仮面転生者ΑGITΩ 〜人類審査のオーヴァーロード〜 作:ただのファンだよ。
まだの方は前話からどうぞ。
前回のあらすじ
『リアス・グレモリーの下僕兼転生悪魔の兵藤 一誠ことイッセーは夏休みにてリアスの里帰りに合宿という名目でグレモリー眷属総出でリアスの故郷、冥界のグレモリー領へと向かった』
※キャラ付けの点から最後の台詞辺りに少し手を加えました。
此処は……荒野か?
頭上を見上げれば憎たらしい程の青空、足元を見下ろせば黄土色の大地。見渡せば
俺は、───いや、
俺含めても三人。
一人は、黒と金の身体。顔面には斬新にもカタカナで右目が「ラ」、左目が「ダー」。両方共にマグマの如く赤熱し、よく見れば両目の狭間にこれまたカタカナで「イ」の形のレリーフ。背中には時計の二本の針の形状をしたマント。
その身から滲み出るオーラは測り知れない。まるで、各々が別の時代の英雄を全てかき集めて統合したかのような。
その男は、“ 王に成るべき者 ”だった。
時を捻じ曲げ、万象を圧し潰し、奇跡を掌握した。立ちはだかる
その力で守るべきもの───守りたかった大切なものを全て失う事で得られた虚ろな王座に座わり、意味のない、求めてなんかいない最強の王冠を被った時の王者の成れの果て。
最低最悪の魔王、
対するのは、黄金像と言われても可笑しくはない金色の怪人だ。どことなくカミキリムシを連想される形状の頭部にある灰色の複眼、首元に巻いた黒のマント、その二つを除けばその怪人の身体は金色一色である。
この星由来ではない、外宇宙から来る“ 異なる律 ”に形成されている肉体には尋常ではない力が抑え込まれており最低最悪の魔王を前にしても決して見劣りする事はない。
この怪人はこの星の外から来訪し、そしてこの星の旧支配者であった。
猿に過ぎなかった時代の人類に知性を与え、理性を与え、進化を与えた。十二分に生物として、品格が、性能が、魂が育った果てに星々を渡る龍の方舟の動力源とする為に。だが、その目論見を失敗に終わった。この星に共に訪れた二人の従者の片割れが裏切ったのだ。怪人は亜空間“ 虚無の牢獄 ”に囚われた。テオスとは異なる人類の創造主は……封じられていた筈の旧い支配者は理由は不明だがこうして地上に立っていた。日本の荒ぶる神、スサノオとも呼ばれたその怪人は、
秘密結社BADANの大首領、
異なる歴史、異なる過去、異なる世界の覇者が何故かこうして出会った。出逢ってしまった…!!
衝突は免れない事だった。
魔王が片腕を怪人に差し向ける、何気ない動作一つ。そこから巻き起こるのは超常の現象。虚空より円を描いて出現したジッパーが開き、奥から果実を想わせる武具が次々と姿を表す。オレンジのような刀や皮を剥いたバナナのような槍、イチゴのような形状の
怪人は迫る刃物や弾丸に
怪人と魔王の距離が、互いの腕や脚が相手に届く距離にまで接近した両者。怪人が腕を振るう、壁のように並んだ大楯がまとめて引き裂かれ、一切の減衰のない一撃を魔王は平然と受け止めた。魔王が拳を繰り出した、初動で音を置き去りにした打撃は怪人の掌に収まり、遅れて大気が言葉に出来ない音を鳴らす。
魔王には
『ーーー』
『ーーー』
何か言っていた。
何を言っているのかはわからないが言葉を交わしていた。
二人の覇者、二つの頂点。その矛盾が互いに許容出来ず、戦いを段階的に苛烈になっていく。神々の大戦など生ぬるい、世界が激震し悲鳴をあげる。
俺はそれを見ていた。
思考が現状に追い付かない。何故? なぜ? なんで? そんな考えがぐるぐると頭の中を廻り、やがて一つの考えにまとまる。
───ナメやがって…!
何を言ってるんだ? 自身の口から漏れた言葉、自身が至った思考に自分自身で正気を疑った。
───相手にされてない…!!
当たり前だろ。あんなの勝てる訳ない。
……いや、待て。なんで戦う事を想定している?
そして漸く自身の状態に気付いた。素の姿、
鏡は勿論、姿見になる反射体がないので全容は掴めないが、俺はナニカに変身していた。俺は外からは影の姿で見えているのだとなんとなく察した。元の姿に重なっていたのは俺自身だからか影の姿を認識していないからか。
俺は空を見上げた、目を離した先に魔王と怪人が上空に戦場を移していたからだ。
足に力を込める───何をしている…?
僅かに視点が下がる───まさか…!
狙いを定めている───やめろ…!?
地面を蹴って、力強く飛んだ。
───戦うつもりか! アレに!?
激突する魔王と怪人、大気が弾け飛ぶ世界一の危険地帯に異常な速度で接近して拳を引き絞る。
───…ああ、終わった。
「………」
窓からカーテンの隙間から差し込む目を焼くような日差し。壁際には憐れな時計の残骸が部品をばら撒いている。
汗が酷いのは夏の暑さの所為、息が乱れているのも暑さの所為。そう、きっと今観ていたのは関係無い。
取り敢えず深呼吸で息を整え、落ち着けばベッドから降りる。カーテンを開ければパッと強い明るい光。窓を全開にして見渡す限り全体を眺める。青い空はそのままに人の営みが其処ら中に存在する。
「……ふぅ」
小さく息を吐いて、それから一言。
「夢か」
恐ろしい夢を見て気が滅入る。もう一度寝てしまいたいが、夢の続きを見る可能性があると考えると眠気も吹き飛ぶというものだ。
そもそもなんだあの夢は。『劇場版仮面ライダー オーマジオウ対JUDO対俺』。魔王に大首領ときて最後に俺って、其処はカミサマとかじゃねぇのかよ。一人だけ格が低過ぎる。ダークライからも哀れまれるわ、対戦ありがとうございました。
冷たい麦茶を飲んで一息つく。
時間は6時30分。もう一眠りする気もない、両親は既に家に居ない。料理の仕込みの為に既にレストランに向かっていた。
手伝おうかと尋ねたが風谷
そんな訳で一人、目的もなく外をぶらりと……つまりは只の散歩をしている。少し前までは深夜徘徊して人
「……ふぅ」
浴びる暑い日差し、コンクリートから照り返す熱気、東京の夏にも慣れ、それでも流れる汗は止められず避難先としてデパートへ。
特に欲しい物がある訳ではないので店内をぶらりぶらりと歩く。
「………」
堕天使総督と名乗ったアザゼルと話し、戦いから身を引いた。普通の人間のように、戦いを終えた父さん達のように平穏な生活を迎える。
その事に強い違和感を感じていた。
言葉では言い表せない不安感。カミサマが何か告げた訳でも、邪な気配を感じ取った訳でもない。なのに拭い切れない。
何も終わっちゃいない。
そんな漠然とした……力を手放す事への不信感。
自身の腹に目を向ける。此処に、普段は全身に散る其れらが集結して展開される。火のエルロード『プロメス』の
総じてベルト風の変身器官【オルタリング】。そんなオルタリングが
ソレがなんなのかはわからない、だからこうして歩き回っている。目的もなく徘徊している。戦いから離れた筈なのに、戦いに身を投じようとしている。
自分自身が理解出来ない。朝に見た夢を思い出す、比べるのも烏滸がましい怪物に挑もうとしていた夢の中の俺。何故? なんで苦難の道を自分から進む? 他に道はないのか? より楽な、より容易な、より適切な方法があるんじゃないか。
俺じゃなくてもいいんじゃないか……
「………はぁ」
……情けないな。
うじうじと悩み続けている。
「──…おや」
背後から声がした。
周りには多くの客が行き来している、のにその声はハッキリと聞き取れた。
「……?」
声に応じて振り返る。
沢山いる人達の中で、何故だか目を惹かれる女性が一人。白い上着と黒いシャツを着たカジュアルな格好をした女性だ。
その女性は、振り返った俺と目が合うと静かで品のある仕草で歩み寄ってくる。
「はじめまして」
「……」
女性は俺の前で立ち止まると俺の顔から始めて足先まで、そこから逆再生するように顔に視線が戻る。
「あの…なにか?」
「……」
片手を顎に当てて僅かに思考に沈む女性。
流石に不審に思い、俺から問い掛けた。
「いえ、申し訳ありません。君は津上──」
「……─!」
「──雪菜の弟くんでしょうか?」
………、………?
なんで姉さんの名前が?
「……姉さんの知り合いですか?」
「ええ、高校が同じで、一年間程同じクラスでした」
「なる…ほど…」
姉さんのクラスメイトだったのか。
「俺の事は、姉さんから?」
「はい。君の事はそれこそ沢山聞かされました。……本当に沢山」
「は、はあ…?」
姉さんが俺の事を…? この女性の反応からして些か過剰気味に。姉さんってそんな事するか?
……まあ、いいか。
「だからそう警戒しないでください」
「…すみません。失礼な態度を」
「いえ、見ず知らずの人物にいきなり絡まれれもすれば当然の反応ではありますので」
女性がくすりと笑った。笑う所作にも品性を感じる。
………、なんか変な感じだ。動きの一つ一つが
「………へぇ」
「…? どうかされましたか? えっと……」
「こほん、自己紹介を。わたしの名前は
「…!?」
女性の名乗りに、その姓名に驚きを隠せなかった。
「『
最低最悪の魔王と黄金の大首領
夢オチ!! ほぼほぼ書いてみたかっただけ!!!!
作者が見てみたい組み合わせ、昭和VS平成のラスボス対決。もっと続き書きたい欲はあったがどこまでいっても決着つかず平行線のままであろう事は火を見るより明らかなのでアッサリ目に終了。夢は覚めるから夢なのだ。
勝敗?どちらが勝とうと買った方が我々の敵になるだけです。
津上 翔介
変な夢を見て寝起き早々げんなりした系オリ主。
戦うことはやめた筈なのに、どうも気になってしまう。
たたかえ、多々買え…あ、間違えた、戦え…!
そんな感じに当てもなくぶらついていたら変なおねーさんに絡まれた。
芦河
デパートでオリ主に絡んでくる姉の友人と名乗るオリキャラ系おねーさん。何考えてるのかわからない顔をしている。