荒廃世界の旅人   作:よっしー希少種

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すみません。新天地での狩りが楽しすぎて全く書いてませんでした


ショッピングモール地下駐車場深部探索記録

 人が一人通れるような狭さの螺旋階段を下る。足を滑らせないように足元を見ながら、ゆっくりと下る。

 

(どこまで続いてるんだろ……)

 

 やがて、階段の終わりが見えてくる。おおよそショッピングモールという賑やかな場所の地下にあるとは思えないような空間にたどり着いた。

 

「なんだここ」

『格納庫……かな』

 

 綺麗な壁と天井。その先には横に開くであろう扉が見える。

 

『これは……多分近くの機械で開くやつかな』

 

 扉の近くに、タッチパネルが付いた機械があるのが見える。が、当然タッチパネルは消えている。

 

「……力ずく?」

『それしかない……』

 

 レドは機械刀を扉の隙間に差し込み、てこの原理を使って無理矢理こじ開けた。あまり開かなかったが、子ども一人なら問題無く通れそうだ。

 

「よいしょ……。うわ……」

 

 扉をくぐって即目についたのは、壁際に並んで立つ無機質な人影。それがロボットだと気付くのに時間はかからなかった。

 

「なんだ……ロボットか……」

『なるほど。確かに、防犯の為に警備用の無人ロボットを配備してるって記録があるよ。多分それだろうね』

「警備用の……へぇ」

 

 扉の向こうの空間の更に奥に進む。並んだロボット達が動くことは無いのはわかっているが、それでも不気味な事に変わりはない。

 

「おぉ? なんか光ってる」

『光ってる?』

 

 部屋の奥の方に緑色の光が見えた。近付いて見てみると、ガラスケースの中に緑色の三角形の物体が置いてあるのがわかる。

 

「なんだろうこれ。宝石……にしては人工物感があるな……」

『……待って、それ……もっと近くで見せて』

「え……こう?」

 

 レドはガラスケースに触れるか触れないかの近さまで顔を近付けた。

 

『あぁ……間違いない。これがこの施設のコアだ』

「施設のコア?」

『このショッピングモール全体にエネルギーを供給していた物体だね。まだ生きてるって事は、回線が壊れてただけだったんだ……』

「はぁ……」

『で……それ持ち帰ってこれる?』

「なんで」

『なんでも』

 

 この建物のコア、なんて言われたから、持ち出して良いものなのか、持ち出したらどうなるのかが不安で手を伸ばせなかった。

 

『大丈夫大丈夫。誰も何も言ったりしないから。ちょっとそれを解析したいだけだからさ』

「……わかったよ」

 

 レドは機械刀でガラスケースを叩き割った……次の瞬間だった。いきなり部屋の明かりが点き、サイレンが鳴り始めた。

 

「なななななんだぁ!?」

『うわ……想定外だよ。まさか防衛システムが生きていたなんて……』

「どうすればいい!?」

『早くその部屋から出て!』

 

 レドは出口に向かおうと振り向いたが、扉の方を見た時には既に扉は閉まっていた。

 

「う……そんな……」

 

 左右から聞こえる機械音。さっきまで佇んでいた警備用のロボットが起動し始めた。

 

「やばいやばいやばいどうする!?」

『戦うしかないでしょ!!』

「無茶言うな!」

『暴走したロボット斬ってたじゃん!』

「それとこれとじゃ訳が違うって!!」

 

 ロボットの頭が一斉にレドの方を向く。レドを排除する目標として認知したようだ。

 

『レド、あのロボットはあくまで警備用。量産のコストも考慮してか、戦闘能力はあまり高くない』

「……本当?」

『うん。ただ、左腕の大砲から放たれる捕縛弾には注意して。粘性の高いネットに捕まれば簡単には抜け出せないから』

「……わかった」

 

 レドは機械刀を構えた。周りにいるロボットは目視できるだけで十体。

 

(同士討ちも狙わないとキツいかな……でも、相手は所詮AI。上手く誘導すれば……)

 

 ロボット達の左腕がレドの方を向く。直後、捕縛弾が放たれた。

 

(……大丈夫!)

 

 弾の隙間を縫うようにかわし、一体のロボットに近付く。

 

「はっ!」

 

 そして股下を潜りつつ脚を切断。倒れたところに機械刀を突き刺した。

 

(やっぱこのタイプのコアはここか……)

 

 振り下ろされる腕を横にかわし、その腕を踏み台にして跳躍、コアの辺りを大きく斬った。

 

『順調だね。いいよ!』

 

 相変わらず数は多いが、連携をとるようなプログラミングがされていないのか、レドが誘導するまでもなく、相討ちをする機体もあった。

 

「AI、結構馬鹿だな」

『集団戦は想定されてないのかもね』

 

 同士討ちにより倒れた機体のコアに機械刀を突き刺し、沈黙させる。その後もロボットのコアを正確に斬り、次々と沈黙させていった。

 

「ラストだ!」

 

 攻撃をかわし、最後の一機のコアを斬る。ロボットはゆっくりと活動を停止し、倒れた。

 

「ふぅ……意外とできるもんだな……」

『お疲れ、レド』

「ん、ありがとう」

 

 レドは機械刀を鞘に収めると、施設のコアに近付いた。

 

「これ、触れて大丈夫?」

『大丈夫。………………多分』

「おい!」

『多分絶対に大丈夫!』

「どっちだよ……!」

 

 レドは恐る恐る手を伸ばし、指先で一瞬触れた。何も反応が無いことを確認すると、そっと手に取った。すこし暖かく、驚く程軽い。サイズも手のひらに収まるサイズで、これがこのショッピングモールの全エネルギーの源だとは信じられないくらいだ。

 

「これ……持ち帰ればいいんだよね」

『うん。お願い』

 

 レドはポケットにコアを入れると、部屋を出ようと歩き出した。

 

『あ、レドストップ』

「何?」

『今から飛ばす(・・・)から、じっとしててね』

「は? どういう意味……」

 

 直後、視界が一気に歪み、謎の浮遊感に襲われた。

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