機動戦士ガンダム U.C.0090~Fact or Fiction~   作:折井昇人

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エピローグ

 作戦終了から数時間後。

 コネリー小隊のジーラインMk-Ⅱスタンダードアーマー、ライトアーマーはレイケリーで損傷した箇所の修理や武装の補充、推進剤等の補給を行った後、コロンブス級オアシスとの合流ポイントまで機体で動くことになっていた。

 その準備が整うと、レイケリーのブリッジに格納庫からコネリー小隊の通信が届いた。ブリッジにはガーナー小隊全員がいる。ブリッジ上部のモニターには、マーク、レイリーとディーマが映っていた。ディーマはどうやらレイリーのライトアーマーに乗っているようであった。

『ウェルディ・ガーナー少佐、今回は本当に助かりました。あなた方がいなければ、今頃どうなっていたことか』

 そう言って、マークは頭を下げた。

『全くです。このデール中尉もそう言ってます』

『ちょ、ベクター中尉!? 僕はそんなこと一言――』

『うるさい』

 レイリーは頭を下げながら、無理矢理ディーマの頭を手で下げさせる。

 その光景に、レイケリーのブリッジで笑いが上がった。

「こちらも、世話になった」

 ウェルディがマークと同じように頭を下げ、感謝する。

「今度はゆっくりした時に来てくれ。あんなんじゃあんたらの機体をじっくりと拝むことも出来ない」

『また来る時があれば、その時もこんな感じだろう』

「ちぇ」

 エデルは相変わらずの調子であった。

『時にルラン少尉』

マークに呼ばれ、ルシェートは「はい」としっかり返事をした。

『君には最後の戦いで、本当に助かった。ありがとう』

「いえ、結局機体はボロボロなので、何とも……」

 褒められたものではないと思っていると、レイリーがマークを呼ぶ。

『そろそろ行かなければ』

『そうだな。ではレイケリーの皆さん、お元気で』

 格納庫からジーラインMk-Ⅱライトアーマーが出て来て、カタパルトで発進する。

 ジーラインMk-Ⅱスタンダードアーマーがカタパルトへ移動している途中だった。マークから再び通信が入った。

『ルラン少尉、一つ言い忘れていた』

「俺に? 何でしょうか?」

『これからは、良い嘘を吐いていくことだ』

 それだけを告げて、マークのジーラインMk-Ⅱスタンダードアーマーは発進していった。

 すぐに二機とも見えなくなった。

「良い噓、なぁ」

 ルシェートがそう呟くと、何故かエデルがにやにやしながら近づいてきた。

「何ですか中尉、何か気色悪いですよ」

「良い嘘、パルシェ少尉に吐いてやれよ」

 その言葉の意味はすぐに分かった。アンナもそうなのだろう、通信席から勢い良く立ち上がっていた。少し顔が赤い。

「ちょ、中尉、何言ってるんですか! こいつがそんな嘘――」

 ルシェートも、アンナを気にしていないわけではない。というか、気にしないでいられるほど、男を捨てているわけではない。だからだろう、自分の顔が少し熱く感じられるのは。それに、アンナと視線も合わせられないのは、そういうことなのだろう。

「……したら駄目なのか?」

 ようやく勇気を振り絞って、チラッとアンナを見ることが出来た。こんなにもアンナを気にしたのは初めてだった。

 そのアンナの表情も赤かった。

「も、もういい!」

 アンナはそう言って、強く床を蹴ってブリッジから出て行った。

「若いな」

「ええ、若いもんです、全く」

 その光景を見ていたコングロット艦長とウェルディは、何故なのか、どこか羨ましそうな声色であった。

 ルシェートは、アンナが去って行った方をジッと見つめながら呟いた。

「先行き不安だな、こりゃ」

 言葉とは対照的に、その声は、どこか明るく弾んでいるようであった。

 

 

 

END

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