迫真空手部・哲学の裏技   作:Prý důležité nádraží

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偽ディオニュシウスレ〇プ!熾天使と化した空手部

木村「今日は天使の話をしますよ」

 

野獣「ん、おかのした(信頼)」

 

木村「…またですが、先輩方に質問です。『ヒエラルキー』と言う言葉の意味をご存知ですか?」

 

三浦「ポッチャマ…(諦観)」

 

野獣「駄目みたいですね」

 

木村「意外と耳にしますが、意味は知らないって人が多いですからね。…ヒエラルキーとは「位階」、つまり身分階層の事です。今日はこの「ヒエラルキー」に重点を置きたいと思います」

 

三浦「要するにピラミッド型の階層って事で間違いないかゾ?」

 

木村「ええ、それで間違っていないですよ。正解です。今日やる哲学者は"偽ディオニュシウス・アレオパギタ"と言う人物です」

 

野獣「前からずっと思ってたんだが、何か名前の前に『偽』とか付いてるけど大丈夫なのか?エセ哲学者だったりしないのか?」

 

三浦「人物名に『偽』って初めて聞いたゾ…」

 

木村「哲学の立場から言わせて貰いますと、哲学とは思想そのものなので、エセ哲学は『哲学』なんですよ。…最も、彼は偉大な哲学者ですから安心してください」

 

野獣「しょうがねえなぁ…」

 

木村「先ずですが、お二人が気になった『偽』と言う接頭辞についてです。これは元々、「ディオニュシウス・アレオパギタ」と言う人物が居たんです。その人が書いたであろう書物を分析した結果、実は別人が書いたことが判明したんです。よって便宜的に『偽』を付けるようになりました」

 

三浦「つまり、その人の本当の名前が分かれば『偽ディオニュシウス・アレオパギダ』なんて名前から塗り替えられるのかゾ?」

 

木村「でしょうね。でもそれは未来の事であろうし、僕には分かりませんが…」

 

野獣「ウーン…」

 

木村「さて、本題です。…先輩がたは天使の種類について一つでも言えますか?」

 

三浦「ポッチャマ…」

 

木村「そんな天使はいません(半ギレ)」

 

三浦「チコリータ…」

 

野獣「遠野でしょ」

 

木村「如何にも日本語って感じの名前の天使がスコラ哲学にあると思うんですか?(半ギレ)」

 

野獣「まあ俺にとっては天使みたいなものだし…」

 

三浦「ヴォエ!!」

 

木村「答えを言いますと、ですね…セラフィム、ケルビムは有名どころですね。今は簡単な例しか挙げませんが、後ほど詳しくやりますよ」

 

野獣「セラフィムとケルビムは聞いた事ありますねぇ!ありますあります」

 

木村「そこに目を付けたのは偽ディオニュシウス・アレオパギダです。元々セラフィムやケルビムと言った天使は聖書に登場し、神のお告げを与えたりする役割として出てきますね。これら天使には位階があるのではないか、と彼は考えたのです」

 

野獣「つまり、天使の中でもそれぞれの階級があるのではないか、と言う事か?」

 

木村「ええ。その天使の階級について説いたことを『天上位階論』と言います。彼は先ず、九種類存在する天使を三つに区分しました。それは「父」「子」「聖霊」、以前述べた言い方では「神」「イエス」「聖霊」と言う三つに分けられたのです」

 

三浦「確かそれって三位一体論じゃなかったっけゾ…?」

 

木村「その通りです。この天上位階論は"新プラトン主義"と言う、プラトンが言ったイデア論を徹底して突き進めた結果に生まれたなんです。そして「神」「イエス」「聖霊」の三つの中から更に順番を作り、天使の位階を築いたのです」

 

三浦「天使の位階ってどんなものゾ?」

 

木村「上から順に言いますと、「セラフィム」「ケルビム」「スローン」。まずこの三つが『父』に当てはまります。続いて「ドミニオン」「ヴァーチュー」「パワー」。これらが『子』になります。最後に「プリンシパリティ」「アークエンジェル」「エンジェル」。この三つが『聖霊』に位置します」

 

野獣「しかし、こんな位階を作って何か意味でもあるのか?」

 

木村「いい所に気が付きましたね。…偽ディオニュシウス・アレオパギダは、上の位階の存在ほど神に近づいている、と言ったんです。そして上の位階は下の位階に対して超越的なイメージを与えて神への信仰を深めさせ、下の位階は上の位階がある事によって神の恵みを受け取れるのだ、と言いました」

 

野獣「要するに上の位階の存在ほど神に近づいていて、上の奴らが下の奴らに圧倒的な権威を以て神への信仰を行わせる。下の奴らはその権威によって信仰し、ゆえに神からの恵みを受け取れるのだ、って言いたいんだろ?」

 

木村「その通りです。…そう言った意味では上の位階は下の位階を"導いている"と表現したほうが正しいのかもしれません。でも勘違いして欲しくないのは、「天使は神の下の存在」と言う事です。だから幾らセラフィムと言えど神には到達できない訳です。しかし神にほぼ近い存在ではあるんですよ」

 

三浦「でもなぁ~。…こう言った天上位階論を明らかにして、一体何がどうなったのかが分からないゾ…」

 

木村「それもしっかり説明しますよ。…それぞれの天使には役割があります。例えばスローンは神の公正さや正義を示す役割があります。他にもドミニオンには下の位階の天使たちの監督、パワーは浄化の役目があるんです。これらの役目を体系化し、並べたのが天上位階論です。こうする事によって神の恵みの動きを明らかにしたんです」

 

野獣「確かにさっき、下の位階は上の位階のお陰で神の恵みを受け取れる、って言ってたな」

 

三浦「つまり神の恵みの流れを明らかにする事で、俺らにどうやって神の力が及ぶかを示したって事かゾ?…なんか問屋を挟んでるような感覚ゾ」

 

木村「しかし、この天使たちのお陰で我々は導かれ、無事にこうやって神の恵みが受け取れるのですよ」

 

三浦「あっ、そっかぁ…」

 

野獣「あ、そうだ木村。セラフィムって何の役割があるんだ?」

 

木村「セラフィムは常に燃えています。これは神への愛情が激しすぎて燃えているのだ、と言われています。これが役割らしいです」

 

野獣「は?」

 

三浦「えっ、何それは…(困惑)」

 

木村「ただ、別の神話に出て来る「セラピム」と言うものを起源としているようで、セラピムは雷を操るとも言われています。しかしセラフィムは神のように全知の存在であるので、そう言った意味では神の一番身近な補助役なのかもしれません。これは通説ですが…」

 

野獣「結構深いんだな…」

 

木村「さて、今度は教会のヒエラルキーについてやっていきます。偽ディオニュシウス・アレオパギダは天使だけでなく、教会の在り方も位階で示しました。これを『教会位階論』と言います」

 

三浦「しかし教会は天使によって与えられた神の恵みを授かる、一番下の立場じゃないのかゾ?」

 

野獣「MUR頭いいっすね…」

 

木村「だから、です。偽ディオニュシウス・アレオパギダは教会の在り方を更に分析する事で、神の恵みの流れを把握したのです」

 

三浦「なるほどゾ…。結構細かいんだな」

 

木村「この教会位階論も九つに分けられ、先程上げた「父」「子」「聖霊」の三つのように、大まかに三つに分けられます。高い順に「典礼」「聖職者」「非聖職者」です」

 

野獣「『聖職者』よりも高い『典礼』って何者だよ…(畏怖)」

 

木村「儀式そのものですよ。聖職者は儀式を行い、神への信仰を忠実なものにします。偽ディオニュシウス・アレオパギダは、聖職者よりも儀式のほうが神に近いのだ、と言ったんです」

 

野獣「はえ^~」

 

木村「まず最初の三つですが、「堅信」「聖体」「洗礼」です。これらが『典礼』に当てはまります。続いて「主教」「祭司」「助祭」です。この人たちは『聖職者』です。最後の「修道士」「受洗者」「受洗志願者」は『非聖職者』なのです」

 

三浦「堅信と聖体って何ゾ?」

 

木村「堅信は、人が洗礼を受けた時に得られるとされる聖霊の力です。つまりプリンシパリティやアークエンジェルの力が宿ったりするんですね。聖体と言うのは、イエスの肉としたパン、イエスの血としたぶどう酒の事ですよ」

 

野獣「ならパンやぶどう酒は全て聖職者より位階が高いのか?」

 

木村「全てと言う訳ではありません。ちゃんとした儀式、それこそ『典礼』を行って聖体化したものだけを聖体扱いするんです」

 

三浦「食べてみたいゾ…」

 

野獣「えぇ…」

 

木村「この教会位階論を通じて、偽ディオニュシウス・アレオパギダは"光の通路"を示しました。つまり神聖な力を上から下へ流すことで、高位と低位の位階を結び付けたのです。こうする事で教会の在り方が規定され、また、神の恵みの流れが細かく示されたんです」

 

野獣「んにゃぴ…受洗志願者でも無い俺は恵みが与えられないのかな…」

 

木村「いいえ。鈴木先輩であれ、三浦先輩であれ、そして僕であれ、高位の位階の存在は権威を以て信仰を勧めるんです。だから僕たちは神に祈ったりするんです。この時点で一種の"受洗志願者"なんです」

 

三浦「なんか難しいゾ…」

 

木村「さて、今回はここまでにします。この偽ディオニュシウス・アレオパギダは、未だに本名が分からないにも関わらず、教会の根幹を築き上げた人として知られています。早く名前が明らかになればいいですけどね…」

 

野獣「ちょっと昔の人の記録ガバガバすぎんよ~」

 

木村「まあ、今からおおよそ1000年も前の話ですからね。…しかしアレオパギダが唱えた天上位階論は、今でも有名ですね」

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