仮面転生者ΑGITΩ 〜人類審査のオーヴァーロード〜 作:ただのファンだよ。
イッセー
「取り消せよ、今の言葉」
ゼノヴィア
「断じて取り消すつもりはない」
木場
「あ、ヤり合うの? 僕も混ぜてよ」
リアス
「どうしてこうなった?」(宇宙蝙蝠)
『Boost!』
だというのに、
「………」
向かい合う相手は一歩たりとも動きはしない。
右手に剣を握ったまま垂らし、構える事なく赤き龍の宿主を見詰めている。
「来ねぇのか?」
「言っただろう、今代の赤龍帝の力を測るいい機会だと。なに、こちらには聖剣がある。多少のハンデぐらい問題にはならないさ」
「そうかよ。だったら──」
『Boost!』
「御言葉に甘えさせてもらうぜ!」
再び赤籠手から鳴る音声。更に倍化の能力が発動し、蓄積される。
青髪の聖剣使い───教会からの刺客ゼノヴィアは小さく笑みを浮かべて最強の幻想種たるドラゴン、その中でも“ 天 ”の称号が与えられた龍の帝王を宿す
イッセーとゼノヴィア、両者に動きはない。
そして二人とは対照的に、もう一つの組み合わせは苛烈を極めていた。
「ハァァァっ!!」
「っ! もうっ、ヤァァ!」
俊足と多種多様な魔剣を扱い無数の斬撃を繰り出すのはリアス・グレモリーの
姿を隠す為に与えられた白いローブを脱ぎ、教会の戦士として支給された肌にぴったりとフィットして彼女達の女の肉体のラインを浮き彫りにした黒の戦闘服を身に纏って戦う二人。
静観してるゼノヴィアは兎も角、木場からの怒涛の攻めに対応するイリナは僅かに晒された二の腕と太腿、それに何よりどこかボンテージに似た戦闘服越しでも強く主張させる豊かな胸が揺れる度にイッセーの視線を強く惹き付けている。
(……うひょ〜! 昔の写真じゃ男の子みたいだったのにすっげぇ成長してやがるぅ。───主に胸が…ッ!!)
「む、むぅ。なんだかイヤらしい視線を感じる……?」
木場と交戦中でありながらチラチラとイッセーに目線を向けるイリナ。イッセーからの不埒な視線が彼女の集中力を乱しているという予知せぬ形でアシストされている事など全く気付いていない木場は、イリナの態度に余計腹を立て───加速する。
「あっ……!?」
「くらえっ!!」
イリナの隙を突いて懐に、自身の間合いに入れた木場が両手で握った魔剣を振るう。狙うのは彼女が握る日本刀の様な形状をした聖剣。分けられたエクスカリバーの中の一振り。木場の
「──でも残念♪」
「……なっ!?」
木場の目論見は失敗した。魔剣が聖剣に接触する寸前で
「そぉ…れ!」
「くっ」
イリナの聖剣はワイヤーの如く強固に縛り、イリナが振り上げた腕に連動して木場の手から取り上げた。釣り上げられた魚の様に宙を舞う魔剣が聖剣によって強く絞められ───バキンッ、とへし折られた。
刀身の半ばから二つに別けられた魔剣が空中にて霞と化して散った。聖剣はするするとイリナの手元に集束して、元の刀身に戻った。
「驚いた? これが擬態の聖剣、『エクスカリバー・ミミック』よ」
自身の聖剣を自慢げにするイリナ。簡単に壊せるとは思っていない、修羅の道を辿る覚悟はとうに決めていた、だから気落ちする事はない。故に木場は両腕を左右に伸ばす。直後に地面から数多の魔剣が生える様に創造され、その中から二本引き抜く。
1本で無理なら10本、10本で無理なら100本。折れるまで、壊れるまで、悲願を果たすまで、この
「凍りつき! 燃え尽きろ!!」
右手に冷気を放つ魔剣『
「ああ、主よ。怨讐に囚われた憐れな彼をお救いください。───アーメン!!」
擬態の聖剣を正眼に構えたイリナが木場の剣を迎え撃つ。
そうしている間に、
『Boost!』
「しゃあ! そろそろいくぜ!」
「……! 漸くかい」
倍化した回数は以前レーティング・ゲームでライザー・フェニックスと対面した際に行った───半分の回数の6回。素の能力の凡そ64倍に引き上げられる力が籠手に宿っている。
「おう、待たせちまったな。こっからが本当の勝負だ! 吼えやがれ
『
轟ッ! 吹き荒れる龍の波動と悪魔の魔力。左腕から発生して全身を駆け巡る“ 力 ”としか名状出来ないソレを体感し、少なくない高揚感が生まれる。心の赴くままに拳を振り被り、空を切って突き出される。
殴り飛ばされる大気の塊、凄まじい衝撃波が津波の如く迫り、
「憤ッ!」
ゼノヴィアが両手で構えた大剣に斬り飛ばされる。
其は破壊の権化、分けられたエクスカリバーの中でも破壊力に特化した一振り。
───剣の名を『エクスカリバー・デストラクション』。
その一刀は大地を割り、守りを砕いて、敵を粉砕する。“ 斬る ”のでなく“ 断つ ”のでもない。刃に触れる物全てを壊す、正に
「思っていたよりはやる様だ」
「へへ、降参するなら今の内だぜ?」
「冗談を、この程度で負けを認める様ならコカビエルなど相手に出来やしないさ」
「………ハッ、そうかよ!」
グラウンドの大地を蹴ってイッセーが前に出る。黄塵を広げ、放たれた弾丸の様にゼノヴィアに接近し、力任せに解き放った殴打を繰り出す。
厚く広い聖剣の腹で受け止める。重い衝撃、
彼女は教会の中では有名な歴戦の戦士である。数多の悪魔や吸血鬼を相手取り、勝利し、生還した彼女には二つ名を与えられ、同業の者達から情景と畏怖の目で見られている。故に今回の作戦に抜擢されたのだ。
そんな彼女が破壊の聖剣を携え、目前に相手している。彼女の過去は知らないとしても、彼女が強敵である事をイッセーは改めて再認識させられた。
「はあああっ!」
「うおわっ!?」
大振り一閃。それだけで大きく跳ね除けられイッセーは背中を地に付ける。すぐさま起き上がるが、聖剣を地面に突き立てたゼノヴィアの眼光にゾクリと身体が震える。───その程度で戦意が萎える程、イッセーの心は弱くない。残酷な程に彼は不屈だった。
再び衝突する聖剣と赤い龍の左腕、ライザーとの決戦にて前借りした力の代償に悪魔でも人間でもないドラゴンの片腕はこの瞬間に限っては彼の有利に働いた。悪魔にとって激毒である聖剣の波動は彼の竜の腕にはなんら影響を与えなかった。
「ドォラゴン……ッッショットォ!!」
「聖剣の切れ味、とくと味わえ!
衝突する力と力、波紋の様に広がる波動に稲妻がスパークする。
「………クソッ!」
聖剣使いの二人が去り、グラウンドに大の字で倒れたイッセーが悔しさから右手で地面を叩く。教会の使者との試合はイッセー・木場の敗北で終わった。二人の敗因は意外な事に木場であった。
イリナの相手をしていた木場だったが、剣士としてなら拮抗していた。だが武器の差が酷く開いていた。それは木場も理解していた、故に数で対抗しようとしたのだ。だが幾ら魔剣を創造しても、幾ら多種多様な能力で攻めてもイリナの聖剣には傷の一つも付けられず。焦りか、それとも苛立ちからか彼は冷静なら絶対にくださない判断をした。
彼が扱いを不得意とする大型の魔剣を創造し、強力な一撃を持って聖剣を破壊しようとしたのだ。結果として魔剣を掲げる為に俊足の足を止め、不足した腕力にて魔剣を支えた。その隙をイリナは見抜き、形状変化した聖剣で木場の足を払い、魔剣の自重も加わり転倒した木場の首筋に切先を突き付けて決着とし、木場の敗北に気を取られたイッセーの腹部に聖剣の柄頭が抉り込まれ、ダメージにより
「…………ッッ」
刃ではないが聖剣の攻撃をくらったイッセーとは異なり切先を突き付けられただけで触れられてもいない木場は呆然と立ち尽くしている。悔しさから溢れそうな涙を必死に耐え、代わりに強く握り締められた掌から血が滴る。
そんな様子をリアスは複雑な心境で見つめていた。
兵藤 一誠
原作と違いゼノヴィアの相手をしたが現在の彼はHでEROではあるがHEROではなかったので無事敗北した。
はぁ…はぁ…。は、敗北者?
敗因は木場に気を取られたとか体力のペース配分を誤ったなど色々あるが根本的なのは実力不足。自慢のパワーが凄くても技術がからっきし、結論ダメダメです。
これがアギト初戦時やライザー決戦時の様な誰かの為の戦いなら感情によるブーストが加わった脅威的な爆発力により打開できていた可能性は十分ある。けれど実際は模擬戦、どこか心の中に余裕があった為勝てなかった。
木場 裕斗。
原作と違いイリナを相手に戦ったが原作同様の理由で敗北した。お前は敗北者だよ、うん。女体化してから出直せ、ペッ。
……実際冷静なら勝てたと言われると、そのぉ、うん。剣士としてなら兎も角、現在の神器力じゃ聖剣に勝てる魔剣を創造するのは到底不可能な段階の為結果的に負けてたと思う。聖剣じゃなくて聖剣使いを直接狙ってたらワンチャンあったかも。まぁ、彼の望みは聖剣使いではなく聖剣の打倒なので意味無いが。
ゼノヴィア&紫藤 イリナ
ここから! ってところで出番をばっさりカットされた二人組の女剣士。原作通りの展開の場合カットする傾向にあるから今SS。気になる場合は原作ハイスクールD×Dを買おう!(ステマ)
資料集めの為に改めて調べたらこの時のゼノヴィアってまだ姓名なかった事に気付いた。危ないところだったぜ、危うく読者の皆様方から指摘という名の袋叩きにされるところだった(偏見)