「めぐみん?今日はおかわりが多いな。これでもう四杯目だぞ。そんなに私の料理が美味しかったか?」
ダクネスからご飯のおかわりを受け取っためぐみんは、カバのように口を開けてごはんを流し込む。
「めぐみんの食べる量が増えたのはいつもの事だろ。ダクネスの料理もいつも通りの味だしな」
もっとも、もう少し女の子らしく食べて欲しいのだが、一体どうしたことだろう?
そう思っているとダクネスが俺の言葉に。
「いつも通りとはなんだ。美味しいのか不味いのかもっと踏み込んだ感想をだな……」
「普通」
俺は率直な感想を述べるとダクネスは少し不機嫌な様子で溜息をついた。
「ダクネスの料理は美味しいわよ。私が保証するわ!今日の残り物を酒場でおすそ分けしたいくらいにね!もちろんお客からお代はいただくわよ。それで美味しいと思ってくれた人にはこれに名前を書いてもらうの」
ダクネスのフォローに入ったアクアがどこからともなく取り出したのは例の入信書だった。それを見たダクネスは急に立ち上がり。
「そんなものをセットで配らないでくれ!きっと誰も美味しいと言ってくれなくなるに決まってるゥ!」
ダクネスはそう言いながらテーブルに両手をバンと叩いて身を乗り出し、半泣きになりながら喚いた。
「しかしホントよく食うなめぐみん。その細い身体のどこにその量が入っていくんだよ」
俺たちのやり取りすら目向きもせずにするするとご飯を通すめぐみん。
これほど食べているのにつまめるような腹の肉は一切ついていない。ほぼ毎日めぐみんの身体を見ているが、体型に変化は見られない。一部を除いて。
「ホントよく食べるわよねー。いつもなら明日の朝ご飯は残るのにもう空っぽよ。明日の朝ご飯は私よね? 後でまた炊いておくけれど、カズマさんは明日の朝は食べるの?」
釜から空になった熱々のジャーを何の躊躇いもなく取り出し、アクアは俺に聞いてきた。
「俺はいいや、明日も昼まで寝る予定」
すると口の中を綺麗にしためぐみんは、ようやく口を開けた。
「ご馳走様でした」
お腹に手を当ててふぅと一息つき。
「私の体は食べれば食べるほど贄が血肉となって成長させるのです。そう、今の私は成長期なのです!」
「成長期ねえ。あとでどこが成長期してるのかいろいろ確かめさせてもらうからな」
「「え!?」」
「あっ……」
うっかり口を滑らせてしまった」
「カズマ!みんなの前でそういうことを言うのはナシと言ったじゃないですか」
「悪かった。だがここはどうにか誤魔化すぞ」
このやり取りを怪訝な目で見るアクアとダクネス。
「カズマ。今のセクハラ発言はないと思うの。
今まで気付かないフリをしていたけど、夜に二人でイケナイ事してるのは知ってるのよ。この際だから聞くけど、二人は付き合ってるの?」
俺たちは付き合ってるのだろうか?
お互いに好意を伝えてる。手も繋いだ。両親の紹介も、一緒に風呂にも入って、一緒に寝て、キスまでした。
「お、おいアクア、その辺にしておかないか、二人のことは二人に任せるべきだと思うんだが」
「それもそうだけど……見ていてモヤモヤするのよ。それとも二人は子供が出来るまで関係を隠し通すの? こういうのはハッキリさせておいた方が二人のためよ」
「待ってください!アクアまずは落ち着いてください。私とカズマはまだそんな関係じゃ……」
「えっ……」
「え?じゃないですよ、ここは誤魔化してください」
「あっアクア!今日の食器洗い当番はアクアだろ?私が食器を運ぶから」
「ちょっとダクネス! ねえめぐみん、カズマと夜に遊ぶのは良いけどもう少し静かに遊んでって……ダクネスそんなに強く押さないで!」
「邪魔したな二人とも、ここは片付けるから二人は部屋に戻ってゆっくりしててくれ」
「お、おう、悪いな……。 めぐみん?今度から声出すときはもっと絞っていこうな」
「はい……」
俺はめぐみんの肩を押してそのまま部屋に入っていった。