前回は偵察中のカゲロウ君の前に強そうなオジサンが出てきたところで終わりましたね。今回はオジサンとの会話がメインです。...アークナイツのギャグ小説ってむずくね?
それでは、どーぞ
クシュマフ・ヴァルシュオ。
昔ウルサスの奴らを殺して回っていた時に凄腕の術士と耳にしたことがある。そしてウルサスの人間にしては「人間らしい」という事も知っている。現にそれが今回の感染を広めるまいとする『カウントダウン』に現れている。
そのような人間がなぜ鉱石病になったくらいでここにいる?そもそも軍の中で鉱石病になったとバレてしまえば殺されてしまうのもウルサスの軍内では少なくないという。ここまででも疑問点が多すぎる。そして、
「...ゥぐぅ...」
「...落ち着け、呼吸を整えろ」
目の前に横たわっているラップランドがこの男が如何程の実力者か物語っている。
「おやおや優しいですねぇ!やはりお知り合いですかァ!?」
「うるせぇよ、声を抑えろ」
「フハァ...ところでヤマトサァン?」
「...なんだ」
「お前、『ウルサス
周りの温度が急激に下がった気がした。目の前の男はこの話題を出した途端、目が据わり、明確な殺意を持って俺を見ている。
「...なんだソイツは」
「我々の同胞を殺し回っているネズミのことですよォ!元ヴィクトリア軍だと噂がたってますが...私はこの目で確かに見た!『ウルサス殺し』を!」
マズイか?俺が襲撃したウルサス軍の中に生き残りがいた?俺は必死に記憶を引っ張り出して、生き残りの可能性がある戦いを探した。基本全滅させるため、逃がした事についてはあまり覚えていない。
「それで?どんな奴だったんだ」
「
「...ほう?」
俺じゃないな、というか俺以外にもウルサスを狩るとかいうキチガイ紛いなことやる奴が居んのかよ。しかも女て。
「それとこのループスがどう関係するんだ」
「あぁ...?その駄犬は私のアジト周りをウロチョロされて鬱陶しかったんですよォ.....ん?話がだいぶズレているなぁ?」
「ちなみに俺はその黒髪の女の事なんざ知らねぇぞ。俺はここら一帯の天災を調べに来ただけだからな。ほら、身分証明書」
「ん....なるほどォ?ヤマト...トランスポーター...ゴールド免許なんですねェ....ふむふむ」
ゴールド免許はどうでもいいだろ。というかこの世界でゴールド免許持ってるやつはマジで希少すぎる。龍門にいる知り合いは皆免停か1回は事故ってた。...なんで?
「ふむ、ではお返ししますね。どうかお気をつけて。時間を使わせてしまって申し訳ございませんねェ...」
「あぁ...では失礼する「待ちなさい」...あ?」
「アナタァ...この駄犬を何処かに報告しますか?我々レユニオンがここを根城にしていると報告...しますか?」
...どうやら奴さんはハナっから俺を逃がす気はないらしい。
「...する、と言ったら?」
「誠に残念ですがァ...死んでもらうことになりますねェ....」
「ならば報告はしない。誓おう。理由は...」
「理由は?」
「原因であるテメェを今ここで殺すからだ」
「!!..イッヒヒヒヒヒ!!やはり仲間だったか!さァ!皆さん!愚かなネズミを殺して差し上げましょオ!」
「「「うぉぉぉァァァァァ!!!」」」
俺がクシュマフへの殺意を全開にした辺りでようやく向こうは俺がロドスの人間だと気づいたらしい。おっそ。まぁとりあえずは...
「うるせぇぞ。愚図共が」
「うわぁ!なんだコイツ!?」
「一気に5人斬りやがったぞ!?」
「いでぇ!痛てぇよぉ!?」
「おやおやァ!容赦ないですねェ!?同じ感染者だと言うのに!」
「
画して戦いは始まった。
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場面は変わってロドス母艦。急激に発生した天災に見舞われはしたが、ようやく復旧作業が終わったところである。
「うえぇ〜...づがれだ....」
「本当に感謝するよ、クロージャ」
「ほんとだよ!1週間くらい休暇貰うからね!」
「勿論。ドクター権限d「それは無理だ」おや、ケルシー」
「ゲッ...ケルシー...」
ロドスの最高責任者の1人、ケルシー。プレイアブルキャラとして登場する前はラスボスだの黒幕だの言われていたケルシーである。
「クロージャ、サイラッハ達を乗せた車も荒野の真ん中でダメになってしまったらしい」
「え゛...」
そして、彼女は笑うでもなく申し訳なさそうな顔をするでもなく言い放った。
「もうひと仕事だ」
「イヤだぁぁぁぁぁぁぁあああ!!!」
救援が到着するまで、あと4日...
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「イヒヒヒヒ!駄犬1匹背負っての戦闘は辛そうですねェ!!」
「....ッ!」
「うおっとォ...得物は刀なのに遠距離攻撃があるとは...興味深いですねェ!」
戦闘が始まって数分、5分経ったか経たないか位だろうか。周りの雑魚どもは全滅したが、やはりこの男はただものでは無い。ラップランドを背中に背負って戦闘を続けているが、隙を見て離脱したい。ラップランドの傷口から血は止まっているものの、顔色は悪く、息遣いも浅く、短いものとなっている。非常にマズイ状態だ。
「テメェ、いい加減諦めたらどうだ。手の内は大体見たぞ。もう当たらん」
「イヒヒ...そうですねェ...私もアーツを使いすぎて少々疲れてしまいましたァ...」
「...なら今回は離脱させてもらう。これ以上戦ってもお互い得しないからな」
「そうですか...そうですねェ...アハァ...」
そういうと目の前の男はバタリと倒れてしまった。...は?
「は?いやいやいや倒れるほどかよ。俺致命傷すら与えてないんだけど」
「・・・・・」
「....?まさか...コイツ、死んでる?」
ラップランドを下ろし、俺は刀に手をかけながら、ゆっくり倒れたクシュマフの元へ近づいた。そして首元の脈を図るために手をやると...
「...ない。本当に死んでやがる...」
脈がなく、呼吸もしていない。本当に死んでいるようだ。なぜ?俺は直接的な死因をおそらく作っていない。ラップランドを背負っていたため、常に逃げの一手だったからだ。
「まぁいっか、とりあえず基地に戻るか」
やはりラップランドの事が先決だ。1度基地に戻って治療しよう。スポットに医療品を貰えば問題ないか。
「....ぐッ....ウゥ...」
「大丈夫か、もう少しの辛抱だ」
「...ダメだ...違う...ソイツじゃ...なぃ....」
「なに?」
『ソイツじゃない』?どういう事だ。ラップランドを倒したのはコイツじゃなかったってことか?いやまぁ、実際そうなんだろうけどさ。コイツ弱すぎるもん。
「分かったからとりあえず治療が先だ」
「...まだ...いるよ...カゲロ...後...」
「後ろ?」
俺は自身の背後の気配を探った。特に変わったことはない。...泳がせるか。俺は気づいてないフリをした(実際気づいていないのだが)。だが後ろにいる、という事は分かっているため。後ろに全神経を集中しながら基地へと飛んだ。
「後ろに集中、後ろに集中....コイツ結構あるな……」
これは後ろに集中した副作用だ。決して他意はない。決して。
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果たして何事もなく基地の近くまで来てしまった。1度スポットと合流してから、後ろにつけて来ていられると困るので少々ルートを変えて廃墟に入り込み、そこで治療を行っているのだが、全く気配を感じない。本当に後ろにいたのか?
「どうだ、ラップランド。」
「...うん、だいぶ楽になったよ...」
「まだ寝てろ。周囲の警戒は俺がやる」
とりあえず応急処置は済ませた。血は止まっていたため、傷口に薬をぶっかけただけだが使い方は合っていたらしい。
「カゲロウ...さっきの話の続きだよ...ボクがやられたのはさっき倒したヤツじゃない...別のヤツだ」
「...後で聞くから今は休め」
「...わかったよ」
日が昇ってきた。明るい日差しが俺とラップランドのいる廃墟を照らしだした時、今まで見えていなかったものが見えてきた。血痕だ。
「!?血痕!?誰の血だ!?」
それも一つや二つではない。そこら中に血の跡がベッタリとついている。だが死体は見当たらない。
prrrrr...
バグパイプからだ。
「こちらカゲロウ。どうした?」
『どうした?じゃないよ!もう何時だと思ってるの!?完全に日が昇ってるよ!早く帰ってきて!』
「いやしかたなかったんだっt『問答無用!』..へいへい」
「さてと...帰るか」
「この血痕..かなり新しいけど、どうするんだい?」
「ここに有ったって事だけ覚えとけばいいだろ。感染者が塵になっただけなんじゃねぇの?」
...結局後ろには誰もいなかった。ラップランドの勘違いかな?
はい、というわけでいかがでしたでしょうか。
あれ、オジサンよっわ!と思った方。そうです。このオジサンは弱いんです。鉱石病も末期でしたしね。
次回は基地に帰ってからの情報共有が主になると思います。
それではまた次回