荒廃世界の旅人   作:よっしー希少種

17 / 19
ノーフィス 市街地探索記録

『……という訳で、ポーチに勝手に忍ばせたそれが、コア探知機試作型って訳』

「はぁ……」

 

 再びノーフィスの探索を始めるレドに、ジェネはコア探知機の説明をしていた。

 

『電源を入れれば、コアの大まかな位置が画面に映し出されるよ。コアは丸で示されるから、その丸が画面中央に来るように動いてみて』

「わかった。けど……」

『ん、どうしたの?』

「なんでシェルターに居るうちに説明しなかったの?」

『…………レドのポーチに忍ばせた事すら忘れてて』

「あぁ……そういう事」

『そういう事。ごめんね』

「大丈夫。気にしてない」

 

 レドは探知機の電源を入れた。まだ反応は無いようだ。

 

『広範囲を探知は出来ないから、とりあえず歩き回ってみて。近くにある時は音で知らせてくれるから』

「わかった」

 

 レドは探知機をポーチにしまうと、街の中を歩き始めた。

 しばらく彷徨っていると、ポーチの中から音が鳴った。

 

『近いかも。画面を見て探してみて』

「わかった」

 

 探知機を取り出し、画面を見てみる。画面右上に黒い点が映し出されている。

 

(これが真ん中に来るように、か……)

 

 画面の情報を頼りに、レドは街の中を歩いた。やがて、点が動き出した。かなり近くにあるようだ。

 

「……ここにあるの……?」

 

 画面の中央には黒い点がある。そして今レドが立っている場所は、大きな木の前だ。

 

『地下……なわけないよね。木の下なら、根っことかあるし部屋は作れないはず』

「……って事は」

『掘る、しかないね』

「えぇー……」

『大丈夫。一緒に掘るからさ。道具は持ってくよ』

「助かる……」

 

 レドはビーコンを立てて、ジェネの到着を待った。

 

 

「お待たせ。さぁ、掘ろうか」

「……これで?」

 

 ジェネが持ってきたのは、家庭菜園で使うような小さなシャベルだ。

 

「レド、コアはかなりデリケートなんだよ。もしスコップで豪快に掘って壊したりしたら、僕達はあの扉の向こうに行けなくなる」

「デリケートな物体ならそのまま埋めたりしなくない? 箱に入れたりしない?」

「念には念を、だよ」

「むぅ……」

 

 ジェネはしゃがんで木の下を掘り始めた。レドは小さくため息をつくと、ジェネと一緒に地面を掘り始めた。

 

 

 数時間後……

 

「お、これかな?」

 

 ジェネのシャベルが、何か硬いものにぶつかった。少し土を払ってみると、銀色の物体が姿を現した。

 

「なんだ。箱に入ってたみたいだね。よし、この箱掘り出そう」

「あーい……」

 

 二人は箱の周りの土を取り除き、箱を取り出す。動かすと、カラカラと中で何かが動く音がする。

 

「開けるよ……」

「うん……」

 

 ジェネが箱を開けてみると、中には青色の球状のコアが入っていた。

 

「よし、確保したね!」

「うーん……」

 

 レドは釈然としない表情を浮かべていた。

 

「どうしたの?」

「いや、最後のコアがこんな簡単でいいのかなって……」

「最後ほど難しくなるなんて事もないからね。そんなの、ゲームの中だけだよ」

「それもそっか……」

「楽に手に入るならそれに越したことはないよ」

「……だね」

「そういう事。よし、じゃあ帰ろっか」

「うん!」

 

 二人は順番に転送されて、シェルターへと帰還した。

 

 

「明日……あの扉の先に行こうか」

「うん。いよいよだね」

 

 二人は寝る前に雑談をしていた。内容は勿論、シェルターの深部についてだ。

 

「何があるんだろうね……何か面白い物だといいなぁ」

「エンジンルームみたいな、そんな感じの部屋に繋がってるだけだったりして」

「む…………その可能性もある?」

「あるよ。厳重に閉じられてるんだよ?」

「そっか……」

 

 二人の間には和やかな雰囲気が漂っていた。

 

「ま、それも明日わかることだし、疲れを持ち越さないために今日は休むよ」

「うん。僕も今日は早く寝るつもりだよ」

「それがいいよ。じゃ、また明日の朝ね」

「うん! おやすみ、レド」

「おやすみ、ジェネ」

 

 レドはジェネに軽く手を振ると、自室へ向かった。ジェネはレドの足音が聞こえなくなると、窓の外を見て小さくため息をついた。その表情には、不安の色が見える。

 

「……明日…………どうなるのかな」

 

 空には綺麗な月と星が浮いている。ジェネはしばらく夜空を見上げ、星を眺めていた。




某宝探しゲームで、重要アイテムがサクッと手に入ったりしたので、こういうのもありなんだろうなぁと

決してネタ切れとかソウイウノデハナイデスヨー
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。