「着いた〜〜...んきゅ〜〜〜」

 

「伸びと一緒に変な声出てるわよ」

 

「ありがとうございました!カゲロウさん!」

 

「おう、頑張れよ〜」

 

とりあえずシエスタに到着して、今はロドスの研究施設シエスタ支部にトランスポーターチームを送り終えたところだ。

いやぁ、暑いねシエスタ。これよりもっと暑い時にドクターはあの服装でここに来てたのか...。さて、

 

「で?お前らは任務どこなの?」

 

「何言ってるんだいカゲロウ。私達も休暇だよ」

 

「あ、そうなのか。俺あと5日はここにいる予定だけど、帰りどうすんの?」

 

「カゲロウの車に乗って帰るけど」

 

「は?」

「え?」

 

「わざわざ俺の予定に合わせなくても...帰る方法は幾つかあんだろ?」

 

「私達だって5日間ここにいるんだよ」

 

「あ、そうなのか。なるほどね、それならまぁいいや」

 

「2人とも、何やってんの。荷物下ろすの手伝ってよ」

 

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「ホテルまで一緒なのかよ」

 

「ここまで来るとちょっとビックリだね」

 

「そうね...あ、予約したフィアメッタです。あ、でも名義はドクターだ」

 

「フィアメッタ様、モスティマ様、カゲロウ様。ようこそお越しくださいました。ご予約のお部屋へ案内致します。どうぞこちらへ」

 

「じゃ、カゲロウ。先行ってくるよ」

 

「おう、いってら」

 

「...?失礼ですが、お連れの方ではないのでしょうか?予約は『3名部屋で3名』とドクター様から言われているのですが...」

 

「ん?」

「え?」

「は?」

 

ふっふふふ。災難の予感だぜ...。

 




という訳でいかがでしたでしょうか。

災難...圧倒的災難...!!
という訳でモスティマ、フィアメッタと一緒に5日間同じ部屋で過ごすことが確定したカゲロウ君、どうなってしまうのか。

ちなみにトランスポーターチームはシエスタのストーリー準拠です。
エイヤフィヤトラ、プロヴァンス、スカイフレアですね。間違ってたらご指摘ください。

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