仮面転生者ΑGITΩ 〜人類審査のオーヴァーロード〜   作:ただのファンだよ。

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『スパイダーバース:アクロス・ザ・スパイダーバース』観ました。
ほんっとうにサイコーでした(語彙力)
続編が今から待ちきれないです。

それでは本編へ





死戦 Battle School

 

 

 

 バルパーは気を失い、フリードは倒れた。

 後はコカビエルのみ。

 もしかすれば勝てるのではないか? そんな淡い希望が仄かに湧き始めていた。

 

「………」

 

 コカビエルが玉座により降り立つ。その目は聖魔剣に向けられている。

 

「……ふ、面白い」

 

 一対多数、状況はコカビエルの方が不利に感じられる。少なくともイッセー達はそう感じていた。だというのにこの余裕はなんだ?

 

「降伏するなら今の内よ、堕天使幹部コカビエル」

「ふむ、確かに教会から聖剣を強奪、敢えて弄くり回す事で奴らを挑発し戦争を起こそうとした俺の計画は完璧に破られた。だが、此処で魔王の妹たるキサマを殺して管轄であるこの町を崩壊させれば悪魔と堕天使は戦争せざるおえまい。そして我々が争えば天界の奴らは必ず参加する。……何も問題はあるまい?」

「……くっ」

「……だがそうだな。聖剣デュランダルに赤龍帝、更には聖魔剣という前代未聞の力が在るんだ。少しくらい楽しむのも一興か」

 

 そう言ってコカビエルは指を鳴らした。

 それだけで地面に現れていた術式が鳴りを潜めた。

 

「何をしたの!」

「この町を崩壊させる術式を一時的に停止させたんだ。折角の機会だからなたっぷりと楽しませてもらうぞ」

 

 コカビエルは腕を広げ、翼を展開する。

 思わぬ状況ではあるが、これはチャンスだとリアスは逆に考える。刻一刻と迫ってくるタイムリミットが無くなった。これはつまり要請した魔王(あに)の加勢が間に合う可能性が浮上した事になる。ならば後は到着まで時間稼ぎをすればいい。兄とその女王である義姉の力は本物だ、あの二人が来てくれれば此方側の勝利だと確信していた。

 

「さぁ、かかってこい。この俺を楽しませろ!」

 

 

 

 

 

 

『Explosion!』

「ッッ、おりゃぁぁあああ!!」

 

 積み重ねられた倍化が解き放たれ、イッセーの全身を力が駆け巡る。赤い龍のオーラを纏ってコカビエルに向かっていく。まだ粗さが目立つが、それでも悪魔になった頃よりは格段に戦い慣れしたイッセーがコカビエルに格闘戦を仕掛ける。突きだした拳はコカビエルの掌に防がれるが、その衝撃はコカビエルの腕を突き抜け、肘から飛び出し黄塵が広がる。

 

「くくく、いいぞ。パワーだけなら素晴らしい。───パワーだけならな!」

 

 コカビエルの反撃の拳をイッセーは籠手のある左腕で受け右手を添えて支える。それでもコカビエルの強打はイッセーの防御を上回り拳を振り切って殴り飛ばす。

 

「イッセー!? くっ、消し飛びなさい!!」

「天雷よ、響け!」

 

 奇しくもイッセーが離れた事でリアスと朱乃が同時攻撃を繰り出す。コカビエルはリアスの魔力を掌で、朱乃による落雷を翼を硬化させ頭上に展開して防いだ。

 

「どうした? ぬるいぞ()()()()()()()

「……ッ! 私を、()()()()()()()()()()ァ!!」

 

 温厚な朱乃が激昂し、落雷を連発するという普段の彼女からは想像も出来ない姿を見せる。“ バラキエルの娘 ”、それが彼女の()()()()()()()()()()───逆鱗に触れたのだ。

 だとしても、コカビエルの翼の防壁を破る事は出来ない。だが鬱陶しく感じたのだろう。コカビエルはリアスの魔力を掴んで朱乃に向かって擲った。

 

「なっ、朱乃!」

「!! くっ」

 

 悪魔の翼を広げて飛び立つ朱乃、その下を赤黒い魔力塊が通過する。

 自身の攻撃が眷属の危機を招くとは想像もしていなかった結果にリアスは動揺し、我を忘れて魔法を連発した朱乃が息を荒げる。

 

「同時に仕掛けるぞ」

「了解したよ」

 

 リアスと朱乃の代わりに今度はゼノヴィアと裕斗が同時攻撃を行った。裕斗は自慢のスピードでゼノヴィアの前を行き、尚加速した。そしてコカビエルの背後を取るとコカビエルを間合いに入れたゼノヴィアと共に挟み撃ちにして剣を振るう。

 

「甘いな」

「くっ」

「ッッ」

 

 コカビエルの手には一瞬で形成された光の剣が握られており、それを両手で持って其々の剣を凌いでいた。コカビエルの光の刃とゼノヴィアと裕斗の剣の力が鍔迫り火花を散らす。

 

「ふんっ!」

「はぁぁ!」

 

 ゼノヴィアはよりデュランダルの力を解放して押し込み、逆に裕斗は一度離して連続斬りで攻撃する。

 

「流石はデュランダル、バルパーが完成させたエクスカリバーとは違い、その輝きは本物の様だな。それにリアス・グレモリーの騎士よ、見事な剣技だ。だがしかぁぁし!!

「「ーーーっ!?」」

 

 デュランダルと鍔迫り合っていた光の剣が出力を拡大させて跳ね退け、背後の裕斗には硬化させた翼を使って迎撃する。

 裕斗は辛くも回避に成功して離脱出来たが、元より重量のあるデュランダルを扱っていたゼノヴィアは体幹を崩し碌に回避が出来ない状況に陥っていた。そこにコカビエルの蹴りがゼノヴィアの横腹に叩き込まれる。

 吐血し、蹴り飛ばされて校庭を転がるゼノヴィア。

 

「デュランダルに適合したと言ってもキサマは使い熟せてはいない。その程度の練度で俺に挑むなんざ片腹痛いわ! 先代のデュランダル使いは常識を逸した強さだったぞ!!」

「ぐっ」

 

 ゼノヴィアは口元の血を腕で拭うとデュランダルを構えて再び突撃する。裕斗も同じくコカビエルに斬り掛かり、尚且つ今度はゼノヴィアと並んで正面から攻め立てる。先と同じく両手に光の剣を握って対処するコカビエル。剣戟が織りなす刃の音色、火花が彩る光景は一種の芸術───絵画の様で。惜しむべきはその光景は()()()()()()()()()()()()()だという事だ。コカビエルの剣の技術は二人を上回り、完全に捌いていた。

 

「……ッそこ」

 

 気配を絶ち、意識外の死角から攻めるという、名前通り猫の様な戦略でコカビエに小猫が不意打ちの拳を打ち込んだ。

 

「〜〜ッ」

 

 不意を突いて、攻撃を加えたというのに痛みを訴えたのは小猫の方であった。コカビエルの後頭部を打った小猫の拳だったが、コカビエルは小猫の気配を予め察知しており、光を膜の様に展開して防御していた。こうして小猫は攻撃してるつもりで悪魔である自身の弱点である光に自ら触れて火傷に近しい傷を手に負ったのだ。

 

「小猫ちゃん!」

「俺を相手に余所見とは余裕だな!」

 

 裕斗の気が逸れた一瞬の隙にコカビエルは己の片腕を超速で動かし裕斗にすら複数に分裂してある様に見える速度で光の刃を振るった。結果、音を立てて聖魔剣が粉々に破壊された。

 剣を失った剣士(ゆうと)じゃコカビエルの相手は務まらず、腹部に拳を受けて吹っ飛ばされる。そして二人がかりでも捌かれていたのにたった一人でコカビエルを相手どれる訳がなく瞬く間にゼノヴィアの身体に無数の裂傷が刻み込まれた。出血過多により膝から崩れ落ちる途中のゼノヴィアを衝撃波で吹き飛ばす。傷付いた者の元へアーシアが慌てて駆け寄り治癒を施す。

 

 強い。リアス達の予想を遥かに上回るほどコカビエルの力は強大だった。

 

 多くの者の脳裏にとある思考が過ぎる。

───勝てない。

 

「………ッッ!」

 

 それでも諦めない者が一人。

 赤龍帝の宿主、イッセーが片脚を後ろに、腰を落とし膝を軽く曲げ、両腕を広げる。後ろに下げた足先を撚ると同時に込められた赤い龍のオーラが行き場の無いまま充填され、炎の如く足裏で揺らめいている。校庭の大地を蹴って前に進み、グラウンドを踏みつける度に炎跡を残していく。

 

「っ!」

 

 跳躍。空中にて身を丸めながら前転して、

 

「おりゃあああああ!!

 

 右足を突きだし飛び蹴りを繰り出す。

 半ば破れかぶれの一撃だ。まともに戦っても勝機がないと判断したイッセーが決死の思いで放った必殺技。当たる確証はない、当たったとしても勝てる確信もない。だからといって何もしない訳にはいかない。

 この町には家族が居る、友が居る、クラスメイトが居て、知り合いが居て、平穏に日々を暮らす人々が居る。みんなの為にも絶対に勝たなくてはならない!!

 

 

【 ブ ー ス ト キ ッ ク 】

 

 そうして放たれた必殺キックは無事、コカビエルの胸に直撃した。イッセーの全身全霊であるこの蹴りは流石のコカビエルをしても堪えられずに吹っ飛ばされる。

 

「う……ぐぐっ、…があっ、……ッッ!」

 

 起き上がるも、コカビエルが蹴りを受けた胸を押さえて悶える。よく見ればブーストキック着弾点に赤い龍の紋章が浮かび上がっており、そこから波紋の様に叩き込まれた龍のオーラが広がりコカビエルの体内で暴れ回っている。

 

 どうだ? これは、決まったか?

 

 場に緊張感に支配される。

 ライザー・フェニックスを打ち破った渾身の一撃。倍化した力を全て込めたイッセーにとっての頼みの綱だ。此処から再度倍化を溜めて戦う体力は残っていない。

 

「ふっ、ぐぎぎ……! ぐぅぅ……ッ!」

 

 目を見開き、食いしばる口から涎が垂れる。今までで一番コカビエルを苦しめている。

 

「ふぅー! ふぅー!」

 

 それでも、()()()()

 

「ヌゥゥゥゥゥッッ!!!!」

 

 苦悶の唸り声を上げるコカビエル。

 その抵抗の果てに胸に浮かぶ龍の紋章が薄れていく。コカビエルは自身の体内で暴れるオーラに自身の光の波動をぶつけて相殺していき、最後には払い退けた。

 

「ウソ……だろ……?」

「……はぁ………はぁ………くくく」

 

 息を荒げながらも笑いが洩れる。

 闘いに狂い、戦いに猛り、争いに溺れる。身体が闘争を求め、命のやり取りの中でこそ湧き上がる心の泉が乾きを訴えている。

 

「くくく、はははは、あーっはっはっはっはっは!!!!」

 

 コカビエルの声が響き渡る。

 

「なんだ今のは? なんなんだ今のは!? 素晴らしい、最高だァ! 赤龍帝、お前は化けるぞ、この俺が保証してやる!」

 

 『そんな保証いらねぇよ!』と心の中で吼えるイッセーの事など知らずにコカビエルは続ける。

 

「決めたぞ、()()()()()()()()()()()()()

「……?」

 

 コカビエルの言葉の真意を読み解けないイッセーは怪訝そうな表情を浮かべ、次の言葉を聞いて凍りつく。

 

「キサマ以外を皆殺しにして、その光景をキサマ脳裏に焼き付けてやる。復讐という楔を打ち込み、強さを求める鬼にする。やがてキサマは力を付け、俺の想像もしない技を備えて現れるだろう。…ああ、今から楽しみだ!」

「て、テメェ……ッ」

 

 怒りが湧き上がり、感情の激昂に神器(セイクリッド・ギア)が作用して再び倍化能力が稼働し始める。

 

「くくく、いいぞ。その調子だ、手始めに聖魔剣の剣士、貴様からだ!」

「!? 木場ァ!」

 

 コカビエルの手に光の槍が出現し、コカビエルはそれを投擲する。

 放たれた槍はミサイルの様に着弾と同時に爆発を起こす。裕斗を狙ったそれは裕斗だけでなく周りの者達にも被害が及ぶ。

 

「ふはははは! まだまだいくぞ」

「ッッ、やめろテメェー!?」

 

 碌に倍化も溜まっていないまま解放し、コカビエルに拳を放つ。

 赤い龍の腕から繰り出された拳撃はコカビエルの掌に収ま、5本の指によって捕縛される。

 

「ほう…? 先程よりも僅かだが重みが増したか? ───だが、」

「ちくしょう───ぶッ!」

 

 イッセーの下顎をコカビエルの拳により打ち上げられる。血を噴き、宙を舞い、地面に倒れる。皮が裂け、骨が砕かれ、顎が破壊された。ぼたぼた、と血と骨片が零れ落ちる。

 

「………っ」

 

 それでも尚立ち上がろうとする不屈の精神。

 負ける訳にはいかないんだ、勝つしかないんだ!!

 じゃないと───みんな死ぬ。

 

「……ぁ、アバッ」

「安心しろ、力は抑えてある。死にはしない。そこで見ているといい、仲間が死んでいく様をな!」

 

 コカビエルが翼を広げ、リアス達を見据える。

 最愛(イッセー)を助けようと主人が、否、一人の女(リアス)が魔力を解き放つ。赤黒い破滅の魔波は、コカビエルの片腕によって受け止められた。

 リアスの滅びの魔力が炸裂して、拡散する。視界全域を埋める赤い壁、その壁に身を隠して白髪の小柄な少女が疾走する。コカビエルの不意をつくのか? 違う、その真意はイッセーの救出だ。

 リアスが考えた“ イッセー救出作戦 ”。

 なんらかの方法でコカビエルの視界を塞ぎ、気を紛らせ、その隙にイッセーを離脱させる。リアスが即席て編み出した策だ。

 

「イッセー先輩、今助けます…!」

「───無駄だ」

「!? ぅッ!」

 

 コカビエルの脇を抜けた小猫がイッセーに手を伸ばし、コカビエルの背から生える黒翼によって弾き飛ばされる。大型トラックに撥ねられたかの如く小猫が吹っ飛び、旧校舎の壁面に叩き付けられ崩れ落ちる。

 

「小猫!?」

 

 リアスの策は、悪くはなかった。問題があったとすればそれはコカビエルとグレモリー眷属達では個としての実力に差がありすぎた。リアスの思考を先読みするコカビエルの頭脳、小猫の気配隠蔽よりを上回るコカビエルの察知能力。

 

「ッ、雷よ!!」

「これならどうだ! デュランッッダル!!

 

 閃光と大気を引き裂く音を奏でながら落ちる稲妻と、魔と悪を滅する蒼刃から放たれる聖大剣の光波。

 三方位より放たれる攻撃がコカビエルに襲い掛かる。コカビエルは全身を光のエネルギーで球体状のバリアを張って防御している。そんな状況にいてもコカビエルが余裕をなくす事はなく、それどころか防御している稲妻から覚えのある力の波動を感知し、嗤いを上げる。

 

「くはは! ()()()()()()()よ、まさか悪魔に転生していようとはな。だが貴様の父の雷光はこんなものではないぞ」

「「「ーーっ」」」

 

 コカビエルの余裕は全身全霊をかけて砲撃を放つリアスとデュランダル適合者としてのゼノヴィアのプライドを汚し、“ バラキエルの娘 ”と呼ばれる事を忌み嫌う朱乃が激情に染まる。

 

「消し飛びなさい!」

「断罪の刃をその身に受けろ!」

「その名前で呼ぶなァッ!!」

 

 裂帛の気合いと共に各々の砲撃が威力を増した。

 全力全開。己の全パワーを使い切るつもりで出力を上げた。

 

「くくく、悪くない、だが少々飽きた。己の力をただ撃ち放つだけの一辺倒な攻撃など子供の児戯に過ぎん! ヌゥゥゥ……!」

 

 コカビエルが纏う光が形を変える。三つの塊に分裂し、各々が其々の砲撃を受け止める。やがて光の塊は槍の形を得て、砲撃手を狙って射出された。女悪魔の魔力を、巫女の雷鳴を、聖剣使いの光波を喰い破りながら突き進む。

 

「なっ!?」

「くそっ」

「ッッ」

 

 リアスは直撃こそ避けたが着弾による爆発の余波に晒されて吹き飛ばされる。ゼノヴィアはデュランダルの腹で受け止め……切れずに押し込まれた。

 そして朱乃は、

 

「…ぁ、」

 

 一番冷静さを失っていた彼女は避ける行動すら出来ずに光の槍に横腹を食いちぎられて落下した。

 白の巫女服は墜落した際に随所が破損して肌を晒し、大きく抉れた腹部が痛々しい。血は流れていなかったが、代わりに瘴気の様な煙が傷口から上がっている。悪魔にとって激毒である天使や堕天使の光に灼かれた影響だ。

 

「あ、けの……さん…!」

 

 この場で唯一無傷であるアーシアが震えながら両手で口元を覆い、青くなった顔と溢れただけかの様なか細い声で墜ちた女の名を呼ぶ。助けに行かなくては、彼ら彼女らの傷を癒せるのは治癒系の神器(セイクリッド・ギア)聖母の微笑み(トワイライト・ヒーリング)】を宿す自分だけなのだから。

 

 なのに……足が……動いてくれない。

 

「後は……お前だけだな」

「ひっ」

 

 コカビエルがアーシアに顔を向ける。

 引き攣った声、地面が消失したかと錯覚した様に力が抜けて後方へ倒れる様に崩れる足元。這って逃げる事すらこの身を為せない。

 リアス・グレモリーは、姫島 朱乃は、木場 裕斗は、塔城 小猫は、ゼノヴィアは、兵藤 一誠は戦闘不能に陥った。

 助けてくれる者はこの場に居ない。

 

「………」

 

 怯えるだけの弱者(アーシア)を捉える強者(コカビエル)の目は怖ろしく冷たい。

 命の尊さを否定し、戦わない者に一切の価値が見いださない戦闘狂いの堕天使はその手に光の槍を生成する。

 戦闘力を有さないアーシアじゃ相性など関係無く穂先が触れた瞬間に消し飛ばせる威力を秘めた絶望の塊、それが槍の形をしている。

 

「い、いや、ったす、助けて!」

 

 コカビエルに命乞い───ではない。

 アーシアが助けを求めたのは敵でも、仲間でも、信仰する神でもない。

 たった一人の最愛のヒト。

 

「チッ……クズが」

 

 そして、少女が求めた救いの手は

 

「消えて、なくなれ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 BUOONNN!!

 

 ───()()()

 

 それは、勇ましき獣の遠吠えの様であり、同時に猛稼働するエンジン音の様な咆哮が轟き、音の主が赫炎を振り撒いて月下の学園を駆け抜ける。

 

「!? なにもの───」

「───」

 

 乱入者に驚愕し、硬直したコカビエルの背中に繋がる堕天使幹部の証でもある10の黒翼のうちの一つを掴まれ、引き摺られる。

 アーシアは自身を危機から救ってくれた存在に目を向け、見開き、蕩けさせた。

 

「ぐわぁッ! は、放せ!?」

 

 コカビエルの怒声に返答する事なく、乱入者はコカビエルを掴んだままUターン。コカビエルの身体が宙に浮き───赤金のバイクに跨った騎手(ライダー)の戦士に投げ捨てられる。

 

「ぐぅぅ……っ」

「……!」

 

 コカビエルを手放し、バイクも停止する。バイクに騎乗する戦士もハンドルを握りながらコカビエルを見据えている。

 学園のグラウンドの土で汚れたコカビエルが怒りの形相で顔を上げ───直後に驚愕にて目を見開く。

 

「キサマは……生きていたのか!?」

 

 バイクに騎乗する戦士は、大地の力を宿す金の怪人(ニンゲン)

 記録された人類史より古くから存在しながらも現人類より進化した新人類たるヒトの超越生命体。“ 闇の力 ”により愛される為に創り出され、“ 光の力 ”により憐憫から与えられた火の加護を灯す覚醒者。

 

アギト(ショースケ)、さん……!」

 

 アーシアが覚醒者の名を呼ぶ。

 覚醒者アギト(津上 翔介)は一度周辺の光景全てに目を向ける。傷だらけで倒れる悪魔達、それに以前助けた女戦士の片割れ。幸いな事に()()()()()()()()()()()()()事に安堵し、続けてアギトは自身を見上げるコカビエルに両眼を向ける。仮面では判断がつかないが強く、睨み付けるが如き眼差しで見据えている。

 

「……まさか、生きていたとは…な」

 

 僅かにながら時間を得て、冷静さを取り戻したコカビエルが起き上がる。己の身体に付着した土汚れを無視して戦士を睨む。

 

「───ΑGITΩよ」

「……」

 

 天より授けられ、人類の繁栄と共に続いてきた“ 継ぎ火 ”の覚醒者───其こそがΑGITΩだ。

 そして、彼こそがΑGITΩの戦士。龍の如く、強き人。

 人龍、覚醒者アギト(津上 翔介)だ!

 

「くくく、褒めてやろうΑGITΩ。キサマはこのコカビエルにダメージを与えたニンゲンだ。そこらに転がっている雑魚共とは違ってな」

「………」

「くっはは、いいぞ。あの時の決着には納得がいっていなかったのだ、役に立たない雑魚を庇って俺の槍を迎え打ったあの状況のな!」

 

 高笑いを浮かべるコカビエルの右手に光の槍が出現する。投擲物ではなく白兵戦を仕掛ける為の槍を両手で握って構え、アギトも両手で其々のハンドルを強く握り、軽く捻る。彼が跨るバイク型超越生命体───ライディングフォームのオースラスも低い唸り声の様なエンジン音を吹かす。

 

「征くぞ、ΑGITΩォォ!」

 

 

 




兵藤一誠
うっかり闇堕ち復讐者√数歩手前まで行ったけど彼は元気です(下顎粉砕)
残念だけど今のイッセーくんじゃライザー決戦時に使用した代償ありきの禁手を再度発現させてもコカピーには勝てません。ライザーにも勝ち切れないのにコカピーに勝てる訳ないだろ!!
原作だとここから数年も経たない内に試合形式といえど主神級相手にも勝てる様になるんだから恐ろしい。7割ぐらいがおっぱいのお陰だから尚のこと。ヒトの可能性は無限大(インフィニティー)だネ!


リアス・グレモリー
強敵ばかりでプライドずたぼろ間違いなしの苦労人系女悪魔。試練のない人生?なんか彩りがないのと同義さ(他人事)
オラ、作者と読者様の方々を愉しませる為に試練に突っ込むんだよ。人生山あり谷あり谷あり谷あり、ぴょんぴょんぴょーん!(揺れるおっぱい)


アーシア・アルジェント
ヒーローショーの司会のお姉さんの如く呼べば(彼女にとっての)ヒーローが現れる系魔女っ子元シスター。
某ソシャゲのガチャで扇子広げてる合法?ロリのりじちょーみたいな娘。白馬(※色違い&バイク)の王子様? 欲しけりゃくれてやる! 叫べ! タイミングばっちし合う様にスタンバらせた!


津上 翔介
草木も眠る丑三つアワー、ヒトならざる者達が集う決戦の地にて赤い炎の軌跡を残して覚醒者がエントリーだ!


オースラス・プロケッロースス
人外系ΑGITΩ兼ロード怪人もどき兼二台目バイク変形可能超越生命体。
仮面ライダーBLACKでいうロードセクターポジション。意思を持っていたり、バイク型生命体だったりと実はバトルホッパーの方が近いかもしれないのはツッコマない方針で。
最高速度はマシントルネイダーを超えるし独立して戦闘もこなせるが、スライダーモードの様な飛行形態に変形出来ないし、マシントルネイダーよりもオルタフォースの燃費が重かったりと一応区別化はされている。


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