ホワイトルーム・もう一人の最高傑作   作:椎香

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一話

僕は今バスに乗っている

 

行き先は高度育成高等学校

日本政府が作り上げた未来を支える人材を育成する全国屈指の名門校。

希望する進学、就職先にほぼ100%応える学校。

僕はそんな学校に進学します

 

「……眠い」

 

僕の名前は白金蘭

 

何故、この学校に進学することにしたかというと

希望する進学、就職先があるわけでもありません

ただ幼馴染みが進学するからここに決めました。

 

この学校だと都合がいいので

 

3年間は自由になれます

 

安心したら眠くなってきました

 

………寝よう

 

 

「…おい、起きろ着いたぞ」

 

んん、誰かが話しかけている……

 

「おい、もうお前とオレ以外全員降りたぞ」

 

五月蝿いですね……

 

僕は思い切り声のする方に腕を薙ぎ払うと

 

パシッ

 

ん?

 

「おい、いきなり何するんだ?…蘭、起きろ」

 

「……んん?」

 

僕は目を開ける

 

目の前に無表情の茶髪の男がいました

彼が、僕の幼馴染みの綾小路清隆君です。

 

「やっと起きたか、早くいかないと入学初日で遅刻するぞ」

 

「……相変わらず無表情ですね」

「お前にだけは言われたくない」

 

「…手を離してください」

 

「ああ」

 

そう言うと彼は手を離してくれました

 

よく寝れました…まだ眠いですが

 

「あのー早く降りてください!」

 

バスの運転手に言われ、鞄を持ち席を立つ

 

「すみませんでした」

 

清隆君がバスの運転手に謝罪するところを横目で見ながら

バスを降りる

 

「んんっ…」

 

体を伸ばすとパキパキといい音がなる

 

清隆君がバスから降りてきました

 

「…蘭のせいで怒られたんだが」

 

「……どんまい」

 

「おい」

 

そう言って彼はため息をする

 

「清隆君、ため息をすると幸せが逃げていくらしいですよ」

 

「…誰のせいだと」

 

彼と並びながら学校へと向かっていく

 

「なぁ、小さい頃から気になっていたんだが髪の毛邪魔にならないのか?」

 

「別に、もう慣れましたから」

 

「そうか…髪は切らないのか?」

 

「面倒くさいので、放置しています」

 

「おい」

 

別に髪を切る理由がありませんし、慣れれば問題ありません

何より面倒くさい…

 

「それじゃ、人は寄ってこないし友達もできないぞ」

 

「必要ありません」

 

友達がいても面倒くさいだけですし、ストレスがたまるだけです。

 

「…清隆君は友達が欲しいのですか?」

 

「あぁ、友達も欲しいし、恋愛もしたい…今までできなかったことをしてみるつもりだ」

 

「……友達はともかく、君に恋愛は無理でしょう」

 

彼に恋愛感情というものがあるのだろうか?

僕には全くありませんが

 

「まだわからないだろ、恋愛に関しては学べばいい」

 

その考えだとやはり恋愛は無理なのではないか?

 

「そうですか…そういえば、手は大丈夫ですか?思い切りやったつもりでしたが」

 

「少し、痺れたが問題はない」

 

「…そうですか」

 

思い切りやったつもりでしたが、さすが最高傑作ですね

 

「蘭は高校に入学したらやりたいことはないのか?」

 

「…特にありません」

 

「そうか」

 

彼と話しながら歩いていると校門が見えてきました

 

ここに足を踏み入れば、3年間は自由です……まぁそううまく行くとは思いませんが

その後のことはその時に考えましょう

 

「これで、おそらく3年間は自由ですね」

 

「…そうだな」

 

彼と一緒に学校に足を踏み入れた

 

すると目の先に黒髪の少女がいました

 

(これは面倒くさいことになる気がします…)

 

「では、清隆君先に行っています」

 

そう言って僕は歩きだす

 

「あっ、蘭…」

 

「ねぇ…」

 

後ろを振り返ってみると清隆君が先程の少女から話しかけられていました。僕のカンは結構当たりますね

 

 

 

(…監視カメラがありますね)

 

歩きながらあたりを見渡してみると何台かの監視カメラがあった 

 

(いじめに厳しい学校なんでしょうか…おそらくそれだけではありませんね、僕達の素行を見るためとかでしょうか?)

 

ここは普通の学校ではないことを改めて認識した

 

すると後ろから清隆君の声が聞こえてきました

 

「おい、何故俺を置いて行った?」

 

「面倒くさいことになると思いましたから」

 

「…はぁ」

 

彼はまた、ため息を付きました…どんどん清隆君から幸せがにげていきますね

 

「…よかったじゃないですか、先程の彼女で恋愛を学んでみたらどうですか?」

 

「無理だ」

 

「でしょうね」

 

あの少女は容姿はとても良いですが性格に難アリとみました

 

「さて、僕はどこのクラスでしょうか」

 

クラス表から自分の名前を探すと

 

「Cクラスですか…清隆君は?」

 

「オレはDクラスだな」

 

「そうですか…少し残念ですね」

 

「オレもだ」

 

清隆君とは違うクラスですか…少し寂しいですが特に問題はありませんね

 

「では、友達づくり頑張ってください、自己紹介は失敗しないようにしてくださいね」

 

「勿論」

 

清隆君は少し楽しそうです…相変わらず無表情ですが

 

僕には全くそんな感情が湧きません

 

清隆君と別れ際に連絡先を交換し、Cクラスに向かって行き

ドアを開け教室に入る

 

(僕の席は…あそこですか)

 

窓側から二番目の列の後ろから二番目の席でした

どこに座ろうと関係ありませんが

 

見られている感じがしてふと、上を見上げると赤い点が見えた

 

教室にも監視カメラ…やはり僕の予想は当たっている

 

席について周りを見ると、いかにも不良な生徒が多く居ました

 

席に座ってぼーっとしていると、隣の席から声がかけられました

 

「ねぇ、あんた」

 

「なにか?」

 

振り向くと水色の髪の毛でショートカットの少女がいました

すると彼女は僕の顔を見てます

 

「僕の顔になにかついていますか?」

 

「いや、男にしては異常に髪が長かったから少し気になっただけだ」

 

「そうですか…髪は面倒くさいので放置しているだけです」

 

「そう…あんた変わってるね、邪魔にならないの?」

 

「慣れれば問題ありませんよ」

 

「それだけ、あんた名前は?」

 

「白金蘭」

 

「よろしく、私は伊吹澪」

 

「よろしくお願いします」

 

僕がそう言うと彼女は視線を窓にむける

 

(まぁ、あまり関わることはないでしょうが)

 

ぼーっとしていると前のドアが開き先生が来たようです

 

さぁ、この高度育成高等学校…少しは楽しめますかね

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