東の主要都市、ボルカノに近付くにつれて段々気温が上がってくる。火山が近い地域の為、暑い思いをするのは覚悟してきたが、それにしても耐え難い暑さだ。
『着いたね。そこが東の主要都市……ボルカノだよ』
「うわ……」
視界に入り込んできたのは、全てが金属や石で出来た都市だった。
「……てか暑すぎる…………」
『どうやら製鉄の為に溶岩を引いてきていたみたいだね。溶岩の河があちこちにあるでしょ?』
「うわ、本当だ」
橋から下を覗いてみると、そこに見えたのはオレンジ色の河。溶岩がゆっくりと流れていた。
『都市とは言え、ここに住んでいたのは炭鉱夫や加工職人、製鉄所で働く人とかが大半だったみたい。だからまぁ、ここは街ってよりは街みたいな労働施設って考えた方がいいかもね』
「そんなとこにコアあるの?」
『逆に、あんな大きな製鉄所見てここにコアが無いと思う?』
「……」
嫌でも視界に入る黒の塊。この都市の中央にある巨大な製鉄所だ。
(こんな大きい必要あるのかな……)
『まぁ、探してみてよ。絶対あるから』
「あぁ……」
レドは製鉄所目掛けて歩き始めた。途中、売店のような建物や、マンションのような建物、鉱石を運んでいたであろうトロッコのレールも見えた。
「本当に暑い……ここで働いてた人達大丈夫だったの?」
『保険は充実していたらしいし、十分な休憩や、製鉄所内は常にガンガン冷房効かせて暑さを和らげてたみたい……って、過去のインタビュー記事に書いてあるのを見つけたよ』
「……なるほど。ホワイトだったんだ」
『そうだね。じゃなきゃこんな環境で働く人居ないと思う』
そんなやり取りをしながら、製鉄所の入り口に到着する。
「ん……!?」
『どうしたの、レド』
「いや、ここ入り口がタッチパネルでの開閉なんだけど」
『あぁ、ついてないか』
「逆。ついてる」
『え?』
レドが液晶に触ってみると、ちゃんと反応した。
『ははぁ……なるほど。火山が近いから、万が一噴火しても壊れないように相当頑丈に作ったんだね』
「なるほど。だからか……」
『エネルギー供給が絶たれて無いなら中はきっと快適だよ。早く入ろう』
「そうするつもりだ!」
レドは端末を操作し、入り口を開けた。そして意気揚々と中に入る。
「ァ暑っっっつ!!!!!??」
そしてすぐさま飛び出してきた。
『全部生きてた訳じゃない、か……一番生きてて欲しかったやつが死んでたね』
「どうすんのこれ……」
『どうしようか……見た感じ、溶岩は製鉄所の中にも引いてある。だから熱がこもって大変な事になってるね。蓋をしたフライパンの中に入るようなもんだよ』
「入ったらこんがり、か……。あ、そうだ。ジェネ、今からビーコン立てるから、偵察機送ってよ」
『探るだけ探ってみるってことね。了解、すぐ送るよ』
レドはビーコンを立ててその場で待機した。少しして、ビーコンの元にラジコン型の偵察機が送られてきた。
『一応耐熱テストはクリアしてるけど、もしかしたら熱でダメになるかも。そうしたら……諦めて』
「わかった」
コントローラーの画面に映し出された映像を見ながら偵察機を操作する。中は広く、様々な設備が並んでいる。
「どこかに扉とかないかな……」
『あったとして、開けれるのかな? かなり熱されてると思うけど……』
「……あ」
室内は異常な暑さ。壁も床も全てが熱されているため、触れることすら叶わないだろう。
「無理だね……」
『でしょ? 高性能な防熱スーツが無きゃ探索は無理だよ』
「……用意できたりは?」
『材料が足りない。作れたとしても、耐熱テストとかしなきゃならないから、試作品もいくらか作らなきゃならないし……』
「つまり、この中は無理……と」
『うん。諦めて』
レドは偵察機を製鉄所に外へと操作した。
『触らないでよ? かなり熱されてるから』
「わかった」
ビーコンの側まで誘導すると、ジェネが操作したのか、勝手に転送されていった。
『さて……じゃあ他を探すしかないね』
「そうだね……頑張るか」
レドは水を飲んでから立ち上がり、街の探索を再開した。
街の中はくまなく探索をした。入れる建物の中は中まで調べ、外もトロッコのレールを頼りに洞窟の中まで探索した。しかし、今行ける範囲でコアを見つけることは出来ていない。
「……最後はここか」
レドは街の外れにある洞窟の前で呟いた。
『ここ、なんで最後にしたの?』
「……今まで見てきた洞窟は全部レールが敷かれていた。でも、ここは敷かれていない。って事は、採掘には使われていなかったんだと思う」
『なるほど。だったらコアの保管場所なんじゃないかって事ね』
「そういう事」
洞窟の中へと歩みを進める。しばらくは岩に囲まれた空間が続いていたが、その最深部には扉があった。
『こーれは……怪しいねぇ』
「だね。行こうか」
レドは機械刀で扉を壊し、中に入る。扉の奥には、さらに深くに続く階段がある。
「……よし」
意を決して階段を下る。しばらく歩いていると、何か機械が動くような音が聞こえる。
(なんの音だ……これ)
警戒しながら進むと、光が見えてきた。まだ電力が生きているようだ。
「な……」
『こ、これは……』
辿り着いた空間は、鉄の壁に囲まれており、道がいくつかに分岐している。そう、そこは鉄の壁に囲まれた迷路だった。