仮面転生者ΑGITΩ 〜人類審査のオーヴァーロード〜   作:ただのファンだよ。

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オリキャラ登場!!

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開戦 Battle for Survival

 

 

 

 

 包帯が巻かれた腕や足を軽く動かし、身体の具合を確認する。先の戦いで傷付き所々に破損箇所があった戦闘服はリアス・グレモリー達によりある程度修繕されていた。

 周りの、一時的な停戦、及びこれから肩を並べる事となる協力者達を一瞥する。

 

 赤龍帝、ヒョウドウ・イッセー。

 そしてその主、紅髪の滅殺姫(ルインプリンセス)、リアス・グレモリーとその眷属達。

 但しグレモリーの騎士であるキバ・ユートとは連絡が取れないらしいが。

 

 背後に意識を向ければ、リアス・グレモリー達とは別の集団。ソーナ・シトリーとその眷属全員。

 

 私───ゼノヴィアはこれから彼らと共に決戦の地であるこの町の学舎へ向かう。

 

 

 

 

 私が気を失っている間に行われた、堕天使コカビエルからの挑戦状。今晩、コカビエルは配下のバルパーとフリードを引き連れ、この地の龍脈のが集う場所───クオウガクエンなる場所で儀式を行うという。

 儀式を、コカビエルの企みを阻止する為、現存する戦力を集め強襲する事を知った私は同行させてもらえる様にリアス・グレモリーに頭を下げて頼み込んだ。

 傷は癒えた様だが未だ目覚める事のないイリナはこのまま休ませておく。強引に目覚めさせた所で戦力になるとは思えない……というのもあるが、一番の理由は()()()()()()()()()()()。コカビエルとΑGITΩの攻防の衝撃で私達二人は自身の聖剣を手放し、その後も意識が朦朧とした状態であった為に回収する事が出来ずにいた。………恐らくは既に敵の手中にあるだろう。この際再び聖剣が粉々に破壊されても構わない、なんとしても聖剣の核となる破片だけは回収しなくてはならない。

 

 武器を失ったのはイリナだけではない、私も同じだ。

 だが私には切り札がある。生きて帰れないとしてもコカビエルに一矢報い、せめて万全な状態で聖剣が堕天使の手に渡らない様にする為の奥の手が。

 幸い、リアス・グレモリーは現在の戦力では不足している自覚があったのだろう渋々ながらも私の同行を許可してくれた。

 

 後は、ーーーが来てくれれば。

 

 小さくだが、願望が浮かぶ。そしてその事を自覚して苦笑する。どうやら、あの者の強さは私の脳裏に深く焼き付いてしまった様だ。

 

 “ ΑGITΩ ”。彼は、どうしているのだろうか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ソーナ・シトリーとその眷属総出でクオウガクエンを覆い尽くす結果を張り、戦闘の余波や流れ弾───被害が町に届かない様にしつつ敵が逃げられない戦場にする。逃げられなくなるのは我々も同じ事だが、既に覚悟を決めた身。敗北にしろ逃走にしろその後に待ち受けるのは死だ。コカビエルの儀式が成功すれば龍脈の暴走によりこの町が諸共消失する。

 戦わなければ生き残れない、勝つ以外に我々が生存する手段はない。

 

「───来たか」

 

 そうして我らは、最上位の堕天使にして伝説に記された『グリゴリ』の元祖メンバーの一人、コカビエルと対面する。

 

「ほぉ、まさか教会の使者たる者が悪魔と肩を並べるとは、な」

 

 くつくつ、と夜天を背にして宙に浮かぶ玉座の上でコカビエルが嘲笑う。確かに今の私が行なっている行動は異端だ、自覚はある。

 

「それで、聖剣を失った聖剣使いがなんの様だ?」

 

 コカビエルの言葉に、この地の中心で儀式を行っているバルパー・ガリレイ、そしてバルパーを護衛する様に位置取るフリード・セルゼンも嗤う。

 

「……ふっ、何。心配は無用だ、私の持っている聖剣は()()()()()()()()

「なんだと…?」

「一つではない、だと……!?」

 

 私の言葉に奴らが全員笑みを失う。私は他の者よりも前に出て腕を前に翳す。

 

「ああ、その通りだ。私が所持していた聖剣は『エクスカリバー』()()()()()()()()

「………」

 

 意識を、集中する。私の意思に、其れは呼応して()()()()()()()()()()姿()()()()

 

「『ペトロ、バシレイオス、ディオニュシウス、そして聖母マリアよ。我が声に耳を傾けてくれ』」

 

 空中に出現する淡い金色の波紋の様な“ 穴 ”。そこから柄が伸び、やがて刀身を露わになる。幾本もの特別な術が施された鎖に拘束されておきながら強大な聖の波動を溢れ出させる一振り。金色の縁取りが為された蒼い剣身、破壊の聖剣(エクスカリバー・デストラクション)にも匹敵する規格の片刃の大剣。

 

「『この刃に宿りしセイントの御名において』ーーッ」

 

 剣の柄を掴む。ドッ、と重い重圧が全身を駆け巡る。それはコカビエルの殺気でも、バルパーの罠でもない。この私の手の中に在る剣より与えられたものだ。私を選んでくれたが、私を完全な担い手として認めてくれない故に降り掛かる剣の意思だ。

 

「ッッ『我は解放する!』」

 

 それでも今この一時、私に力を貸してくれ。その刃を振るわせてくれ()()()()()()よッ!!

 

「───【デュランダル】ッ!!」

 

 銘を呼び、剣を引けば余りにも容易く拘束する鎖が弾ける様に引き千切れる。私は両手で柄を持って正眼に構える。

 

 其は、嘗てギリシアの神話の舞台、トロイア戦争にて活躍し、後世には騎士道の精神の体現者として『九偉人』の一人である大英雄ヘクトールが担いし名槍【ドゥリンダナ】が、彼の死後天使により回収されて、四人の聖人の聖遺物を柄頭に仕込んでフランスの英雄ローランに授けられた無敵の聖剣。幾度の争いを超えて一切鈍る事なき切れ味に、どれ程頑強な大岩に叩き付けられたとしても傷一つ付く事のない“ 不壊 ”の祝福を受けた伝説の剣。

 

 其れこそが聖大剣デュランダル。

 

「私は! デュランダルの正当な適合者にして今代の担い手ゼノヴィア!! 穢れた翼を持つ堕落した背徳の徒よ。神に叛いた不遜なる狂気の(ともがら)よ。仰ぎ見よ、此れなるは聖裁の剣、断罪の刃。神に代わり私が貴様らを、その罪と共に斬り伏せる!!」

 

 バルパーが驚愕し、フリードが顔を歪める。コカビエルは───笑っている。そんな顔を浮かべられるのもここまでだ!

 

「デュランダル、……くく、デュランダルか。まさか、この地で()()()()()()()()()()()()とはな。複合されたエクスカリバーと純粋なデュランダル。どちらの聖剣が勝るか些か興味がある、が儀式の完了までは未だ少し時間が掛かる。それまではコイツらと暇を慰めるといい」

 

 そう言い放ちコカビエルが片腕を挙げると、地面に大きな魔法陣が──大きすぎる故に一部分が重なる様に──三つ展開される。それは転移の魔法陣だった様で、赤い光と共に巨大な影が複数現れる。

 一つの身体に三つの頭がある犬の様な怪物。コカビエルが捕獲し、連れ出した地獄に棲まう魔獣、ケルベロスだ。

 

 巨体とそれに見合った質量故に歩くだけで地が揺れ、大きな爪が大地を引き裂き、鋭い牙が覗く口から地獄の炎にも負けない灼熱の吐息が漏れている。

 

 デュランダルを構える私に並ぶ様に共に戦う協力者達が前に出る。リアス・グレモリーはその手に赤黒い魔力を滾らせ、ヒョウドウ・イッセーは神器(セイクリッド・ギア)である赤龍帝の籠手(ブーステッド・ギア)を具現化させる。他にも稲妻を発生させる者に武器はなく徒手空拳にて戦いに挑む者。背後には傷付いた者をいち早く治癒を施せる様に後衛にて備える癒し手が居る。

 

「聖剣が輝き、罷り通る!」

 

 決戦が始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪■□▪▫■□▫▪

 

 

 

 ずり、ずり、

 

 息を荒げ、片足を引き摺りながらも進み、やがて一本の樹木に背を預けて座り込む。

 

「……はぁ……はぁ…、くっそ」

 

 口から悪態が溢れる。

 木々の枝や葉の隙間から覗く夜空から視線を下げる。そこには衣服がじんわりと赤く滲み、じくじく、と痛む右足。

 軍用ミサイルじみた()()()()()()()()足だ。

 

『翔一、大丈夫ですか?』

「痛みはしますが、もう少し休めばまた戦えます。……あと翔介です」

 

 右足を痛めた人間───ΑGITΩの変身の解けと翔介がテオスの声に応える。

 翔介の言葉通り、彼の足の傷は見た目程酷くはない。覚醒者(ΑGITΩ)としての生存能力──自己治癒力は変身せずとも人智を超えた効果を発揮しており、一晩休めば完治といっても同然にまで回復するだろう。

 

『翔一、()()()()()()()()()()()?』

「………」

 

 だが完治するのは最低でも一晩の時間が必要だ。

 翔介には知り得ない事であるが、現在駒王学園ではコカビエル陣営とグレモリー眷属+ゼノヴィアの戦いの火蓋が切って落とされていた。

 

「………くぅ、ん」

「……わぅ」

「ん? お前は……」

 

 のし、のし、と木々の影から現れた一匹の魔物。二つの頭を持ったイヌ型の怪物、コカビエルの光の槍で胴体を貫かれたオルトロスが居た。

 先までの巨軀ではなく、一般的な大型犬よりも一回り大きい程度にまで規格(スケール)を縮小させた状態で。

 

「……生きてたのか?」

『ですが、それも長くは続くことはなさそうですが』

「…………」

 

 テオスの言葉により目前のオルトロスがもうすぐ力尽きる事が確定している事を知り、言葉が出せずに黙ってオルトロスを見つめる。

 ふらつきながらも歩み寄ってくるオルトロス。けれど、それも限界を迎え崩れ落ち、翔介の足元に伏せる。

 

「………くぅ…」

「…わ、…う…」

 

 両腕で左右の頭を撫でる、オルトロスは最後の時が近付いている状況ながら嬉しそうに小さく鳴く。

 

「……カミサマ」

『なんでしょう翔一?』

「こいつ、助けられませんか?」

『………』

 

 翔介からの提案にテオスが黙する。

 暫しの間を空けてから“ 闇の力 ”は言葉を発した。

 

『可能か不可能か、と問われれば……“ 可能 ”です』

「……!」

『───ですが私はすでに地上より去った身。私が貴方に語りかけ、貴方の運命(ものがたり)を見届ける以外に行う事はありません』

「………」

 

 宇宙誕生より降臨し、この(せかい)の創造主の言葉は拒否だった。

 

()()()()

「……?」

()()()()()()()()

「………………え?」

 

 テオスの天啓ともいうべき提案に翔介は素っ頓狂な声を漏らす。

 

『このモノを救いたいのであれば、貴方自身が其れを為せばいいのです』

「なにを、言って?」

『貴方の魂と繋がる光、それを分け与えればいいのです』

「……そんな事が──」

『可能です。貴方の()()()()()()

「……本来?」

『ええ。ですが今の貴方では出来ない様なので今回だけは私が代わりに行いましょう』

 

 テオスが言葉を言い終えた直後、フッ、と翔介の意識が霞む。心を染め上げるかの様な、より強大な存在に覆い被さられるかの様な。

 

「こ、れ……は…」

 

 ひとりでに翔介の右腕が動いた。

 意識を失っているオルトロスの片方の頭から胴体に、背中に、心臓の真上に。

 翔介は朧げな意識の中でありながら其れを明確に認識した。───全生命体の動力源であり、生き物を生き物たらしめる核であら概念的物体。

 

 即ち、魂を。

 

『いいですか、翔一。今から為すことを貴方は決して忘れてはなりません、刻み付けておきなさい。此れは貴方なら───()()()()()()()()()()()()()()()()()()()為せる奇跡の片鱗なのです』

「ショ、う…スケ……デス」

 

 いつもよりも、テオスの存在を近く感知する。

 テオスの意思は現状“ 津上 翔介 ”の中に宿っている状態であるが、テオスと翔介には明確な境界線がある。闇の力(オーヴァーロード)という大き過ぎる存在が翔介という矮小な存在を喰らい尽くしてしまわぬ様にテオス自身が引いた一線。翔介がテオスと通信する際に自身の意思を、思考を伝える内容を選べたのはこの境界線のお陰だ。テオスと翔介は、他の何者よりも近い関係である様に見えて、其処にはしっかりとした壁が存在していたのだ。

 だが、今回テオスは自身が引いた一線を超えて翔介に干渉している。宇宙と同等の存在が極限まで縮小した意識だけの端末といえどその力は強大だ。

 

 翔介はテオスが自身に触れて、被さり、一体化して自身に教えてくれるのを知覚した。テオスが操る自身の手が、オルトロスの魂に干渉しているのを感じる。

 魂が歪み、解かれ、一度崩壊してから翔介の中に流れ込む。オルトロスの魂は翔介の魂に触れて、ΑGITΩの光により一度灼かれる事となる。この地点でオルトロスの魂は死する、()、ΑGITΩの光により共鳴して再び輝きを取り戻し、その状態のままオルトロスの肉体に返還する。

 在るべき場所に戻った魂は天地創造を成した闇の力により再構築される。その最中にて人類繁栄を告げる光の───火のエルロードのチカラが練り込まれる。本来人間にした扱えない様に与えられた因子。ヒトが人ならざるモノに変異した際には霧散するチカラを翔介の魂に触れて変異した事で誤認させる。

 これにて、オルトロスと翔介の間に繋がり(パス)が創られる。翔介の中のΑGITΩの光が場所や時間という次元を超えてオルトロスの魂に伝達する。

 

「───ハッ」

 

 気付けば自身の身体が変異───覚醒者アギトへと変身していた。下腹部のオルタリングの【賢者の石】は強く激しく閃光を放っている。何故だかチカラが漲っている。ΑGITΩの光───火のエルロードの創造主であるテオスに触れた影響か。

 

「わぅ!」

 

 困惑していたアギトの背中に衝撃が。アギトの身体に腕を回しながらヒョコッと右肩から顔を出すヒトガタの存在が。

 

 其れは、新たなる超越生命体。

 

 金と赤の犬の顔を模した仮面(ヘルム)状の頭部をしておきながら口元にはヒトのものに限りなく近い形状をしており、額にはΑGITΩの紋章が浮かび上がっている。

 身体にも金と赤の装甲がまるでアギトの鉄馬であるマシントルネイダーを連想させる軽鎧(ライト・アーマー)の様に装着されており、その下にはインナースーツの様な黒い素体に覆われている。両肩には其々似てはいるが細部が異なる犬頭の装甲が備わっている。腰には金色の尾が左右に揺れている。

 装甲の下には黒い素体に覆われていると言ったが、胸部、腹部、内腿部は人肌に近い配色と質感なのが見て取れる。すべすべ且つもちもちした肌だ。

 

 様々な変化があったが、何よりも視線がいくのはその胸だろう!

 

 どうやらこのオルトロス、性別はメスであったらしく。超越生命体に進化した事でヒトガタの女体へと変化していた。そして胸部には豊かではあるが、大き過ぎる訳ではない、されど完璧な形を持って創造されたおっぱいが備わっていた。陳腐な表現ではあるが言葉にするなら美乳、その言葉こそが相応しい。種族の進化した存在“ 超越生命体 ”故だろうか芸術性すら感じられる完璧な形状をした乳房───いや、おっばいが其処にあった。

 もしもイッセーがここに居たのなら、余りの造形美に神々しさすら感じて涙を流しながら崇拝していただろう。……まぁ、根っからの巨乳主義の彼なら、それはそれとしてリアスの主人ッパイに溺れるだろうけど。

 

 閑話休題(それはともかく)

 

 超越生命体となったオルトロス。

 いや、既に転生して変異したこのモノには新たな名前が与えられるべきだろう。このモノは正確にはマラークとは異なるがここは彼らの名称方法に則っとることにする。

 

 其は、Orthrus(オースラス)*1Procellosus(プロケッロースス)*2

 

「わふっ! クゥーン」

「ちょ、ア、まって」

 

 オースラスはアギトを背後から抱きしめ、頬ずりをする。

 そして、抱きしめる度にオースラスの胸がアギトの背中に強く押し付けられる。元より獣だった為か自身の身体を他者に押し付ける事に羞恥心を感じる事がない。

 ぐにぐに、むにむに、とアギトの背中でこねられる胸にアギト───翔介が大きく慌て、やがてオースラスの抱擁から脱出して距離を取る。

 腕の中から離れたオースラスがシュンとするのを尻目にアギトが精神状態を落ち着ける。

 

「フーッ……フゥーッ、お、お前、メスだったのか」

「わふっ? ……ガウ!」

「………通じて、るんだよな?」

『そんなことよりも翔一』

「翔介です」

 

 無邪気なイヌっ娘系怪人と化したオースラスに困惑気味のアギトだが、テオスに介入される。

 

『あの黒き翼の者を追わなくてよいのですか?』

「……あ、忘れてた」

「ウゥ…ッ、がうがう!」

 

 テオスの言葉に翔介はコカビエルの存在を思い出し、オースラスにもテオスの言葉が届いているのだろう、突如として吠え出した。

 オースラスもコカビエルは因縁のある相手だ、戦意を奮起させてアギトの背を頭で押す。その際に頭部(ヘルム)のイヌ耳風の突起がアギトの背中を突き地味に痛い。

 

「わかったわかった、お前も連れて行くからやめろ!」

「ガウ!」

「はぁ…、だけど問題は何処にいるかなんだが」

『それなら、貴方が通っている駒王学園にてかの悪魔達が既に交戦している様ですよ』

「え? ……なるほど、なら早速行きましょうか」 

『それはよかった。どうやらかの者はこの町を諸共消滅し得る魔術を施した様でしたので』

「急げぇ!?!」

 

 何故それを早く言わないんだ!! と怒鳴りそうになるのを必死に耐えて、マシントルネイダーを呼び出す為に思念を送ろうとする。

 その直前で、

 

『その必要はありませんよ』

 

 テオスに制止される。

 

「その必要はない、って片足を負傷したままじゃ急行なんか出来ませんし、出来たとしてもバイクを呼んでから向かった方が早いですよ」

『察しが悪いですね翔一。目の前に居るでしょう、あの鉄の馬の代わりに駆けるモノが』

「翔介です。……ん? 代わり?」

「ガウ!!」

「おわっ!」

 

 どし、とアギトに軽く体当たりするオースラス。その顔は──といっても、露わになっているのは口元だけだが──不満気だ。

 

「もしかして、お前が?」

「わう!」

「それってどういう」

「ワォーンッ!」

 

 アギトが言い終えるよりも早くオースラスの身に変化が起きた。

 遠吠えと共に跳躍、空中にて()()()()

 

「……は?」

 

 ヒトガタから元のイヌの様なフォルムにへと変わる。両腕、両脚、身体に適した形状、構造へ。最後に両肩の犬頭の装甲が移動してオースラスの頭部を覆う。

 

『Guuu! AOoooN!!』

 

 カッ、と目がライトの様に発光してオースラスがハンティングフォルムに変形した。

 そこから再び跳び上がり、更に変形する。

 腹部を上に、背中を下に反転し、頭部を引っ込め、手脚を折り畳むと前輪と後輪、二つのタイヤが出現する。

 オースラス・プロケッロースス第三形態、ライディングフォルムだ。

 

「   」

 

 ブゥオオン! とエンジン音を吹かして呆然とするアギトに「乗れ!」と催促するオースラス。

 我に返ったアギトが恐る恐るといった様子でオースラスに跨るとハンドル……の様な部位を握り、そして捻った。

 

『BUON! BUOooNN!!』

「おわっ!」

 

 直後にオースラスの後ろ脚が変形したマフラーが火を噴いて急発進する。ΑGITΩに変身していなければ身体が投げ出されていただろう圧力を受けながらもハンドルを強く握って視線を前に向ける。マフラーの炎が軌跡を残し、森の木々を避け、山中の獣道を駆け抜ける。

 

 向かう先は決戦の地。

 

 

 

*1
オルトロスのラテン語読み

*2
ラテン語で「嵐の」といった意味で、頭に「ventus」を付ける事で「疾風」や「一陣の風」を意味する




オリジナルキャラクター:01
Orthrus(オースラス)Procellosus(プロケッロースス)
脳内CV.ファイルーズあい

種族
変異ケルベロス(通称オルトロス)

新型超越生命体

 オルトロスが翔介のΑGITΩの因子(ひかり)を分け与えられて転生した超越生命体で運命共同体。
 だがその本質的には人類以外の生命体の原型、始祖であるロード怪人───使徒(マラーク)とは違って“ 光の力 ”によって施された進化の力を得たΑGITΩに近い。

イメージ的には、クイーンジャガーロードとマシントルネイダーを悪魔合体させて、そこにアクセントとしてHSDD特有のエロスをプラスしてハイ完成。

 アギトの形態変化(フォームチェンジ)と同じ様に変形能力(フォルムチェンジ)を持ち、四足歩行の獣形態(ハンティングフォルム)轍を残す鉄騎形態(ライディングフォルム)の二種類に変形する。

Q.ん? ブーストライカーのパクリじゃないかって?
A.ぶっちゃけそう!!
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